有馬記念の各馬分析7頭目はダノンデサイル。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ダノンデサイル:牡4歳:エピファネイア×米国型:前走ジャパンC3人気3着:戸崎
結論
■これまでに上がり最速を使った2戦がいずれもレース上がりを35.9以上要するタフな展開だったように、瞬時に加速するというよりはゴールへ向かってだんだんと加速するような長い脚を使える持久力が武器の馬で、日本ダービー、ドバイSCとGⅠを優勝した2戦はいずれも前半がスローペースから後半に長く脚を求められる展開だった
■右回りでは京成杯とAJCCの勝負所で馬群の外をまわる競馬だった2戦で、3, 4角で右手綱を引かれながらコーナリングしたり、直線に入るワンテンポ前に手前を替えてしまったりとコーナリングに難しさを見せている、有馬記念ではスムーズにコーナーをまわって来れていたことを考えると、ラチ沿いなどで頼れるものがあればまわってきやすいものの、外から内の馬を締めるようにコーナリングする必要があるシーンに課題がある、基本的には右回りよりも左回りが良いタイプ
■有馬記念ではスローペースのパターンであれば先行してラチを頼る競馬で昨年の再現を狙う線があるし、ハイペースで上がりを要するパターンになっても武器の持久力を活かせるという点で評価したい点はある、一方で、どちらの展開になっても外をまわされる形ではコーナリングの難しさがある点は割引が必要で、レースの展開自体には適性がある点と実力の面では評価する必要があるが、ある程度は人気になりそうな点を考慮すると本命視するパターンは考えづらい、相手までで
全レース分析
2歳
【1】東京1600m新馬(稍重):4着:横山典
・陣営は「まだ課題はあるが、素材の良さを感じる。先々に向けたレースができれば」とコメントしていた、追い切りは坂路主体から最終のみWでの調整で全て単走だった、1週前には坂路で51.3 – 12.5が出され、当週のWは軽めだった
・レースは開催3日目(Aコース3日目)で雨が降り稍重となった馬場の中36.5 – 62.6 – 34.3の後傾2.2で、道中を新馬戦らしいドスローで進めると、ラストは残り3Fから1.1加速して12.0 – 11.1 – 11.2と残り2Fからの加速も大きい展開で、上位の上がりを使った4頭で4着までを独占する末脚決着
・内枠から歩くようなスタートで出遅れると少し促されて中団後方のインを追走した、道中はかなりのスローペースだったが折り合って追走できていた、勝負所でも馬群はあまり加速せずに進めると、本馬も中団後方のインの位置取りのまま直線へ、直線では進路を探しながら6割程度で追い出されて若干伸びたが3着から0.6秒離された4着まで
・デビュー戦で馬場が悪かった影響もあるだろうが、鞍上からは勝ちに行く姿勢は感じられなかった
【2】京都1800m未勝利:1着:中2週:横山典
・陣営は「ハミを替えて舌を縛る。上積みはあるので、口向きの悪さを出さなければ」とコメントしており、口向きに不安があった様子、追い切りは坂路とWが1本ずつで当週にはWで86.4 – 67.8 – 11.7の自己ベストが出され併せ併入していた
・レースは開催8日目(Aコース8日目)の馬場の中35.6 – 60.4 – 35.1の後傾0.5で、道中を平均ペースで進めると、ラストは下り坂の残り4Fから0.3加速して12.4 – 12.0 – 11.4 – 11.7と残り2Fからの加速も大きな展開で、4角で3番手以内の馬が圏内を独占する先行決着、カメラが揺れるほどの強い北風が吹いており、これにより先行有利だったか
・10頭立ての6番枠からやや出負け気味のスタートを切ったが出て行って逃げ馬に半馬身並ぶような形の外の2番手を追走した、前走からの間隔が詰まったキャリア2戦目だったが道中は落ち着いて追走できていた、勝負所でも馬なりで馬群の加速に付き合うと1馬身差ほどの2番手になって直線へ、直線では逃げ馬の内へ切り返して追われるとすぐさまは反応していなかったものの、徐々に伸びるような脚で抜け出して優勝
・直線の序盤では3着馬の方が瞬時の加速を見せており、本馬は相対的に瞬時のキレよりも持続力を活かしたいタイプでは
【3】京都2歳S:4着:1ヶ月:横山典
