有馬記念の各馬分析6頭目はジャスティンパレス。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ジャスティンパレス:牡5歳:ディープ×米国型:前走ジャパンC3人気5着:坂井
結論
■ダービーまではスタートでアオったり直線で左右にフラつくなど、体力的にも精神的にもかなり幼い面があり力を出しきれなかったが、休養後の神戸新聞杯以降はこれらが改善され、4歳時にはGⅠ4戦を含む重賞5戦で全て4着以内に好走した
■ディープ×米国型という血統である程度速い脚も使えるが、キレるというよりは良い脚を長く使えるのが最大の武器で、前半を比較的スローペースで進め、後半に長く速めの脚を求められる高速ロングスパート戦に最も適性がある
■上記の適性からキレる脚を求められる展開となりやすい2000m以下よりは、後半長く脚が求められやすい2200m以上の距離が合っており、実際ダービー以降は2年連続で参戦した天皇賞秋を除いて2200m以上の距離を使われ続けている
■昨年の有馬記念ではレース後に鞍上が「コーナリングでギアがスムーズに上がっていかず、ついていけなかった分でしょうか」とコメントしており、また、今年のドバイSCの後には鞍上が「ギアチェンジするところで置いていかれてしまいました」とコメントしていた、さらに、今年の宝塚記念前には陣営も「もたつくところがあるので内回りよりも外回りの方が競馬はしやすいし(後略)」とコメントしており、近走は勝負所での反応が遅くなっている面がある
■また、昨年の天皇賞秋以降はゲートでの駐立が安定せず、今年の天皇賞秋ではレース後に鞍上が「ゲートで一瞬も出られそうなタイミングがなく(後略)」とコメントするほどだった、前走は五分のスタートを切ったものの相変わらず駐立は怪しく、出遅れる可能性はかなり高い
■近走は敗因明確であり、ここ2走のパフォーマンスからも能力は健在だが、出遅れて後方になる可能性が高いことと、勝負所のコーナーでの反応が鈍くなっていることを考えると、高速ロングスパートが向くタイプの馬ではあるものの、直線の短い有馬記念では差し込めるハイペースが欲しい、ここは人気落ちのタイミングとなりそうだが、妙味があるかは展開を加味して考えたい、力はある
全レース分析
2歳
【1】中京2000m新馬:1着:ルメール
・追い切りはCWと坂路の併用で併せ馬は盛んに行われていた、Wで速めの時計は1週前に出され82.4 – 66.5 – 11.9が一杯で出されていた
・レースは5頭立てで、38.2 – 63.2 – 34.4の後傾3.8で、終始スローペースで進めるとラストは残り3Fから0.8加速して11.4 – 11.3 – 11.7と伸びるラップ
・外目4番枠から若干アオるようなスタートを切ると折り合って2番手外を追走した、勝負所では前の逃げ馬を交わしにかかっていって先頭で直線へ、直線ではラストまで余裕ある感じで伸びると上がり最速34.3で伸びて優勝、鞍上もまだ本気では追い出していなかった
【2】阪神2000m1勝クラス:1着:2ヶ月:ルメール
・追い切りはCW主体で、2週続けて前走より速い時計が出されていた
・レースは6頭立てで、38.5 – 64.0 – 34.7の後傾3.8、道中はドスローで進めるとラストは残り4Fから0.6加速して12.0 – 11.9 – 11.1 – 11.7と残り2Fからの加速も大きな展開で、4角3番手以内の馬で上位を独占した
・最内枠から若干アオるようなスタートを切ると馬なりで単独の2番手を追走した、道中には向正面の残り1100m付近で外目にスイッチされると楽な手応えで逃げ馬に並びかけにいった、勝負所でも軽く促されて前に迫ると逃げ馬から半馬身差ほどの2番手から直線へ、直線では馬場のいくらか外目に出されるとラストまでしっかり伸びて上がり3位で優勝
・直線では途中一瞬だけ右手前に変えたが、すぐさま戻して左手前で走っていた
・直線での伸びはキレるというよりは長く使えそうな脚だった
【3】ホープフルS:2着:1ヶ月半:C.デムーロ
