東京新聞杯の各馬分析1頭目はウインカーネリアン。前々走までOPクラスを3連勝しており勢いに乗っています。今年は6歳馬の出走が多く、本馬もその一頭で、ベテラン勢にも期待したいです。ただ、収得賞金から斤量を背負わされそうで、その点がどうかでしょう。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
東京新聞杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ウインカーネリアン:牡6歳:スクリーンヒーロー×米国型:前走マイルCS9人気12着:三浦:58kg(+2kg)
結論
■これまでに連対した10戦の内8戦は前走からの間隔がおおよそ1ヶ月半以内(残り2戦は新馬戦と間隔2ヶ月だった関屋記念)の成績からわかるように明確に叩き良化型で、1戦使った後のタイミングで狙いたいタイプ
■ゲートでの駐立が悪くおおよそ2、3回に1回はレース映像を確認するだけでゲート内で立ち上がっている、これまでスターターとの兼ね合いもあって出遅れてはいないがタイミング合わず出負け気味のスタートになっていることは多々あり、タイミングによっては大きく出遅れるリスクがある点には注意したい
■強い前進気勢で先行して行っても折り合いがつく点が強みで、道中速めの追走が求められ、追走力のない馬が追い込めないような展開に適正がある
■爪の怪我で1年の休養を挟んで以降はWでそこそこの全体時計から終い伸ばす調教ができるようになっており、マイルでL、L、GⅢと3連勝していた、重斤量な点、6歳、間隔2ヶ月以上とマイナス材料もあるが、多くのネガティブな要素があり12着に負けた前走で人気を落としそうな今回はどちらかと言えば狙い目と見る、枠との兼ね合いもあるが最低でも紐には欲しい
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬(稍):2着:松岡
・追い切りはW、坂路、芝の併用で、時計は平凡も併せ馬は盛んに行われていた
・レースは稍重の中38.7 – 64.9 – 33.5で、序盤ドスローで進めると残り3Fから1.5加速して11.1 – 11.0 – 11.4と伸びる高速上がり戦
・中枠からスタートすると折り合いをつけながら2番手を追走した、ドスローの流れでも落ち着いて追走できていた、そのまま2番手で直線へ進入すると上がり2位を使って馬群から抜け出したが外から上がり最速馬に差し切られての2着
【2】福島1800m未勝利:1着:中2週:三浦
・追い切りはWと坂路が1本ずつで、最終追いの坂路では終い伸ばすような時計が出されていた
・レースは36.2 – 61.6 – 35.9で、序盤スローで進めると残り4Fから0.5加速して12.0 – 12.0 – 11.6 – 12.3と加速する4F戦
・外枠から若干アオるようなスタートを切ると出して行って枠なりに先行の外を追走した、勝負所では馬群の加速に合わせて残り4Fから加速を開始した、4角では少し外に膨れながらも1列目内から3頭目付近で進入すると上がり2位で抜け出して優勝
【3】新潟2歳S:7着:2ヶ月:松岡
・間隔2ヶ月で短期放牧明け、追い切りは坂路オンリーで2週前には自己ベスト4F52.0 – 12.7が出されており、併せ馬も盛んに行われていた、馬体は+8kg
・レースは36.1 – 61.4 – 33.6で、序盤スローで進めると残り3Fから1.3加速して11.0 – 11.0 – 11.6と伸びる高速上がり戦
・外目の枠からゲートの中で立ち上がる素振りを見せたタイミングでスタートし出遅れると枠なりに後方の外目の馬群を追走した、道中は近くの馬が引っ掛かっていたり口向き悪い様子で抑えられるなど、かなり揉み込まれていた、その後後方の外目から直線へ進入し追われたが末脚伸ばせず7着敗戦
【4】芙蓉S(OP)(中山2000m):2着:1ヶ月:松岡
・中間はゲート練習が取り入れられていた、追い切りは坂路からのWでの調整で、最終のWでは自己ベスト5F64.3 – 12.7が出され併せ馬が行われていた
・レースは6頭立てで38.1 – 64.3 – 34.1で、終始ドスローで進めると残り3Fから0.7加速して11.4 – 11.2 – 11.5と伸びる展開
