天皇賞秋の各馬分析4頭目はジオグリフ。早くから活躍していた3歳馬で、距離が長めだったダービーこそ7着でしたが皐月賞では外から力強く抜け出して優勝しており、距離が2000mに短縮されるのは少なくともプラスではと感じています。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ジオグリフ:牡3歳:ドレフォン×キンカメ:前走日本ダービー4人気7着:福永
結論
■サンデー系の馬とは異なり瞬発力には限界があるタイプだが、多少タフな展開でも長く力強い末脚を伸ばせることが強みで、札幌2歳Sや皐月賞はその強みを遺憾無く発揮しての勝利だった
■引っかかるまでではないが前進気勢が強く、どちらかというと馬の後ろにしっかり入れて道中を追走した方が直線での末脚がより伸びる印象、ゲートも若干落ち着かない部分があるが、近走は馬も安定してきており、かつ、名手福永がしっかり出せている
■例年の後傾ラップの天皇賞ではイクイノックスら高速上がりに適性がある組に太刀打ち出来なさそうだが、今年はパンサラッサの参戦で例年にないほど追走力と持続的な末脚が求められると見ており、本馬にとっては大きな追い風、重い印で(フライング気味にコメントすると本命級)
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬:1着:ルメール
・追い切りは南W主体で週末坂路での調整で、盛んに併せ馬も行われていたが1週前には遅れていた、最終は終い重点
・レースは38.1 – 62.9 – 33.5で、前半ドスローから残り5Fから0.8加速して12.0 – 11.8 – 11.2 – 11.0 – 11.3と残り3Fからも加速する高速上がりの展開
・若干ゲートでの駐立が悪く内枠から外に飛びだすようにスタートを切ると馬なりで先行のインを追走した、残り1000mから馬群が加速したところで外目に出して手応えの良い馬のすぐ後ろを確保した、その後残り4F付近から促され直線もしっかり追われると、若干エンジンのかかりは遅く見えたがゴール前まで長く脚を使って上がり最速で差し切り勝ち
【2】札幌2歳S:1着:2ヶ月:ルメール
・追い切りは南W、坂路、札幌芝、ダートの併用でいずれも終い重点 or 軽めの内容だったが盛んに併せ馬が行われていた
・レースは36.4 – 60.3 – 36.8で、道中は12.0付近が続く持続的な展開で、ラスト3Fは12.2 – 12.1 – 12.5と加速少なく上がりかかる展開
・外枠から若干アオるように出遅れると最後方を追走した、向正面で外目に出すと3角の残り800m過ぎから進出を開始し、残り3Fでは中団の外、その後も加速しながらポジションを上げ、直線入り口では1列目内から3頭目、直線抜け出して他を突き放すと上がり最速で4馬身差の圧勝
・前傾ラップで上がりかかる展開の中残り4Fから長く脚を使えており、高速上がりより上がりかかる展開の方が相対的に適性がありそう
【3】朝日杯FS:5着:3ヶ月半:ルメール
・追い切りは南W主体の週末坂路で終いまで伸ばされる調教が目立っていた、最終は自己ベスト6F82.8 – 66.7 – 11.9、中間はゲート練習を取り入れていた、初の関西遠征、初のマイル戦
・レースは34.3 – 58.3 – 35.2で、ラスト4Fを見ると12.1 – 11.9 – 11.2 – 12.1と、残り2Fからの加速が大きい展開
・外枠から五分のスタートを切ると流れ早く若干置かれるような形で後方を追走した、勝負所加速しながら大外から直線へ進入するとゴールまでしっかり脚を伸ばして上がり最速を使ったが位置取りが後ろすぎた感あり、掲示板争いまで
・前走が入りの3F36.4で今回34.3と一気に流れが早くなったことで序盤置かれてしまい、その影響で差し込めなかった、実力負けではない
3歳
【4】共同通信杯:2着:2ヶ月:ルメール
・追い切りはいつも通り併用で、終い重点の時計が目立ち、1週前には併せ馬で遅れていた、斤量は+1kgの57kg
・レースは雨の降る稍重の中、36.1 – 61.1 – 34.3で、残り3Fから1.2加速して11.3 – 11.2 – 11.8という展開
・中枠からスタートを切ると馬なりで出ていったが、2角までに外から寄せられて若干頭を上げるなど揉まれて嫌がるような素振りを見せていた、向正面で中団前目の馬群を追走し、馬の後ろにおさまってからは落ち着いていた、その後直線までスムーズに進めると馬群を突き、上がり3位で抜け出したが外から上がり最速を使ったダノンベルーガに差し切られての2着、勝ち馬はストライドの広さが目立ち、使える上がりの速さで劣っていた印象
【5】皐月賞:1着:2ヶ月:福永
・追い切りはいつも通りも早めの時計は出されておらず、終い重点の内容が目立っていた、ここから福永に乗り替わり
・レースは35.2 – 60.2 – 34.9で、残り3Fから0.3加速すると12.0 – 11.4 – 11.5とゴールまで伸び切るようなラップ
・外枠からスタートすると馬なりで枠なりに1角までに徐々に内に寄せていき中団前目の外を追走した、道中は落ち着いて追走すると残り3Fから外へ出していき、一列前のイクイノックスに並んで行くように加速した、直線は馬場の良い外目に出されるとゴールまでしっかり伸び切って先に抜け出したイクイノックスを差し切り優勝
・直線で内にヨレたイクイノックスとは対照的にかなり真っ直ぐ走れており、安定した走りから繰り出されるゴールまで伸びる力強い末脚にも頷ける
【6】日本ダービー:7着:1ヶ月半:福永
・追い切りはいつものパターンも1週前には自己ベスト6F81.9 – 66.4 – 11.5が出され、最終でも5F66.5が出されていた
・レースは35.1 – 58.9 – 35.2で、道中800-1200mで加速が入るなど落ち着かないラップから残り3Fから0.3加速すると11.5 – 11.7 – 12.0とゴールへ失速するラップ
・外枠からスタートすると枠なりに内へ寄せていったが馬の後ろに入れられず、1角までは頭を上げて行きたがる部分があった、道中は中団外目を追走、終始外目を周り直線でも外目へ出されると残り300m付近までは他馬に負けずに伸びていたがラスト200mでは失速しての7着
・ドウデュース、イクイノックス、ダノンベルーガらとは2400mおよび高速上がりへの適性で劣った印象で、鞍上のレース後コメントから、道中前に馬を置けなかったのも痛手だった
結論(再掲)
■サンデー系の馬とは異なり瞬発力には限界があるタイプだが、多少タフな展開でも長く力強い末脚を伸ばせることが強みで、札幌2歳Sや皐月賞はその強みを遺憾無く発揮しての勝利だった
■引っかかるまでではないが前進気勢が強く、どちらかというと馬の後ろにしっかり入れて道中を追走した方が直線での末脚がより伸びる印象、ゲートも若干落ち着かない部分があるが、近走は馬も安定してきており、かつ、名手福永がしっかり出せている
■例年の後傾ラップの天皇賞ではイクイノックスら高速上がりに適性がある組に太刀打ち出来なさそうだが、今年はパンサラッサの参戦で例年にないほど追走力と持続的な末脚が求められると見ており、本馬にとっては大きな追い風、重い印で(フライング気味にコメントすると本命級)
Gregory