回顧 【有馬記念2025】
有馬記念を回顧する。今年もまた成長に向けた学び・反省を抱えて新年を迎えたい。2023年と同じ有馬記念だな、このパターンにはどう対処するか考えねば。
予想・買い目・結果
【予想印】
◎5レガレイラ
◯4ミュージアムマイル
▲1エキサイトバイオ
△9ダノンデサイル
△16タスティエーラ
【買い目】
(馬連)
5 – 1.16 計16400
(馬単)
5 – 9 計34800
(3連単)
5 – 4 – 1.9.16 計18800
計 70000
【結果】
1着:◯4ミュージアムマイル
2着:消10コスモキュランダ
3着:△9ダノンデサイル
◎5レガレイラを軸に、2着以内が必要な馬券で勝負し4着敗戦。
回顧
【展開】
予想:30.4(2.5F) – 60.2 – 36.3 (良)
実際:29.7(2.5F) – 60.3 – 35.6 (良)
前半はテンに出て行ったコスモキュランダを外からミステリーウェイが制してハナを叩く展開で、5F通過は60.3と過去5年と比較して2番目に速いミドルペースで入った。その後はラップが緩む1, 2角で外からメイショウタバルがミステリーウェイのハナを叩く形で逃げ馬が入れ替わって残り1200-1000mで12.0と少しラップを早めたが、後半5Fは12.6 – 12.3 – 11.9 – 11.6 – 12.1と急速にラップが加速する箇所があるというよりは遅いラップから徐々に加速していくような流れに。レース後にコスモキュランダ鞍上の横山武史が「かつてのメジロパーマーのように、前でやり合って後ろを離す競馬を考えていました」とコメントしており、まさにこのような形となっていて、前はやり合っているし前半も過去5年で比較して2番目に速いペースで行っているが、例年ならラップが引き上がる残り5Fからが全く速くなりきっていないことで、持久力のある先行馬なら十分に残せる形。言うなれば、先行馬にも差し馬にもチャンスのある展開で、反対に前でやりあった馬や位置取りで後手を踏んだ後方の差し馬は苦しい展開。有馬記念はこれまで前半がスローペースから後半5Fが速いスローぺターンと、前半からハイペースでレース上がりが36秒以上かかるハイペースパターンの2つがメインだったが、今年はミドルペースから後半もロングスパートになりきらないミドルペースパターンとなった。2023年のドウデュースの年(30.2 – 60.4 – 35.9)に似ている形。このパターンは隊列の影響も大きく本当に難しい。
【各馬】
まずは好走馬から。
1着◯4ミュージアムマイルは、スタートして1角までにダノンデサイルの後ろを取り切れたことが大きく、相手のレガレイラが後手にまわったことで頭まで走り切った形。この後書くようにレガレイラにはいくつかやりようがあったが、それと比較して本馬の鞍上のクリスチャンはできることをしっかりとやって勝ち切った。有馬記念はレース前に鞍上が「コーナー6つの舞台なら距離もなんとか」との旨のコメントをしていたように適性はどちらかというと誤魔化せる舞台。今回の1戦を見て今後も距離に全くの不安なしとは思わないが、やれなくはないことを証明した。前が苦しい展開だった皐月賞を鋭く差し切っているように瞬発力よりは持久力に優れたタイプだから、世間も理解する所だが、東京よりも中山が良いタイプだろう。現状スタートに難しさがあり位置は自由に取り切れるタイプではないだけに、もう少しポジション取りが命取りになるレースで嫌えたら。ちょったした流れ次第で能力で差してきてしまうから相手には取るような形になるだろうね。特に評価が大きく変化する所はない。
