毎日王冠にトライ。そろそろ当てとく?と言いたい所ですが、外れを恐れず行きましょう。
レース概要・分析結論
【概要】
■例年4回東京2日(開幕週)に行われ、馬場はAコース。4回東京は6月末まで行われた3回東京の後、3ヶ月の間隔を開けて行われる。
■フルゲートは18頭で斤量は別定3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減。GⅠおよびGⅡでの戦績によっては斤量が増加される。1着馬には天皇賞秋への優先出走権が与えられる。
【結論】
■以下に示すようにマイル重賞で好走歴のあった馬が多く好走している一方で、2000m以上に好走歴が集中した馬が凡走人気馬となっており、中間の距離の1800mのレースではあるものの、東京の開幕週で行われる本レースでは2000m以上のレースへの適正よりマイル指向のスピード能力(先行力や瞬発力)が要求される
(好走馬例)
2020年:1人気1着:サリオス:朝日杯FS1着
2021年:1人気1着:シュネルマイスター:NHKマイルC1着, 安田記念3着
2021年:2人気2着:ダノンキングリー:安田記念1着
2022年:1人気1着:サリオス:朝日杯FS1着, 香港マイル3着, 安田記念3着
2022年:4人気3着:ダノンザキッド:マイルCS3着
2023年:1人気2着:ソングライン:NHKマイルC2着, 安田記念1着×2, VM1着
2023年:2人気3着:シュネルマイスター:NHKマイルC1着, 他マイルGⅠ3着以内×4
2024年:4人気2着:ホウオウビスケッツ:東京新聞杯3着
2024年:5人気3着:エルトンバローズ:マイルCS4着
(凡走馬例)
2022年:2人気4着:レイパパレ:デビュー3戦目以降マイル以下出走経験なし
2024年:3人気7着:ヨーホーレイク:マイル以下出走経験なし
2024年:2人気10着:ローシャムパーク:マイル以下出走経験なし
■道中のペースが比較的流れた2020年〜2022年の3年(入りの3Fが34.8以下, 5Fが58.5以下)ではいずれも上がり最速を使った馬が優勝しており、一方で、道中のペースが比較的緩んだ2023年, 2024年の2年(入りの3Fが35.3以上, 5Fが59.4以上)ではいずれも4角4番手以内の馬が優勝している、以上から、道中のペースが締まると予想すれば速い末脚を使えるタイプの評価を上げ、一方で道中のペースが緩むと予想すれば(直線でもある程度末をまとめられる)先行馬の評価を上げる方針とされたい
■また、過去5年で最もスローペースだった2023年には、速い末脚を使えるマイルGⅠ馬だった人気の2頭が直線で進路をスムーズに確保できず、差し遅れる形で2, 3着しており、スローペースでは上がりの差で前を飲み込める可能性がある一方で、馬群が凝縮し先行馬にも脚が残っていることで差し馬が直線で詰まるリスクが高まることやスローペースではより隊列予想の重要度が増すことを認識したい
■明確な枠の有利不利はなく、近年は平均して出走頭数が多くないことや、直線が長いため、コーナー部分である3角から4角でペースが特段速くなる展開になりづらいことが要因と考えられる
過去レース分析
【入り3F5F、上がり3Fの平均】
過去5年:35.0 – 58.7 – 34.4 (後傾0.6)
ー 良馬場4年:35.2 – 58.8 – 34.2 (後傾1.0)
ー 道悪1年:34.5 – 58.0 – 35.4 (前傾0.9)
2020年
34.5 – 58.0 – 35.4(前傾0.9):1:45.5(稍重):11頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:4番目に多い
入りの3F:同率で最も速い
入りの5F:2番目に速い
上がりの3F:最も遅い
勝ち時計:最も遅い
■過去5年で唯一の道悪の中前の2頭は飛ばして6着, 7着だったように少しオーバーペース気味だったが、3番手以下は離れており手元での計測で3番手以下は36.0 – 59.3 – 34.4程度のラップタイムだった
■メンバーには追加で斤量を背負わされる馬がおらず、1人気が1.3倍/2人気が8.2倍で共に3歳馬と古馬が低調なメンバー構成だった
