有馬記念の各馬分析2頭目はミステリーウェイ。直近1年間の分析とします。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ミステリーウェイ:セ7歳:ジャスタウェイ×欧州型:前走アルゼンチン共和国杯9人気1着:◯◯
結論
■良好な折り合いと減速しないようなステイヤー質の脚を伸ばせる点が強みで、序盤に先行して他馬とのポジション差を作った上で道中は勝負所までに息を入れ、ラストは減速しないような脚で他馬を凌ぐのが本馬の好走パターンで、反対にスローペースからの瞬発力勝負や、4角で横一線からの末脚比べの展開が不向きと考えられる
■近4走は逃げの競馬をしているが、明確にスタートやテンが速いタイプではないため、序盤の先行争い中にジワッとポジションを上げてハナに立つような形が多く、5走前の阪神3000m3勝クラスではハナを譲る形でも道中にしっかりと折り合って2着に好走しているように、逃げなくても競馬はできるタイプ
■有馬記念ではスタート直後にコーナーがあるため、ある程度テンが速くないとスムーズにハナに立つのは難しいものの、前走に同距離で30.6 – 60.1で後続を離した逃げを打って結果を出してここへ臨戦することを考えると、ここも同型の出方を気にして抑えたりするよりはホームストレッチなど途中からでも自分のペースでハナに立つシーンが想定できる
■ここでも序盤をマイペースで進めて1, 2角でガッツリ息を入れ、ラストも残り3F付近まで後続を上手く引きつける競馬ができれば面白い存在になりそうなものの、同型に人気になりそうなメイショウタバルがいることや、向正面で下り坂の始まる残り5Fからラップが速まりやすい舞台であることを考えると、近2走のように残り3Fまで引きつける形に持ち込むのは容易ではなさそう、展開次第で惑星になりそうな面もあるため枠順や同型の出否を鑑みて改めての評価が必要、展開利は欲しい
全レース分析
7歳
【31】京都2200m3勝クラス(稍重):3着:5ヶ月:団野
・陣営は「しっかり乗り込まれて帰厩。状態はいいので、最後まで気を抜かず走れれば」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで1週前には80.3 – 66.1 – 12.1が単走一杯で出されていた、当週はジョッキー騎乗の併せ馬で終い重点
・レースは開催2日目(Aコース2日目)で稍重になった馬場の中37.2 – 62.9 – 34.5の後傾2.7で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.8加速して11.6 – 11.4 – 11.5と伸びる展開で、上位の上がりを使った馬のワンツー決着
・7頭立ての2番枠から少し出負け気味のスタートを切ると出ていってハナへ、道中は落ち着いてスローペースの逃げとなっていた、勝負所では残り700m付近から少しずつ促されると加速して2番手から半馬身ほどの差の先頭で直線へ、直線では脚を使ってはいたものの、外から差してくる組には抗えず、0.3秒差の3着まで
【32】阪神3000m3勝クラス:2着:1ヶ月:団野
・陣営は「三千は少し長い気もするが、5走前は道悪の影響もあった。良馬場で改めて」とコメントしていた、追い切りはWでの併せ馬が2本でいずれも終い重点の時計だった、ハンデ55kg
・レースは開催1日目(Aコース1日目)の馬場の中35.7 – 61.4 – 123.1 – 35.7の前後傾フラットで、道中は1200-1400mで11.8の加速が入ったが、それ以外はミドルペースの展開、ラストは残り6Fから0.3加速すると12.1 – 12.1 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 12.1と残り2Fからの加速も大きい弱めのロングスパートで、上位の上がりを使った馬が上がり順に圏内を独占する末脚決着
