毎日王冠の各馬分析8頭目はディマイザキッド。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
毎日王冠の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ディマイザキッド:牡4歳:ディープインパクト系×米国型:前走函館記念1人気4着:57kg:岩田望
結論
■これまでに複数回出遅れの経験があるようにスタートが上手ではなく、近走は改善傾向にはあるが、前走でも出負け気味のスタートを切っており、二の脚も遅いため基本は後方からの競馬になっている
■一方で、道中の折り合いは良好でこれまでほとんど折り合いを欠いたことはなく、ラストは確実に自身の脚を使ってくるタイプ
■3歳時の共同通信杯では上がり最速32.5を使っており、これまでキャリア12戦中10戦で上がり2位以内を使っているように末脚が武器ではあるものの、直線での伸びは一瞬でキレるというよりはだんだんと加速するようなタイプで、スローペースからの瞬発力勝負よりは先行馬が飛ばしてラストは上がりを要する展開の方が得意なタイプ
■2勝クラス勝ちを決めた中山2200m戦では3, 4角で上手にコーナリングしながら加速して圧勝しており、コーナーでも加速できることから小回りでも自身の脚を使えるタイプである
■2走前の新潟大賞典時には追い切りで自己ベストに近い時計が出されていたものの、レース前に陣営は「今週の動きはもうひとつだったが乗り込み量は足りている」とコメントしており、追い切り時計が速くても状態が悪い時はあるタイプ
■毎日王冠では道中のペースが流れると2022年のジャスティンカフェのように鋭い末脚で差し込めるシーンはあるものの、その展開では追走力が足りず勝負にならない可能性もある、開幕週の東京1800mで行われ道中を含めたスピード性能が求められるここは向く舞台ではない、人気はないだろうが差し込めるイメージは湧ききらず、展開予想でかなりのハイペースが想定されれば再検討は必要だが、基本は消しで
全レース分析
2歳
【1】中京2000m新馬:2着:柴山
・陣営は「乗り込みは十分で仕上がった。素直で乗り手の指示に従順。現状の力は出せる」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで毎週併せ馬が行われていた、速い時計は1週前に81.3 – 65.4 – 12.2が出されていた
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中38.6 – 64.1 – 36.4の後傾2.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.9加速が入って11.5 – 12.3 – 12.5 – 12.0 – 11.9と残り2Fから再加速する展開で、4角で5番手以下の馬が4着までを独占する比較的差し決着
・中枠から遅めのスタートを切ると出て行って中団のインを追走した、道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り4Fから徐々に促されると進出して前との差を詰めて中団の馬群から少し外へ出されるように直線へ、直線では外へ出し切らず馬群を突くような進路を取ったが、結局進路なく一番外まで出されると出されてから速い脚で伸びたが先に抜け出した勝ち馬には及ばず2着まで
【2】中山1800m未勝利:2着:中1週:柴山
・陣営は「新馬戦は他馬を怖がる面を見せていた。騎手が癖をつかんだのでやれそう」とコメントしていた、追い切りはWで4Fから併せ馬で終い重点が1本
・レースは開催9日目(Aコース9日目)の馬場の中38.5 – 62.5 – 35.5の後傾3.0で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.4加速して11.8 – 12.1 – 12.1 – 11.6 – 11.8と残り2Fからの加速も大きな展開で、4角10番手以下から上位の上がりを使った馬が2, 3着する差しも入る展開
・外目の枠から出ないようなスタートで出遅れると少し促されて中団後方の外を追走した、序盤で促されたが道中は折り合って追走できていた、向正面では馬群の一番外を追走していた、勝負所では残り4F過ぎから少しずつ促されると馬群の外をまわって進出して中団の外になって直線へ、直線ではしっかりと脚を伸ばして上がり最速34.6で内前から抜け出した馬に迫ったが交わせず2着まで
