夏の大一番ですが、ここは気分的に過去レース分析のみ行い、次戦は紫苑S(GⅡ)とする予定です。ブログ開設4年目へ突入。
レース概要・分析結論
【概要】
■過去5年は全て2回札幌4日目に行われており、オリンピックの影響でAコース最終週で行われた2021年を除いてCコース替わり初週で開催され、今年も同様
■フルゲートは16頭で、斤量は定量(4歳以上58kg、3歳55kg、牝馬2kg減)
【結論】
■下記のように過去5年のうち3年は特殊馬場で行われており、通常の良馬場である前提に立つと2020/2024年から傾向を抽出したく、2021年〜2023年は似た傾向の馬場が現れた際に改めて参考としたい
2020年:
2021年:東京五輪の影響でAコース最終週
2022年:異常に時計のかかる良馬場
2023年:稍重
2024年:
■過去5年のうち良馬場だった4年の勝ち馬は以下のように4頭全てが「1枠 or 初角3番手以内」に該当しており、Cコース替わり初週と直線の短いコース形態の影響で勝ち馬は内枠 or 先行から出ている、まずはこのゾーンから本命馬を選定したい
2020年:2人気1着:ノームコア:1枠1番, 1角6番手
2021年:2人気1着:ソダシ:8枠13番, 1角2番手
2022年:3人気1着:ジャックドール:2枠4番, 1角3番手
2023年:道悪
2024年:5人気1着:ノースブリッジ:8枠12番, 1角2番手
■直線が269m(Cコース時)と短いため勝負所ではコーナーで加速できる器用さが求められるが、コーナーは他の直線が短いコースと比較して緩やかな大回りであり、コーナーで加速できる馬にとっては比較的差しやすい舞台である
■同じ時計の出る良馬場でも、残り4Fから加速して11秒台に入った2020年には内を通した上がり上位の馬がワンツーしている(本レースとしては速い上がりでの決着で差しが入る展開)が、残り6Fから加速して11秒台に入った2024年には内を通した1角で3番手以内の馬がワンツーしている(前半スローからの後半持続ラップで差しの組は前との差を詰め切れず前も余力ある展開で先行有利)ように道中のラップ構成次第で前後の有利不利は変化する、ある程度展開には仮説を持って大胆に狙うゾーンを絞り込みたい
■下記のように過去5年の馬券圏内馬15頭のうち14頭がその後を含めるとGⅠで馬券圏内しており、また、過去5年では全てで4番人気以内から2頭が馬券圏内しているように、GⅠを複数勝つような馬が出走してくることもある本レースでは、レベルが高いが故の固い決着も視野に入れつつ馬券を構築したい、一方で唯一の例外が2023年3着のソーヴァリアントだったように道悪などの特殊な条件になった際には適性により実力馬を逆転する馬が出てくる可能性を考慮したい
・8/15頭がそれまでにGⅠ馬 (その後も含めると10/15頭)
・12/15頭がそれまでにGⅠ2着以上あり (その後も含めると13/15頭)
・13/15頭がそれまでにGⅠ3着以上あり (その後も含めると14/15頭)
なお、それまでにGⅠ3着以内がなかったのは2022年1着のジャックドールで、その後を含めてもGⅠ3着以内がなかったのは2023年3着のソーヴァリアント
過去レース分析
【入り3F/5F、上がり3Fの平均】
過去5年:35.6 – 60.1 – 36.0 (前傾0.4)
良馬場4年:35.6 – 60.0 – 36.0 (前傾0.4)
道悪1年:35.5 – 60.4 – 36.4 (前傾0.9)
2020年
35.8 – 60.3 – 35.2(後傾0.6):1:59.4(良):12頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:4番目に多い
入りの3F:4番目に速い
入りの5F:3番目に速い
上がりの3F:最も速い
勝ち時計:最も速い
■レースは過去5年で2番目に少ない12頭立てだった影響もあってか中盤までをスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.5加速して11.7 – 11.7 – 11.6 – 11.9と4F続けて11秒台で伸びる展開で、同率で上がり最速だった馬のワンツー決着
