毎日王冠の各馬分析6頭目はローシャムパーク。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
毎日王冠の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上:斤量)
ローシャムパーク:牡5歳:ハービンジャー×キンカメ:前走宝塚記念(重)4人気5着:戸崎:57kg
結論
■稍重で時計のかかる函館記念を2馬身差で快勝しているように血統からも時計がかかって良いタイプだが、オールカマー後にルメールから「大きな馬で飛びが大きくずっと良いペースを維持して走ることができます」とコメントがあったように本質的な強みはとにかく長く脚を使えることで、序盤こそスピードの乗りが悪いものの、道中ラップが緩む区間で前との差を詰めながらそのままラストまで脚を伸ばす競馬で重賞、GⅠを好走している
■3勝クラスのむらさき賞では東京の1800mで上がり3位33.3を使って1:45.1で勝ち切っているように全体時計が速くても対応は可能なタイプ
■追い切りの時計に調子が出るタイプで、キャリアで初めて全て単走追いで調整されたデビュー7戦目の3勝クラスではそれまでと比較してパフォーマンスが低く、反対に自己ベストの時計が出されていた3勝クラスむらさき賞、オールカマー、大阪杯などではしっかりパフォーマンスを出して好走している
■開幕週で時計の出る1800mである毎日王冠では2000m以上の距離と比較すると道中で前との差を詰めるのは難しく、ここは相対的にはパフォーマンスを出せない局面と見る、ただ、同舞台で好時計で3勝クラス勝ちしているようにある程度はやれてしまう舞台でもあるため積極的には嫌えない、比較的上位の相手で
全レース分析
2歳
【1】新潟2000m新馬(稍重):2着:菅原
・追い切りはWと坂路の併用で時計は平凡も併せ馬は行われていた
・レースは連続開催最終週の馬場の中37.0 – 64.0 – 35.8の後傾1.2で、道中はドスローで進めると残り3Fから0.4加速して12.0 – 11.8 – 12.0と上がりかかる展開で、上がり上位の2頭で1, 2着
・内枠から歩くようにスタートするとやや行きたがるのを抑えられながら後方のインを追走した、勝負所では馬群のまま後方から直線へ進入すると、直線では窮屈な進路で馬群で詰まって手綱を引かれるところもあり、ラストは良く伸びていたが脚を余し気味で届かずの2着
【2】東京2000m未勝利:2着:2ヶ月半:ルメール
・追い切りは坂路主体も1週前にはWで自己ベスト67.6 – 12.5が出され、坂路でも自己ベストが更新されていた、休み明けだったが馬体は-6kgしていた
・レースはCコース初週の馬場の中36.6 – 60.2 – 36.0の後傾0.6で、入りこそスローだったものの残り7Fから11秒台に突入しそこから11.9 – 11.7 – 11.5 – 11.5 – 11.1 – 12.3 – 12.6と加速していってラストは失速して上がりかかる展開で、上がり上位の2頭で1, 2着
・外枠からややアオるように出遅れると枠なりに中団の外を追走した、道中は2角過ぎまで口向きが悪くやや手綱と喧嘩している様子だったが、それ以降は落ち着いて追走できていた、そのまま中団の外から直線へ進入すると2位より0.3早い上がり最速34.1で伸びたが前から抜け出した馬を捉えられずの2着
・直線での伸びはキレるというよりは長く減速しないような伸びだった
3歳
【3】東京1800m未勝利:1着:3ヶ月:ルメール
・追い切りは1週前のみW、後は坂路という前走と同じパターン、最終追いの坂路では自己ベストタイの52.6 – 12.1が出されていた
・レースは雨の降る良馬場の中36.5 – 60.4 – 34.9の後傾1.6で、道中は平均程度のペースで進めると、ラストは残り3Fから0.6加速して11.4 – 11.5 – 12.0と伸びる展開で、4角5番手以内で圏内独占の先行決着