・10頭立ての4番枠から少しだけあおり気味のスタートを切ると出ていって好位の外を追走した、道中は逃げの競馬ではなく前に馬も置けていなかったがしっかりと折り合いの中で追走できていた、ホームストレッチでは外から本馬の進路を少しこするようにポジションを押し上げてきた馬がいたが変わらず折り合いの中で追走できており、向正面では好位の馬群の位置取りとなっていた、勝負所では残り4F付近から促されたが、突こうとした進路が狭まってポジションを下げる所があり中団後方の外の位置取りになって直線へ、直線では本馬なりにラストまで脚を伸ばすと先に抜け出した3着馬をゴール前で交わして2着、勝ち馬からは5馬身離されていた
【33】阪神2400m3勝クラス:1着:1ヶ月:団野
・陣営は「ブリンカーを外したのがいい方に出たようだし、脚質に幅が出たのも収穫」とコメントしていた、追い切りはWで馬なりが2本で、当週には併せ馬で81.7 – 67.3 – 11.3が出されていた
・レースは開催8日目(Aコース8日目)の馬場の中37.2 – 62.0 – 35.9の後傾1.3で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.5加速して11.6 – 11.3 – 11.4 – 11.7 – 12.8と残り800-600mの11.3が最速となりそこからゴールへは失速する展開
・内枠から出負け気味のスタートを切ったが押して出していってハナへ、序盤に促したが道中は折り合って追走できており、2番手の馬が半馬身ほどの差で並走してきて3番手以下を離すような逃げになっていた、勝負所では残り5Fから外から2番手の馬が押し上げに来たことで抵抗するように促されると、2頭で並ぶような形で3番手を7馬身ほど離して直線へ、直線では外の2番手の馬の方が手応えがありそうだったが、本馬は減速しないような脚でラストまで伸ばすと抜け出して0.2秒差で優勝
・直線でキレるような脚こそないものの、長い距離を走った後でもゴールまで減速しないような脚を使えるステイヤータイプ
【34】札幌日経賞(L)(札幌2600m)(稍重):4着:4ヶ月:池添
・追い切りは函館のWオンリーで時計は全体的に軽めだった、最終追い切りは単走で行われ、最終追いが単走で行われるのは2年前に2勝クラスを勝った時以来だった
・レースは開催2日目(Aコース2日目)で雨の影響があって重から稍重に回復した馬場の中38.2 – 63.8 – 35.6の後傾2.6で、道中をドスローで進めると、ラストは残り5Fから0.7加速して12.0 – 11.5 – 11.5 – 11.9 – 12.2と伸びてラストはゴールへ失速するロングスパート戦で、上位の上がりを使った3頭が上がり順に圏内を独占した
・大外枠から五分のスタートを切ると出ていってハナへ、道中は相変わらずしっかりと折り合って追走できていた、勝負所では向正面の残り5Fからラップを上げると、残り4F手前からは明確に促されて各馬に並びかけられるような形の先頭最内で直線へ、直線では本馬なりの脚は使っていたが、鋭く伸びた組には抗えず0.5秒差の4着まで
【35】丹頂S(OP)(札幌2600m)(稍重):1着:1ヶ月半:松本
・陣営は「オープンでもしぶとく頑張ってくれた。今回もこの馬の形に持ち込めれば」とコメントしていた、追い切りは札幌ダートでの併せ馬が2本で、いずれも時計は軽めだったが2週続けてジョッキーが騎乗していた、ハンデ55kg
・レースは開催14日目(Cコース2日目)で朝方の雨の影響で稍重になった馬場の中38.1 – 62.6 – 36.4の後傾1.7で、道中をドスローで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して12.4 – 12.0 – 12.0と伸びる展開で、道中を含めて全ての区間のラップで11秒台が入っていなかった