■圏内の3頭はいずれもマイルGⅠ馬であり、3-4着が1.1/4馬身離れていたように実力差のあるメンバー構成だった印象、抜けた人気だった1.2番人気の2頭がしっかり圏内に好走したことで2着は6番人気だったが3連複が13.9倍と安めの決着
■1.2着馬は内枠から道中でも内を追走し4角でも距離をロスせずに進められた馬であり、反対に凡走人気馬となった4着馬は外枠から終始馬群の外をまわらされる競馬だった、良好な馬場状態においてはCコース替わり初週の影響が大きく道中で内を通せる利は大きいと考えられる
【好走馬】
■2人気1着:1枠1番:牝5歳:ノームコア:ハービンジャー×クロフネ:前走安田記念(稍重)7人気4着
・4歳初戦の愛知杯以来1年半ぶりの2000m以上のレースで、近走はマイルで中団から後方から差す競馬をしていた、直線の短いコースでは紫苑Sで好位から上がり最速を使って圧勝した実績があった
・最内枠からスタートすると少し出していって中団のインを追走した、道中は距離延長のスローペースだったがしっかりと折り合っていた、向正面では内に馬はいなかったが最内を外して内から2頭目を追走していた、勝負所ではほとんど馬なりのまま前との差を詰めると残り400mから少しずつ外目へ誘導されてインアウトで前から3列目の内から3頭目から直線へ、ラストは直線に入ってから本格的に追い出されると上がり最速34.5を使って先に抜け出したラッキーライラックを残り100mで捉えて優勝、ラストに2着に上がった2着馬からも1馬身抜けていた
・中山での重賞実績や内枠だった点を評価したかった印象で、スローペースかつ札幌としては時計の出る馬場で速めの上がりが求められる点が読めていればマイルの差し馬である点も評価できたか、1枠のハービンジャー産駒が内差しで1着という点で前年の2019年と同様だった
■6人気2着:2枠2番:牡6歳:ペルシアンナイト:ハービンジャー×SS:前走宝塚記念(稍重)13人気15着
・直線の短いコースでは皐月賞をまくりで2着、4歳時に大阪杯を差して2着の実績があった、また前年の2019年には本レースを外枠から中団に控えて上がり3位で5着していた
・内枠からスタートすると中団後方のインを追走した、道中はやや行きたがっていたが折り合いの中ではあった、向正面では前にいた馬が外目へ進路を切り替えたことで前に勝ち馬を見る位置になっていた、勝負所では残り3F過ぎから徐々に促されて勝ち馬の1つ外を進めると、4角では1つ前になった勝ち馬を追いかけるようにして中団後方の外目から直線へ、直線ではしっかりと伸びて勝ち馬と同率で上がり最速の34.5を使って伸びると好位から抜けだしたラッキーライラックを交わした、ラストは先に抜け出した勝ち馬にも迫ったが1馬身差の2着まで
・近走には直線の短いコースでの実績はなかったが、前年に外枠から5着していて今年は内枠だった点を評価できると良かったか、時計の出る馬場でのスローペースで一定程度速い脚を求められたのも合っていた印象
■1人気3着:5枠6番:牝5歳:ラッキーライラック:オルフェーヴル×米国型:前走宝塚記念(稍重)3人気6着
・直線の短いコースでは2年連続で中山記念を先行抜け出しで2着の実績があったが、開幕週の1800mを先行競馬で好走したものであり、コーナリング加速性能を評価できるものではなかった
・中枠からスタートすると外から逃げ馬が前に行ってから促して逃げ馬の外へ切り返して2番手の外を追走した、道中は逃げ馬と半馬身ほどの差だった、勝負所では3角入り口にあたる残り4Fから促されると4角手前の残り400mで逃げ馬に並びかけて先頭になって直線へ、直線では本馬なりに脚を伸ばしたが内で溜めていた上がり最速の2頭に差されて勝ち馬から0.4秒差の3着まで
・優等生な競馬ができて常に自身の力を出せるタイプだったものの、少頭数でスローペースになることで頭まではどうかという点で1.9倍の1番人気では2番手以下の評価としたかった
【凡走人気馬】
■3人気4着:7枠10番:牝5歳:ポンデザール:ハーツクライ×欧州系米国型(母は欧州、母父は米国):前走札幌日経OP(L)(札幌2600m)2人気1着
・札幌では条件戦やOPのレースで3度の勝利があったがいずれも2600m戦で、その他に直線の短いコースでの実績はなかった
