コスモキュランダ 【有馬記念2025】
有馬記念の各馬分析12頭目はコスモキュランダ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
コスモキュランダ:牡4歳:アルアイン×米国型:前走ジャパンC16人気9着:丹内
結論
■これまで何度もスタートで出遅れているようにスタートが上手ではない馬ではあるものの、近走はほぼ確実に出遅れていた若駒時よりは改善され、2回に1回くらいは五分のスタートを切ることができ、そうでない場合も少し出負けするくらいのスタートに良化している
■ラストにキレる脚があるタイプではなく、3歳時にはまくりを入れて4角で好位から長く脚を伸ばす競馬で重賞でも好走していたが、4歳になっての大阪杯以降はスタートも二の脚も一時より出るようになったことで、ある程度ポジションを取って、そこから粘りこみをはかる競馬をするタイプになっている
■また、長く脚を使うタイプではあるものの、ゴールへ向けて徐々に加速するような脚が使えるタイプではないため、直線が長いコースで末の鋭さも要求されるより、直線の短いコースでコーナーを押し上げて行って4角で好位から直線へ向く形の競馬が向いている
■3走前のオールカマーの内容からは、皐月賞を好走した時のような力はやや陰りを見せいている感はあるが、近2走の内容からはテンで力を出せなくなった訳ではなく、展開が向けばもう少しやれてもという面はある
■有馬記念では、前半が流れて上がりを要し末脚の性能が問われる流れになるとさすがに苦しく、前半がスローペースから後半5Fが速い流れを好位で進められればまだ前進がありそうだが、同じように後半5Fが速い流れになったオールカマーの内容からは実力の面で厳しくみたい感も、内枠に入って本線が3連系などになれば改めて相手に取ることを検討したいものの、基本は消しに近い評価で
全レース分析
2歳
【1】東京1600m新馬:12着:戸崎
・陣営は「3歳馬と併せて互角以上の動きを見せている」とコメントしていた、追い切りはWと坂路とPの併用で、最も速い時計は1週前にWで82.6 – 66.8 – 12.2が出され、併せ馬も行われていた
・レースは開催15日目(Cコース5日目)の馬場の中35.9 – 60.1 – 34.7の後傾1.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.5 – 11.4 – 11.8と伸びる展開
・内枠から歩くようなスタートで出遅れると最後方を追走した、道中はかなり追っ付けられて肩ムチも入れられて離れた最後方となっていた、そのまま直線へ進入すると本格的に追い出されもせず最下位敗戦
【2】中山2000m未勝利:4着:3ヶ月:丹内
・陣営は「気の悪いところは残るけれど距離は長めが良さそう」とコメントしていた、追い切りはWと芝とPの併用で、全体的に新馬戦よりも時計は出されていなかった、3ヶ月の休み明けで馬体は+12kgしていた、レースではチークピーシーズが着用されていた
・レースは開催2日目(Bコース2日目)の馬場の中36.4 – 61.1 – 35.1の後傾1.3で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.3加速して11.8 – 11.8 – 11.5とゴールへ加速する展開で、上位の上がりを使った3頭が圏内を独占した
・外枠から歩くように出負け気味のスタートを切ると押して出していかれてハナへ、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り4Fから徐々に促されて2番手と半馬身ほどの差の先頭で直線へ、直線では伸ばせず勝ち馬から0.9秒差の4着まで
【3】中山2000m未勝利:2着:中2週:丹内
・陣営は「切れないので前走は逃げたことが奏功した印象。再度同じ競馬ができれば」とコメントしていた、追い切りはWとPでの併せ馬が1本ずつで時計は軽めだった
・レースは開催8日目(Cコース3日目)の馬場の中37.3 – 63.1 – 35.3の後傾2.0で、道中をスローペースで進めると、ラスト4Fは12.3 – 12.1 – 11.4 – 11.8と残り2Fからの加速が大きな展開で、4角4番手以内から上位の上がりを使った馬が圏内を独占した