・陣営は「今回は初めての多頭数でGIと流れも違ってくるだけに、簡単な競馬にはならないと思う」とコメントしていた、追い切りは併用で、当週には自己ベスト78.9 – 64.1 – 11.8が出されていた、初の関東遠征
・レースは35.9 – 60.1 – 36.3の前傾0.4で、道中は12.0付近のラップが続く持続的な展開からラスト3Fは12.2 – 11.7 – 12.4と残り2Fからの加速が大きく上がりかかる展開、4角5番手以内の馬で圏内を独占する先行決着だった
・中枠からここでも若干アオるようなスタートを切ると中団前目の馬群を追走した、序盤こそ馬込みでやや抑えられていたが、道中は反対に少し追っ付けられながらの追走だった、勝負所では残り3F付近から促されるとややコーナリングしづらそうな様子で大きく番手は変わらず中団前目の外から直線へ、直線では右に左にとヨレながらも伸びて前に迫ったが、自身より内前から抜け出した馬に届かずの2着
・レース後鞍上は「レース前から気が入っていてチャカチャカしていましたが、1コーナーに入ったところで落ち着いて道中リラックスして行けました。まだ幼い分右、左とよれていましたが、それで2着を確保するあたりは能力があります」とコメントしていた
3歳
【4】皐月賞:9着:3ヶ月半:M.デムーロ
・追い切りは2週前からCW、CW、坂路での調整で、2週前CWでは自己ベスト6F78.8 – 64.0 – 11.5が出されていた、最終の坂路は単走で軽めの時計で、最終追いが坂路で行われるのも単走で行われるのもともに初だった、3ヶ月半の休み明けで馬体は+8kgしていた
・レースは雨の影響あった馬場が乾いてやや外伸び傾向の良馬場の中35.2 – 60.2 – 34.9の後傾0.3で、ラスト3Fは12.0 – 11.4 – 11.5と残り2Fからの加速が大きな展開で、1-5着のうち4頭が3角で6番手以内のやや先行有利だった
・中枠からあおって出遅れると意識的に外に出して行って後方の外を追走した、向正面では一番外へ進路を取ると3角までにポジションを少し上げて勝負所では3角から大きく外をまわして促された、加速していたが外をまわした分ポジションは大きく変えられず中団後方の大外になって直線へ、直線では内へヨレながらの走りになった所に内側に馬がいたので強く追えず、なだれ込むようにゴールして9着まで
・現状直線でフラついたりスタートであおるなど幼い面があり、実力を発揮しきれていない
【5】日本ダービー:9着:1ヶ月半:M.デムーロ
・追い切りは併用で、近走と比較すると時計は出されておらず終い重点の内容だった、陣営は「速い上がり勝負になった時がどうかだが、長く脚を使えるタイプ」とコメントしていた、連続輸送の影響か馬体重は-10kgしていた
・レースは35.1 – 58.9 – 35.2の前傾0.1で、道中800-1200mで11.8 – 11.7が入るなど落ち着かないラップから、ラスト5Fは12.0 – 11.8 – 11.5 – 11.7 – 12.0と比較的長く脚を求められてラストはゴールへ失速する展開で上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着、1-8着のうち6頭が4角11番手以下の差し有利だった
・中枠から五分のスタートを切るとある程度出て行って中団の外目を追走した、道中はそのまま外目を追走すると勝負所では残り900m付近から鞍上の手が動いて中団の外から直線へ、直線では内へヨレながら伸びていたがラスト300mは上位勢と比較して伸びられず9着敗戦
・レース後鞍上は「いいスタートを切って、いい位置で競馬ができましたが、直線半ばで止まってしまいました」とコメントしていた
【6】神戸新聞杯(中京2200m):1着:4ヶ月:鮫島克
・追い切りはW主体で、これまでにないような全体もそこそこ速く加速ラップを刻んで終いも伸ばすような時計が出されていた、前走減った体重は4kgながら増加していた
