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サリオス 【毎日王冠2022】

毎日王冠の各馬分析4頭目はサリオス。競馬にタラレバは禁物ですが、コントレイルがいなければ無敗の2冠馬となっていたほどの実力馬で、本レースの2年前の勝ち馬でもあります。
個人的にマイルより長い距離の方が向くのではないかと考えていた部分があり、短距離路線では大きく期待せず見ていましたが、今回は1800m、前進が期待できるかもしれません。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

毎日王冠の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

サリオス:牡5歳:ハーツクライ×ドイツ系欧州型:安田記念8人気3着:松山

結論

■急仕上げ気味の時には数週間続けて南Wで速めの時計が出されて、最終追い切りまで攻めてくる、好走パターンは最終追い切りを5F68秒台程度まで緩めてきた時で、今回も最終追いの時計には注目して評価したい
■近走はマイル以下の距離を使われているが、スプリント的な速いレースでは脚ためられていない様子で、適性は1600-2000mにあると見る、久々のマイルより長い距離への延長である今回はパフォーマンスアップしてくる可能性高い
■あくまで秋のGⅠへの叩きという位置付けではあると考えるが、調整過程から馬ができていると判断できれば本命級で、最低でも印はふる

全レース分析

2歳

【1】東京1600m新馬:1着:レーン
・追い切りはW主体で、時計は軽めも併せ馬は盛んに行われていた
・レースは38.3 – 63.5 – 33.6で、序盤スローから残り3Fから1.1加速して11.4 – 10.9 – 11.3と伸びる展開
・外枠からスタートすると馬なりで後方の外目を追走、直線は大外に出されると一瞬の加速で前に取りついて、交わして上がり最速で優勝
・直線ではゴール寸前まで左手前のまま走っていたが楽勝で、ここでは全くもって力が違った

【2】サウジアラビアRC:1着:4ヶ月:石橋
・追い切りは南W主体で週末に坂路を挟む形、1週前には終い伸ばすような時計で追い切られており、当週は軽め半マイルからで調整
・レースは35.1 – 59.2 – 33.5で、序盤2歳戦としては平均くらいのペースで残り3Fから0.8加速すると11.2 – 10.8 – 11.5と伸びるラップ
・内枠からスタートすると初戦より前進気勢強めに出ていき3番手の外を追走、そのままスムーズまで直線へ入ると残り400mから追い出され、外の2着馬と叩き合いになったが上がり最速を使って抜かせずレコードで優勝、勝負根性がある部分が垣間見えた
・残り400mから追い出されてからエンジンかかるまでに若干時間を要しており、超高速上がりの瞬発力勝負にも対応するが、ある程度流れた中で力強い末脚を伸ばせる展開の方がより適性があるか

【3】朝日杯FS:1着:2ヶ月:ムーア
・初の関西遠征、追い切りはW主体で1週前には5F時計自己ベストの6F81.6 – 65.8 – 12.9が出されていた、輸送を考慮してか最終は時計軽めの併せ馬
・レースは33.8 – 57.2 – 35.8で、序盤からスプリント寄りの馬が飛ばして逃げたことで残り4Fからのラップは11.8 – 11.8 – 11.6 – 12.4と加速の少ないラップ
・内枠からつまづき加減のスタートを切ったが押して出していき好位の外目を確保、勝負所4角で若干外に膨れるところがあったが、前から2列目内から4頭目くらいの位置で直線へ進入、じわじわ伸びて抜け出すと残り300mで先頭、その後差しの組が脚を伸ばしてきたが突き放して優勝
大きな前傾ラップのスプリント的な展開で結果を出したが、単に力が違ったという理解の方が正しい可能性高く、この1戦からスプリント適正を語るのは早い

3歳

【4】皐月賞(稍重):2着:4ヶ月:レーン
・追い切りはここも南Wでの併せ馬が主体で1週前に負荷をかけて当週は軽めという内容
・レースは稍重の中、35.6 – 59.8 – 35.8で、序盤は皐月賞らしい緩み切らないところから800-1200mで12.4 – 12.9が入って、残り4Fから0.7加速して12.2 – 11.9 – 11.8 – 12.1という展開
・中枠内目からスタートすると馬場も考慮してか内には入れ切らず中団前目の馬群を追走、勝負所馬群が外に広がり始める中本馬は終始内目を周って、前から2列目内から3頭目で直線へ進入、大外からグイグイ伸びてきた勝ち馬に寄せるように徐々に外へ行くと叩き合いになり上がり2位を使ったが半馬身競り負けての2着
・内目の馬場が良くないのはあったが、その中で完璧な競馬をしたが完全に力負けの2着、ダービーで逆転できる要素は少ないように思えた