■3番手以下は平均程度のペースだったことと道悪で時計がかかり比較的末が削がれるような馬場だった影響で、圏内は前で飛ばした2を除く形で4角で3-5番手の馬が独占しており、やや先行馬有利だった
■3番手以下はミドルペース×末の削がれる道悪でやや先行馬有利などのバイアスはあったが飛ばす先行馬2頭から3番手以下が離れる隊列を予想するのは難しく、1.3倍の1人気馬が優勝し2-5着が0.2秒と僅差に収まっていたように的中はかなり難しかった印象で、同様に難しいと判断した際には購入頭数を減らせる券種や見による回収率100%も検討が必要か
【好走馬】
■1人気1着:7枠9番:牡3歳:サリオス:ハーツクライ×ドイツ系欧州型:前走ダービー2人気2着:54kg
・東京ではサウジアラビアRC1着、ダービー2着などの実績があり、キャリア5戦3勝でコントレイル以外には負けておらず、ここでは1.3倍の1人気だった
・外枠からスタートすると出て行って中団前目の外を単独に近い形で追走した、道中は前に2着馬を見る位置で折り合って追走できていた、勝負所ではスムーズに馬なりで進めるとまわりに馬も少ない状態のまま中団の内目から直線へ、直線では軽い手応えで伸びると残り200mでは先頭に立って抜け出して3馬身差の完勝、上がりは最速の34.1だった
・ここでは力も実績も違った上、追加斤量のない3歳馬54kg、不利の起きる可能性の少ない少頭数×外枠と買い要素は多かった
■4人気2着:5枠5番:セ6歳:ダイワキャグニー:キンカメ×SS:前走エプソムC(不良)9人気1着:56kg
・東京では前走の重賞制覇のほか、1800mや2000mのOPやLを先行して優勝した実績があった
・中枠からスタートすると押して出して行ったが、自身の内と外から速い馬が2頭おり控えて2番手から離れた3番手を追走した、道中は終始勝ち馬にマークされる形になっていた、勝負所ではまわりに馬がいない状態で単独でスムーズに進めると3番手から直線へ、直線では少し外へ出されて残り400mから追い出されると残り200mで前の2頭を交わしたが、同時に外から勝ち馬に交わされたラストは3-5着馬が外から迫ったがなんとか凌いで2着
・評価できる東京実績があった他、道悪で末が削がれて先行馬に展開が向くと判断すれば評価できたか、とはいえ飛ばして逃げた2頭が後続を離す展開を読むのは簡単ではなかった
■5人気3着:6枠7番:牡5歳:サンレイポケット:欧州型×米国型:前走新潟記念5人気3着:56kg
・東京では前々走に不良馬場の2400m3勝クラスを勝ったレースしか出走経験がなかった、これまでは後方から差す競馬をしていたが、1年以上ぶりの1800m以下のレースとなったここでは、距離短縮にも関わらずある程度ポジションを取っての競馬ができていた
・中枠外目からスタートすると押して出して行って勝ち馬をマークするように中団の外を追走した、序盤に出して行ったが道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り4Fから徐々に促されて中団の外になって直線へ、直線では勝ち馬の外から追われると左ムチを入れられて外へ行きながら伸び、ラスト150m付近からは右ムチを入れられさらに伸びての3着、2着とはタイム差なしのハナ差で、早めに右ムチで追っていれば2着はあった可能性も、上がりは3位で34.4
・3勝クラスの勝ち上がりが道悪の2400mだったように開幕週の東京で評価するのは簡単ではなかったが、ここも道悪で過去5年で最も勝ち時計が遅かったように時計のかかる決着になったのがプラスだった印象、それまで1800mよりも長い距離で後方からの競馬をしており、このタイミングで中団のポジションを取って競馬をするのを予想するのは難しかった
【凡走人気馬】
■3人気5着:4枠4番:牡4歳:ザダル:ディープ系×米国型:前走新潟1800m関越S(OP)1人気1着:56kg
・東京では1800-2000mのOPやLで好走した実績があり、前走は新潟1800mのOPを14頭立てで5番手追走から上がり最速32.8で0.5秒差で優勝していた
・内目の枠からスタートすると出て行って中団のインで右前に勝ち馬を見る位置を追走した、道中はしっかり折り合って追走できていたが、外に馬がおり馬場の悪い所を走らされていた、勝負所でも内目の進路のまま中団のインから直線へ、直線では1, 2着馬の通った進路をスムーズに追われたが伸ばしきれず2着から0.2秒差の5着まで