・外枠からスタートすると枠なりに出ていって中団の外を追走した、道中は中団で隊列の一番外である内から3頭目でスムーズに進めると、向正面では早めの残り1000m付近から促された、勝負所ではポジションを押し上げ切れずムチも入れられて中団の大外から直線へ、直線ではジワジワ伸びたが4着まで
・札幌での実績はあったものの低レベルになりがちな長距離での実績が評価されての人気していた形で、1600-2000mと王道のGⅠ馬等を相手に不利な外枠から終始外をまわる競馬では厳しかった
2021年
34.9 – 59.9 – 35.4(前傾0.5):1:59.5(良):13頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:3番目に多い
入りの3F:最も速い
入りの5F:2番目に速い
上がりの3F:2番目に速い
勝ち時計:2番目に速い
■東京五輪の影響で過去5年唯一のAコース最終週での開催であり、曇り発表ではあったもののカメラに雨粒が付いているように弱い雨が降っていた
■レースは入りの3Fを速めに入ったが中盤の600-1200mは12.5 – 12.5 – 12.4と緩んだ、ラストは残り4Fから0.6加速して11.8 – 11.8 – 11.7 – 11.9と11秒台で伸び続ける4F戦
■前年の2020年に続いて馬券圏内馬はいずれもGⅠ勝ち馬であり、GⅠを複数勝つような超GⅠ級が出てくる本レースではある程度固い決着も頭に入れたく、特に本年はAコース最終週×多少の雨の影響で内有利が薄れてフラットに近い条件だったことで、より実力馬が実力を出し切れるレースだった印象
■例年の好走パターンである「内枠から道中内をまわって4角インアウトで直線へ出す」競馬ができていたマイネルウィルトスは11人気で4着しており、Aコース最終週に行われたことで内有利の傾向が薄れていた印象はありつつも、直線が短くコーナーで加速する必要のある札幌で速めの時計の決着となると内を立ち回る利はある
■前年とは使用コースが異なっていたものの残り4Fから加速して4F連続で11秒台が続くという点では共通しており、斤量利もあったソダシこそ勝ち切ったが2-4着は上位の上がりを使った3頭だった、時計のかかる洋芝とはいえ、ラストが速いラップになるとある程度差しも届くことを認識したい
【好走馬】
■2人気1着:8枠13番:牝3歳:ソダシ:クロフネ×キンカメ:前走オークス1人気8着
・直線の短いコースでは新馬で函館1800m、2戦目で札幌2歳Sを優勝した実績があった、3歳牝馬で斤量は52kg
・大外枠からスタートすると出て行って2番手の外を追走した、向正面から3角手前ではブラストワンピースが外からポジションを押し上げ、それに連れて本馬も残り4Fから逃げ馬を交わして競り合うようにしながら先頭になって勝負所へ、勝負所でも加速していくと1馬身リードを保って先頭の最内から直線へ、ラストは上がり5位でまとめると押し切って優勝
・マイルの先行馬であり2000mの洋芝で上がりかかる展開になれば嫌いたい要素もあったが、中緩む展開になり多少距離がごまかせたか、桜花賞馬×52kgでは実力と斤量の恩恵で押し切ってしまった形で、斤量的に恵まれる3歳の有力馬には印をまわしておきたい
■1人気2着:4枠4番:牝5歳:ラヴズオンリーユー:ディープ×StormCat:前走(香港)QE2世C3人気1着
・直線の短いコースの経験は前年の有馬記念10着のみだった、ドバイSC→QE2世Cと海外を転戦しての帰国初戦
・内目の枠からスタートすると馬場の内目にはこだわらず、明確にソダシの後ろを取りに行ったが前後のポジション差があり間に2頭挟んで中団外目の追走となった、向正面に入るとポジションを一番外に振って前のサトノセシルを交わしにかかったが、3角までにさらに後ろのさらに外からブラストワンピースがまくりにかかったことで締め切られるわけにはいかないサトノセシル(ルメール)が外に張ってきて多少窮屈になり、3角ではブラストワンピースの後ろの中団外を追走していた、勝負所では終始外をまわったまま前との差は詰められず前から3列目内から5頭目付近から直線へ、ラストは上がり最速35.1で伸びて自身より内から伸びた3着馬を交わしたが勝ち馬には届かずの2着