・陣営は「前走後は体が締まり、こちらの要求を理解するようになった。脚質の幅が広がるように、今回は前向きさを加えられるレースを」とコメントしていた、追い切りは坂路とWの併用で1週前にはWで自己ベスト83.2 – 67.7 – 11.4が出されていたが、当週には坂路で終いに失速するようなラップで併せ遅れていた
・レースは開催16日目(Cコース3日目)の馬場の中35.0 – 59.1 – 35.9の前傾0.9で、前半をハイペースで進めると、ラストは残り4Fから0.8加速して12.0 – 11.9 – 11.9 – 12.1と比較的上がりを要する4F戦で、6着までのうち4頭が2角時点で10番手以下の差し有利
・内枠から出遅れるとやや行きたがるのを抑えられながら後方の外を追走した、道中も手綱は控えれていたが序盤と比較すると落ち着いて追走できていた、勝負所では残り3F付近から徐々に促されて外目の狭い進路突く形で後方の外目から直線へ、直線では進路が開かずラスト150mから大外へ切り返されて追われると大きな飛びでだんだんと加速するような脚で前に迫ったが勝ち馬から0.1秒差の4着まで
・レース後鞍上は「よく頑張った。まだ若いしこれからだね」とコメントしていた
・ゴール前の脚色はまだまだ伸びられそうな様子で脚を余すような形だった
3歳
【4】京成杯:1着:1ヶ月半:横山典
・陣営は「前走はより競走馬らしくなって調教段階からいい方向に変わっていたし、しっかりと脚を使えて収穫があった」とコメントしていた、追い切りは坂路主体からW2本での調整で、1週前の金曜日にはWで自己ベスト82.1 – 66.9 – 11.6が出され併せ併入し、当週にはジョッキー騎乗で終い重点の時計が出されていた
・レースは開催14日目(Cコース5日目)で前日に雨があった良馬場の中35.6 – 60.7 – 34.8の後傾0.8で、前半をミドルペースで進めるとラストは残り3Fから0.5加速して11.9 – 11.3 – 11.6と残り2Fからの加速も大きな展開で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着だった
・外枠から少しだけ出負け気味のスタートを切ると出て行って好位の外を追走した、道中には800-1000mで13.0が入るなどゆったり流れた区間もあったがしっかり折り合って追走できていた、勝負所では残り4Fから徐々に促していくと外から加速して好位の大外から直線へ、直線では右ムチを入れられて外にヨレながら伸びると相変わらずゴール前の残り100m程度でスピードが乗ってくるような脚で伸びて優勝、上がりは2位の34.1
・4角ではコーナーをまわり切る少し前に手前を替えてしまっており、現状右まわりのコーナリングには課題がある
・レース後陣営は「クラシックを目指すと思いますが、当初は完成するのが来年になるつもりだったくらいの馬で、邪魔をしないようにやっていきたいです」と成長速度としては遅い方と見込んでいた旨のコメントをしていた
・直線での伸びからはキレるタイプではないものの、上がりを要するタフな展開でも長く脚を伸ばせそうなタイプ
【5】皐月賞:除外:3ヶ月:横山典
・陣営は「春を見据えたうえで消耗を少なくしてダービーに向かおうということで、皐月賞への直行を選択した。まだ成長の余地はあるけど、現段階で一線級相手にどれだけやれるか楽しみ」とコメントしていた、追い切りは坂路主体の調整からラスト2週のみWで、1週前にはWで自己ベスト81.0 – 65.2 – 11.2が一杯で出され併せ先着していた、当週にもジョッキー騎乗で6F82.7 – 66.9 – 11.7が出されていた
・発走直前に右前肢ハ行を発症して競争除外となった
【6】日本ダービー:1着:1ヶ月半:横山典
・陣営は「爪に痛みが出たので大事を取ったが、栗東に戻って治療した後は、すぐ症状が和らいだ。皐月賞がレコード決着。そこで消耗しなかった分、フレッシュさがある。いい方に出れば」とコメントしていた、追い切りは併用で1週前にはWで自己ベスト79.6 – 65.0 – 11.0と、これまでを考えれば猛時計と言ってよいタイムが出され併せ先着していた、当週は坂路単走で軽めの時計だった
