過去レース分析

過去レース分析【札幌記念2022】

幾分長い内容になっています。
かいつまんで見たい方は概要、結論、各年の所見のみご覧いただけると幸いです。

札幌記念は◎ノームコア、◎ペルシアンナイトで2年連続的中しているレースなので、今年も勝ってブログ初戦を勝利で飾りたいです。

一緒に札幌記念への理解を深めましょう!

レース概要・分析結論

【概要】
過去5年、2回札幌2日目(2017、2018、2019) または 4日目(2020、2021)で行われている。例年Cコース替わり初週に行われており、例年通りであれば今年も初週に開催されるが、昨年2021年のみオリンピックの影響か6/12 – 27で開催6日間馬場が使われ、1ヶ月半間隔を開けての2回札幌4日目に開催、1回札幌1日目からの馬場使用回数は2020年と同様もAコースの最終週に行われていたため、過去レース分析の際には馬場の違いに注意が必要。
フルゲートは16頭で、斤量は定量(3歳54kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)。

【結論】
■過去10年の勝ち馬のうち8頭が1枠または初角2番手以内であり、小回りコースの影響か内を通る利は大きい。(非該当馬は2012年フミノイマージン、2014年ハープスター)
■過去5年は残り4F(2018年、2020年、2021年)、6F(2017年)、7F(2019年)からのロングスパート持続戦になっており、コーナーで加速できる小回りへの適性が求められる。適性は、実力が適性を凌駕してしまう3歳オークス/ダービーまでの成績ではなく、古馬重賞での中山、札幌、福島などの実績で判断したい。
■以上2点から、「内枠から道中内を周り、勝負所(残り4F付近)からコーナーでの加速力(小回りへの適性)を生かしインアウトで直線外目に出せる馬(騎手含めて)」から基本的には狙いたい。
■過去5年のうちCコース変わり初週で行われた4年はいずれも、「最内を周ってこれなかった1人気馬が、終始インで溜めた2人気以下の差し馬にわずかに交わされる・届かない」というパターンで2.3着となっている(2017年1人気3着ヤマカツエース、2018年1人気2着マカヒキ、2019年1人気3着フィエールマン、2020年1人気3着ラッキーライラック)。

過去レース分析

【入り3F-5F-上がり3Fタイム・入り3F-上がり3F前後傾度合いの平均】
過去5年:35.3 – 60.0 – 36.0 前傾0.7
ー 良馬場4年:35.6 – 60.2 – 35.6 前後傾0.0
ー 道悪1年:34.4 – 59.1 – 37.6 前傾3.2

2017年

35.4 – 60.7 – 35.7 (前傾0.3):2:00.4 (良):13頭
【所見】
■過去5年良馬場としては最も遅い勝ちタイム。
■残り6Fからゴールにかけて12.0付近が続くロング持続ラップで、コーナーで加速できる小回り適性が求められた。
■1.3着馬は中山重賞での好走歴があり、凡走人気馬も好走歴があったがいずれも3歳時のもので、適性を評価するなら古馬重賞が望ましい。
■馬券圏内馬は馬番1.2.3であり、顕著に内枠有利な展開であった。
■この展開では、インアウト(道中インを追走から4角で外目に出す)で小回りで上位の上がりが使える馬が躍動(12人気2着ナリタハリケーン)。
■マウントロブソンのように二桁番手からそのまま直線に進入してくるような馬から馬券を買うのは控えたい。抑えまで。

【好走馬】
■6人気1着:1枠1番:牡6歳:サクラアンプルール:キンカメ×SS:前走函館記念(重)8人気9着
中山では上位の上がりを使っての条件戦勝ち、中山記念2着などがあり、小回り適性は高かった
最内枠からスタートするとほぼ馬なりで中団のインを追走、向正面残り5Fから4角にかけて徐々に外に出していくと2列目内から5頭目付近で直線へ、上がり2位で差し切り優勝
■12人気2着:2枠2番:牡8歳:ナリタハリケーン:キンカメ×SS:前走函館記念(重)12人気7着
3戦前まではダートを使われており適性や実力の判定は困難であった、本レースが引退レースレースは内枠からスタートすると控えて中団後方のインで勝ち馬を見る位置、残り3Fからインアウトで勝ち馬を追いかける様に外に出されると上がり最速で追い込んで2着、勝負所でロスを省いた好騎乗
■1人気3着:3枠3番:牡5歳:ヤマカツエース:キンカメ×Robert系:前走大阪杯4人気3着
福島記念や中山金杯など小回りコースでの重賞勝ちがあり、適性を見せていた
レースは内枠からスタートするも1角までに外枠の人気馬エアスピネルの後ろを取りに行き中団外目エアスピネルを見る位置を追走、終始外目を周り残り3Fから外から被せにいってエアスピネルを好位差ししたが、道中内目で溜めていた人気薄2頭に差されての3着