・勝ち馬とは斤量や勝負所での内外の差が出た印象だったものの、Aコース最終週の影響でCコース初週と比較すれば内有利ではなく、外をまわっても実力で差し込めた形
■8人気3着:5枠7番:牡7歳:ペルシアンナイト:ハービンジャー×SS:前走鳴尾記念7人気4着
・札幌記念へは3年連続での参戦で2019年5着/2020年2着のリピーターだった
・中枠からスタートすると少し出して行って中団前目のインを追走した、向正面では内から2頭目の位置で前にソダシをマークする形、勝負所ではソダシが加速していくのに付いて行って前から2列目の内から3頭目付近になって直線へ、ラストは上がり2位35.2で伸びたが前は交わせず外からは差されての3着
・上位人気の牝馬2頭には及ばなかった形だが、4着は1.3/4馬身離しており7歳ながら自分の実力分はしっかり走った形、リピーターには注意を払いたい
【凡走人気馬】
■3人気5着:8枠12番:牡6歳:ブラストワンピース:ハービンジャー×キンカメ:前走鳴尾記念5人気3着
・3歳時には有馬記念勝ちがあり、4歳時(2年前)には本レース優勝もあったリピーターだったが、近走は大敗も目立ち競争能力がピークアウトしている様子はあった、レース後脚部に怪我が判明したことで本レースが引退レースとなった
・外枠からスタートすると控えて後方2番手を追走した、向正面では残り5Fから外から一気にポジションを押し上げ、そのまま残り4Fからの勝負所へ入ったが本馬のまくりに連れて進出を開始した勝ち馬ソダシには追いつけず、ソダシから1馬身差の2番手から直線へ、ラストはまくりで脚を使った分もあってか上がりをまとめきれず3頭に交わされての5着まで
・直線が短いコースでの実績は本レースでの優勝も含めて十分だったものの、能力のピークアウトと2年前勝利時には最内枠→今回外枠の分で割引きたかった
2022年
35.5 – 59.5 – 37.7(前傾2.2):2:01.2(良):16頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:最も多い
入りの3F:同率で2番目に速い
入りの5F:最も速い
上がりの3F:最も遅い
勝ち時計:4番目に速い(良馬場では最も遅い)
■良馬場としては過去5年でダントツで勝ち時計がかかったように(2番目に遅い年より1.6秒遅い)異常に時計のかかる馬場の中前半を速めに入ったことでダントツの前傾ラップとなった
■レースは馬場を考慮するとハイペースで前半を進めると、道中は12.0付近が続く持続的なラップを刻んだ、ラストは残り4Fから0.4加速すると11.8 – 12.4 – 12.6 – 12.7と残り800-600mが最速となりラップはゴールへ失速するかなりタフな展開
■ラスト3Fはいずれも12.4秒以上かかっているように勝負所から直線で先行勢は失速を始めていたが、残り250m付近にあたる直線の入り口ではまだ馬群が縦長で、直線に1.2.3番手で入ってきた馬での2.1.3着と前残りの決着だったように差し追い込みの組は追走に脚を使わされるような馬場と展開だった
■馬券圏内の3頭中2頭はGⅠ連対経験馬であり、この後にGⅠを勝つ馬も含めると3頭は全てGⅠ馬だった
■前傾でかなり上がりのかかる展開だったにも関わらず結果は前残りで、ここまで読み切るのは簡単ではなかった印象、通常とは異なる傾向の馬場が出てきた際にはその時の傾向に応じた大胆な仮説でもって展開予想するのも作戦の1つ
【好走馬】
■3人気1着:2枠4番:牡4歳:ジャックドール:モーリス×米国型:前走大阪杯2人気5着
・直線の短いコースでは新馬戦を中山で2着しているのみで、好走実績はなかった
・内目の枠からスタートすると出て行って好位の外を追走した、残り4Fの勝負所からも手応え軽そうに馬群についていくと外から逃げ馬に並びかけて直線へ、ラストは逃げ馬めがけて追われるとクビ差交わして優勝
・前残りになる展開が読めていればという前提だが、内枠×先行で評価したかった
■2人気2着:2枠3番:牡5歳:パンサラッサ:ロードカナロア×欧州型:前走宝塚記念6人気8着
・直線の短いコースではラジオNIKKEI賞2着、福島記念勝ち、中山記念勝ちなど複数の重賞実績があった