・レース後に鞍上は「いい位置だと思いましたが、直線の動きが渋くなりました。馬場の影響でしょうか」と馬場の影響について言及していた
・前の2走は上がり33.2, 32.8の上がり最速でOPを好走していたがここでは上がり4位の34.5と伸ばしきれなかった形で、道悪の時計のかかる馬場で良さができらないと見て多少評価を落とせたか、2着から0.2秒差では凡走とも言い切れない結果
■2人気10着:7枠8番:牡3歳:サトノインプレッサ:ディープ×米国型:前走ダービー9人気4着:54kg
・東京ではダービーを中団後方から上がり3位で4着の実績があった、デビューから5戦全てで遅いもしくは出遅れでのスタートであり、ここでも大きくあおって出遅れた
・外目の枠から大きく立ち上がるように出遅れると後方の外を追走した、道中は少しだけ行きたがっているように見えたが折り合いの中ではあった、勝負所では残り4Fから少し手綱を緩めて進出を開始すると後方の外になって直線へ、直線では全く伸ばせず10着敗戦
・レース後鞍上は「元気は良かったです。出遅れましたが、その後は道中ムキにならず良い感じでした。ただ直線で追い出すと反応がなく、のめる感じでした。重馬場はこなしていたので、大丈夫と思っていましたが、馬場を気にしたのか伸びませんでした」と馬場について言及していた
2021年
34.8 – 58.5 – 34.6(後傾0.2):1:44.8(良):13頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:2番目に多い
入りの3F:3番目に速い
入りの5F:3番目に速い
上がりの3F:4番目に速い
勝ち時計:2番目に速い
■レースは大外枠から逃げた馬が道中を引っ張る展開で、序盤3Fを飛ばして入ると、その後は11.9 – 11.8 – 11.7と緩み切らないラップを入れた、ラストは残り3Fから0.4加速して11.3 – 11.4 – 11.9とゴールへ失速する展開
■出走馬中2頭しかいなかったマイルGⅠ馬かつ斤量+2kgの組でのワンツー決着で、道中がある程度持続的に流れてラストはゴールへ失速するラップになったことで純粋な地力が問われた印象、人気や着差からも2頭が能力的に抜けており、馬連3.5倍を中心に馬券を検討したかった
■道中が緩まないラップになると馬群は縦長になるため、直線が長いのも相まって枠の内外の有利不利は大きくない(特に10頭そこそこの少頭数では)
■勝ち馬は2位より0.5秒と圧倒的に速い上がり最速を使って差し切っており、東京1800mの開幕週に行われるGⅡなだけあっていわゆる鋭い末脚が他のレースと比較しても存分に生きる舞台である
【好走馬】
■1人気1着:1枠1番:牡3歳:シュネルマイスター:欧州型×欧州型:前走安田記念4人気3着:56kg(+2kg)
・NHKマイルC1着で斤量は+2kgの56kg、東京では前走にも安田記念3着とマイルGⅠでの好走歴があった
・最内枠からスタートすると直後にバランスを崩したことで後方のインを追走した、勝負所では3角から進路を外に取って残り4F手前から少しずつ促されると後方から馬群を突くように直線へ、直線では進路を求めて少しだけ外へ出されると残り400mから進路を確保して追い出された、ラストはじわじわと脚を伸ばしてくると2位より0.5秒速い上がり最速でアタマ差差し切って優勝
・3歳馬で安田記念を好走するなど能力的に上位なのは明らかで、外枠の逃げ馬が道中のラップを引き上げて地力が求められる展開になることを読めていれば評価できた
■2人気2着:5枠7番:牡5歳:ダノンキングリー:ディープ×StormCat:前走安田記念8人気1着:58kg(+2kg)
・前走の安田記念勝ちで斤量+2kgの58kg、東京では共同通信杯、ダービー、毎日王冠、安田記念と多数の好走歴があった
・中枠から駐立が悪いまま1歩目を踏み出した影響で出遅れて後方を追走した、道中には残り1200m手前で意識的に外に出され外から番手を上げて3角では中団の外を追走していた、勝負所では縦長だった馬群の好影響もあり内から2頭目付近をまわってポジションを上げると中団前目の外になって直線へ、直線では前に馬がおらずスムーズに追い出されると残り200mで先頭に立ったがゴール前で勝ち馬に交わされて2着まで