・中枠から出ないようなスタートで出遅れると行きたがる様子を見せて外へ誘導されて好位の外を追走した、1, 2角では抑えられて頭を上げるような所があったが、道中は前に馬を置かなくても折り合って追走できていた、勝負所では手綱を抱えられたまま加速して逃げ馬と並んで先頭で直線へ、直線では上がり2位35.2の脚で抜け出しにかかったが、ラストは外から上がり最速で伸びた勝ち馬に交わされて2着まで
【4】新潟2000m未勝利(重):1着:1ヶ月:丹内
・陣営は「先行力があり平たんは魅力」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、Wでは併せ馬でそこそこの時計が出されていた
・レースは開催6日目(Aコース6日目)で小雨が降って重となった馬場の中37.2 – 63.2 – 36.2の後傾1.0で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.7加速して12.0 – 12.2 – 12.4 – 12.0 – 12.0と11秒台の入らない上がりのかかる展開で、4角4番手以内の馬で圏内を独占する先行決着
・外枠から初めて五分のスタートを切ると出て行って2番手を追走した、前半はスローペースだったが折り合いの中で追走できていた、その後もスムーズに進めると勝負所では手綱を抱えたまままわってきて逃げ馬と1馬身差ほどの2番手で直線へ、直線では力強く伸びて抜け出すと2馬身半差で快勝
【5】京都2歳S:8着:1ヶ月:角田大河
・陣営は「前走が道悪での勝利で速い持ち時計がない点はネックだが、競馬が上手な馬だからね」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前には5F自己ベスト83.1 – 66.4 – 11.8が出され、当週は初の関西遠征を考慮してか単走で軽め
・レースは開催16日目(Cコース3日目)の馬場の中35.0 – 59.1 – 35.9の前傾0.9で、前半をハイペースで進めると、800-1200mを12.3 – 12.8と緩めて、ラストは残り4Fから0.8加速して12.0 – 11.9 – 11.9 – 12.1と伸びて上がりのかかる4F戦
・外枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方の外を追走した、向正面から3, 4角では外からポジションを少しだけ押し上げて後方の大外になって直線へ、直線では入り口で挟まれてブレーキをかけて大外に切り返されたが、その後はまわりと同程度の脚しか使えず8着敗戦
3歳
【6】中山2000m1勝クラス:2着:1ヶ月半:丹内
・陣営は「重賞でも最後に差を詰めた。自己条件ならチャンスがあってもいいと思う」とコメントしていた、追い切りは併用で1週前のWでは自己ベストに迫る時計が出されていた
・レースは開催12日目(Cコース3日目)の馬場の中35.9 – 59.9 – 35.7の後傾0.2で、前半を緩まり切らないペースで進めると、ラスト3Fは12.4 – 11.6 – 11.7と残り2Fからの加速が大きな展開で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着
・内目の枠からゲートでの駐立が悪く出遅れると控えて後方の外を追走した、道中はやや促されながらもポジションを変えずに追走すると、勝負所では残り500m付近から外から進出を開始して中団後方の外から直線へ、直線では上がり最速34.9の脚で前に迫ったが、先に抜け出した勝ち馬に及ばずの2着まで
【7】弥生賞:1着:2ヶ月:デムーロ
・陣営は「持ち時計がなかったので2分を切る競馬ができたのは収穫」とコメントしていた、追い切りは併用で、当週にはWで5F自己ベストの83.2 – 65.7 – 11.5が一杯で出されて併せ先着していた
・レースは開催4日目(Aコース4日目)の馬場の中35.2 – 60.4 – 35.1の後傾0.1で、道中を平均程度のペースで進めると、ラストは残り3Fから0.4加速して11.7 – 11.4 – 12.0と伸びる展開