・内枠からスタートすると出脚は鈍かったが押して出して行き、先に行った馬が同厩の馬だったこともあり譲ってもらうような形でハナへ、勝負所では残り4Fから手綱を動かされると先頭ではあるものの外から勝ち馬に並びかけられて直線へ、ラストは減速しながらも止まらずに伸びていたが番手の勝ち馬に交わされての2着
・こちらも勝ち馬と同様前残りが読めていれば内枠×先行で評価したかった
■5人気3着:5枠9番:牝5歳:ウインマリリン:Robert系×米国型:前走宝塚記念9人気3着
・直線の短いコースでは長めの距離ではあるが日経賞を勝っていた
・中枠からスタートすると出て行き1角までにタイミングよく内が空いたことで寄せていって好位のインを追走した、勝負所では残り4Fから逃げ馬が加速したのに合わせて手綱を動かされて進出を開始すると終始最内をまわったまま好位から直線へ、止まってはいなかったが前の2頭は捉えられずの3着
・中枠ながら空いたインにしっかり入って行った鞍上の好騎乗も光っており、隊列を予想した時にインに入れそうな馬はしっかり評価したい
【凡走人気馬】
■1人気5着:5枠10番:牝4歳:ソダシ:クロフネ×キンカメ:前走VM4人気1着
・前年の本レース覇者でリピーターだったが、前年はAコース最終週と条件が異なっていた
・中枠外目からスタートすると出て行ったが少し後手を踏んで中団前目で勝ち馬を見る位置を追走した、そのまま馬群の外目でスムーズに進めると勝負所でも前の勝ち馬を追いかけるように外目から加速し前から2列目の内から3頭目から直線へ、直線ではタフな展開を考えれば踏ん張ってはいたが自身より前の馬に迫れるような脚はなく5着まで
・マイルの先行馬かつ上がりのかかる競馬が苦手なタイプで、リピーターであることや実力以外には評価できる点は少なかった、前年の結果はあくまで軽斤量もあってのものと判断して本命は避けたかった
2023年
35.5 – 60.4 – 36.4:2:01.5(稍重):15頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:2番目に多い
入りの3F:同率で2番目に速い
入りの5F:4番目に速い
上がりの3F:4番目に速い
勝ち時計:最も遅い
■レースは過去5年で唯一の道悪ながら入りの3Fを2番目に速く入り中盤は緩む形、ラストは残り3Fから0.5加速して12.0 – 12.0 – 12.4と上がりを要する展開
■例年に漏れず1.2着はGⅠ連対経験馬だったものの、前年の1.3着馬が凡走しているように洋芝である札幌では道悪になると一気に馬場が悪化し、独特の適性が問われる特殊馬場になることを頭に入れたい、実際に圏内好走馬は欧州型やステイゴールド系の血を持っていた一方で、凡走人気馬は米国型のスピードっぽい血統だった
■道悪になって各馬の向き不向きを読みきれない際には、相手の手を広げる/3連複を馬連/馬連を単勝にするなど、的中率を上げる/購入対象馬が減る方向に戦い方を工夫したい
【好走馬】
■2人気1着:7枠13番:牡5歳:プログノーシス:ディープ×欧州型:前走QE2世C(香港シャティン2000m)3人気2着
・直線の短いコースは出走経験がなかった
・外枠からスタートすると控えて後方の馬群を追走した、1,2角では馬群が外目に寄る中最内を追走し、向正面でポジションを上げていくと3角では外目へ誘導されて中団前目の馬群を追走した、勝負所では残り700m付近から徐々に外目を進出していくと番手を上げて1列目の外から直線へ、ラストは上がり最速の脚で馬場の外目を力強く伸びると4馬身差の圧勝
・道悪で上がりを要する展開が向いた印象で、母父欧州型の血統や外目の枠である点を評価したかった
■9人気2着:6枠10番:牡3歳:トップナイフ:欧州型×欧州型:前走日本ダービー10人気14着
・直線の短いコースでは同コースでの未勝利戦勝ちやホープフルS2着、弥生賞2着など3歳春までの実績があり、その後は出走経験がなかった、3歳牡馬で斤量は55kg
・中枠外目からスタートすると控えて1角までに内へ寄せて中団のインを追走した、道中はほとんどの馬が馬場の外目を追走する中本馬だけは終始最内を追走していた、勝負所では残り800mの3角から最内のまま徐々に促して行って番手を上げると残り3F過ぎでは先頭に立って先頭の最内から直線へ、直線では右ムチを入れられて外へ行きながら伸びたが外から上がり最速で伸びた勝ち馬には抗えず4馬身差の2着、3着には3馬身差をつけていた