・出遅れで勝ち馬からは半馬身ほどロスしており、出遅れがなければというレースだった、ここは1.2着の着順を当てにいくのではなく2頭が抜けていると判断して馬連3.5倍で勝負したかった
■4人気3着:4枠5番:牡4歳:ポタジェ:ディープ×米国型:前走新潟大賞典1人気2着:56kg
・東京では3歳時にプリンシパルS(L)2着、約8ヶ月前に白富士S(L)1着など2000mのL競走でいずれも上がり2位以内での好走歴があった
・中枠内目からスタートすると少し出していって中団前目のインを追走した、勝負所では終始最内を追走していたが、残り4Fから少しずつ外へ進路を取って残り3F手前から早めに追い出されると前から3列目内から2頭目になって直線へ、直線ではラストまで脚を使って伸ばすと自分より前の組は交わしたが、上位2頭には交わされて2着から1馬身半差の3着まで
・東京でのOP好走歴や近走の重賞での好走など評価できる点はあったものの、道中が持続的に流れて前後の位置取りを問わず力が試される展開になることを読めていれば相手で拾うよりは抜けた2頭で勝負する馬券の方が期待値は高かったか
【凡走人気馬】
■3人気8着:8枠12番:牡5歳:ヴァンドギャルド:ディープ×欧州型:前走ドバイターフ4人気2着:57kg(+1kg)
・前年の富士S勝ちで斤量は+1kgの57kg、東京では富士Sの他に3勝クラスを1800mで勝った実績もあった、ドバイターフから6ヶ月半の休養明けだった
・外枠からスタートすると枠なりに中団の外目を追走した、道中は少し口を割るような形で引っ掛かり気味だった、その後は3角までに2着馬がポジション押し上げてきてその後ろでマークするような追走となった、勝負所では中団後方で2着馬を追いかけるように追走しそのまま直線へ、直線では2着馬の後ろで追われたが反応できず9着敗戦
・レース後鞍上は「480kgということで、動き切れず伸びきれませんでした(480kgは過去最高馬体重)」とコメントしており、秋初戦で休み明けの馬も多いため、休み明けで太めの段階からパフォーマンスを出せる馬かどうかは過去の成績などを注視されたい
・勝利した富士Sは雨の影響残る良馬場での大きな前傾ラップで展開が向いた気もあった
2022年
34.5 – 57.9 – 34.4(後傾0.1):1:44.1(良):10頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:最も少ない
入りの3F:同率で最も速い
入りの5F:最も速い
上がりの3F:3番目に速い
勝ち時計:最も速い
■レースは雨の降る良馬場の中、引っかかって逃げた馬の影響で3Fをハイペースで入ると600-1200mも11.7 – 11.7 – 11.8と緩まり切らない展開、ラストは残り3Fから0.5加速して11.3 – 11.3 – 11.8と伸びてラスト1Fを落とすラップ
■1着馬サリオスは前走の安田記念を上がり33.0で3着、2着のジャスティンカフェは2走前の東京1600m3勝クラスを上がり32.6で1着、3着のダノンザキッドは前走の関屋記念を上がり32.6で3着と、馬券圏内馬はいずれもマイルで鋭い末脚を使えるタイプで、ここは同率で上がり最速の2頭でのワンツーだった、開幕週の東京で行われる本レースは鋭い末脚を伸ばせる馬には国内でこれ以上ないほど向く舞台であり、この手の有力馬が人気するのは舞台を問わず常だが、本レースでは普段以上に評価を上げる必要がある
■反対に凡走人気馬となったレイパパレは大阪杯を2年連続で先行して好走するなど、2000m以上の内回りでの立ち回りを含めて評価したかったタイプで、末脚が鋭い部類ではなかった、スローペースになれば4角での位置取りを活かせる展開にも警戒が必要だが、本年のように道中のペースが流れると想定した場合には末脚を伸ばせるタイプを評価したい
【好走馬】
■1人気1着:3枠3番:牡5歳:サリオス:ハーツクライ×ドイツ系欧州型:前走安田記念8人気3着:56kg
・東京では2年前の毎日王冠優勝や前走安田記念3着など好走歴があった
・内枠からスタートすると馬なりで出て行って中団のインを追走した、道中は3角の入りで外に出そうとしたがルメールに締められて中団のインで勝負所をまわりそのままのポジションから直線へ、直線では馬群を突くような進路取りで前が開かなかったが残り200mで進路を確保すると伸びて抜け出して上がり最速で優勝、レコード決着
