宝塚記念の各馬分析14頭目はジオグリフ。昨年の天皇賞秋で本命を打った馬で、どこかで取り返したい思いだった私個人としてはダート路線は残念でした。そのため、再びの芝GⅠへの挑戦は素直に嬉しかったです。ここが狙えるタイミングなのかどうか、しっかり精査していきます。
宝塚記念の各馬分析は本馬で最後としたいと思います。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
宝塚記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ジオグリフ:牡4歳:ドレフォン×キンカメ:前走ドバイWC5人気11着:岩田望
結論
■サンデー系の馬とは異なり瞬発力には限界があるタイプだが、上がりのかかるタフな展開でも長く力強い末脚を伸ばせることが強みでコーナーで加速していける器用さも相まって札幌2歳Sや皐月賞ではストロングポイントを遺憾無く発揮しての勝利だった
■上記のように現状最も適性があると思われるのは直線の短い小回りコースでの上がりのかかる展開であり、今回は望み通りの舞台・展開設定になる可能性が高いため、近走の敗戦で人気を落とすなら狙えるタイミングではある
■不安要素は2点あり、1つはダートのここ2戦でスタート後かなり押してポジションを取りに行っていることで、ここでは引っ掛かり気味の追走になるのではという懸念、もう一つは鞍上で、1つ目のように馬が難しさを出してきた時にルメール、福永、ビュイックとトップジョッキーしか乗っていない本馬をコントロールできるか、買い材料と不安材料の天秤からここでは本命は避けるが、重めの印で
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬:1着:ルメール
・追い切りは南W主体で週末坂路での調整で、盛んに併せ馬も行われていたが1週前には遅れていた、最終は終い重点
・レースは38.1 – 62.9 – 33.5で、前半ドスローから残り5Fから0.8加速して12.0 – 11.8 – 11.2 – 11.0 – 11.3と残り3Fからも加速する高速上がりの展開
・若干ゲートでの駐立が悪く内枠から外に飛びだすようにスタートを切ると馬なりで先行のインを追走した、残り1000mから馬群が加速したところで外目に出して手応えの良い馬のすぐ後ろを確保した、その後残り4F付近から促され直線もしっかり追われると、若干エンジンのかかりは遅く見えたがゴール前まで長く脚を使って上がり最速で差し切り勝ち
【2】札幌2歳S:1着:2ヶ月:ルメール
・追い切りは南W、坂路、札幌芝、ダートの併用でいずれも終い重点 or 軽めの内容だったが盛んに併せ馬が行われていた
・レースは36.4 – 60.3 – 36.8で、道中は12.0付近が続く持続的な展開で、ラスト3Fは12.2 – 12.1 – 12.5と加速少なく上がりかかる展開
・外枠から若干アオるように出遅れると最後方を追走した、向正面で外目に出すと3角の残り800m過ぎから進出を開始し、残り3Fでは中団の外、その後も加速しながらポジションを上げ、直線入り口では1列目内から3頭目、直線抜け出して他を突き放すと上がり最速で4馬身差の圧勝
・前傾ラップで上がりかかる展開の中残り4Fから長く脚を使えており、高速上がりより上がりかかる展開の方が相対的に適性がありそう
【3】朝日杯FS:5着:3ヶ月半:ルメール
・追い切りは南W主体の週末坂路で終いまで伸ばされる調教が目立っていた、最終は自己ベスト6F82.8 – 66.7 – 11.9、中間はゲート練習を取り入れていた、初の関西遠征、初のマイル戦
・レースは34.3 – 58.3 – 35.2で、ラスト4Fを見ると12.1 – 11.9 – 11.2 – 12.1と、残り2Fからの加速が大きい展開
・外枠から五分のスタートを切ると流れ早く若干置かれるような形で後方を追走した、勝負所加速しながら大外から直線へ進入するとゴールまでしっかり脚を伸ばして上がり最速を使ったが位置取りが後ろすぎた感あり、掲示板争いまで
・前走が入りの3F36.4で今回34.3と一気に流れが早くなったことで序盤置かれてしまい、その影響で差し込めなかった、実力負けではない
3歳
【4】共同通信杯(稍重):2着:2ヶ月:ルメール
・追い切りはいつも通り併用で、終い重点の時計が目立ち、1週前には併せ馬で遅れていた、斤量は+1kgの57kg
・レースは雨の降る稍重の中、36.1 – 61.1 – 34.3で、残り3Fから1.2加速して11.3 – 11.2 – 11.8という展開
・中枠からスタートを切ると馬なりで出ていったが、2角までに外から寄せられて若干頭を上げるなど揉まれて嫌がるような素振りを見せていた、向正面で中団前目の馬群を追走し、馬の後ろにおさまってからは落ち着いていた、その後直線までスムーズに進めると馬群を突き、上がり3位で抜け出したが外から上がり最速を使ったダノンベルーガに差し切られての2着、勝ち馬はストライドの広さが目立ち、使える上がりの速さで劣っていた印象