・レースはBコース替わり初週の馬場の中34.7 – 60.0 – 34.7の前後傾フラットで、前半を飛ばして入ると、道中は600-1400mが12.6 – 12.7 – 12.5 – 12.3と緩んで、ラストは残り4Fから0.7加速して11.6 – 11.4 – 11.2 – 12.1と伸びてラスト1F失速するラップで、上がり3位以内の3頭が圏内を独占した
・中枠内目からスタートすると馬なりで出て行って好位のインを追走した、道中はやや抑えられていたが折り合いの中ではあった、道中から勝負所では終始最内を追走するとラストは残り3F手前から追い出しを開始されてポジションを上げて前から2列目の内から2頭目から直線へ、直線ではキレるような脚ではなかったが力強く抜け出すと上がり2位34.4の脚で伸びて3馬身半差の快勝
・直線ではフラつく面が解消してまっすぐ走れており、そのままラストの伸びに繋がった印象
【7】菊花賞(阪神3000m):3着:1ヶ月:鮫島克
・陣営は「血統背景やきょうだいも長い距離で活躍している」とコメントしていた、追い切りは併用で当週のみWで追われていた、時計は81.3 – 65.2 – 11.3と前走より速い時計が出されていたが併せ馬には遅れていた
・レースは34.9 – 58.7 – 121.4 – 37.0の前傾2.1で、入りの6Fを軽快に飛ばした後1200-1800mを12.6 – 13.3 – 12.6と息を入れた、ラストは残り6Fから0.5加速すると12.1 – 12.1 – 11.9 – 11.9 – 12.2 – 12.9と持続的に進めてラストはゴールへ失速して上がりかかる展開で、1-7着のうち5頭が3角で10番手以下の差し有利
・外枠からスタートすると内目へ誘導され1周目3角では中団前目の馬群を追走していた、道中はしっかり折り合って追走できているようだった、2周目の向正面でもスムーズに進めるとラストは残り5Fから促された、勝負所では馬群の内目で詰まっていたが残り400m手前から開いて追われると好位の内目になって直線へ、直線では懸命に伸ばしたが外からは差され、前の馬は交わせずの3着、4着は5馬身離していた
・かなりタフな展開を比較的前目で受けながらラストまで伸ばせており、キレや瞬発力というよりはタフな展開でも長めに使える脚を活かしたいタイプ
【8】有馬記念:7着:2ヶ月:マーカンド
・陣営は「秋になり、必要以上に力んで走っていない点が距離をこなせる要因となっている。スパッと切れるタイプではなく、ロスなく運びたい」とコメントしていた、追い切りは併用で本馬としては並の時計が出されていた
・レースは序盤をスロー気味のペースで進めると勝負所では残り5Fから0.6加速して11.8 – 11.9 – 12.2 – 11.4 – 12.3と残り2Fから先行勢が交わされてラップが早まる展開で入りの5Fは61.2で上がりは35.9だった、風の影響と外枠から先行した馬が多かった影響で1-6着に3頭3角で11番手以下の馬が入る差し向きの展開
・中枠からスタートすると出して行って逃げ馬を見る好位のインを追走した、その後も道中はしっかり折り合って追走すると、勝負所では残り4F過ぎから促されて好位のインから直線へ、直線では最内を選択したが外から差し有利の展開に乗じた馬たちが差し込んできて抵抗できずに7着敗戦
・レース後鞍上は「ただヨーイドンの競馬になると、体が出来上がっていないぶん、ふらふらしてしまった」とコメントしており、まだ成長の余地を残している可能性あり
4歳
【9】阪神大賞典:1着:3ヶ月:ルメール
・陣営は「体は増えていても太め感はなく、成長がうかがえる」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、綺麗に加速ラップが踏めている追い切りが目立っていた、休み明けで馬体は+16kgしていた
・レースは38.6 – 64.9 – 128.2 – 34.4の後傾4.2で、序盤を重賞では考えられないようなドスローで進めると、ラストは残り6Fから0.4加速して12.2 – 11.9 – 11.6 – 11.4 – 11.3 – 11.7とラストまで伸びる高速ロングスパート戦で、4角2番手以内の2頭と上がり上位の3頭で1-5着を独占した