・内枠から五分のスタートを切ると出て行って逃げ馬の後ろを確保したが向正面では内から抜け出す形でハナへ、そのまま直線へ進入すると馬なりのまま進めて残り200mから追い出され、ノーステッキで鞍上は後ろを確認する余裕もあり4馬身差で圧勝
・前走の伸び脚、ここでの圧勝、血統を考えるとキレ味勝負よりはある程度時計のかかる展開が合うタイプか
【4】中山2000m1勝クラス(稍重):1着:2ヶ月:ルメール
・追い切りは同じパターンも1週前にはWで自己ベスト82.0 – 65.1 – 12.1が出され併せ先着していた、最終は坂路で単走
・レースは重スタートで乾いた稍重の中37.1 – 61.5 – 35.6の後傾1.5で、前半はややスローで進めると1000 – 1200mで11.2が入ったがその後は落ち着いて12.0 – 11.9 – 11.5 – 12.2と伸びる展開
・外枠からスタートすると控えて中団の外を追走した、道中では2角出口で一気に上がっていってハナを叩いた、3角では3馬身ほどのリードになると差を詰められることなく先頭で直線へ、馬場の良い所を求めて真ん中に出されると上がり最速を使って7馬身差の圧勝
・折り合いに課題はありそうだが、ここでは能力が違った
【5】セントライト記念(稍重):3着:5ヶ月:ルメール
・追い切りはいつものパターンも1週前Wは終い重点、当週は坂路で併せ馬、陣営は「前進気勢が強く折り合い面に課題はあるが、引き続きルメール騎手。心配はしていない」とコメントしていた
・レースは雨の残る稍重の中35.4 – 60.3 – 35.3の後傾0.1で、道中は平均程度のペースで進めると、ラストは残り4Fから0.5加速して11.7 – 11.6 – 11.5 – 12.2と伸びる4F戦で、同率含めて上がり2位以内を使った3頭で圏内を独占した
・最内枠からスタートすると中団を単独で追走した、序盤で外目に出されると向正面では中団の外目になっていた、休み明けの分もあってか道中はやや口を割っていた、勝負所では残り3F付近から徐々に進出して前の勝ち馬を追いかけるように中団外から直線へ、直線では上がり2位で本馬なりに伸びたが先に抜け出した2頭には迫れず2着から3馬身差の3着
・勝負所ではややスピードの求められる高速気味の4F戦で、ラストは前に迫り切れなかった形
4歳
【6】中山2000m2勝クラス:1着:3ヶ月半:戸崎
・追い切りは併用で、これまでよりWの本数が多かった、当週は坂路で単走軽め
・レースは36.3 – 60.5 – 35.1の後傾1.2で、道中はラップ早まる所はありながらも全体としては平均程度のペースで進めると、ラストは残り3Fから0.4加速して11.8 – 11.4 – 11.9と伸びる展開で、同率を含めて上がり3位以内を使った4頭で1-4着した
・最内枠からややアオるようにスタートすると出て行って1角までに外に出されて中団の外目を追走した、向正面では手綱をやや引かれながら折り合いをつけていた、勝負所では残り700m付近から徐々に進出を開始して1列目の内から4頭目になって直線へ、直線ではノーステッキで2位より0.3早い上がり最速を使うと抜け出して優勝
【7】中山1800m3勝クラス(重):5着:2ヶ月半:戸崎
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、デビュー以来初めて全ての追い切りが単走で行われていた
・レースは晴れの重馬場の中35.5 – 59.0 – 37.5の前傾2.0で、道中は11.8付近が続きクラスと馬場を考えるとハイペースの持続的なラップ、ラスト4Fは12.1 – 12.4 – 12.1 – 13.0と残り2Fからは加速があったが上がりのかかるタフな展開で、4角で6番手以内の馬が圏内を独占し、追い込みは効かない決着
・中枠からスタートすると少し躓いた、1角までに少し挟まれるような所もあり道中は中団の外を追走した、勝負所では残り3F手前から促されて外を大きく回しながら進出し、好位の大外から馬場の真ん中に出されて直線へ、直線では相対的に伸ばせずの5着
