東京新聞杯の各馬分析5頭目はオフトレイル。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
東京新聞杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上:斤量)
オフトレイル:牡4歳:欧州型×Kingmambo:前走阪神C(京都1400m)9人気3着:◯◯:58kg(+1kg)
結論
■キャリア10戦のうち8戦で上がり3位以内を使っているように末を活かす形が強みだが、前進気勢が強く折り合いの懸念があるため、上位の上がりを使えずに凡走した2戦はいずれも折り合いの付きにくいスローペースからの上がり勝負である、以上から、道中のペースが持続的に流れて折り合いの心配がなく、ラストで先行馬が苦しくなるようなハイペースへの適性が高い
■道中のペースが持続的に流れたラジオNIKKEI賞も上がり最速で差し切っているように、マイルより長い距離がもたないとは思わないが、道中のペースがより流れやすいという意味で1800m以上よりは1600m以下の距離が向いている
■東京新聞杯が例年程度のラップで流れると差し込むのは容易ではないものの、例年より速い流れで先行馬が止まりかければ内の進路を縫っての内差しが入る可能性も、最終的な評価は人気と展開予想を鑑みてだが、現状の評価はやや控えめで、良くて相手までか
全レース分析
2歳
【1】京都内回り1600m新馬:2着:武豊
・追い切りはWと坂路の併用で、最終は坂路で53.2 – 12.4が出されて併せ先着していた
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中35.3 – 60.9 – 35.5の前傾0.2で、序盤をスローペースで進めると、ラスト3Fは12.4 – 11.7 – 11.4とゴールへ加速する展開で、同率で上がり最速の2頭が1.2着した
・内目の枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながら外へ誘導されて中団後方の外を追走した、パトロールビデオではカメラが揺れてかなり風が吹いているようだった、道中は盛んに手綱と喧嘩しており気性的な難しさを出していた、勝負所では逆手前で4角をコーナリングし中団後方の大外から直線へ、直線では反対に右手前に替えて伸びたが自身より前から抜け出した馬には迫れず2着まで
・道中の様子や4角から直線での手前など、難しい面が多い印象
【2】京都内回り1600m未勝利:1着:中2週:川田
・追い切りは坂路で馬なり単走が1本、中2週ながら馬体は+12kgしていた
・レースは開催13日目(Bコース4日目)の馬場の中、34.7 – 58.7 – 36.3の前傾1.6で、この時期の未勝利戦としては速めのペースで序盤を入るとラスト3Fは12.2 – 11.9 – 12.2と残り2Fから加速は入るものの上がりとしてはかかる展開
・内枠からスタートするとやや出して行って、馬は少々行きたがっていたが鞍上が上手くなだめながら好位の馬群を追走した、勝負所では馬群の内目をまわってくると前から2列目の最内になって直線へ、直線に入ってから追い出されると抜け出して1馬身半差で優勝
・直線では途中左手前に替えた所から外へヨレそうになり、鞍上に矯正されながら走っており、現状手前の関係から左回りの方がベター
【3】中京1600m1勝クラス:3着:中2週:川田
・追い切りは前走に続いて坂路で馬なり単走が1本
・レースは開催2日目(Aコース2日目)の馬場の中35.8 – 59.2 – 34.8の後傾1.0で、前半4Fを12.9 – 11.7 – 11.2 – 11.4と加速して速めに入ると、後半4Fは12.0 – 11.9 – 11.2 – 11.7と残り2Fからの加速が大きな展開で、上がり上位の3頭が上がり順位のまま1.2.3着した
・7頭立ての2番枠からスタートすると序盤は手綱と喧嘩していたが、鞍上になだめられて中団のインを追走した、ラストは残り800-400mが緩んだことで一団となった馬群の内目から直線へ、直線では本馬なりに伸びていたものの自身より前から抜け出した組には迫れず3着まで、左回りの方が直線で真っ直ぐ走れている