・中枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方の外を追走した、2角から向正面では馬群の一番外からポジションを上げて3角地点では好位の外を追走していた、勝負所ではそのまま進出を開始して逃げ馬に並びかけて直線へ、直線ではキレるような脚ではなかったもののラストまでしぶとく伸ばして1.1/4馬身差の快勝
・レース後に鞍上は「競馬の前に調教師や関係者と話をして、いつも良い脚を使うけど遊んでいるという事で、ペースがどうかと思いましたし、前残りの馬場でしたから、途中から動いた方が良いと思って動きましたが良かったです」と、陣営は「将来的には長いところを使う事になると思います」とそれぞれコメントしていた
・これまでに陣営もコメントしている通り一瞬の脚はなさそうだが、長く脚を使えるタイプではある
【8】皐月賞:2着:1ヶ月半:モレイラ
・陣営は「スローだったし切れない面もあるから、早めに動いた鞍上は好判断だった」とコメントしていた、追い切りは併用で、1週前のWでは自己ベストの80.2 – 63.9 – 11.7が一杯で出され併せ先着していた
・レースは開催16日目(Bコース6日目)の馬場の中34.2 – 57.5 – 35.8の前傾1.6で、前半を11.8以下が続くハイペースで進めると、ラスト4Fは12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.0と加減速少ない展開で1:57.1のコースレコード
・外目の枠から五分のスタートを切ると出て行って内へ入れて中団のインを追走した、道中はスムーズに進めると、勝負所では残り700m付近から外へ進路を求めながら進出を開始し中団の大外になって直線へ、直線ではラストまで力強く伸びて前に迫ったが、自身より内前から抜け出した勝ち馬に及ばずの2着
・レース後に鞍上は「調教に1度騎乗し、ビデオを見て、長い脚が使える馬だとイメージしていました」とコメントしていた
・勝ち馬には及ばなかったが、4角で外をまわしていることを考えればかなり強い競馬
【9】日本ダービー:6着:1ヶ月半:デムーロ
・陣営は「在厩でここを目標にうまく調整できた」とコメントしていた、追い切りは併用で、1週前に時計を出して当週は終い重点
・レースは開催12日目(Cコース2日目)の馬場の中36.3 – 62.2 – 33.8の後傾2.5で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから1.0加速して11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・内枠からあおって出遅れて後方の外を追走した、向正面では馬群の一番外へ出されてポジションを上げて3角では中団前目の外を追走していた、勝負所では終始外をまわして進出して好位の外になって直線へ、直線では本馬なりにじわじわとは伸びていたが上位争いに加われるほどではなく3着から0.2秒差の6着まで
・レース後に鞍上は「馬がゲートを出たい気持ちが強すぎて、上へ出る感じに。それで出遅れてしまった。ポジションが後ろになったけど、展開が遅かったので上げていった。それほど脚は使っていないし、3, 4コーナーでの手応えも良かったけど、思ったほど伸びなかった」とコメントしていた
・長く脚を使えるタイプではあるものの、レース上がりが33秒台となる展開で勝負所に外をまわす競馬では厳しかったか
【10】セントライト記念:2着:3ヶ月半:デムーロ
・陣営は前走について「途中からまくって勝ちに行く競馬をしながらもバテなかった」とコメントしていた、追い切りは併用で、1週前に時計を出して当週は終い重点のパターン
・レースは開催5日目(Bコース5日目)の馬場の中36.2 – 60.5 – 34.6の後傾1.6で、道中はややスローペースで進めると、ラスト4Fは12.0 – 11.7 – 11.4 – 11.5と伸び切るようなラップの高速4F戦
・中枠から出負け気味のスタートを切ると後方の外を追走した、勝負所では残り4Fから一番外へ出されて進出してポジションを上げると2番手になって直線へ、直線では残り200mを手前に逃げ馬を交わして抜け出したが、道中はインで溜めていたアーバンシックに交わされて0.3秒差の2着まで、3着は0.4秒離していた