・レースは開催12日目(Cコース2日目)の馬場の中36.3 – 62.2 – 33.8の後傾2.5で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから1.0加速して11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・内枠からスタートすると押して出して行って前に逃げ馬を見る好位のインを追走した、序盤に出していったが道中はスローペースでもしっかり折り合って追走できていた、勝負所では馬群の加速に合わせて残り5Fから徐々に促されると楽な手応えのまま前について行って好位のインのまま直線へ、直線では逃げ馬のさらに内を突くと、瞬時に加速するような脚ではなかったものの、徐々に加速してゴールまで脚を伸ばすと完全抜け出して2馬身差の完勝
・レース後陣営は「馬には硬さがありましたし、苦しさもありましたから、レースを終えてからも、引き上げてくるまで、ずっとそのあたりを見ていました」と、鞍上は「とりあえず違和感がない攻め馬ができるか、調教師と話しながら乗せてもらって組み立ててきました。まだ、いい時のデサイルの走りではないんですけど、この間よりはまだまだ全然良かったんで、自信を持って競馬に挑めました」とそれぞれコメントしており、まだ状態は万全ではなかった様子
・前半がスローペースで後半の勝負所5Fのラップが速まる展開を好位で終始最内を立ちまわった形で展開を考えると完璧な競馬だった
・3, 4角は右回りと比較して上手くコーナーをまわれており、左回り > 右回りのタイプか
【7】菊花賞:6着:5ヶ月:横山典
・陣営は「間隔があいていたダービーでもしっかり走れたし、暑い時季に帰厩して一走することで消耗させるのはどうかと考えて直行を選択。前回とは臨戦過程が違うし予定通りにこられた」とコメントしていた、追い切りは併用で2週前、1週前にWでそれぞれ79.0 – 64.7 – 11.6、78.1 – 63.8 – 11.4と猛時計で自己ベストが更新されていた、当週は坂路で単走馬なり、この時計でも馬体は+18kgしており、やや太め残りだった可能性も
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中37.0 – 62.0 – 123.7 – 35.9の後傾1.1で、序盤こそスローペースだったが、道中には先頭が入れ替わり立ち替わりとなった影響でその後は緩む箇所がない展開で、ラストは残り4Fから0.7加速して11.9 – 12.0 – 11.8 – 12.1と減速しきらず上がりは少し要するラップで、1角で8番手以下の馬が6着までを独占する差し決着
・内枠からアオり気味のスタートを切ると出て行って好位のインを追走した、ホームストレッチでは外からポジションを上げる馬が多く1角では中団のインの位置取りとなった、また、向正面でも外から進出を開始する馬が多く3角では後方のインになっていた、勝負所では最内をまわったまま早目に仕掛けることはできず、後方の内目からインアウトで直線へ、直線では上がり2位の脚でジワジワと差を詰めたがスムーズに踏んで抜け出した組には迫りきれずの6着まで
・レース後鞍上は「1周目でごちゃついてしまいましたが、競馬だから仕方ないです。それでも馬は成長を見せてくれました。最悪の流れの中、6着まで良く頑張ってくれました。これからの馬だと思います」とコメントしていた
・内目を立ち回ったのが展開的に向かず、結果的に馬としては踏み遅れているため悲観する内容ではない
・直線での伸びは仕掛け遅れている割にやや物足りず、距離か太めのどちらかが要因とみる
【8】有馬記念:3着:2ヶ月:横山典
・陣営は「今回は古馬の一線級が相手でタフなレースになると思うけど、対応できるよう準備はしてきた。あとは春からの馬体の変化が成長なのか、確認したうえで経験値を上げていければ」とコメントしていた、追い切りは坂路主体から1週前当週はWでの調整で、1週前にはジョッキーが騎乗していた、近走と比較すると全体時計は控えめで終い重点の内容だった
・レースは逃げ馬不在のメンバー構成で31.4(2.5F) – 62.9 – 35.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.7加速して11.3 – 11.4 – 11.6 – 11.5 – 12.1と伸びる高速5F戦
・最内枠からスタートするとガンガン押して出して行ってハナへ、序盤に押して出して行ったが道中はしっかりと折り合って追走できていた、勝負所では外から押し上げにかかる馬がいたのもあり下り坂が始まる残り5Fからラップを加速させると3, 4角では4頭ほどが先頭で並ぶ形で進めたが、しっかり加速して1馬身ほどのリードを保つ形で先頭最内から直線へ、直線では少し内へヨレるのを手綱と右ムチで矯正されながら追われると懸命に伸ばしてラストまで抵抗したが外から鋭く伸びた2頭には交わされての3着まで