【凡走人気馬】
■2人気5着:8枠13番:牡4歳:エアスピネル:キンカメ×SS:前走安田記念2人気5着
4戦連続でマイルを使われ久々の距離延長であった、中山では弥生賞3着、皐月賞4着があったが世代限定戦では実力が適性を凌駕すること多く評価には値しなかった、洋芝も初
レースは大外枠からスタートすると中団前目の外を追走で終始外外、4角から直線もほぼスムーズに追われたが直線は相対的に伸ばせず5着
敗因としてはマイルからの距離延長でロング持続ラップを前目で受けた(どちらかというと先行した)こと、外枠から外を回されたなどが挙げられる
■3人気8着:4枠5番:牡4歳:マウントロブソン:ディープ×GoneWest系:前走福島1800m(OP)2人気1着
小回りコースではスプリングSで優勝していた
レースは中枠内目からスタートすると直後他馬と接触し後方から、道中は後方馬群を追走、そのまま直線へ向かうと上がり2位を使うも8着まで、これだけ後方からだと直線短く物理的に届かない

2018年

34.4 – 59.1 – 37.6 (前傾3.2):2:01.1(稍重):16頭
【所見】
■過去5年唯一の道悪に加えマルターズアポジーの参戦で入りの3F5Fは良馬場含めても最速で、さらに加えて4Fから0.4加速する4F戦となったことで上がりのかかるタフな展開に。また、過去5年唯一のフルゲートでもあった。
■マイルを使われていた馬でも中団から差す様な馬であればタフな展開になっても対応できる可能性が高い(2人気1着サングレーザー)。
■2.3着には後方外から追い込んだ馬が入ったが、道悪×ハイペースで上がりが37.6とかかったことが大きく影響しており、同様の展開になると予想する場合を除き、ここに本命は打ちたくない。
■モズカッチャンのように後方から行く馬は、加速が始まる勝負所から直線でただ外に振られるだけだと大きな不利となる。本レースのミルコのように馬群を突いて距離ロスを省ける騎手が望ましい。小回りコースなために「4角スムーズに運べるか」は差し・追い込み馬の課題。

【好走馬】
■2人気1着:1枠2番:牡4歳:サングレーザー:ディープ×米国型:前走安田記念3人気5着
札幌では条件戦勝利経験があったがその他小回りでの好走歴はなかった、また、マイルより長い距離も2歳時のホープフルS以来だったが結果を出した
レースは内枠からスタートすると中団内目を追走、ラップの加速する残り4Fから各馬が外を押し上げていく中本馬は内目で極力ロスを省く追走、4角で外目に出されると狭いところを割って優勝、好騎乗
■1人気2着:3枠5番:牡5歳:マカヒキ:ディープ×米国型:前走JC6人気4着
ここは8ヶ月の休み明け、中山での好走歴ありも弥生賞1着、皐月賞2着と3歳時のみ
レースは内目の枠からスタートすると後方から、馬場の内目がよくないとの判断かスタートから1角にかけて外目外目に誘導され終始外外を回った、4Fからの勝負所をひたすら外を回ると4角3列目内から10頭目付近から直線へ、上がり2位で追い込んだが内目から掬われての2着、後にわかることだが上がりのかかる展開自体に適性があった。(2019年JC4着、2021年京都大賞典1着など)
■4人気3着:8枠15番:牝4歳:モズカッチャン:ハービンジャー×キンカメ:ドバイSC4人気6着
小回り経験は1勝クラスまで、ここへは5ヶ月の休み明け
レースは外枠からスタートすると終始最後方を追走、4Fからの勝負所マカヒキが外へ向かうのとは対照的に勝ち馬を追いかける様に馬群を突き、直線で進路を求めて外に出して行き上がり最速で3着、好騎乗。後方からいく馬は鞍上が馬群を突ける騎手かどうかも要注目ポイント。