・リピーターで適正も文句なく、前走安田記念で好走しながら追加斤量なしでは当然評価できる存在だった
■3人気2着:8枠9番:牡4歳:ジャスティンカフェ:エピファネイア×欧州型:前走エプソムC(重)1人気4着:56kg
・近6走で上がり2位以内を使っていた鋭い末脚の持ち主で、2走前には3勝クラスの東京マイルを4角15番手から上がり最速32.9で差し切っていた
・外枠からスタートすると控えて後方の外を追走した、勝負所でもポジションを変えずに進めると後方の大外から直線へ、直線ではスムーズに追われると長く脚を使って上がり最速で伸びて前の組を交わしたが馬群を突いた勝ち馬にゴール前で交わされて2着まで
・スローで差し遅れるリスクを考えるとペースが流れた方がその強みを活かせるタイプの差し馬だった印象で、ここはハイペースを演出する馬がいたことからある程度流れる展開を読めていれば評価できた
■4人気3着:4枠4番:牡4歳:ダノンザキッド:ハーツクライ系×デインヒル系:前走関屋記念(稍重)2人気3着:56kg
・東京では前年の富士Sを差して4着、前々走の安田記念を先行して0.2秒差の6着などがあった、ここではゲートで難しさを見せてゲートを破壊してしまい、馬番4番ながら12番に当たる位置からの外枠発走となった
・大外枠からスタートすると出て行って中団の外を追走した、道中はややポジションを上げる形で、4角では好位の外目になって直線へ、ラストは上がり3位で伸びると2頭には交わされたが先行していたレイパパレは差して3着
・特段鋭い末脚を使うタイプではなかったものの、前走は新潟マイルの関屋記念で上がり最速32.6で3着しており、3連系本線などであれば無難に相手には持って置けるとよかった
【凡走人気馬】
■2人気4着:5枠5番:牝5歳:レイパパレ:ディープ×米国型:前走VM1人気12着:55kg(+1kg)
・東京は前走のVMを先行して12着以外経験がなく、OPに上がってからは道悪だった大阪杯を除いて上がり2位以内は使っていなかった、前年の大阪杯勝ちで斤量+1kg
・中枠からスタートすると距離延長だったこともあり出て行って好位外目を追走した、道中はやや行きたがっていたが、大きくはポジションを変えずにそのまま勝負所に入り2番手から直線へ、直線では自身のタイミングで追い出しを開始されて抜け出しにかかったが3頭に差されて4着まで
・大阪杯を2年連続で好走した実績などで人気した形だが、コースを1周する競馬で先行して上手く立ち回れるタイプだっただけに末脚の活きるこの舞台では人気を含めてどちらかといえば嫌いたかった印象で、評価しても相手までとしたかった
2023年
36.0 – 59.5 – 34.1(後傾1.9):1:45.3(良):12頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:3番目に多い
入りの3F:最も遅い
入りの5F:最も遅い
上がりの3F:2番目に速い
勝ち時計:4番目に速い(良馬場では最も遅い)
■レースは道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.3加速して11.4 – 11.3 – 11.4とゴールまで伸びる展開、スローペースゆえに4角では馬群が凝縮していた
■馬群が凝縮していた影響もあり人気2頭が直線で進路をスムーズに確保できず差し遅れる形で2.3着しており、スローペースでは人気馬が詰まるリスクがあることをインプットしたい、一方で1着馬は好位から上位の上がりを使っての好走が目立っていた馬で、スローペースが予想される際には差し馬が詰まったりを含めて差し遅れる率が上がることで、末をある程度まとめられる先行馬の好走率が上がると考えられる
■上がり最速33.1の脚を使ったアドマイヤハダルは4着だったものの、勝ち馬からは0.1秒差で5着は0.2秒離しており相手関係も考えれば好走と言って良い内容だった、スローペースの展開では高速上がりを使えるタイプが上がりだけで差し迫れる側面もある