・レース後に鞍上は「タイミング的に3コーナーから動くしかありませんでした。結果的に負けましたが、強い競馬ができました。体重はそれほど変わっていませんが、春に比べて中身が入って、しっかりとしてきました」とコメントしていた
【11】菊花賞:14着:1ヶ月:デムーロ
・陣営は「三千はプラスに出るイメージだし、長距離輸送、それに京都コースも本質的に苦にしない」とコメントしていた、追い切りは併用で、やや速めの時計は当週に出されていた、輸送があっても馬体は+8kgして過去最高の512kg
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中37.0 – 62.0 – 123.7 – 35.9の後傾1.1で、道中は先頭が入れ替わり立ち替わりとなった影響で大きく緩む箇所がない展開で、ラストは残り4Fから0.7加速して11.9 – 12.0 – 11.8 – 12.1と減速しきらず上がりは少し要するラップで、1角で8番手以下の馬が6着までを独占した
・中枠から歩くようなスタートで出遅れると頭を上げてかなり引っかかりながら中団のインを追走した、序盤に折り合い重視で追走した影響で1角では後方のインの位置取りとなっていたが引っかかっていたのは序盤だけで以降は折り合っていた、向正面では一番外へ出されて3角地点では後方の外を追走し、勝負所では残り4Fから促されると大きく外をまわして進出して中団前目の外になって直線へ、直線では外へ出し切らず内目を突いたが残り200mを手前にジョッキーが止めるような形で14着敗戦
・レース後に鞍上は「出遅れましたが、スムーズに上がっていきました。3コーナーで内の馬を気にして噛んでいましたが、そのあとは折り合いがつきました。向正面から上がっていきましたが、最後の直線は伸びませんでした。走り方がバラバラになってしまいました」とコメントしていた
・敗因はラップが既に速まっていた残り4Fからの進出になったことと、さすがに距離が長かった印象
【12】中日新聞杯:6着:1ヶ月半:横山武
・陣営は前走について「出遅れて慌てて仕掛けて外々を回るロスもあり、惨敗してしまった」とコメントしていた、追い切りは併用で2週続けてWで併せ先着していた、ハンデは3歳馬ながら58kg
・レースは開催3日目(Aコース3日目)の馬場の中35.3 – 58.8 – 35.6の前傾0.3で、道中を締まったラップで進めると、1200-1400mを12.2とやや緩めて、ラストは残り3Fから0.5加速して11.7 – 11.8 – 12.1と減速しきらないラップ
・中枠から出負け気味のスタートを切ると外の馬にぶつけられたが大きな不利はなく後方を追走した、道中は折り合って追走できていた、向正面では馬群の一番外へ出されて進出すると3角地点では中団後方の外を追走し、勝負所では残り4F手前から進出を開始して中団前目の外になって直線へ、直線ではしぶとく脚を伸ばしていたが、ラスト100mほどは脚も鈍って6着まで
・レース後に鞍上は「調教の動きも良かったのですが、競馬の方がさらに雰囲気が良かったです。勝ち馬を負かす競馬で動いていったのですが、58kgがかなり堪えました」とコメントしていた
4歳
【13】AJCC:3着:1ヶ月半:横山武
・追い切りは併用で、キャリアで初めて最終追いが坂路で行われていた
・レースは開催18日目(Cコース7日目)の馬場の中36.5 – 60.6 – 36.6の前傾0.1で、道中を緩まり切らないラップで進めると、残り6Fから11.9 – 11.7 – 11.3 – 11.8 – 12.2 – 12.6と早めから速いラップになってラストはゴールへ失速し、上がりを要する展開
・外枠から出遅れると後方の外を追走した、道中にはいつもと同じ競馬で進出して残り1000m地点では好位の外を追走していた、勝負所では一度息を入れて残り3F手前から再進出を開始して2番手になって直線へ、直線では各馬脚が鈍るような展開の中しぶとく脚を伸ばしたが2頭に交わされての3着、4着は0.4秒離していた
・レース後に鞍上は「イメージ通り過ぎるくらいの競馬ができました。どこでも良いので、ペースが落ち着いたら動くと決めていました。動いたタイミングも良かったと思いますし、動いてから一度息を入れるのも上手く行きました。やりたい競馬が実行できて、よく頑張りました。差はなかったですし、先々が楽しみです」とコメントしていた