【5】日本ダービー:2着:1ヶ月:レーン
・追い切りは南W主体で前走、前々走同様1週前に負荷をかけて当週は軽めでの調整、1週前、当週と併せ馬で遅れており、馬体は-8kg
・レースは36.8 – 61.7 – 34.3で、前半はゆったりと進めて残り4Fから0.5加速すると11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.7と伸び切るラップ
・外目の枠かたスタートすると枠なりに中団の外を追走、道中はしっかり折り合っていた、勝負所残り900mあたりから外から進出を開始するとポジションは上げられなかったが外目からスムーズに直線へ、上がり2位を使って伸びて一度は内から抜け出した勝ち馬に1馬身半差程度まで迫ったがラスト150mで離されて3馬身差の2着
・内から距離ロスもより省けていた怪物の勝ち馬には及ばなかったが、外目の枠から終始外目をまわって勝負所も外を回したロスを考えれば他馬との実力比較では抜けている

【6】毎日王冠(稍重):1着:4ヶ月:ルメール
・追い切りは南Wでの併せ馬主体で自己ベスト5F65.5が2週前、1週前と続けて出されていた、その中で馬体は+10kg
・レースは稍重の中、34.5 – 58.0 – 35.4で、序盤から締まったラップで進めて、ラスト4Fは12.1 – 11.8 – 11.9 – 11.7と加速少なく、ラスト1Fは勝ち馬である本馬が1頭で伸びた影響で加速するラップとなった
・外目の枠からスタートすると馬なりで中団前目を単独で追走、その後もスムーズに直線に入ると残り500m付近から促され、残り200mで先頭に立ち、そこからムチを入れられた、上がり最速を使って3馬身差の優勝

【7】マイルCS(阪神1600m):5着:1ヶ月:デムーロ
・追い切りはいつも通りのコースを使って調整も、1週前ではなく当週に強い負荷をかけてきた、最終追いのタイムは自己ベストの5F64.5 – 12.1で併せ馬もしっかり先着していた、調整過程からは勝負度合いの高さが窺える
・レースは34.9 – 58.5 – 33.5で、マイルGⅠとしては平均程度の流れから、残り3Fから0.6加速して11.0 – 10.8 – 11.7と伸びるラップ
・大外枠からスタート△な鞍上の影響もあってか若干立ち遅れるようにスタートを切ると後方の外目を追走、そのまま終始大外をまわると4角でも大外から直線へ、しっかり伸びて上がり最速を使い掲示板争いに加わったが5着まで
・超GⅠ級のグランアレグリア、インディチャンプ、アドマイヤマーズらが相手ではスタートでの立ち遅れ、枠、道中終始外追走のロスが大きすぎた、この馬なりにパフォーマンスは出している

4歳

【8】大阪杯(重):5着:4ヶ月:松山
・追い切りは南Wでの併せ馬主体で週末坂路、2週前1週前に負荷かけて当週は軽めの内容
・レースは雨の降る重馬場の中、35.6 – 59.8 – 36.8で、前半は12.1が続く持続的な展開から1000-1200mで12.8を挟んで、そこから0.6加速して12.2 – 12.1 – 11.6 – 13.1という展開
・内枠からスタートすると出して行って好位のインを追走、残り4Fから逃げ馬の外に出して追いかけたが4角手前で若干離されて直線へ、逃げ馬含めて各馬が馬場の外に出す中本馬は最内を選択した、しっかり脚は使ったが5着まで、道悪の中で相手関係を考えれば自分の走りはできている