■上記のようにスローペースでは力のある差し馬がスムーズに好走できる率は道中のペースが持続的に流れる展開と比較して下がると考えられ、直線で進路取りがスムーズかなどを事前に想定する意味で隊列予想の重要度が増す
【好走馬】
■4人気1着:5枠6番:牡3歳:エルトンバローズ:ディープ系×Robert系:前走ラジオNIKKEI賞3人気1着:55kg
・初の関東遠征で、未勝利、1勝クラス、ラジオNIKKEI賞と3連勝していた、近4走はいずれも4角5番手以内から上がり2位以内と、先行して末もまとめる競馬で好走していた
・中枠からスタートすると馬なりで中団のインを追走した、向正面では最内で前との差を詰めて3角では好位のインを追走していた、勝負所でも終始最内をまわるとラストは残り4F過ぎから促されて最内の前から2列目で逃げ馬を前に見る形で直線へ、直線では外2番手の馬の脚色が鈍ったところで間を割って伸びてくると抜け出して優勝、ラストは猛烈に追い込まれたが凌いだ形
・スローな展開を予想できていれば好位から上位の上がりでの好走が続いている点を評価できた、また、中枠ながら向正面までにすぐに最内に入れられたのも大きかった印象で、枠順確定後の展開予想で隊列を予想できているとよかった
■1人気2着:7枠10番:牝5歳:ソングライン:キズナ×Robert系:前走安田記念4人気1着:57kg(+2kg)
・東京ではマイルGⅠを3勝していた、マイルより長い距離はキャリアにおいて最初で最後だった、前走の安田記念勝ちで斤量は+2kgの57kg
・外枠からスタートすると中団の外を追走した、勝負所では3, 4角中間で前の馬の外に行くか内に行くか選択できるシーンがあり鞍上は内を選択した、それによって中団外目の馬群の位置取りとなって直線へ、直線では進路がなくラスト300mから追い出されると徐々に伸びるような脚で内から先に抜け出した馬に迫ったがハナ差届かずの2着
・マイルGⅠ好走馬は力量上位で、その舞台が東京となればなおのこと信頼できる、展開はスローだったが安田記念としてはスローの年にも優勝しており、その点でも評価できた、外枠ながら詰まる騎乗をされたのが痛かった
■2人気3着:1枠1番:牡5歳:シュネルマイスター:欧州型×欧州型:前走安田記念1人気3着:58kg(+1kg)
・2年前に本レースを制していたリピーターで、これまで東京では馬券圏内を外していなかった、前走の安田記念では上がり最速で3着していた、2走前のマイラーズC優勝で斤量は+1kgの58kg
・最内枠からスタートすると控えて中団後方の馬群を追走した、道中はスムーズでそのまま中団後方の馬群から直線へ進入したが、直線で進路がなく、4角で自身より後ろにいた2頭が外から伸びていくのをパスしてから一番外へ出された、残り200m地点で最後方だったがラスト200mで一気に前に迫っての3着
・東京での実績を含め実力で評価できた馬で、ゴール前の脚色から直線でスムーズなら勝っていた
【凡走人気馬】
■3人気7着:6枠8番:牡5歳:ジャスティンカフェ:エピファネイア×欧州型:前走エプソムC(稍重)1人気1着:57kg
・東京では前年の毎日王冠2着のリピーターで、前走は稍重のエプソムCを上がり2位で優勝していた
・中枠から出遅れると控えて最後方を追走した、勝負所でもポジションは変えず最後方からインアウトで直線大外に出されると上がり2位で伸びたが前には迫れずの7着まで
・東京では好走歴があったが終いでゴールに向かって失速するようなラップでの末脚勝負が向くタイプで、開幕週のスローで最後方からでは厳しかった
2024年
35.3 – 59.4 – 33.7(後傾1.6):1:45.1(良):14頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:最も多い
入りの3F:4番目に速い
入りの5F:4番目に速い
上がりの3F:最も速い
勝ち時計:3番目に速い
■レースは道中をスローペース気味で進めると、勝負所の4角までに当たる600-1200mが12.2 – 11.9 – 12.0としっかり緩んだことで、ラストは残り3Fから0.7加速して11.3 – 11.0 – 11.4と伸びる展開で、4角で4番手以内の馬が圏内を独占し、4角で8番手以内の馬が8着までを独占する完全な先行決着