・内枠からスタートすると出て行って好位のインコースを追走した、かなりスローな展開だったがしっかり折り合って追走できていた、勝負所では残り5F手前から促され始めると逃げ馬との差は詰めたが3、4角では馬群に包まれたインの位置で動けずに前から2列目の最内から直線へ、前が壁で鞍上がバランスを崩すようなところも見られたが残り250mで前があくと抜け出して圧勝、直線で詰まっていても上がり最速だった
・本レースのような4F以前からロングスパートが始まる早めの上がりのレースでは素晴らしいパフォーマンスを出してくる
【10】天皇賞春(稍重):1着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前に前走より速い81.0 – 65.9 – 11.4が一杯で出され、当週は比較的終い重点の時計だった
・レースは稍重の中35.0 – 59.7 – 122.0 – 35.3の前傾0.3で序盤は前が飛ばして軽快なラップを刻んだが、中盤はしっかり緩んだ、ラストは残り4Fから0.9加速すると12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.9と残り2Fからの加速も大きな全体的に余力のある長距離戦
・最内枠からスタートすると出て行ったが前が飛ばしたことで相対的にポジションを下げて中団のインを追走した、道中には2角付近で外目へポジションをスイッチされて向正面では好位の外を追走していた、勝負所では前にいたディープボンドを追いかけるように上がっていくと1列目の内から4頭目から直線へ、上がり最速で抜け出すと2馬身半差の完勝
・良好な折り合いとそれゆえの高い操縦性があり、長距離を自分のペースで追走して後半に長く脚が求められる高速ロングスパート戦はベストに近い
【11】宝塚記念:3着:2ヶ月:鮫島克
・追い切りはいつものパターンだったが、1週前には皐月賞時以来の6F80秒を切る時計79.6 – 64.7 – 11.4が出され併せ先着していた、当週は終い重点
・レースは34.0 – 58.9 – 35.5の前傾1.5で、序盤をかなり飛ばして入ると中盤はしっかり緩んだ、ラストは残り4Fから0.6加速すると11.9 – 11.7 – 12.0 – 11.8と4F戦となり伸びながらも比較的上がりを要する展開
・中枠からスタートするとインコースにはこだわらない様子で後方の外目を追走した、向正面ではイクイノックスにマクられないようにか1列外にスイッチされて3角へ、勝負所では残り3F手前から促されて外からポジションを上げていくと、外からイクイノックスが上げにかかったタイミングでスパートを開始し中団の大外からイクイノックスとの併せ馬で直線へ、直線では上がり3位の脚で伸びるとラストまで伸ばしての3着
・直線に入って早々で鞍上がムチを落としていたが、不利の度合いは定量化しがたい
【12】天皇賞秋:2着:4ヶ月:横山武
・陣営は「ペースが上がってもたつく面があるので直線は長い方が良いイメージ」とコメントしていた、追い切りはWと坂路の併用で皐月賞以来最終追いが坂路で行われていた
・レースは34.9 – 57.7 – 34.7の後傾0.2で、道中は11.5以下が続くハイペースからラストは勝ち馬が抜け出してラップを落とし切らない展開
・中枠から駐立悪くやや出遅れ気味のスタートを切るとある程度出して行ったがペースが早かった影響で後方2番手を追走した、勝負所では徐々に加速していたが最後方にいたプログノーシスに外から締められると最後方になって直線へ、直線では大外に出されると上がり最速で伸びて2着
・ハイペースで差し圧倒的有利な展開に乗じてのものではあったが、3着に1.1/4馬身差をつけていた
・直線ではまだまだ伸びられそうな手応えで、長く脚を使う性能において突出している
【13】有馬記念:4着:2ヶ月:横山武
・追い切りは1週前がWで、当週は前走に続いて坂路での調整だった