・追い切りに不調の兆しがあったか、これまでと比較すると低いパフォーマンス、タイプ的に馬場がダメな感じもせず、追い切りの時計に調子が出るタイプか
【8】東京1800m3勝クラス:1着:2ヶ月半:レーン
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前には6F自己ベストの80.8 – 65.3 – 11.1が出され併せ併入していた、ハンデはトップの57kg
・レースは35.0 – 59.1 – 34.0の後傾1.0で、道中は平均程度のペースで進めると、ラストは残り3Fから0.8加速して11.2 – 11.3 – 11.5と、失速こそしているもののラストまで伸びるラップで、1-5着のうち4頭が3角で11番手以下の差し有利
・内枠から出負け気味のスタートを切ると中団後方の馬群を追走した、道中はやや行きたがるところがあったが上手くなだめられていた、勝負所では中団の馬群から直線へ進入すると狭い所を突く進路だったが残り250mから前が開いて追われると抜け出してラストまで伸びて優勝、上がりは3位で33.3
・本質的にキレる脚はないものの、準オープンをトップハンデで上がり3位を使って1:45.1で勝ち切ってしまう能力はある
【9】函館記念(稍重):1着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りは函館のWと芝の併用で目立つ時計はなかった、ハンデ56kg、陣営は「跳びが大きくてきれいなので小回りや馬場がどう出るか」とコメントしていた
・レースは稍重の中35.4 – 60.0 – 36.6の前傾1.2で、道中は平均程度のペースで進めるとラスト4Fは12.3 – 12.0 – 12.2 – 12.4と一部加速ありながらもラストは失速して上がりのかかる展開で、1-5着が3角7番手以下の差し有利
・中枠からスタートすると1角までに他馬と接触するところがあったが大きな不利はなく中団馬群の外目を追走した、勝負所では残り400m手前から徐々に促されると中団の大外になって直線へ、ラストは上がり3位で伸びると抜け出して2馬身差の快勝
・血統からも時計のかかる条件の方が向くタイプで、道悪である程度流れて上がりかかった本レースは適性バッチリの馬場と展開だった
【10】オールカマー:1着:2ヶ月半:ルメール
・追い切りはWオンリーで1週前には自己ベスト79.7 – 64.4- 11.8が出されていた、当週も83.2 – 65.7 – 11.5、陣営は「まだ緩さが残り、もう一つ二つ上のものを持っていると思う」とコメントしていた
・レースは36.0 – 61.1 – 35.5の後傾0.5で、序盤をスローペースで進めるとラストは残り5Fから0.9加速して11.5 – 11.5 – 11.6 – 11.5 – 12.4と伸びる高速5F戦
・外枠からスタートすると出て行って中団の外を追走した、道中は外目のままややポジションを上げて好位の馬群を追走していた、勝負所では残り4F過ぎから徐々に促していくと好位の外目から直線へ、直線では上がり3位でゴールまで伸びると抜け出して優勝
・ハヤヤッコが向正面早めから逃げ馬に並びかけていったことで残り5Fからのロングスパートになった展開が向いた印象
・レース後鞍上は「大きな馬で飛びが大きくずっと良いペースを維持して走ることができます」とコメントしていた
【11】香港C:8着:2ヶ月半:レーン
・大外枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方の外を追走した、道中は行きたがるのを抑えられていた、勝負所では最後方から大きく外を回して後方の大外になって直線へ、直線では前との差を詰められず8着敗戦
・直線で一気に前を飲み込む脚はないため、4角までに前との差を詰め切れなかったのが痛かった印象