・道中最内を走っているように洋芝の道悪への適性が高かった印象で、本年のように道悪の特殊馬場になった際には欧州の血を持つ馬の評価を上げたい
■4人気3着:1枠1番:牡5歳:ソーヴァリアント:オルフェーヴル×Robert系:前走鳴尾記念1人気12着
・直線の短いコースでは同舞台で1勝クラス、2勝クラスを圧勝で連勝していた
・最内枠からスタートすると中団後方の馬群を追走した、道中はポジションを変えずにスムーズに追走すると中団後方の外目で3角へ進入し、勝負所の残り3F付近からは促して勝ち馬の作る進路で進出して前から2列目の外から直線へ、ラストは前を飲み込むほどではないものの本馬なりに脚を伸ばすと外と内から迫った4,5着馬の追撃を凌いで3着を確保した
・タフな馬場に適性が高そうな血統や、レース上がりが36.0かかったチャレンジCを優勝している点を評価して相手に持っておきたかった
【凡走人気馬】
■3人気4着:4枠6番:牡4歳:ダノンベルーガ:ハーツクライ×米国型:前走ドバイターフ1人気2着
・直線の短いコースでは3歳春ではあるものの皐月賞4着があった
・中枠内目からスタートすると1角までに挟まれるような所がありポジションを下げて後方の馬群を追走した、向正面では促されながら進路を内へ切り替えて進出して3角では中団のインを追走していた、勝負所では内目の進路取りのまま進出して前から2列目の内目から直線へ、ラストは馬場の比較的内目で本馬なりに伸びていたが3着馬を交わせず4着まで
・終始荒れた内目を走りながらも4着したが、レース後鞍上は「ドバイの走りを考えると、もっといい馬場の方が力を出せると思います」とコメントしており、適性というよりは実力で走った印象、良馬場の方が力が出せるタイプであったことと、比較的内目の枠から幾分評価を落として本命は避けたかった
■1人気6着:3枠5番:牡5歳:ジャックドール:モーリス×米国型:前走安田記念5人気5着
・直線の短いコースでは前年の本レースを優勝していた
・内目の枠からスタートすると外から先行した逃げ馬を行かせて切り返して1角までに外へ出し、前に行った3頭からやや離れた4番手を追走した、向正面では馬場の外目をスムーズに追走して前との差を詰めると3角からは外目をまわりながら進出、勝負所では残り500m付近から大きく外をまわして促され直線へ、直線では止まってはいなかったが周りと同程度の脚になって6着まで
・前年には超時計のかかる良馬場で本レースを優勝していたが、ここでは人気を裏切った形で、前年は前残りだったのに対して本年はタフな中で末を伸ばせる適性が問われた印象で、前年との馬場の差を見抜けているかどうかだった
2024年
36.3 – 60.5 – 35.5:1:59.6(良):12頭 (1頭除外で出走11頭)
【所見】
■過去5年での比較
頭数:最も少ない(出走11頭換算)
入りの3F:最も遅い
入りの5F:最も遅い
上がりの3F:3番目に速い
勝ち時計:3番目に速い
■レースは前半を過去5年で最も遅いスローペースで進めると、道中の残り6Fから0.6加速して11.8 – 11.7 – 11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.9と6F連続で11秒台を刻み加減速の少ない展開で、1角で3番手以内だった馬のワンツー決着、3, 4着は上位の上がりを使って差し込んだ馬であり、後半が持続的に流れたが前にも余裕のある展開で差し届かなかった形
■例年に漏れずGⅠで馬券圏内に好走した経験のある馬が好走しており、該当馬は7頭いたがそのうちの6頭で6着までを独占した
■出走馬には道悪だった前年の1, 2着馬がいたが、ともに4着, 6着に敗れており、道悪×洋芝は特殊と言ってよい馬場状態になるため、条件が変わればリピーターでも安易に評価するのは避けたい
【好走馬】
■5人気1着:8枠12番:牡6歳:ノースブリッジ:モーリス×米国型:前走QE2世C(香港シャティン2000m)(稍重)6人気3着
・直線の短いコースでは外回りだがAJCC勝ちの実績があった