【14】大阪杯:8着:2ヶ月半:丹内
・陣営は「3着だったが、途中からまくり脚を見せて小差。自分の競馬はできたと思う。乗り代わりだが丹内も騎乗経験があるから不安はないし、出来もいい。GIでもうまくかみ合えば」とコメントしていた、追い切りは併用で、1週前のWでは80.6 – 64.7 – 11.3が出され併せ先着していた、当週は坂路で単走軽め
・レースは開催12日目(Bコース2日目)の馬場の中34.9 – 57.5 – 35.1の前傾0.2で、前半をハイペースで飛ばすと、後半5Fは11.7 – 11.9 – 12.0 – 11.4 – 11.7と残り2Fからの加速が大きな展開で、勝ち馬こそ4角4番手の馬だったが、2-4着には4角で8番手以下から上位の上がりを使った差し馬が迫る展開、1:56.2のレコード決着
・中枠から五分のスタートを切ると押して出していって中団前目の馬群を追走した、道中はポジションを変えずにスムーズに進めると、勝負所では残り3Fから促して行って中団前目の馬群から直線へ、直線では脚を使ってはいたものの相対的に伸ばせるほどではなく8着同着まで
・レース後鞍上は「いい位置で競馬ができて、直線で脚を使えればという感じだったんですけどね」とコメントしていた
【15】札幌記念(稍重):10着:4ヶ月半:丹内
・陣営は「ハイペースを追いかけた分、ラストで甘くなったね。早めに北海道入りして、ここ目標に仕上がった。札幌も合いそうで改めて」とコメントしていた、追い切りは函館のダートとWでの調整で、全て単走で行われていた、馬体は前走に続いての-6kgで、3歳時に1勝クラスを2着した時以来の490kg台になっていた
・レースは開催8日目(Aコース8日目)で稍重になった馬場の中36.1 – 60.6 – 36.9の前傾0.8で、前半を馬場を考慮するとややハイペースで進めると、ラスト4Fは11.9 – 12.0 – 12.3 – 12.6と上がりを要してゴールへ失速する展開で、2角時点で11番手以下の馬が圏内を独占する差し決着、3連単130万円の波乱
・内枠から出負け気味のスタートを切ると控えて外へ寄せて後方の外を追走した、道中はポジションを変えずにスムーズに追走できていた、勝負所では残り3F手前でムチも入れられて促されたが前との差を詰められるほどではなく後方の大外になって直線へ、直線では全く伸ばせず10着敗戦
・レース後鞍上は「道中の手応えは良かったです。まくる考えもあったけど、上がっていけなかった」とコメントしていた
【16】オールカマー:8着:1ヶ月:丹内
・陣営は「中山は二千でGIIを勝ち、この距離のセントライト記念でも2着と相性がいい。叩いて本来の出来にも戻っているから、一変も」とコメントしていた、追い切りはWからの坂路での調整で、当週の坂路では自己ベスト52.4 – 12.5が馬なりで出されて併せ先着していた
・レースは開催7日目(Cコース2日目)の馬場の中35.1 – 59.9 – 34.5の後傾0.6で、前半4Fをややハイペースで進めると、800-1200mで12.7 – 12.6と息を入れた、ラストは残り5Fから1.1加速して11.5 – 11.7 – 11.6 – 11.4 – 11.5とラストまで伸びる高速5F戦
・最内枠から出負け気味のスタートを切ると出て行って中団を単独で追走した、道中はしっかりと折り合って追走できていた、向正面では少し前との差を詰めた後、外から進出した馬についていくような形で3角では好位の外の位置取りになっていた、勝負所では残り3F過ぎから少しずつ促されていくと逃げ馬から1馬身ほどの差の2番手になって直線へ、直線では伸ばせず8着敗戦
・レース後鞍上は「いい競馬ができたし、最後までよく頑張っているんですけどね。次走は馬具を工夫してみたいと思います」とコメントしていた
・4角から直線では後続にやや差を詰められてもう少し踏むのが早かったらという面はあったものの、直線での伸びは案外で、馬が変わっている可能性も
【17】天皇賞秋:12着:1ヶ月半:津村