・直線ではまわりと同程度の脚色になっており、もう少し時計のかかる条件や先行馬が垂れるようなハイペースで脚を伸ばしたい
3歳
【4】京都内回り1600m1勝クラス:1着:2ヶ月:ルメートル
・陣営は「休養の効果があって、中間の調教ではいい反応を見せています」とコメントしていた、追い切りは併用で1週前には自己ベスト82.0 – 66.3 – 11.4が出され併せ先着していた、最終は坂路で単走馬なりで終い重点
・レースは開催12日目(Cコース3日目)の馬場の中36.1 – 60.6 – 34.3の後傾1.8で、道中をスローで進めるとラストは残り3Fから0.5加速して11.5 – 11.2 – 11.6と伸びる展開で、同率で上がり3位以内を使った4頭が1-4着を独占した
・中枠からスタートすると馬なりで控えて後方の外目を追走した、道中はやや促されるところがあった、勝負所でも終始外目をまわると中団の大外になって直線へ、直線ではグイグイ伸びて内前の馬に迫るとラストは2位より0.4速い上がり最速33.7で差し切ってクビ差で優勝
・休養の効果かコーナーリングから直線での手前替えまで2走前と比較するとかなりスムーズで成長が見られ、そのまま直線での伸びに繋がったようだった
・直線での伸び脚はキレるというよりはグイグイと徐々に加速する長い脚という感じ
【5】アーリントンC:6着:2ヶ月:武豊
・追い切りは併用で1週前には自己ベスト大幅更新の79.4 – 64.6 – 11.3が出され併せ先着していた、当週はいつものパターン
・レースは開催15日目(Bコース5日目)の馬場の中35.8 – 60.9 – 33.2の後傾2.6で、道中600-800mでは13.0が入るようなスローで進めるとラストは残り3Fから1.0加速して11.1 – 10.7 – 11.4と伸びる高速上がり戦
・外枠からスタートすると枠なりに進めて折り合いをつけながら中団後方の外を追走した、勝負所でも外をまわると後方の外になって直線へ、直線では本馬なりに伸びてはいたが他馬を飲み込めるほどではなく6着まで
・レース後鞍上は「思ったよりスローになって、外枠で厳しい競馬になりました」とコメントしており、コメント通り1-5着のうち4頭が道中最内追走の内有利な競馬だった
・本レースでの直線での様子からスローからの瞬発力勝負よりは、多少時計のかかる馬場で長く脚を伸ばすレースに適性がある
【6】白百合S(L)(京都1800m):2着:1ヶ月半:和田
・追い切りは坂路で単走馬なりが2本だったが、1週前には自己ベスト52.9 – 12.2が出されていた
・レースは開催12日目(Bコース6日目)の馬場の中36.3 – 60.9 – 33.7の後傾2.6で、序盤をややスローで入るとラストは残り4Fから0.5加速して11.9 – 11.7 – 10.8 – 11.2と残り2Fからの加速が大きくやや前有利の高速上がり戦
・内枠からスタートするとかかりながら徐々に外へ行って3角では中団前目の外を追走した、勝負所では下り坂で徐々に前との差を詰めた、コーナーでは途中まわり切る前に手前を替えてしまい外に振られながら好位の外から直線へ、直線では伸びて前との差を詰めにかかったが迫れずに1.1/4馬身差の2着
【7】ラジオNIKKEI賞:1着:1ヶ月:田辺
・追い切りは坂路単走オンリーで、1週前には自己ベスト52.7 – 12.3が出されていた、ハンデ56kg
・レースは雨の降る開幕週の馬場の中34.5 – 58.4 – 35.0の前傾0.5で、序盤を速めに入ると600-1200mを11.9 – 12.0 – 11.9と持続的に刻んで、ラストは残り3Fから0.4加速して11.5 – 11.7 – 11.8とゴールへ失速する展開
・中枠内目から出負け気味のスタートを切ると控えて最後方を追走した、向正面では外へ寄せられて3角では最後方の外を追走していた、勝負所では残り4F過ぎから促されると前との差を詰めたが後方のまま大外から直線へ、直線ではグイグイとラストまで伸びて2位より0.3速い上がり最速で優勝