・大外枠からスタートすると出ていって逃げ馬の外の2番手を追走した、道中は逃げ馬から3馬身ほどの差の2番手最内を落ち着いて追走していた、勝負所では軽い手応えのまま進めると残り500m付近から促して前との差を詰めて逃げ馬に並びかけて直線へ、直線では最内へ進路を取って追われると抜け出して1.3/4馬身差の快勝
・前半スローペースから後半長く脚を使うロングスパート戦が得意なタイプで、頭数の揃わなかったメンバー構成から前半がスローペースになることを読めていれば、隊列予想から外枠でもポジションを取れると見て評価でき、人気を鑑みても妙味はある存在だったか
■3人気2着:2枠2番:牡5歳:ジオグリフ:ドレフォン×キンカメ:前走安田記念(稍重)12人気6着
・直線の短いコースでは皐月賞1着の他、同年の中山記念を先行して3着の実績があった
・内枠からスタートすると出ていって好位のインを追走した、1, 2角では前に勝ち馬が入ってくる形で中団前目のインとなった、勝負所では残り軽い手応えのまま進めて残り400mから促されて勝ち馬を追いかけるように直線へ、直線では本馬なりに脚を伸ばして勝ち馬と同様の上がり3位を使ったが勝ち馬との差は詰まらず2着まで
・先行馬が恵まれる展開が読めていれば、内枠×マイルからの距離延長でポジションを取りやすい要素から評価でき、軸にはしやすいタイプだったか
■4人気3着:7枠9番:牡6歳:ステラヴェローチェ:バゴ×ディープ:前走安田記念(稍重)7人気9着
・直線の短いコースでは皐月賞3着や有馬記念4着など上位の上がりを使って差して好走した実績があったがいずれも長期休養の前のもので、復帰後は先行する競馬が多くなっていた
・外目の枠からスタートすると控えて内へ誘導され、ゴール板を通過する前に中団の最内に入り前に2着馬を見る位置を追走した、1, 2角では少し手綱と喧嘩しており道中も手綱を引かれている様子だった、勝負所では3角手前から1列外に出して残り500m付近から促されると4角から直線では再び内目へ進路を取って中団から直線へ、直線では2着馬の外へ出されて追われるとラストは上がり2位の脚で前に迫ったが3着まで
・休養明けからは先行と差しのどちらでも好走しており脚質が読めない所があった、GⅠでの好走経験や人気しすぎていない部分を評価して相手には持っておけたか
【凡走人気馬】
■1人気4着:8枠11番:牡6歳:プログノーシス:ディープ×欧州型:前走QE2世C(稍重)(香港シャティン2000m)2人気2着
・直線の短いコースでは道悪だった前年の札幌記念を優勝した実績がありリピーターだった
・外枠からゲートでの駐立が悪く出遅れると控えて最後方の外を追走した、道中はしっかりと折り合って終始最後方の外を追走していた、勝負所では残り4Fから徐々に促され残り500m付近からさらに外に出されたが外をまわされる形でポジションを上げきることはできず後方の大外になって直線へ、ラストは2位より0.5秒速い上がり最速を使ったが前には迫り切れず3着から0.1秒差の4着まで
・QE2世C2着からここへ臨む前年と同様のローテだったが、前年は道悪の影響もあって道中にも勝負所でも緩いラップが入ってポジションを上げられたが、本年は良馬場で後半が速い流れで勝負所で外々をまわらされて4角で後方の大外と厳しい流れだった、道悪の前年の結果でここで1人気1.3倍に支持されるようでは本命は避けられたか
■2人気5着:4枠4番:牡6歳:シャフリヤール:ディープ×米国型:前走ドバイSC(ドバイメイダン2410m)6人気2着
・直線の短いコースでは前年の有馬記念を内枠から好位で進めての5着があった
・内枠からスタートすると内へはこだわらず1角までは外の馬を張るようにして中団前目の馬群を追走した、道中も大きくポジションを変えずに進めると勝負所では前の馬が減速したことで馬群に置かれるような形になって後方の外から直線へ、直線では4着だったプログノーシスと併せ馬で追われたが伸ばし切れず4着から0.1秒差の5着まで
・Cコース替わり初週で良好な馬場状態の中では内を通す利が大きく、1角までに内へこだわらずに進めたのが結果的に良い選択ではなかった、ドバイSC2着からの臨戦で次戦もアメリカのBCターフだったようにここは叩きの色が強く、それでいて2人気なら本命は避けたかった
Gregory