・陣営は「結果論だが、道中で位置を取り勝ちに行く競馬をしたのが裏目に出たね。今回はメンバーも強化するし、脚をためてはまり待ちの方が良さそう。体調はいいので、展開が合えば」とコメントしていた、追い切りはWW坂路での調整で、2週前のWでは6F自己ベストの79.4 – 64.9 – 11.7が出され、当週の坂路でも自己ベスト51.9 – 12.1が出されていた、前走からの間隔は1ヶ月半程度だったが、馬体は+18kgして過去最高馬体重の520kg
・レースは開催11日目(Bコース2日目)の馬場の中37.1 – 62.0 – 32.9の後傾4.2で、道中を12.2以上のラップが続くドスローの展開で進めると、ラストは残り4Fから0.7加速して11.5 – 10.9 – 10.9 – 11.1と伸びる超高速上がり戦で、上がり1, 2位の馬が3, 4着と差し届かず、ある程度ポジションを取った上で高速上がりに対応できる馬が好走した印象
・最内枠から五分のスタートを切ると出て行って前に逃げ馬を見る好位のインを追走した、道中は頭を上げて行きたがるようなシーンもあったが、後半は折り合いの中で追走できていた、勝負所ではポジションを変えず好位のインから直線へ、直線では内の進路のまま追われたが相対的には伸ばせず12着敗戦
・レース後鞍上は「内でいいスタートが切れました。理想通りのポジションでしたが、それ以上にペースが遅かったです。結果的に切れ味勝負になりましたが、チークピーシーズを着けて、前進気勢が出て、次のレースに向けて収穫のあるレースになりました」とコメントしていた
【18】ジャパンC:9着:1ヶ月:丹内
・陣営は「直線で詰まってなかなか追えず脚を余した。完全に消化不良のレースでしたね。ダービー以来の二四になるが、あの時の内容を考えれば距離は問題ない。変わる余地は十分ある」とコメントしていた、追い切りは併用でいつものパターン
・レースは開催19日目(Cコース4日目)の馬場の中34.5 – 57.6 – 34.6の前傾0.1で、道中を逃げ馬が後続を離す形でハイペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.8 – 11.5 – 11.3とゴールへ加速する展開で、6着までのうち5頭が4角で9番手以下の差し決着
・内枠からスタートすると出て行って中団前目のインを追走した、道中はハイペースだったこともあってか落ち着いて追走できていた、勝負所では馬なりで少しずつ前との差を詰めると、好位のインから外へ進路を取るようにして直線へ、直線ではしっかりと自身の脚を使って残り300m付近までは食らいついていたが、その後は離される形で9着まで
・レース後鞍上は「いいレースができました。この強いメンバーの中、よく頑張ってくれました。納得いく競馬ができました」とコメントしていた
結論(再掲)
■これまで何度もスタートで出遅れているようにスタートが上手ではない馬ではあるものの、近走はほぼ確実に出遅れていた若駒時よりは改善され、2回に1回くらいは五分のスタートを切ることができ、そうでない場合も少し出負けするくらいのスタートに良化している
■ラストにキレる脚があるタイプではなく、3歳時にはまくりを入れて4角で好位から長く脚を伸ばす競馬で重賞でも好走していたが、4歳になっての大阪杯以降はスタートも二の脚も一時より出るようになったことで、ある程度ポジションを取って、そこから粘りこみをはかる競馬をするタイプになっている
■また、長く脚を使うタイプではあるものの、ゴールへ向けて徐々に加速するような脚が使えるタイプではないため、直線が長いコースで末の鋭さも要求されるより、直線の短いコースでコーナーを押し上げて行って4角で好位から直線へ向く形の競馬が向いている
■3走前のオールカマーの内容からは、皐月賞を好走した時のような力はやや陰りを見せいている感はあるが、近2走の内容からはテンで力を出せなくなった訳ではなく、展開が向けばもう少しやれてもという面はある
■有馬記念では、前半が流れて上がりを要し末脚の性能が問われる流れになるとさすがに苦しく、前半がスローペースから後半5Fが速い流れを好位で進められればまだ前進がありそうだが、同じように後半5Fが速い流れになったオールカマーの内容からは実力の面で厳しくみたい感も、内枠に入って本線が3連系などになれば改めて相手に取ることを検討したいものの、基本は消しに近い評価で
Gregory