【凡走人気馬】
■3人気13着:7枠14番:牡4歳:ミッキースワロー:ディープ系×トニービン系:前走大阪杯5人気5着
中山重賞は好走していたが2200mで外周りであった、それ以外は福島での条件戦のみ。
レースは外枠からスタートすると中団後方の馬群を追走、4Fからの勝負所馬群について行って直線を向いたが、半ばでモズカッチャンに前をカットされて終了(そもそもカットされる程度には手応えがなかった)。敗因は実力がそもそも?、洋芝の適性?など、断定できない要素が多いが、後方からいく馬はフルゲートだと「4角でスムーズに運べるか」という課題が付き纏うことは意識したい。

2019年

36.1 – 59.9 – 36.1 (前後傾0.0):2:00.1(良):14頭
【所見】
■過去5年入りの3Fが最も遅かったがその後7F連続で12.0付近のラップになったことで36.1と良馬場の中で最も上がりがかかった。
■小回りGⅠである有馬記念優勝馬が最内枠からスタートという点でブラストワンピースを評価して本命を打ちたかったレース。
■1〜5人気で1〜5着を独占しており、この5頭は全馬GⅠ連対経験ありとハイレベル戦であった。その中でも最後に物をいったのは「道中」および「4角から直線」で内を通ったか否か。

【好走馬】
■3人気1着:1枠1番:牡4歳:ブラストワンピース:ハービンジャー×キンカメ:前走目黒記念59kg1人気8着
小回り実績は有馬記念1着のみ。
レースは最内枠からスタートすると後方に追いやられない様に出して行き中団後方のインを追走、終始内から2頭目を走っている感じで、川田が馬場の良いところと判断していた可能性が高い。勝負所も内目を周り前で手応えの良いサングレーザーを追いかけて直線へ、上がり最速で抜け出して優勝、有馬記念に続きレース上がりが36.0以上かかるレースを勝利。
■4人気2着:6枠10番:牡5歳:サングレーザー:ディープ×米国型:前走安田記念6人気5着
前年2018年の優勝馬で、2年連続好走したリピーター。怪我の関係で本レースが引退レース。
レースは中枠外目からスタートすると前走マイルを使っていた影響か多少行きたがりながら先行のインを追走、4角まで徹底して最内を周ってくると残り2Fで逃げ馬を交わして残り1Fでは堂々先頭もブラストワンピースに差されての2着。好走要因として終始内を周れたこともあったが、小回り重賞である以上、リピーターというだけでも評価して抑えておくべき存在だった。
■1人気3着:6枠10番:牡4歳:フィエールマン:ディープ×欧州型:前走天皇賞春1人気1着
小回り実績としては中山の条件戦、ラジオNIKKEI賞でも上がり最速が使えていた点があったがいずれも若駒時。
レースは中枠外目からスタートすると内目に入れるチャンスなく多少行きたがりながら中団後方の外を追走、残り3F付近からの勝負所ミドルアウト(馬群の中間くらいから直線で外へ)で出されると上がり最速も3着まで。1.2着との差には終始外目を通らされた影響があった。

【凡走人気馬】
■2人気4着:7枠12番:牡4歳:ワグネリアン:ディープ×キンカメ:前走大阪杯4人気3着
小回り実績は弥生賞2着と3歳時のみ。
レースは外枠からスタートするとほとんど馬なりで中団前目の外を追走、外を周ったまま4角へ入り、1列目内から4頭目付近で直線へ、本場なりに伸びたが4着まで。道中大きく外を周ったわけではないが、3着馬との差は枠の分、凡走とも言えない。

2020年

35.8 – 60.3 – 35.2 (後傾0.6):1:59.4(良):12頭
【所見】
■過去5年最少頭数の12頭立てで唯一の後傾ラップ。残り4Fから0.5加速して勝負所に入る展開で上がりは過去5年最速。しかし馬場状態が良好で、後傾ラップだが勝ちタイムも最速。
■本年も内枠から「道中」および「4角から直線」で内目を通り距離をロスしなかった馬の1.2着。

