毎日王冠の各馬分析2頭目はサトノシャイニング。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
毎日王冠の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
サトノシャイニング:キズナ×米国型:前走日本ダービー5人気4着:武豊:55kg
結論
■スタートがある程度速く序盤の前進気勢が強いことで、ここまで数戦で先行する競馬をしているが、その先行した東スポ杯2歳Sと日本ダービーでは自身より後方で脚を溜めていた馬にラストで交わされるような形で敗れており、どちらのレースでも能力で4着以内を確保しているが、折り合いが難しい現状では力を発揮し切れる形ではないと考える
■反対に、重賞を勝ったきさらぎ賞では道中がハイペースだったことで折り合いの難しさをごまかしながら控える競馬をしており、直線ではレース上がりが35.7と比較的かかる展開を2位より0.5秒速い上がり最速で差し切っており、現状最も高いパフォーマンスが出せるのは、本レースのように道中のペースが流れて上がりがかかり先行馬が垂れるような展開を差す形と考えられる
■毎日王冠では、道中のペースが緩む/締まるのどちらのパターンになっても大きくパフォーマンスを落とす所は想像できないものの、緩むパターンならしっかり折り合って先行抜け出しを計る馬、締まるパターンならマイル指向の鋭い末脚を使える馬など、相手関係次第では適性観点でより上位に取りたい馬がいそう、これまでのパフォーマンスを考えると一定以上評価せざるを得ない形になりそうなものの、より適性の向く馬との実力を含めた相対評価と当日の人気からどのような形で評価するか決定されたい
全レース分析
2歳
【1】中京2000m新馬:1着:松山
・陣営は「肉体的なポテンシャルは標準以上も、粗削りな面がある。力を出し切れれば」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、終い重点の時計が目立っていた、最終追いは単走で4Fからだった
・レースは開催15日目(Bコース5日目)で小雨の降る良馬場の中39.4 – 65.0 – 34.2の後傾5.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.9加速して11.8 – 11.1 – 11.3と伸びる展開で、上位の上がりを使った馬が上がり順位のまま圏内を独占する末脚決着
・中枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながら出て行って好位の外で前に馬がいない位置を追走した、向正面では外からハナを叩く馬がいたがポジションは大きく変えず3角でも好位の外を追走していた、勝負所では馬群の外で加速に付き合うと残り3Fから徐々に促されて好位の外から直線へ、直線では力強く脚を使って伸びると先に抜け出した逃げ馬を余裕をもって交わして優勝
・操縦性こそやや難しそうだが、直線では良いエンジンを積んでいそうな伸び脚だった
【2】東スポ杯2歳S:2着:1ヶ月半:松山
・陣営は「前回が余力のある内容だった。ごちゃついた時の心配はあるけど、落ち着いた頭数だし、広い東京でスムーズな競馬ができれば」とコメントしていた、追い切りは併用で、2週前にはWで自己ベスト81.1 – 65.7 – 12.0が単走馬なりで出され、当週には坂路でも自己ベスト52.9 – 11.8が単走で出されていた、初の関東遠征
・レースは開催13日目(Cコース1日目)の馬場の中36.1 – 60.9 – 33.4の後傾1.7で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから1.2加速して11.3 – 10.9 – 11.2と伸びる展開で、4角で3番手以内だった3頭が圏内を独占する先行決着
・大外枠からスタートすると直後に落鉄していた、前進気勢強く出ていくとハナへ、道中はハナに立った後も少し行きたがっていたがペースはスローだった、勝負所でも先頭のまま進めて半馬身差の先頭で直線へ、直線ではしっかり反応して伸びて上がり3位33.5の脚で抜け出しにかかったがラストは外から勝ち馬に交わされての2着まで
・レース後に鞍上は「馬の後ろに入れたかったのですが、大外枠でスタートが良く、押し出されてしまいました。それに、3完歩目で落鉄もありました。それでここまで来るのですから、能力の高さを改めて感じました」とコメントしていた
3歳
【3】きさらぎ賞(稍重):1着:2ヶ月半:西村
・陣営は「落鉄の影響はあったと思うが力を見せた。理想は馬の後ろで。右回りがどうかだが先々を見据えたレースをして結果を残せれば」とコメントしていた、追い切りは併用で1週前にWで自己ベストに迫る時計で併せ先着し、当週は坂路単走で終い重点の時計が出されていた、初の右回り
・レースは開催3日目(Aコース3日目)で前日の雪の影響で稍重になった馬場の中34.4 – 58.7 – 35.7の前傾1.3で、序盤を飛ばしてハイペースで入ると800-1400mを12.6 – 12.6 – 12.5と緩めた、ラストは残り2Fから0.9加速して11.6 – 11.6とゴールまで伸びるラップで2位より0.5秒速い上がり最速を使った勝ち馬が3馬身突き抜ける決着