2着消10コスモキュランダは、ブリンカーが効いた。今年の大阪杯で本命を打ったように能力はGⅠに入っても引けを取らないと見ていたが、その後の今年のレースでは終盤に馬が辞めてしまっているような面があり、序盤から位置を取りに行くことで後半まで集中力が持たないような競馬が続いていた。今回初めてブリンカーを着用されたことで、返し馬から行きっぷりが違っていたし、今後もこの形で走れるかは断定が難しいが、この人気薄で走られてしまうと今後の買い時が難しい。前でやり合って後ろを離す形は鞍上の想定する所だったようだし、極上の好騎乗だね。ブリンカーを着用するとの情報は出されていたし、今回は目ぼしい穴馬がいないなら思い切ってここの一か八かにベットできるかが勝負だったのかな。
3着△9ダノンデサイルはポジション取りを含めて想定通りの競馬。今回も直線ではかなり内へヨレるのを矯正されながら追われていて、明確に左回りの方が良いタイプ。世間に気付かれずに左回りで強く狙えると良いんだろうが、もうこの点だけでは世間との差は取れないだろうね。今年もドバイ→イギリスと海外を転戦していただけに、後何回予想するレースに出走してきてくれるかわからないが、また日本でも高いパフォーマンスを見せてほしい。
以下は印を振った馬。
4着◎5レガレイラは、戦前はそんなことはないと思っていたが、終わってみれば鞍上と手が合わないのかもしれない。相性が悪いというよりは、レガレイラの能力を出せる乗り方を鞍上が理解し切れていないように見える。よく「新しい視点で乗ってほしい」とのモチベーションで乗り替わりが行われることがあるが、そういった意味で鞍上は良くない頃のレガレイラのイメージが染み付いてしまっているかもね。予想の中の隊列予想でも示したように、道中の位置取りは勝ち馬のミュージアムマイルと反対になると見ていたし、そうなって欲しかった。パトロールを見るにポジションを改善できたチャンスは2回あって、1回目はスタート直後、わずかにミュージアムマイルよりこちらのスタートが速かったが、ここで強気にポジションを取りに行くよりも馬のリズムを重視する方の乗り方を取っている。個人的にはここのポジション争いが1つポイントと見ていただけに、ポジションが逆になった時点で「これはミュージアムマイルかもな」と悪い予感がしていた。2回目は1周目4角を抜けてのホームストレッチ。前にミュージアムマイルを見て外からポジションを上げても良いかなと思いながら見ていたが、鞍上の選択はミュージアムマイルをマークする位置だった。まあ気持ちはわからなくもない。前にはトップジョッキーの乗る人気馬がいて、先行馬らはメイショウタバルが外からハナを叩こうとしているなどやり合っている。流れによっては控えたら控えただけ良い形になるイメージも湧く。終わってみればやり合った馬と後手を踏んだ差し馬が苦しい流れで、その後手を踏んだ差し馬の筆頭になってしまった。馬自体はある程度走れる展開も理解しているつもりなだけに、ルメールが鞍上の際にはもう少しポジションが後方になる所を想定して予想を組み立てていくかな。
8着▲1エキサイトバイオは、難しい競馬になった。この流れならやり合う3頭に参加したかったくらいだが、折り合いに難しさがあって強気に出していけないし、テンもそう速くない中で1つ外のシンエンペラーも出していく。ミドルペースではなくて、前がもっと潰し合うハイペースならこの枠は良いと見ていたが、緩んでしまうと弱みが出るね。ただ、この展開でも8着まで走っていることは、前々走、前走がフロックではないことの証明で、テンの難しさから展開における好走レンジはそう広くない面はあるが、買い時はくるんじゃないかな。ラジオNIKKEI賞はせっかく予想しても、ここで分析した馬がその後大きなレースを使えないことも多いだけに、こんな馬が出てくるだけで嬉しい。まだ明け4歳だし、今後が楽しみ。
6着△16タスティエーラは、今回で引退とのことで詳しくは振り返らないが、枠なりにやれることはやった形では。外枠の分もあるし、距離も2500mで先行する競馬だと終いはやや甘くなったかな。父が欧州型で重厚なスタミナや持久力のある側面にも期待して、ハイペースの中で差しにまわる競馬が見てみたかったが、今回のペースなら鞍上が選択した先行策は展開なりにベストだった。様々な不安もある中でラストまで走り切っただけで素晴らしい。また父として大舞台を賑わせてくれたら。