・6頭立ての一番外6番枠からスタートすると若干抑えられながらもハナへ行った、その後先頭をキープしたまま徐々に加速するとラストも上がり3位を使ったが、外から上がり最速馬に差し切られての2着
・スローな展開を前受けしてもラストは上がりの差で差し切られてしまうところを見るに使える上がりには限界があるタイプで、高速上がりよりは多少上がりかかる展開に適性がある可能性が高い、また、コーナーで外に膨れたり直線でも外にヨレながら走る面を見せており、現状左回りの方が向く可能性
3歳
【5】東京1800m1勝クラス:6着:4ヶ月:松岡
・追い切りはWで併せ馬主体で週末に坂路単走、休養前に比べてWでの時計は出されていなかった、休み明けだったが馬体は-8kg
・レースは35.9 – 60.7 – 34.2で、序盤スローよりのペースで進めると残り3Fから0.8加速して11.5 – 11.2 – 11.5と伸びる東京らしい展開
・外枠からスタートを切るとスムーズにハナへ、その後も折り合って進めた、先頭で直線へ進入するとラストまで本馬なりに脚を伸ばしたがラストは差しの組に交わされて3着と0.1差の6着まで
【6】弥生賞(重):8着:1ヶ月:ミナリク
・陣営は前走について「久々なのに体重が減っていたし、まだ良化途上だったのかも」とコメント、追い切りはW主体週末坂路でそこそこの時計が出され、2週続けて併せ先着していた
・レースは重馬場の中36.2 – 61.1 – 36.6で、序盤は平均から重馬場を考えると若干早めの流れの中、ラスト4Fは12.6 – 12.5 – 11.8 – 12.3と残り2Fからの加速が大きく上がりかかる展開
・中枠からスタートすると若干抑えられながらも出て行ってハナへ、序盤は前3頭で後方を5馬身ほど離していた、勝負所残り700m付近で外から各馬が並びかけてくると番手を下げて直線入り口では4番手のインコース、直線では脚を伸ばせず8着、適性うんぬんよりも純粋な力負けに見えた
【7】中山1800m1勝クラス:1着:中2週:三浦
・追い切りはWで軽めの時計の併せ馬が1本、馬体は+6kg
・レースは38.7 – 63.1 – 35.1で、序盤ドスローで進めると残り5Fから0.8加速して11.8 – 11.8 – 11.7 – 11.3 – 12.1と伸びる高速5F戦
・大外10番枠からスタートすると出て行った後抑えられて3番手の外をいくらかハミを噛みながら追走した、勝負所では外から加速していくと直線に入って手前を替えるのに時間を要したが替えてからは一気に伸びて上がり最速で2馬身半差の完勝、ここでは力が違った
・詰まった間隔でも馬体を増やして好走しており、休み明けよりも叩いてからの方がパフォーマンス上げられるタイプの可能性が高い
【8】皐月賞(稍):4着:中2週:田辺
・追い切りはWと坂路の併用で間隔詰まったのもあってか全体時計はいずれも軽め
・レースは稍重の中35.6 – 59.8 – 35.8で、序盤皐月賞らしく緩まないラップの後800 – 1200mで12.4 – 12.9と息を入れた後、残り4Fから0.7加速して12.2 – 11.9 – 11.8 – 12.1と徐々に加速する4F戦
・中枠からスタートすると勢いよく出て行ってハナから5馬身ほど離れた2番手を単独で追走した、勝負所徐々に加速して逃げ馬に並びかけていくと交わして直線入り口では先頭、ラストまで脚を伸ばすと前の2頭には離されたがよく踏ん張っての4着
・4ヶ月の休養の後詰め気味の間隔で使って叩き4戦目で上昇、休み明けより叩いてパフォーマンス上げるタイプ
【9】日本ダービー:17着:1ヶ月半:田辺
・追い切りはW主体の週末坂路で時計はいずれも軽め、併せ馬も最終追い切りのみだった
・レースは36.8 – 61.7 – 34.3で、序盤は平均からスロー気味で進めたが、途中マクる馬がおり、1000 – 1200mで11.8が入った、その後残り4Fから0.5加速すると11.8 – 11.3 – 11.3 – 11.7とラストまで11秒台で伸びる展開
・大外枠からスタートすると押して出して行ってハナへ、スムーズに走っていたが、向正面でマクられると内に押し込まれる形で好位のインコースになった、直線でも半ばまでは踏ん張っていたがラストはガス欠の様子で垂れていっての17着
・逃げたがマクられるなど展開が向かない面もあったが、そもそも距離も長かった印象
【10】札幌2000m2勝クラス:5着:3ヶ月:横山武
・追い切りは札幌のダートから芝での調整で2週続けて併せ馬が行われていた