・大外枠からスタートすると出て行ってペースが速かったこともあり控えて中団の外を追走した、道中はやや行きたがっていたが折り合いの中ではあった、勝負所では馬群の外をまわって馬の後ろで加速に付き合うと残り3F過ぎから促されて外に出して中団の大外から直線へ、直線では2位より0.5秒速い上がり最速で伸びて3馬身差の圧勝
・現状は折り合いに難しい所があるため本レースのように道中のペースが流れて折り合いが楽になり、ラストで先行馬が垂れてくるような展開が最も力を出せる
・レース後に鞍上は「最後はいい反応で、少し内にモタれる仕草はありましたが、ソラも使っていましたし、先が楽しみです」と直線での様子についてコメントしていた
【4】皐月賞:5着:2ヶ月半:西村
・陣営は「前走はしまいを生かす競馬をしようと鞍上とも話していた。思った以上に我慢が利いて最後も脚を使ってくれた。中山で前走よりコーナーがタイトになる。立ち回りがポイント」とコメントしていた、追い切りは1週前にWで併せ馬を消化してその他は坂路という前走と同じパターン
・レースは開催16日目(Cコース2日目)の馬場の中34.5 – 59.3 – 34.8の前傾0.3で、前半を平均程度のペースで進めると、後半は残り5Fから0.9加速して11.4 – 11.5 – 11.8 – 11.4 – 11.6と11秒台半ばで伸び続けるロングスパート戦で、4着までのうち3頭が4角で10番手以下の差し有利
・外枠からスタートすると手綱と喧嘩しながら出て行って中団の外を追走した、1角では内から出てきた馬と少し接触したが大きな不利はなかった、向正面では外から進出する馬がおり自身は動かずに追走していたが、内でごちゃついたあおりを受けて接触があった、勝負所では残り700m付近から促されて外から進出して中団の外から直線へ、直線では前の2着馬を追いかけるように追われたが差を詰められず、自身より後ろで待機していた組に差される形で5着まで
・レース後鞍上は「1コーナー、向正面と何度も当てられました。今日は終始ストレスのかかる競馬になってしまいました。コーナーで少しズブさを見せるのはいつものことですが、それでも直線は前をとらえられるかと思ったくらいでした。今日は本当に運がなかったです。残念です」と道中の不利について言及していた
・並びや展開を考えると仕方ない部分はあるものの、少し動くのが早かった印象で、その分で直線数頭に交わされた側面もあった
【5】日本ダービー:4着:1ヶ月半:武豊
・陣営は「折り合いをつけようとしたところで接触があってハミをかんだし、外々を回る形になった。それでも差はなかったからね。距離が延びてどうかも、うまく立ち回ってもらえれば」とコメントしていた、追い切りは1週前にWで追う2走前からのパターンで自己ベスト80.4 – 64.9 – 11.2が出され併せ先着していた、当週は坂路で単走
・レースは開催12日目(Cコース2日目)の馬場の中35.7 – 60.0 – 34.8の後傾0.9で、道中を12.1付近が続く持続的なラップで進めると、1400-1600mを12.5で緩めた後、ラスト4Fは12.2 – 11.8 – 11.3 – 11.7と残り2Fからの加速が大きな展開
・大外枠からスタートすると出て行ってハナへ立ったが、1, 2角で外からハナを叩かれて控える形で単独の2番手を追走した、道中は比較的落ち着いて逃げ馬から離れた2番手を追走できていた、勝負所では残り3F手前から促されると2馬身半ほどの差の2番手から直線へ、直線ではしっかり反応して抜け出しにかかったが3頭に交わされて勝ち馬から0.4秒差の4着まで
・レース後に鞍上は「頑張りました。1コーナーで外から来られた時にエキサイトしてしまいました。残念でした」とコメントしていた
結論(再掲)
■スタートがある程度速く序盤の前進気勢が強いことで、ここまで数戦で先行する競馬をしているが、その先行した東スポ杯2歳Sと日本ダービーでは自身より後方で脚を溜めていた馬にラストで交わされるような形で敗れており、どちらのレースでも能力で4着以内を確保しているが、折り合いが難しい現状では力を発揮し切れる形ではないと考える
■反対に、重賞を勝ったきさらぎ賞では道中がハイペースだったことで折り合いの難しさをごまかしながら控える競馬をしており、直線ではレース上がりが35.7と比較的かかる展開を2位より0.5秒速い上がり最速で差し切っており、現状最も高いパフォーマンスが出せるのは、本レースのように道中のペースが流れて上がりがかかり先行馬が垂れるような展開を差す形と考えられる
■毎日王冠では、道中のペースが緩む/締まるのどちらのパターンになっても大きくパフォーマンスを落とす所は想像できないものの、緩むパターンならしっかり折り合って先行抜け出しを計る馬、締まるパターンならマイル指向の鋭い末脚を使える馬など、相手関係次第では適性観点でより上位に取りたい馬がいそう、これまでのパフォーマンスを考えると一定以上評価せざるを得ない形になりそうなものの、より適性の向く馬との実力を含めた相対評価と当日の人気からどのような形で評価するか決定されたい
Gregory