【好走馬】
■2人気1着:1枠1番:牝5歳:ノームコア:ハービンジャー×クロフネ:前走安田記念7人気4着
7戦ぶりの2000m以上のレースで2018年、2019年のサングレーザー同様マイルで中団から差す競馬をしていた馬。小回りでは紫苑S勝ちがあり、3歳時だがダービー/オークスよりは後のレースで多少評価をしたかった。
レースは最内枠からスタートすると中団のインを追走、残り500m付近からインアウトで直線外目に持ち出されると上がり最速で優勝、過去5年で最も美しいインアウト。
■6人気2着:2枠2番:牡6歳:ペルシアンナイト:ハービンジャー×SS:前走宝塚記念(稍重)13人気15着
2019年も走っており外目の枠から5着していた。
レースは内枠からスタートすると中団後方のインを追走で勝ち馬を見る位置、4角から直線勝ち馬のインアウトについて行って一緒に伸びての2着。優勝馬同様こちらもロスを省いた競馬。
■1人気3着:5枠6番:牝5歳:ラッキーライラック:オルフェーブル×米国型:前走宝塚記念(稍重)3人気6着
小回りでは2度中山記念での2着があったが、小回りへの適性というよりは先行抜け出しの優等生な競馬で好走したものであり、コーナーでの加速性能を評価できるものではなかった。
レースは中枠からスタートすると先行、2番手内から2頭目を追走、残り3F手前から逃げ馬に並びかけると直線入り口では先頭、本馬なりに伸ばしたが内で溜めていた2頭に差されての3着。

【凡走人気馬】
■3人気4着:7枠10番:牝5歳:ポンデザール:ハーツクライ×欧州系米国型(母は欧州、母父は米国):前走札幌2600m(OP)2人気1着
小回りコースでは札幌で3度の勝利があったがいずれも2600m戦。
レースは外枠からスタートすると中団で勝ち馬の外を追走、残り1100m付近から外から促されると残り3Fからはムチも入れられた。4角から直線勝ち馬のインアウトで外に張られると、直線ジワジワ伸びての4着。札幌とはいえ長距離実績しかないこと、外枠であることなどから本命にはしたくなかった。

2021年

34.9 – 59.9 – 35.4 (前傾0.5):1:59.5 (良) 13頭
【所見】
■過去5年良馬場に限れば入りの3Fが最も早く、故に前傾度合いが最も大きい。残り4Fから0.6加速する展開で、2018年、2020年と同様。多少雨が降った後で完全な良馬場ではなかった。
■1.2着の牝馬が強く、好走パターン「内枠から道中内を周って4角インアウトで直線」に該当のマイネルウィルトスは惜しくも4着。しかし本年は過去5年で唯一Aコースの最終週に行われたこと、雨の影響の2点で例年より内を通る利が小さくなっていた。

【好走馬】
■2人気1着:8枠13番:牝3歳:ソダシ:クロフネ×キンカメ:前走オークス1人気8着
小回り経験は札幌2歳S1着のみ。
レースは大外枠からスタートすると2番手外を確保、向正面から3角手前でブラストワンピースが外からポジション押し上げ、それに連れて本馬も残り4Fから逃げ馬を交わしていくとそのまま押し切って優勝。強い、が、斤量52kgであった恩恵は大きい。
■1人気2着:4枠4番:牝5歳:ラヴズオンリーユー:ディープ×StormCat:前走(香港)QE2世C3人気1着
小回りは有馬記念10着のみ。
レースは内目の枠からスタートすると明確にソダシの後ろを取りに行ったが前後のポジション差がありすぎて間に2頭挟んで、中団外目を追走、向正面に入るとポジションを外にして前のサトノセシルを交わしにかかった。直後、さらに後ろからブラストワンピースがまくりにかかったことで締め切られるわけにはいかずサトノセシル(ルメール)が外に張ってきた。多少窮屈になったが不利はなく、勝負所は終始外を周ったまま、3列目内から5頭目で直線へ、上がり最速で伸びたが届かずの2着。勝ち馬とは斤量と勝負所での内外の差が出た形。
■8人気3着:5枠7番:牡7歳:ペルシアンナイト:ハービンジャー×SS:前走鳴尾記念7人気4着
札幌記念へは3年連続での参戦で2020年も2着のリピーター。
レースは中枠からスタートすると中団のインを追走、勝負所下がってきた逃げ馬をパスして2列目内から3頭目で直線に出されると上がり2位で3着。

【凡走人気馬】
■3人気5着:8枠12番:牡6歳:ブラストワンピース:ハービンジャー×キンカメ:前走鳴尾記念5人気3着
有馬記念勝ちがあり、2019年の優勝馬でもあったが近走は大敗も目立ち競争能力のピークアウトは明らかであった。レース後脚部に怪我が判明したことで本レースが引退レースに。
レースは外枠からスタートすると控えて後方2番手を追走、向正面残り5Fから外から一気にポジション押し上げてそのまま4Fからの加速勝負所へ、一緒に進出したソダシに追いつけず直線は3頭に交わされての5着。やはり3角から直線は基本できるだけ内を周ってきたい。

Gregory

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