■馬券圏内に好走した3頭はいずれもマイルでの好走実績があった一方で、凡走人気馬となった2頭は好走実績どころか出走経験もなかった、開幕週の東京1800mで行われる本レースでは1800mを中心に2000m寄りの適正よりも1600mよりのスピード能力(先行力や瞬発力)が要求される舞台であることを認識したい
【好走馬】
■1人気1着:7枠11番:牡3歳:シックスペンス:キズナ×米国型:前走ダービー3人気9着:斤量56kg(+1kg)
・東京は前走の日本ダービーのみの出走経験で、前々走のスプリングS勝ちで斤量は+1kgだった
・外枠からスタートすると出て行って好位の外を追走した、道中は比較的スローペースだったが折り合って追走できていた、勝負所でもスムーズにポジションを変えずに追走すると前から3列目の内から2頭目から直線へ、直線では上がり3位33.3の脚で少しずつ前に迫ると、ラストはゴール前で先に抜け出した逃げ馬を差し切って優勝
・スローペースで前が恵まれる展開の中、ある程度ポジションを取って速い末を使える強みを存分に発揮しての勝利で、展開が読めていれば評価することができた
■4人気2着:2枠2番:牡4歳:ホウオウビスケッツ:米国型×ルーラーシップ:前走函館記念3人気1着:斤量57kg
・東京では日本ダービーを先行して0.2秒差の6着や、同年の東京新聞杯を先行して3着の実績があった
・内枠からスタートすると押して出して行ってハナへ、道中は行きたがるのを抑えられながらややスローペースで逃げていた、勝負所でも手綱を抱えられて進められ先頭で直線へ、直線では最内の進路取りのまま追われると脚を伸ばして抜け出しにかかったがゴール前で勝ち馬に交わされて2着まで
・東京での好走歴やスローペース×先行馬で展開が向きそうなことを読めていれば、近走の実績も含めて評価できた
■5人気3着:8枠14番:牡4歳:エルトンバローズ:ディープ系×Robert系:前走中京記念1人気3着:斤量58kg(+1kg)
・東京では前年の本レースを勝っていたリピーターで、前年のマイルCSでは中団から脚を伸ばす競馬で0.2秒差の4着に好走した実績もあった、前年の本レース勝ちで斤量は+1kgだった
・大外枠からスタートすると出て行って逃げ馬の外の2番手を追走した、序盤に出して行ったが道中は折り合いの中で追走できていた、勝負所でもポジションを変えずに進めると逃げ馬から1馬身差の2番手から直線へ、直線では逃げ馬を交わせず外から勝ち馬に交わされて3着まで
・出走馬中唯一マイルGⅠを好走した実績があった点は明確に評価できたが、レースはマイル的な流れではなくラスト3Fの瞬発力も問われる展開になり斤量も背負わされていたことでやや渋い脚になった印象
【凡走人気馬】
■3人気7着:7枠12番:牡6歳:ヨーホーレイク:ディープインパクト×米国型:前走鳴尾記念1人気1着:斤量57kg
・東京での出走経験は日本ダービー7着のみで、1800m以下を使われるのは新馬戦以来だった
・外枠からスタートすると馬なりで中団の外を追走した、道中は少し手綱を引かれ気味のシーンはあったものの折り合って追走できていた、勝負所でも早めには仕掛けずそのまま中団の外から直線へ、直線では懸命に脚を伸ばしたが自身より内前から抜け出した組に脚色で劣り7着まで
・スローペースで瞬時にキレるというよりは道中のペースが流れて先行馬が垂れてくるような展開で長く脚を使えるタイプだった、前走の重賞勝ちもあって人気していた形で、スローペースになることが読めていれば展開不向きで評価を下げられたか
■2人気10着:6枠9番:牡5歳:ローシャムパーク:ハービンジャー×キンカメ:前走宝塚記念(重)4人気5着:斤量57kg
・東京では1800mの3勝クラスを二桁番手から差して優勝した実績があった、次走はアメリカのBCターフに出走しており、ここは叩きの色が強かったか
・中枠外目からスタートすると行きたがるのを抑えられながら中団後方の馬群を追走した、道中は終始手綱と喧嘩している様子だった、勝負所でも手綱を抱えられながら進めると中団後方の外目になって直線へ、直線ではスムーズな進路取りで追われたが相対的に伸ばせず10着敗戦
・ヨーホーレイク同様本馬も後半に長く脚を使って良いタイプで、1800mを中心に見ると1600mよりも2000mに適性があるタイプだった、スローペースである程度スピード能力が要求されることを読めていれば評価を下げられたか
Gregory