【5】皐月賞:1着:2ヶ月:福永
・追い切りはいつも通りも早めの時計は出されておらず、終い重点の内容が目立っていた、ここから福永に乗り替わり
・レースは35.2 – 60.2 – 34.9で、道中は平均程度で進めると残り3Fから0.3加速して12.0 – 11.4 – 11.5とゴールまで伸び切るようなラップ
・外枠からスタートすると馬なりで枠なりに1角までに徐々に内に寄せていき中団前目の外を追走した、道中は落ち着いて追走すると残り3Fから外へ出していき、一列前のイクイノックスに並んで行くように加速した、直線は馬場の良い外目に出されるとゴールまでしっかり伸び切って先に抜け出したイクイノックスを差し切り優勝
・直線で内にヨレたイクイノックスとは対照的にかなり真っ直ぐ走れており、安定した走りから繰り出されるゴールまで伸びる力強い末脚にも頷ける
【6】日本ダービー:7着:1ヶ月半:福永
・追い切りはいつものパターンも1週前には自己ベスト6F81.9 – 66.4 – 11.5が出され、最終でも5F66.5が出されていた
・レースは35.1 – 58.9 – 35.2で、道中800-1200mで加速が入るなど落ち着かないラップから残り3Fから0.3加速すると11.5 – 11.7 – 12.0とゴールへ失速するラップ
・外枠からスタートすると枠なりに内へ寄せていったが馬の後ろに入れられず、1角までは頭を上げて行きたがる部分があった、道中は中団外目を追走、終始外目を周り直線でも外目へ出されると残り300m付近までは他馬に負けずに伸びていたがラスト200mでは失速しての7着
・ドウデュース、イクイノックス、ダノンベルーガらとは2400mおよび高速上がりへの適性で劣った印象で、鞍上のレース後コメントから、道中前に馬を置けなかったのも痛手だった
【7】天皇賞秋:9着:5ヶ月:福永
・陣営コメントから中間は骨折が判明していた様子、追い切りはW主体で盛んに併せ馬が行われていた、休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースはパンサラッサが後続を離して逃げて34.7 – 57.4 – 36.7で、2番手以下はスローから瞬発力求められる例年通りの天皇賞だった
・中枠内目からスタートすると中団の馬群を追走した、道中向正面では窮屈な位置取りで少しだが頭を上げるようなシーンがあった、勝負所では馬群で加速していくとそのまま中団馬群から直線へ、直線では外目に出されたが他馬と同程度の脚色になっての9着敗戦
・瞬発力が売りのタイプではなく、持ち前の長い脚とコーナーで加速できる器用さが生かされにくい東京コースは不適か
【8】香港C:6着:1ヶ月半:ビュイック
・内枠からゲートでの駐立が悪く出遅れると中団後方のインを追走した、勝負所まで同じポジションで進めると中団後方のインから直線へ、直線では本馬なりに伸びていたが途中前を塞がれて減速するようなところもあっての6着
・内枠から出遅れて終始内目だったことで勝負所も動けず、直線でもブレーキを踏まされるなど、長く使える脚を活かしたい本馬にとっては致命的な展開だった
4歳
【9】サウジC:4着:2ヶ月半:ルメール
・外枠からスタートすると出て行ってパンサラッサを見る2番手を追走した、そのまま2番手で直線へ入るとパンサラッサを追いかけたが並びかけられず、外から2頭に差されての4着
【10】ドバイWC:11着:1ヶ月:ルメール
・中枠からスタートすると出して行って中団の馬群を追走した、かなりのハイペースとなったことで馬群はばらけていて馬群でもゆとりのある位置だった、勝負所では3角過ぎから手応え怪しくなると位置を下げて後方の大外から直線へ、直線は入線するだけの11着敗戦
結論(再掲)
■サンデー系の馬とは異なり瞬発力には限界があるタイプだが、上がりのかかるタフな展開でも長く力強い末脚を伸ばせることが強みでコーナーで加速していける器用さも相まって札幌2歳Sや皐月賞ではストロングポイントを遺憾無く発揮しての勝利だった
■上記のように現状最も適性があると思われるのは直線の短い小回りコースでの上がりのかかる展開であり、今回は望み通りの舞台・展開設定になる可能性が高いため、近走の敗戦で人気を落とすなら狙えるタイミングではある
■不安要素は2点あり、1つはダートのここ2戦でスタート後かなり押してポジションを取りに行っていることで、ここでは引っ掛かり気味の追走になるのではという懸念、もう一つは鞍上で、1つ目のように馬が難しさを出してきた時にルメール、福永、ビュイックとトップジョッキーしか乗っていない本馬をコントロールできるか、買い材料と不安材料の天秤からここでは本命は避けるが、重めの印で
Gregory