・レースは30.2 – 60.4 – 35.9で、タイトルホルダーが1角付近から2番手を4馬身ほど離して後続はスローの展開、勝負所ではタイトルホルダーのラップは大きく加速していないにも関わらず後続との差は詰まらず、4角で好位にいた馬に向いた展開、ラスト4Fは12.0 – 12.0 – 11.7 – 12.2と加速も入っていた
・中枠やや外目から出負け気味のスタートを切ると控えて後方の外を追走した、道中は単独の最後方となっていた、勝負所では残り5F付近から徐々に促して行ってポジションを押し上げていったが勝ち馬との間に1頭挟んでしまい離されて中団後方の大外になって直線へ、直線では外から一番鋭い脚で迫ったが圏内にはわずかに届かずの4着まで
・レース後鞍上は「返し馬から前走よりあきらかに具合が良くなっていると感じていましたし、落ち着きもあったので、これならゲートも大丈夫かなと思いました。ただ、ゲートで後ろにモタれて何度も立ち上がるようなところがありました。出ていればプランも選べましたが、腹を括る形でいきました。ドウデュースが相手だと思って、上手くマークができましたが、コーナリングでギアがスムーズに上がっていかず、ついていけなかった分でしょうか」とコメントしていた
5歳
【14】ドバイSC(ドバイメイダン2410m):4着:3ヶ月:モレイラ
・追い切りは併用で、出国1週前にはWで79.7 – 64.7 – 11.7が出され併せ先着していた、出国当週は坂路で単走馬なり
・レースは、動画で見る限り入りの5F通過が63秒台のスローペースだった
・内枠からスタートすると手綱を抑えられながら中団前目のインを追走した、道中はこれまでと比較すると少しだけ行きたがっているようだった、勝負所では前3頭にやや離されて4番手で馬場の外目に出されるようにして直線へ、直線ではキレる脚ではなかったがラストまで伸ばしての4着
・レース後鞍上は「道中は長所のスタミナを生かして最後までバテずに良い脚で走ってくれましたが、ギアチェンジするところで置いていかれてしまいました」とコメントしていた
・直線では外からリバティアイランドに一瞬で交わされたが、ゴール前では反対に迫って伸びており、やはり長所は長く脚を使えるスタミナ
【15】宝塚記念(重):10着:3ヶ月:ルメール
・陣営は「もたつくところがあるので内回りよりも外回りの方が競馬はしやすいし、京都はいいイメージを持っている」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、速めの時計は1週前にジョッキー騎乗で出されていた、当週もWだったが、当週追いでWが使われるのは前年の宝塚記念以来だった
・レースは開催20日目でDコース4日目の重馬場の中35.6 – 61.0 – 34.5の後傾1.1で、序盤は平均程度で入ったが中盤600-1200mで12.7 – 12.7 – 12.9と緩んで、ラスト5Fは12.2 – 11.4 – 11.7 – 11.3 – 11.5と加速開始してラスト4Fは全て11.7以下となる展開で、同率で上がり最速を使った2頭のワンツーだった
・内枠からあおるようなスタートを切ると控えて中団後方の馬群を追走した、向正面では馬群から見て比較的内目でポジションを押し上げていき、3角では中団馬群の位置取りとなっていた、勝負所でも馬群のまま促されたが前には迫り切れず、外には出さずに馬群の比較的内目(馬場全体としては6分所くらい)から直線へ、直線では伸ばせず10着敗戦
・レース後鞍上は「ディープインパクトの子供ですから重馬場は難しいです。休み明けということもあったのか最後は疲れてしまいました」とコメントしていた
【16】天皇賞秋:4着:4ヶ月:坂井
・陣営は前走について「海外帰りの影響はあったかと思うが、道中の行きっぷりから違ったように馬場ですね」とコメントしていた、追い切りはキャリアで初めて坂路主体で行われており、Wは1週前の週末に単走でかなり軽めの時計が1本のみだった
・レースは35.9 – 59.9 – 33.7の後傾2.2で、道中は12.0付近が続く持続よりのスローで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.1 – 11.1 – 11.5と伸びる展開