3歳
【3】中山2000m未勝利:1着:中2週:横山武
・陣営は「前走はあと一歩の内容だった。二千の方が良さそうで勝ち負けを期待する」と距離適性に対する感覚について言及していた、追い切りはWオンリーで併せ馬も行われていたものの、2戦連続での短い感覚を考慮されてか時計は緩かった
・レースは開催15日目(Cコース6日目)の馬場の中35.5 – 59.7 – 35.6の前傾0.1で、前半を速めのペースで入ると、道中は800-1400mを12.9 – 12.6 – 12.8と緩めた、ラストは残り3Fから0.5加速して12.3 – 11.5 – 11.8と残り2Fからの加速も大きい展開で、上位の上がりを使った馬が圏内を独占する末脚決着
・内枠からスタートすると出て行って中団の馬群を追走した、道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り3F手前から馬群の外から進出すると前から2列目の内から4頭目付近にポジションを上げて直線へ、直線ではラストまでしっかり脚を使って先に抜け出した馬に迫ると、ラストは体半分交わして優勝、上がりは2位より0.5秒速い最速の35.0だった
【4】共同通信杯:4着:中2週:キング
・追い切りはWでの併せ馬オンリーで、当週にはジョッキーが騎乗してベストに近い時計が出されていた
・レースは開催6日目(Dコース6日目)の馬場の中37.3 – 62.7 – 33.1の後傾4.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.8加速して11.4 – 10.9 – 10.8とゴールへ加速する展開で、4角で4番手以内の馬が圏内を独占する先行決着
・内枠からスタートすると直後外の馬に前をカットされる不利があり控える形になって後方のインを追走していた、序盤の不利の影響か道中には初めて行きたがるような所を見せていた、勝負所でも後方のインのまま進めるとそのまま後方のインから直線へ、直線では最内の進路のまま追われると一瞬でキレるような脚ではなかったが前との差を詰めて勝ち馬から0.7秒差の4着まで、上がりは最速の32.5だった
・レース後鞍上は「よーいドンの流れになり、この馬にとってペースは適正ではありませんでしたが、瞬発力を見せて、最後の400mで良い脚を使ってくれました。もう少しペースが流れていたら、良い結果を出せると思います」ともう少し速いペースへの適性について言及していた
【5】中山2200m1勝クラス(稍重):3着:1ヶ月半:岩田望
・陣営は「前走はスローペースにはまってしまった。今週の動きも良く自己条件なら」とコメントしていた、追い切りは相変わらずのパターンで1週前には5F自己ベストタイの時計が出されていた
・レースは開催11日目(Bコース1日目)で稍重になった馬場の中36.5 – 62.4 – 35.3の後傾1.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.3加速して12.1 – 11.6 – 11.8 – 11.9と伸びる展開で、まくった馬が勝利した形で圏内馬は全て2角時点では6番手以下だった
・中枠から出負け気味のスタートを切ると少し出して行って中団後方のインを追走した、道中は終始最内の位置取りのまま折り合って追走できていた、勝負所ではペースアップした所で置かれるような形で後方のインになったが、残り700m付近から促されると最内を進出して中団のインになって直線へ、直線ではそのまま内目の進路取りで追われると2位より0.3秒速い上がり最速34.6の脚で前に迫ったが届かず、勝ち馬から0.2秒差の3着まで
【6】プリンシパルS(L)(東京2000m):10着:1ヶ月:田辺
・陣営は「疲れを取ってリフレッシュ。直線の長い東京は合うから、頑張ってほしい」とコメントしていた、追い切りはいつものパターンで時計は終い重点だった
・レースは開催5日目(Aコース5日目)の馬場の中36.9 – 61.6 – 34.2の後傾2.7で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから1.0加速して11.0 – 11.5 – 11.7とゴールへ失速するもラストまで11秒台で伸びる展開で、4角で5番手以内の馬が圏内を独占する先行決着