5歳
【12】大阪杯:2着:3ヶ月半:戸崎
・陣営は「明け5歳になってフィジカルが成長し、強いケイコに耐えられるようになっています。いい脚を長く使えることがストロングポイント」とコメントしていた、追い切りは併用で前走に自己ベストに迫る時計が出されていた、初の関西遠征
・レースは開催12日目Bコース初週の馬場の中35.8 – 60.2 – 35.0の後傾0.8で、序盤はスローペースで進めると途中向正面でまくった馬の影響で残り6Fから0.8加速して11.8 – 11.5 – 11.5 – 11.4 – 11.4 – 12.2とラストまで伸びるロングスパート戦
・内枠からスタートすると1角までに外へ誘導されて後方の外を追走した、1, 2角では口を割って行きたがっていた、向正面に入ると一番外からポジションを押し上げて3角では好位の外を追走した、勝負所では手綱を抱えてまわってくると残り400m手前から追い出されて好位の内から3頭目から直線へ、直線でも本馬なりに伸びて前に迫ったが自身より内前から抜け出した馬を捉えられず2着まで
・スローと見るや向正面で折り合いをつけながらポジションを上げていき、長く脚を使える本馬の強みを活かした好騎乗
・レース後鞍上は「内枠だったので、スタートが決まれば前に行くことを考えていたのですが、スピードの乗りが悪く、途中から動いていく作戦に切り替えました」とコメントしていた
【13】宝塚記念(京都2200m)(重):5着:2ヶ月半:戸崎
・追い切りはW主体で間に坂路を挟んでの調整で、1週前にはジョッキー騎乗で自己ベスト78.1 – 63.5 – 11.3が出されていた
・レースは開催20日目でDコース4日目の重馬場の中35.6 – 61.0 – 34.5の後傾1.1で、序盤は平均程度で入ったが中盤600-1200mで12.7 – 12.7 – 12.9と緩んで、ラスト5Fは12.2 – 11.4 – 11.7 – 11.3 – 11.5と加速開始してラスト4Fは全て11.7以下となる展開で、同率で上がり最速を使った2頭のワンツーだった
・外枠からスタートするとやや出して行ったがポジションは取れず後方の外を追走した、2角付近ではスローペースが原因か口を割って行きたがっていた、向正面ではこのペースを嫌って残り1100m付近から外からポジションを上げていき3角では好位の大外を追走していた、勝負所は数頭で好位で並走する形の大外で、そのまま中団前目の大外から直線へ、直線では
・レース後鞍上は「スタートしてスピードの乗りが良くなく後ろの形になりました」とコメントしていた
結論(再掲)
■稍重で時計のかかる函館記念を2馬身差で快勝しているように血統からも時計がかかって良いタイプだが、オールカマー後にルメールから「大きな馬で飛びが大きくずっと良いペースを維持して走ることができます」とコメントがあったように本質的な強みはとにかく長く脚を使えることで、序盤こそスピードの乗りが悪いものの、道中ラップが緩む区間で前との差を詰めながらそのままラストまで脚を伸ばす競馬で重賞、GⅠを好走している
■3勝クラスのむらさき賞では東京の1800mで上がり3位33.3を使って1:45.1で勝ち切っているように全体時計が速くても対応は可能なタイプ
■追い切りの時計に調子が出るタイプで、キャリアで初めて全て単走追いで調整されたデビュー7戦目の3勝クラスではそれまでと比較してパフォーマンスが低く、反対に自己ベストの時計が出されていた3勝クラスむらさき賞、オールカマー、大阪杯などではしっかりパフォーマンスを出して好走している
■開幕週で時計の出る1800mである毎日王冠では2000m以上の距離と比較すると道中で前との差を詰めるのは難しく、ここは相対的にはパフォーマンスを出せない局面と見る、ただ、同舞台で好時計で3勝クラス勝ちしているようにある程度はやれてしまう舞台でもあるため積極的には嫌えない、比較的上位の相手で
Gregory