・ここでもゲートでの駐立は悪く外目の枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方外目を追走した、向正面では馬群が詰まって後方の馬群となった、勝負所では動けない位置で馬群に合わせて後方の馬群のまま直線へ、直線では進路を求めて外へ誘導したが開かず、残り300mからは狙いを内へ変えて追われた、ラストは上がり2位の脚で伸びた形だが逃げ馬を交わしきれずに4着まで
・スタートで出負けしており、スローの展開で直線で進路を切り替えるロスもありながら上がり2位で4着まで迫ったことを考えると能力は衰えていない
・レース後鞍上は「ゲートで一瞬も出られそうなタイミングがなく、ポジションが後ろになってしまいました」とコメントしていた
【17】ジャパンC:5着:1ヶ月:C.デムーロ
・陣営は「出負けしてもリカバリーできる分、距離延長はいいと思う」とコメントしていた、追い切りは前走に続いて坂路主体での調整で、1週前にはジョッキー騎乗で自己ベスト51.6 – 12.5が出されていた
・レースは37.1 – 62.2 – 33.4の後傾3.7で、逃げ馬不在だった影響で道中をドスローで進めると、ラストも残り3Fまでラップは速まらず、残り3Fから1.0加速すると11.5 – 10.8 – 11.1と伸びる高速上がり戦
・内枠から五分のスタートを切ると中団のインを追走した、スローペースで距離延長だった影響か1, 2角では鞍上が手綱を引いて引っかかっていた、勝負所の残り4Fからは最内を捨てて外目に進路を求めていき中団の馬群で前にチェルヴィニアを見る位置から直線へ、直線ではスムーズな進路取りで追われてラストは上がり3位の脚で伸びたが3着からは0.5秒離された5着まで
・レース後鞍上は「ゲートの中でうるさかったですが、スタートは切る事が出来ました(中略)よーいドンの競馬になって、長く脚を使うタイプだけに苦しくなりました」とコメントしていた
結論(再掲)
■ダービーまではスタートでアオったり直線で左右にフラつくなど、体力的にも精神的にもかなり幼い面があり力を出しきれなかったが、休養後の神戸新聞杯以降はこれらが改善され、4歳時にはGⅠ4戦を含む重賞5戦で全て4着以内に好走した
■ディープ×米国型という血統である程度速い脚も使えるが、キレるというよりは良い脚を長く使えるのが最大の武器で、前半を比較的スローペースで進め、後半に長く速めの脚を求められる高速ロングスパート戦に最も適性がある
■上記の適性からキレる脚を求められる展開となりやすい2000m以下よりは、後半長く脚が求められやすい2200m以上の距離が合っており、実際ダービー以降は2年連続で参戦した天皇賞秋を除いて2200m以上の距離を使われ続けている
■昨年の有馬記念ではレース後に鞍上が「コーナリングでギアがスムーズに上がっていかず、ついていけなかった分でしょうか」とコメントしており、また、今年のドバイSCの後には鞍上が「ギアチェンジするところで置いていかれてしまいました」とコメントしていた、さらに、今年の宝塚記念前には陣営も「もたつくところがあるので内回りよりも外回りの方が競馬はしやすいし(後略)」とコメントしており、近走は勝負所での反応が遅くなっている面がある
■また、昨年の天皇賞秋以降はゲートでの駐立が安定せず、今年の天皇賞秋ではレース後に鞍上が「ゲートで一瞬も出られそうなタイミングがなく(後略)」とコメントするほどだった、前走は五分のスタートを切ったものの相変わらず駐立は怪しく、出遅れる可能性はかなり高い
■近走は敗因明確であり、ここ2走のパフォーマンスからも能力は健在だが、出遅れて後方になる可能性が高いことと、勝負所のコーナーでの反応が鈍くなっていることを考えると、高速ロングスパートが向くタイプの馬ではあるものの、直線の短い有馬記念では差し込めるハイペースが欲しい、ここは人気落ちのタイミングとなりそうだが、妙味があるかは展開を加味して考えたい、力はある
Gregory