【9】安田記念:8着:2ヶ月:松山
・追い切りは普段通りの内容
・レースは34.9 – 57.8 – 33.9で、道中はある程度持続的なラップになったことで、ラスト4Fは11.4 – 11.2 – 11.0 – 11.7と加速幅は小さかった
・最内枠から若干出脚遅めのスタートを切ると中団後方のインを追走で、外の前に勝ち馬を見る位置、4角も内目でまわると直線では進路を求めて外へ行った、残り200mで前が開いたが手応え怪しかったことで外にいた2着馬に前をカットされてしまいそこまでになった、あとは入線するだけの8着
・レース後鞍上は「もう少し好位で脚を溜めたかったです」とコメントしており、理想のポジションはもう少し前だった様子

【10】マイルCS:6着:5ヶ月半:松山
・追い切りはいつも通り南W主体で、3週続けてそこそこの5F時計で調整されており、急仕上げ気味だった可能性あり、馬体は+10kg
・レースは35.6 – 59.3 – 33.3で、序盤マイルGⅠとしてはかなりのスローで進めて、残り3Fから0.6加速すると11.1 – 10.7 – 11.5と高速上がり求められる展開
・内枠からスタートすると若干抑えられながら好位外目を追走、そのまま前から2列目内から2頭目で直線に入ると逃げ馬を交わしたが、外から上がり使った組には抵抗できず、最後は交わした逃げ馬にも差し返されてしまっての6着
・何の対策か、何に不満があったのかは定かではないがブリンカーとクロス鼻革が着用されていた

【11】香港マイル:3着:中2週:レーン
・最内枠からスタートするとほぼ馬なりでハナへ、ペースはゆったりに見えた、直線馬場の外目に出されると残り250mまで先頭だったが勝ち馬に交わされるとラストはゴール前でもう一頭に捕まり3着まで
・ここでは前走着用していた馬具は装着していなかった

5歳

【12】高松宮記念(重):15着:3ヶ月半:石橋
・追い切りは南W主体で2週続けて速めの5F時計が出されており、1週前には自己ベスト5F64.1 – 11.0が出されていた、陣営は「力んで失速したマイルCSと、ハナを切ってラスト50mで止まった香港マイルから、敗因を距離と考えて1200mへ」とコメント
・レースは33.4 – 34.9でラスト3Fは11.0 – 11.5 – 12.4と失速するラップ
・最内枠からスタートすると出して行って中団のインを追走、道中は最内を追走したが4角から直線で外に出されると伸ばせず、最後は挟まれ気味にもなっての15着
・直線は馬場の内目がよく、直線入り口で内目にいた馬たちで決まっているなか、道中最内追走から直線で外目に出したのは失敗だったか

【13】安田記念:3着:2ヶ月:レーン
・追い切りは南W主体なのはいつも通りだったが、5Fからの速い時計が出されず、併せ馬も2週前の1本のみであった、最終追い切りが単走で行われたのは初、馬体は-22kgで過去最軽量タイ(ダービー時と同様)の528kgで馬体重を気にして追い切りで攻め切らなかった可能性
・レースは34.7 – 58.7 – 33.6で、序盤マイルGⅠとしては若干スローから、残り3Fから0.8加速して11.2 – 11.0 – 11.4という展開
・外枠からスタートするとジョッキーがよく馬群を観察しながら枠なりに中団前目の外を追走、残り3F手前で外から勝ち馬が上がってきたことで抵抗するように外に出して直線へ、馬なりで伸びながら残り300mまで進めるとそこから追い出された、ゴールまでしっかり伸びたがサンデー2騎に差されての3着
最終追い切りが緩め/スプリント的な追走が求められない/良馬場、と本馬の好走パターンが揃ってしっかりパフォーマンスを出した

結論(再掲)

■急仕上げ気味の時には数週間続けて南Wで速めの時計が出されて、最終追い切りまで攻めてくる、好走パターンは最終追い切りを5F68秒台程度まで緩めてきた時で、今回も最終追いの時計には注目して評価したい
■近走はマイル以下の距離を使われているが、スプリント的な速いレースでは脚ためられていない様子で、適性は1600-2000mにあると見る、久々のマイルより長い距離への延長である今回はパフォーマンスアップしてくる可能性高い
■あくまで秋のGⅠへの叩きという位置付けではあると考えるが、調整過程から馬ができていると判断できれば本命級で、最低でも印はふる

Gregory

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