・中枠からスタートすると馬なりで抑えることなく出ていって後続を離すような形のハナへ、道中も淡々と逃げていくと1, 2角から向正面の地点では2番手と15馬身ほどの差になっていた、勝負所では後続が徐々に差を詰めてきて残り3F地点では3馬身ほどの差になっていたが、そこから促されて1馬身ほどのリードを保って先頭最内から直線へ、直線では減速せずにもう一伸びする余裕を見せ、抜け出して2馬身差の完勝
・途中800-1000mにレース中同率の最速となった12.0を入れて後続を離し、1000-2000mでは5F連続で13.1付近のラップで息を入れ、ラストは12.4 – 12.0 – 12.0ともう一脚使っての完勝で、先行ステイヤーである本馬の強みを活かした好騎乗
・末脚比べになると分が悪いため、開催最終日かつ道悪の洋芝で時計がかかる条件は良かったか
【36】アルゼンチン共和国杯:1着:2ヶ月:松本
・陣営は「スタミナがあって長く脚を使う馬。前走のように自分のペースで走らせた方が持ち味は生きる。今回も同様の形に持ち込めれば」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで時計は終い重点だった、1週前は併せ馬、当週は単走で行われ、2週続けて鞍上が騎乗していた、ハンデ56kg
・レースは開催10日目(Bコース4日目)の馬場の中30.6(2.5F) – 60.1 – 34.6で、前半を11.9以下が続く持続的なラップで進めると、道中の1100-1900mは4F連続で12.3付近のラップとして少し息を入れ、ラストは残り3Fから0.8加速して11.5 – 11.5 – 11.6と伸びる展開で、逃げ馬が逃げ切り勝ちを決めたものの、2-5着には4角で8番手以下の差し馬が差し込んでいた
・外目の枠からスタートすると出ていってハナへ、道中は相変わらず折り合って逃げられていた、勝負所では残り3F手前から少しずつ促されると、2番手から半馬身ほどの差の先頭で直線へ、直線では序盤6割程度に抑えた追い出しのアクションで、残り400mを切ってから明確にスパートされるとラストまで粘って粘って後続を半馬身差凌いで優勝
・レース後鞍上は「正直そこまで自信はなく、ただ自信のあるなしに関係なくこの馬の気持ちを最大限に走る方向に向かせることだけが僕の仕事だと思っていたので、それがうまくいったのかなと思います。前走も今回も大逃げを打つ形になりましたが、この馬のペースがそうなっているだけで、プランというよりも『この馬と一緒に走れたらいいな』ということしか考えていませんでした」とコメントしていた
結論(再掲)
■良好な折り合いと減速しないようなステイヤー質の脚を伸ばせる点が強みで、序盤に先行して他馬とのポジション差を作った上で道中は勝負所までに息を入れ、ラストは減速しないような脚で他馬を凌ぐのが本馬の好走パターンで、反対にスローペースからの瞬発力勝負や、4角で横一線からの末脚比べの展開が不向きと考えられる
■近4走は逃げの競馬をしているが、明確にスタートやテンが速いタイプではないため、序盤の先行争い中にジワッとポジションを上げてハナに立つような形が多く、5走前の阪神3000m3勝クラスではハナを譲る形でも道中にしっかりと折り合って2着に好走しているように、逃げなくても競馬はできるタイプ
■有馬記念ではスタート直後にコーナーがあるため、ある程度テンが速くないとスムーズにハナに立つのは難しいものの、前走に同距離で30.6 – 60.1で後続を離した逃げを打って結果を出してここへ臨戦することを考えると、ここも同型の出方を気にして抑えたりするよりはホームストレッチなど途中からでも自分のペースでハナに立つシーンが想定できる
■ここでも序盤をマイペースで進めて1, 2角でガッツリ息を入れ、ラストも残り3F付近まで後続を上手く引きつける競馬ができれば面白い存在になりそうなものの、同型に人気になりそうなメイショウタバルがいることや、向正面で下り坂の始まる残り5Fからラップが速まりやすい舞台であることを考えると、近2走のように残り3Fまで引きつける形に持ち込むのは容易ではなさそう、展開次第で惑星になりそうな面もあるため枠順や同型の出否を鑑みて改めての評価が必要、展開利は欲しい
Gregory