・レース後陣営は「今日は初めての古馬相手で逃げる形のレースになりました。ダービーの頃に比べると若干なくしているものがありますね。これからの期待感よりも自分としては危機感の方が強いので、それが何なのかこれから確認していく必要があると思います」とコメントしていた
・3, 4角では逃げて邪魔なくラチを頼れた分もあったが、これまでと比較すると上手にコーナリングして加速できており、一時よりは右回りのコーナリングも改善されていると見る
4歳
【9】AJCC:1着:1ヶ月:戸崎
・陣営は「普段の調教では坂路で2本乗るなど、これまでより量を増やしてきた。体を上手に使えるようになったので、レースに直結すれば」と成長した面がある点についてコメントしていた、追い切りは坂路主体で1週前のみWでの調整で、1週前のWでは79.7 – 64.9 – 11.2がジョッキー騎乗で出され併せ先着していた、また2週前の坂路では自己ベスト51.1 – 12.2が馬なりで出されていた、斤量は別定で+1kgの58kg
・レースは開催18日目(Cコース7日目)の馬場の中36.5 – 60.6 – 36.6の前傾0.1で、道中を緩まり切らないラップで進めると、残り6Fから11.9 – 11.7 – 11.3 – 11.8 – 12.2 – 12.6と早めから速いラップになってラストはゴールへ失速し、上がりを要する展開
・中枠内目からスタートすると馬なりで出て行って外へ張るような進路取りで中団前目の外を追走した、道中はポジションを大きく変えず折り合って追走できていた、勝負所では残り4Fから馬群の外目から促されて進出を開始すると、3, 4角ではコーナリングが難しそうでジョッキーに右手綱を引かれるシーンもありながら中団前目の外になって直線へ、直線では右へヨレる様子があったのかひたすら右ムチを入れられながら追われると、じわじわと伸びて先に抜け出した2頭を交わして優勝
・レース後鞍上は「追い切りで初めてまたがりましたけど、バランスのレベルが高い馬だなと感じましたし、返し馬に来てさらに良さを感じました。スタートも上手ですし、前めにつけられる馬でもあったので、出てくれればあとはリズム良く、あまり内に囲まれないように…ということだけ考えていました。ポジション的にもリズムもすごく良かったかなと思います。まだ道中遊び遊び走っている雰囲気を感じたんですけど、追ってからはしっかり伸びてくれて、何かまだまだありそうな感じがして、まだ子供っぽさも感じたところです。それだけどこのパフォーマンスなので、さらに今後が期待されると思います」とコメントしていた
・4角の出口では京成杯時と同様ワンテンポ早く手前を替えてしまっており、京成杯、有馬記念、AJCCと見る限り、ラチ沿いで頼るものがあると上手くコーナリングできるものの、馬群の外目から内の馬を締めるようにまわる場合は依然コーナリングに課題があると考える
【10】ドバイSC(ドバイメイダン2410m):1着:2ヶ月半:戸崎
・9頭立ての3番枠から外へヨレるようなスタートを切ると少し行きたがるのを抑えられながら中団のインを追走した、表示の時計を見る限りは1000m通過63秒程度のスローペースだったが、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では馬群のインで動けない位置の分もあって馬群の加速に付き合うような形で進めると中団のインから直線へ、直線ではスムーズに進路を確保して追われるとしっかりと脚を使って抜け出した、ラストは2着馬が外から伸びてきたが1.1/4馬身リードを保って快勝
・レース後鞍上は「跨ったときは少し興奮していましたが、ゲートでは落ち着いていましたし、レースも良い内容で走れたと思います。条件も同じでしたし、日本ダービーと同じレースができればと思っていました。メンバーは揃っていると思っていましたが、その中でも引けを取らない能力はあると信じていましたし、先頭で駆け抜けることができ、嬉しかったです。ダノンデサイルの力を証明できて良かったです」とコメントしていた
・道中がスローペースの2400mで内目の枠から終始最内を立ち回る日本ダービーに近い競馬で再度大舞台を制した