・ペースが流れてラストはゴールへ失速する展開だったとはいえ、斤量を比較的背負いながら圧倒的な上がりで外から差し切ったのは強く、瞬発力タイプではないことを考慮するとゴールへ向かって失速するような差しの展開が向く
【8】毎日王冠:12着:3ヶ月:田辺
・陣営は「開幕馬場なので、前が有利になりそうなのがどうかだけど、直線の長いワンターンは合いそう」とコメントしていた、追い切りはWW坂路での調整で、アーリントンC以来のW追いが行われていた、オール単走、3ヶ月の休み明けながら馬体は-2kgしていた
・レースは開催2日目(Aコース2日目)の馬場の中35.3 – 59.4 – 33.7の後傾1.6で、道中は極端には緩まないややスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.3 – 11.0 – 11.4と伸びる展開で、4角5番手以内の5頭が1-5着を独占する先行決着
・外枠からやや出負け気味のスタートを切ると控えて枠なりに後方の外を追走した、道中はやや行きたがっていたが、明確に引っかかっている訳ではなかった、勝負所でも終始外をまわると後方の大外になって直線へ、直線では本馬なりに伸ばしてはいたが相対的に伸ばせるほどではなく12着敗戦
・レース後鞍上は「前回うまくいかなかったゲートはうまくいった。スローペースで力んで、リズムを作れなかった」とコメントしていた
【9】スワンS(京都1400m):2着:中2週:武豊
・陣営は前走について「外枠でペースも遅く、ハミをかんで消耗した分だけロスがあった」とコメントしていた、追い切りは坂路で単走が2本
・レースは開催7日目(Aコース7日目)の馬場の中34.0 – 35.0の前傾1.0で、道中を終始緩まないペースで進めると、ラスト3Fは11.5 – 11.5 – 12.0と伸びてラスト1F減速する展開で、4角11番手以下の馬が圏内を独占する差し決着
・内目の枠からスタートすると出脚が遅く控えて外へ進路を取って最後方の外を追走した、勝負所から4角でも最後方のままで、馬群を突くようにして直線へ、直線では外目へ進路を取って追われると徐々にグイグイと伸びて2位より0.5速い上がり最速33.1を使ったが先に抜け出した勝ち馬を差しきれずの2着まで
・レース後鞍上は「折り合いに専念して、前半は上手く運べました。こういう距離も合いそうです。なかなかの決め手を持っていると思います」とコメントしていた
【10】阪神C(京都1400m):3着:2ヶ月:菱田
・追い切りは1週前にWを入れられてその他は坂路での調整でオール単走だった
・レースは34.5 – 34.4の後傾0.1で、前半4Fを12.0 – 11.3 – 11.2 – 11.2と飛ばしたが、ラスト3Fも11.5 – 11.4 – 11.5と失速の少ない展開で、6着までのうち4頭が4角で11番手以下だった、非該当の2頭はスプリントGⅠ馬だった
・外枠からスタートすると控えて後方を追走した、勝負所では後方外目の馬群を追走し、馬群を突くような形で直線へ、直線では進路を求めて内へ切り替えて追われるとラストは上がり2位の脚で伸びて3着
・ここ2走の1400m戦から、道中が持続的に流れる展開での末脚勝負への適性の高さがうかがえる
結論(再掲)
■キャリア10戦のうち8戦で上がり3位以内を使っているように末を活かす形が強みだが、前進気勢が強く折り合いの懸念があるため、上位の上がりを使えずに凡走した2戦はいずれも折り合いの付きにくいスローペースからの上がり勝負である、以上から、道中のペースが持続的に流れて折り合いの心配がなく、ラストで先行馬が苦しくなるようなハイペースへの適性が高い
■道中のペースが持続的に流れたラジオNIKKEI賞も上がり最速で差し切っているように、マイルより長い距離がもたないとは思わないが、道中のペースがより流れやすいという意味で1800m以上よりは1600m以下の距離が向いている
■東京新聞杯が例年程度のラップで流れると差し込むのは容易ではないものの、例年より速い流れで先行馬が止まりかければ内の進路を縫っての内差しが入る可能性も、最終的な評価は人気と展開予想を鑑みてだが、現状の評価はやや控えめで、良くて相手までか
Gregory