最後に1頭。
13着消6メイショウタバルは、酷い秋だった。人気馬4頭の中で消すならこの馬と評価し、予想通り唯一走っていない形だが、これだけでは馬券は当たらないから難しく、そして面白い。有馬記念で好走するためにはスローペースから後半5Fが速いスローペースパターンを自らが作り出すしかないと見ていたが、ミステリーウェイが参戦し、加えて自身より外の枠に入った時点で難しいと見ていた。なんなら秋は古馬3冠レースを目標とすると出た時点で、有馬記念は簡単ではないだろうと考えていた。それだけに、天皇賞秋の競馬が悔やまれる。好走パターンの外枠に入った中でガッツリスローペースに落とす自爆ラップ。天皇賞秋で先行馬が好走するためには、道中を持続的に進めるミドルペースが望ましく、タバルはその競馬で宝塚記念を勝っていた。馬に難しい所があるし、自在にペースがコントロールできる状況になかったのかもしれないが、他の騎手だったらまた違っていたんではないかな。
反省
今回は改めて有馬記念にこのパターンがあることを明確に認識することができた。ミドルペースになってある程度前も後ろも好走できる流れでは、道中の隊列や動きが結果を大きく左右する。思えば、2023年にドウデュースが勝った年にも、自身の予想を含めて同様の構図となっていた。ラップは2023年:30.2 – 60.4 – 35.9、2025年:29.7 – 60.3 – 35.6と似通っているし、自身が1人気4着の馬に本命を打っていた所まで再現されている。すなわち、何かを改善していかないとこの形で外し続けるね(笑)。
問題は、力のある人気馬が力を出せなくはない流れになるし、道中の隊列や動きが競馬の有利不利を他のレースと比較しても大きく左右することで、人気薄の馬にも思い切って張りづらいという点だ。人気薄から入るのであれば本来は「能力や実績では譲るが、今回の舞台と予想する展開ならその差を詰められる」という想定で勝負したいが、その展開が明確に有利不利な馬を作るわけではないために、ここが簡単ではない。今回人気薄で好走したコスモキュランダに関しても、前でやり合いながらも潰れるほどは苦しくない展開になり、加えてブリンカー着用で最後まで集中して走れての好走で、これを読み切るのは簡単ではない。
端的にまとめれば、期待値が(少なくとも個人的には)出ていないレースなんだ。競馬に限らないが、寺銭を持っていかれている性質上、仮にファンが上達して全ての馬の好走率に見合ったオッズを作り出せば、全ての馬の期待値は払い戻し率に収束する。すなわち、勝つためには買ってはいけないレースが存在するんだ。今回は正直、レース前に期待値が出せていない点を理解していた。しかし、「長い時間をかけて予想したこと」、「額を張って勝負しなければ今年の収支のマイナスが確定すること」などの要素から、当初予定の金額でそのまま打ってしまった。趣味である競馬の側面からすれば年末にこれくらい別にいいでしょ、という金額ではあるが、勝つための戦法の観点では明確に悪手である。
今後同じ状況が出てきた際には、見とまではいかないまでも、金額を縮小して、年間収支のマイナスが確定してしまうとしても、最後までベストを尽くせるようこれを学びとしたい。
今年はマイナス収支での終了となり、回収率も酷い成績だ。何か全体を通して来年から改善する必要があるかなと、今年ブログを書いて打った7戦を改めて振り返ってみたが、明確に戦い方で失敗したと感じるのは有馬記念だけ。当たった時には5, 6倍から10倍程度になるように組んでいるだけに、概ね6, 7回に1回当たれば回収できる計算だが、今年は当たりを引いた毎日王冠で跳ね切れなかったことが結果に響いているかな。戦い方はこのままで良いのではないかというのが結論だ。どうしても予想に時間がかかるだけに1/7程度を引けるかどうかの戦いでは収束するのに時間はかかるが、このスタイルを継続していきたい。来年は勝とう。
Gregory