【11】インターナショナルS(イギリスヨーク2050m):5着:4ヶ月半:戸崎
・古馬の牡馬で斤量は61kg、ヨーク競馬場の直線は約900m
・6頭立ての4番枠からスタートすると少し行きたがるのを抑えられながら逃げ馬から離れた2番手で実質逃げのような形となっていた、3, 4角では7割程度の時間を逆手前でコーナリングし、相変わらず実質先頭で3番手から1馬身半ほどのリードで直線へ、直線では進路に問題なく追われたが伸ばすことができず5着敗戦
・レース後鞍上は「前に馬を置いてレースを組み立てていきたいと思っていましたが、プランどおりに運ぶことができませんでした。馬の調整過程は順調であったと聞いており、状態も良かったと思いますが、返し馬のときから少々興奮気味で、それが本来の力を発揮できなかった原因の一つであったかもしれません」とコメントしていた
【12】ジャパンC:3着:3ヶ月半:戸崎
・陣営は「1週前に負荷をかけた。今週はしっかりとやった効果が感じられたし、レースが近いことを察知して集中力もあった。あとは落ち着かせるよう、レース当日まで調整を進めていく」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、2週前, 1週前と80秒を切る時計が出され、当週もWで負荷がかけられていた
・レースは開催19日目(Cコース4日目)の馬場の中34.5 – 57.6 – 34.6の前傾0.1で、道中を逃げ馬が後続を離す形のハイペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.8 – 11.5 – 11.3とゴールへ加速する展開で、6着までのうち5頭が4角で9番手以下の差し決着
・外枠からスタートすると少し行きたがるのを抑えられるシーンもありながら中団の馬群を追走した、道中は馬群で馬の後ろに入る形で折り合って追走できていた、勝負所では外から2着馬に絞められる格好になりながら中団後方の内目から直線へ、直線では進路を求めて外目へ誘導されながら追われると相変わらずじわじわと伸びるような脚を伸ばした、先に抜け出しにかかったクロワデュノール以下は交わしたが、鋭く伸びた1, 2着馬には離される形の3着まで
・レース後陣営は「速いのは逃げている馬だけで、少し緩いくらいでしょうか。消耗するほどではありませんが、少し気負っているようでした。ジョッキーによると、4コーナー手前で押し込まれて、態勢が整わないうちに加速させられた。直線もスムーズだったら、とのことでした。ゴール後、接触はありませんでしたが、外傷などがあれば、その辺りをケアしていきたいと思います」とコメントしていた
・右回りより左回りベターな面はあるものの、東京で末脚比べをさせられると末の鋭い組に抵抗するのが難しいため、東京ではもう少しポジションを取った競馬がしたい(今回は枠やペース的にも難しいものがあったが)
結論(再掲)
■これまでに上がり最速を使った2戦がいずれもレース上がりを35.9以上要するタフな展開だったように、瞬時に加速するというよりはゴールへ向かってだんだんと加速するような長い脚を使える持久力が武器の馬で、日本ダービー、ドバイSCとGⅠを優勝した2戦はいずれも前半がスローペースから後半に長く脚を求められる展開だった
■右回りでは京成杯とAJCCの勝負所で馬群の外をまわる競馬だった2戦で、3, 4角で右手綱を引かれながらコーナリングしたり、直線に入るワンテンポ前に手前を替えてしまったりとコーナリングに難しさを見せている、有馬記念ではスムーズにコーナーをまわって来れていたことを考えると、ラチ沿いなどで頼れるものがあればまわってきやすいものの、外から内の馬を締めるようにコーナリングする必要があるシーンに課題がある、基本的には右回りよりも左回りが良いタイプ
■有馬記念ではスローペースのパターンであれば先行してラチを頼る競馬で昨年の再現を狙う線があるし、ハイペースで上がりを要するパターンになっても武器の持久力を活かせるという点で評価したい点はある、一方で、どちらの展開になっても外をまわされる形ではコーナリングの難しさがある点は割引が必要で、レースの展開自体には適性がある点と実力の面では評価する必要があるが、ある程度は人気になりそうな点を考慮すると本命視するパターンは考えづらい、相手までで
Gregory