・中枠から出負け気味のスタートを切ると控えて最後方を追走した、道中は最内の進路取りで折り合って追走できていた、勝負所では残り4Fから進路を少し外へ取ると最後方から直線へ、直線では一番外へ出されると上がり2位33.2で伸びたが前に迫れるほどではなく10着敗戦、残り150m付近までは最後方のままだった
・確かな末脚はあるものの、現状スローペースで前から抜け出す馬を交わし切れるほどではなく、ペースが流れて先行馬が垂れて上がりを要するような展開の方が向く
【7】福島2000m1勝クラス(重):1着:6ヶ月:柴田善
・追い切りはいつものパターンも初めての長期の休養明けで本数が多く乗られ、中間には5F自己ベストの81.9 – 65.1 – 12.1が出されていた、初の古馬との対戦
・レースは開催初日(Aコース1日目)でかなり雨が降って重になった馬場の中35.8 – 60.7 – 37.7の前傾1.9で、前半をクラスと馬場を考えるとややハイペースで進めると、ラスト4Fは12.4 – 12.6 – 12.5 – 12.6と加減速少なく上がりを要する展開
・中枠から五分のスタートを切ると控えて後方の外を追走した、道中は折り合って追走できていた、向正面では馬群の外へ出されると勝負所では残り4Fから促されて進出し好位の外になって直線へ、直線では楽な感じで抜け出して3馬身差の完勝
・上がりを要する展開で圧勝、現状はこの展開が良い
【8】東京2000m2勝クラス:2着:中2週:ムーア
・追い切りはWで2本、ハンデ55kg
・レースは開催16日目(Cコース4日目)の馬場の中36.7 – 60.8 – 34.0の後傾2.7で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.6 – 11.1 – 11.3と伸びる展開
・外枠から五分のスタートを切ると出て行って後方の外を追走した、向正面では馬群の外で少しポジションを上げて3角では中団の外の位置取りになっていた、勝負所でも馬群の外から少しずつ進出すると好位の外になって直線へ、直線ではラストまで長く脚を使ったが先に抜け出した勝ち馬を捉えられず2着まで
4歳
【9】中山2200m2勝クラス:1着:1ヶ月半:岩田望
・陣営は「前回は勝ちに行って負けはしたけど強い内容。ここで決めたいところだね」とコメントしていた、追い切りはW主体も年末には坂路で軽い時計でも1本やられていた
・レースは開催13日目(Cコース2日目)の馬場の中37.4 – 62.3 – 35.5の後傾1.9で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.8加速して11.4 – 11.6 – 11.8 – 12.0 – 11.7と後半はやや失速気味の5F戦で、3角時点で10番手以下から上位の上がりを使った馬が圏内を独占する差し決着
・外目の枠からスタートすると直後外の馬にぶつけられたがバランスは崩し切らずに出て行って後方の馬群を追走した、道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り4Fから徐々に促されると3, 4角では内目の進路取りからインアウトで中団後方の外から直線へ、直線では外へヨレるのを矯正されながら伸びると力強く抜け出して5馬身差の圧勝
・4角でのコーナリングはスムーズで小回りでも末脚を発揮できるタイプ
【10】東京2000m3勝クラス:1着:1ヶ月半:岩田望
・追い切りはいつものパターン、ハンデ56kg
・レースは開催8日目(Dコース8日目)の馬場の中35.2 – 58.9 – 34.8の後傾0.4で、前半をミドルからややハイペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して12.0 – 11.4 – 11.4と伸び切る展開で、4角で5番手以下の馬が5着までを独占する差し決着
・大外枠からスタートすると枠なりに控えて後方の外を追走した、道中は相変わらず折り合って追走できていた、勝負所ではポジションを変えずに進めると後方の大外から直線へ、直線では外から長く脚を使うと差し切って優勝
・前がそれなりに飛ばす展開の差し決着で得意な形になった