・レースは36.2 – 61.2 – 35.3で、序盤平均からややスローで進めると残り4Fから0.4加速して11.8 – 11.8 – 11.5 – 12.0と伸びる高速4F戦
・外枠からゲートでの駐立悪く立ち上がったりしていたが五分のスタートを切って出ていくと3番手の外を追走した、道中もスムーズに追走すると好位の外目から直線へ、本馬なりに脚を伸ばしていたが、自身より内目を追走していた馬に抗えず5着まで
【11】中山1800m2勝クラス:1着:1ヶ月:三浦
・陣営は「気が入っていない感じだったので在厩してじっくり調整」とコメント、休み明けは向かないタイプか、追い切りはW主体で時計は軽めも併せ馬は行われていた
・レースは36.8 – 60.7 – 35.1で、序盤はスローだったが残り5F付近から2番手の馬が引っ掛かり気味に競りかけてきたことでペースアップ、残り5Fから1.1加速して11.4 – 11.8 – 11.7 – 11.3 – 12.1という展開
・内目の枠からスタートすると出して行ってハナへ、2番手の馬にペースを乱されながらもハナをキープすると先頭で直線へ、馬場の中程に出されると抜け出して1馬身半差の完勝、ここでは力上位だった
・前走と今走のパフォーマンスを比較しても叩き良化型なのは明らか
【12】中山1800m3勝クラス:4着:2ヶ月:三浦
・追い切りはW主体の週末坂路での調整で、2週続けてW4Fからで調整されており、露骨に調教負荷が軽かった
・レースは37.2 – 61.5 – 35.7で、序盤スロー気味の展開からラスト4Fは12.1 – 11.9 – 11.5 – 12.3と残り2Fからの加速が大きい展開
・大外11番枠から相変わらず駐立悪く、ここは出負け気味のスタートを切ると出て行って中団前目の外を追走した、序盤は多少行きたがっていたが2角付近からは落ち着いた、その後も終始外目を追走すると1列目の内から3頭目付近から直線へ、上がり3位を使ったがラスト100mでは若干脚色劣勢で4着まで、前にいた馬たちで決着しており展開は向いていた
4歳
【13】中山1600m3勝クラス:2着:1ヶ月:三浦
・追い切りは坂路とW1本ずつで、最終Wは終い重点の併せ馬、1ヶ月の間隔も馬体は+10kgしていた、ハンデ56kg
・レースは34.9 – 57.8 – 35.1で序盤11.4以下が続く速めの展開からラスト4Fは11.5 – 11.6 – 11.1 – 12.4と残り2Fからの加速が大きい展開
・内枠からスタートすると出て行ってハナへ、道中は2番手の馬が外におり若干プレッシャーありながらも軽快に逃げていた、勝負所4角では外から勝ち馬が並びかけてきて残り2Fから追い出されるとラストまで脚使ったが勝ち馬には離されての2着
・勝ち馬は自身より2kg軽く、次走で東京新聞杯を勝つカラテだったことを考えればこのクラスも通過点か
【14】中山1600m3勝クラス:1着:1ヶ月半:三浦
・陣営は「課題の発馬さえ決めれば」とコメントしており苦手意識がある、追い切りはW主体週末坂路での調整で、時計は全体的に軽め、併せ馬は行われていた
・レースは34.3 – 57.0 – 34.8で序盤11.2以下が3F連続するハイペースからラスト4Fも11.5 – 11.5 – 11.4 – 11.9と加速の少ない持続的な展開
・最内枠からスタートすると勢いよく出て行ったが外から押して押してハナを叩きにきた馬がおり2番手のインコースを追走した、道中もそこそこ速いペースだったがしっかりついていくと4角で先頭にならびかけた、直線上がり最速で抜け出すと2馬身半差の完勝
・先行力を活かして序盤から速めのペースを追いかける競馬で完勝、スローからの切れ味勝負よりワンペースの展開が合っている
【15】ダービー卿CT:1ヶ月:取り消し:三浦
・登録も蹄葉炎(ていようえん)という爪の病の影響か取り消し、1年の休養に入った
5歳
【16】六甲S(L)(阪神1600m)(稍):6着:1年1ヶ月:国分優
・追い切りはW主体で6Fからと長め、加速ラップでしっかり終いまで伸ばされており、時計の質が明らかに良化していた、馬体は+16kg、初の関西遠征
・レースは乾いていく稍重の中35.0 – 59.0 – 34.7で、序盤平均ペースから残り3Fから0.6加速すると11.5 – 11.2 – 12.0と伸びる展開