【11】新潟大賞典(稍重):8着:3ヶ月:岩田望
・陣営は「今週の動きはもうひとつだったが乗り込み量は足りている。コースや今の馬場状態は問題なさそう。能力は高いので頑張りたい」と状態が整い切ってないとコメントしていた、追い切りは併用で、1週前にはWで5F自己ベストに迫る82.0 – 65.2 – 11.6が出され併せ先着していた、ハンデ56kg
・レースは開催5日目(Bコース5日目)で稍重になった馬場の中36.4 – 61.3 – 34.6の後傾1.8で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.8加速して11.1 – 11.4 – 12.1とゴールへ失速する展開で、4角で2番手以内の馬と上がり2位以内を使った馬が4着までを独占する決着
・内枠から五分のスタートを切ると控えて後方を追走した、道中はスローペースだったがしっかり折り合っていた、勝負所では最後方のインになって全体的に外へ出された馬群の内目から直線へ、直線では馬群を突くようにして伸びたが上位争いできるまでではなく8着まで
・レース後鞍上は「ペースが遅過ぎましたね。馬場はこなすと思っていたけど、状態も前走の方がいいと聞いていたし、そのあたりの影響があったのかも。これが実力ではないので、改めて大きいところを狙っていきたい」とコメントしていた
【12】函館記念:4着:1ヶ月半:岩田康
・陣営は前走について「馬場が合わなかったし、調教から走るフォームがもうひとつだった」とコメントしていた、追い切りはWオンリーから最終は函館のWでの調整で、1週前の美Wでは自己ベスト80.8 – 65.0 – 11.7が出されていた、ハンデ56kg
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中34.1 – 58.1 – 35.4の前傾0.3で、前半をハイペース、道中を12.0付近が続く持続的なラップで進めると、ラスト4Fは12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.6と残り2Fから加速して伸び切る展開で、7着までのうち6頭が3角時点で8番手以下の差し決着、1:57.6のレコード
・中枠から出負け気味のスタートを切ると内へ寄せて後方のインを追走した、向正面でも後方のままスムーズに進めると勝負所では馬群の外から進出を開始して中団後方の大外から直線へ、直線ではしっかりと脚を使って伸ばしたが勝ち馬から0.5秒差の4着まで
・レース後鞍上は「速い流れについていくのに一苦労しました。追い上げてはきましたが、最後の最後に脚が上がりました」とコメントしていた
結論(再掲)
■これまでに複数回出遅れの経験があるようにスタートが上手ではなく、近走は改善傾向にはあるが、前走でも出負け気味のスタートを切っており、二の脚も遅いため基本は後方からの競馬になっている
■一方で、道中の折り合いは良好でこれまでほとんど折り合いを欠いたことはなく、ラストは確実に自身の脚を使ってくるタイプ
■3歳時の共同通信杯では上がり最速32.5を使っており、これまでキャリア12戦中10戦で上がり2位以内を使っているように末脚が武器ではあるものの、直線での伸びは一瞬でキレるというよりはだんだんと加速するようなタイプで、スローペースからの瞬発力勝負よりは先行馬が飛ばしてラストは上がりを要する展開の方が得意なタイプ
■2勝クラス勝ちを決めた中山2200m戦では3, 4角で上手にコーナリングしながら加速して圧勝しており、コーナーでも加速できることから小回りでも自身の脚を使えるタイプである
■2走前の新潟大賞典時には追い切りで自己ベストに近い時計が出されていたものの、レース前に陣営は「今週の動きはもうひとつだったが乗り込み量は足りている」とコメントしており、追い切り時計が速くても状態が悪い時はあるタイプ
■毎日王冠では道中のペースが流れると2022年のジャスティンカフェのように鋭い末脚で差し込めるシーンはあるものの、その展開では追走力が足りず勝負にならない可能性もある、開幕週の東京1800mで行われ道中を含めたスピード性能が求められるここは向く舞台ではない、人気はないだろうが差し込めるイメージは湧ききらず、展開予想でかなりのハイペースが想定されれば再検討は必要だが、基本は消しで
Gregory