・内目の枠から相変わらず駐立悪く立ち上がったりしていると出負け気味のスタートを切った、しかし、二の足の違いで馬なりでハナへ、直線でも本馬なりに脚伸ばしていたが6着まで
・休み明けというのもあったが上位は上がりを使った馬で占められており、上がり勝負になったのも向かなかったか
【17】谷川岳S(L)(新潟1600m):1着:1ヶ月:三浦
・追い切りは前走に続いて6Fからで終いまでしっかり伸ばされていた
・レースは36.2 – 60.2 – 33.4で、序盤スローな展開から残り4Fから0.8ずつ加速して11.6 – 10.8 – 10.9 – 11.7と伸びる高速上がり戦
・中枠から立ち上がる素振りを見せながらも五分のスタートを切ると前走より遅いペースだったが2番手でしっかり折り合って追走した、そのまま好位で直線に入ると上がり3位で長くゴールまで脚を使って抜け出して優勝
・前走からペースが緩んでも騎手との呼吸を合わせて折り合える点は強み
【18】米子S(L)(阪神1600m):1着:1ヶ月:三浦
・陣営は「爪の状態が良くなってきたことで、Wコースでもしっかりと追えるようになったのが大きい」と休養後の変化についてコメントしていた、追い切りはWで相変わらず加速ラップの好時計
・レースは34.5 – 57.9 – 35.0で道中は平均からややハイペースの展開からラスト4Fは11.6 – 11.6 – 11.2 – 12.2と残り2Fからの加速が大きい展開
・外枠からスタートすると枠なりに外目3番手を追走した、そのまま好位外目から直線へ進入するとほとんど馬なりで先頭に並びかけ残り400m付近から追い出されると抜け出して1.1/4馬身差の完勝
【19】関屋記念(稍):1着:2ヶ月:三浦
・追い切りはWで相変わらずの加速ラップ好時計
・レースは36.2 – 60.3 – 33.0で序盤スローから残り3Fから1.1加速すると10.8 – 10.6 – 11.6と伸びる高速上がり戦
・外枠からスタートすると馬なりで出て行って2番手を追走した、そのまま直線に入ると上がり2位32.9で長く脚を使うと抜け出して優勝
・逃げたシュリも2着に残していて展開は向いていたとはいえ、OPクラスを3連勝で重賞初制覇、素晴らしいパフォーマンス
【20】マイルCS:12着:3ヶ月:三浦
・追い切りはWで6Fからで本数も多く乗られていた
・レースは35.1 – 58.5 – 34.0で、序盤GⅠとしては若干緩めの展開から残り3Fから0.3加速すると11.6 – 10.8 – 11.6と残り2Fからの加速大きく伸びる展開
・内枠からここでもゲートで立ち上がったが、着地したところでスタートが切られなんとか五分のスタート、出ていくと先行したが道中外からポジション上げてくる馬がおり押し込められるような形で中団のインコースを追走した、直線も同じポジションのまま内目を追われたが伸ばしきれず12着
・休み明け、初の古馬GⅠで相手は強化、レース上がりは34.0で高速上がり求められる、道中外から押し上げる馬多く直線入り口で中団、直線では前の馬が左右にフラつきながらの走りで進路狭くなる、など多くのネガティブ材料があった、「GⅠでは通用しない」と判断するには早計な一戦
結論(再掲)
■これまでに連対した10戦の内8戦は前走からの間隔がおおよそ1ヶ月半以内(残り2戦は新馬戦と間隔2ヶ月だった関屋記念)の成績からわかるように明確に叩き良化型で、1戦使った後のタイミングで狙いたいタイプ
■ゲートでの駐立が悪くおおよそ2、3回に1回はレース映像を確認するだけでゲート内で立ち上がっている、これまでスターターとの兼ね合いもあって出遅れてはいないがタイミング合わず出負け気味のスタートになっていることは多々あり、タイミングによっては大きく出遅れるリスクがある点には注意したい
■強い前進気勢で先行して行っても折り合いがつく点が強みで、道中速めの追走が求められ、追走力のない馬が追い込めないような展開に適正がある
■爪の怪我で1年の休養を挟んで以降はWでそこそこの全体時計から終い伸ばす調教ができるようになっており、マイルでL、L、GⅢと3連勝していた、重斤量な点、6歳、間隔2ヶ月以上とマイナス材料もあるが、多くのネガティブな要素があり12着に負けた前走で人気を落としそうな今回はどちらかと言えば狙い目と見る、枠との兼ね合いもあるが最低でも紐には欲しい
Gregory