毎日王冠の各馬分析1頭目はシルトホルン。昨年の毎日王冠からの1年分の分析とします。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
毎日王冠の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
シルトホルン:スクリーンヒーロー×米国型:前走七夕賞4人気4着:大野:57kg
結論
■昨年の毎日王冠では直線で詰まりながらも0.2秒差に好走していたリピーターで、その後の小倉大賞典2着、ジューンS(L)1着など、いずれも前半がスローペースで進む展開をスタートを決めて先行し、直線で抜け出しにかかる競馬で好走している
■反対に極端な上がり勝負になった天皇賞秋や上がりを要して差しも入る展開だった前走の七夕賞では勝ち馬から離される形で敗れており、末脚比べの展開では分が悪い
■元々は逃げの競馬をした経験もあるものの、近走は1年以上逃げの競馬をしておらず、前々走のジューンS後には陣営から「控えてしまいに懸ける競馬。脚質に幅が出たのは大きな収穫だった」とコメントもあったように、現状は逃げにこだわるタイプではなく、仮に逃げる場合にも自身の得意な展開を考えるとペースを引き上げるような競馬はしないと考えられる
■距離適性については2400mのメトロポリタンS(L)後に陣営は「伸びかけて止まったように距離が長かった」とコメントしており、2000mの七夕賞後には鞍上が「若干距離が長いと思いましたが、対応してくれて頑張ってくれました」とコメントしていたように、戦績からしても1800mがベスト、展開次第では2000mもこなす程度と考えて良い
■毎日王冠は昨年ある程度好走している舞台ではあるものの、道中のペースが持続的に流れて鋭い決め手が活きやすい展開になると苦しく、昨年同様の前半スローペースの展開でスタートを決められれば末の鋭い組が直線でスムーズに行かないリスクも含めて圏内がある可能性も、近走はゲートでの駐立が悪く出遅れるパターンがあり信頼できない要素もあるものの、スローペース想定で人気がなければ評価する形も
全レース分析
4歳
【20】毎日王冠:5着:2ヶ月半:津村
・陣営は「前走は出遅れが全て。この条件は合っているので、ハナに行ってリズム良く走れれば」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで1週前に83.1 – 66.2 – 11.5が併せ馬で出され、当週は単走で終い重点だった
・レースは35.3 – 59.4 – 33.7の後傾1.6で、序盤3Fを平均程度のペースで入ると道中は600-1200mで12.2 – 11.9 – 12.0と緩んで、ラストは残り3Fから0.7加速して11.3 – 11.0 – 11.4と伸びる高速上がり戦で、4角で5番手以内の馬が1-5着する先行決着
・中枠内目からスタートすると馬なりで出て行って好位のインを追走した、道中は前に逃げ馬を見る位置で少し行きたがっていたが折り合いの中で追走できていた、勝負所でも急かさずにスムーズに進めると好位のインから直線へ、直線では一度も進路が開かずひたすら逃げ馬の後ろをついてくる形で5着まで
・直線ではほとんど追えない形だったが3着だった逃げ馬にピッタリついて来れたように前が開いていれば圏内ならあったと思わせる内容だった
・レース後鞍上は「ゲートに行くまでは落ち着いていましたが、中に入ってエキサイトしていました。(スタートは)五分に出ることができました。想定より少し後ろになりましたが、うまく脚が溜まり、直線も手応えはあったのですが……。ただ、こういう競馬も出来ると感じました」とコメントしていた
【21】天皇賞秋:15着:中2週:大野
・陣営は「夏を越して右トモのウイークポイントが解消したので、直線で前が詰まっても最後まで伸びてくれた。この相手でどこまでやれるかだが、距離は守備範囲。前に行って粘り込みを」とコメントしていた、追い切りはWで単走が2本で当週には82.2 – 65.9 – 11.4が出されていた
・レースは開催8日目(Bコース2日目)の馬場の中35.9 – 59.9 – 33.7の後傾2.2で、道中は12.0付近が続く持続寄りのスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.1 – 11.1 – 11.5と伸びる展開
・外枠からスタートすると出て行って好位の外を追走した、道中は内に逃げ馬を見る位置で折り合って追走できていた、勝負所でもスムーズに進めると2番手から直線へ、直線ではバテバテではなかったが相対的には減速する形で勝ち馬から1.1秒差の最下位敗戦
・展開と位置取りを考えると負けすぎ感もあるが、上がりの速い競馬が合わなかったか
5歳
【22】小倉日経賞(OP)(小倉2000m)(稍重):2着:3ヶ月半:大野
・陣営は「コーナー4つなら二千でも問題ない。オープン特別のここは結果を出したい」とコメントしていた、追い切りはW主体での調整で最終追いのみ小倉のダートコースで行われ併せ馬だった、3ヶ月半の休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースは開催6日目(Aコース6日目)で稍重になった馬場の中36.3 – 62.0 – 35.5の後傾0.8で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.6加速して11.7 – 11.8 – 11.9 – 11.8と伸びる4F戦で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着
・中枠からスタートすると出て行って好位の外を追走した、道中はスローペースだったがかなり落ち着いて追走できていた、向正面では外からポジションを押し上げる馬がおり少しポジションを下げる形で3角では中団前目の馬群の位置取りとなっていた、勝負所では馬群で加速に付き合うと前に並びかけて好位の外になって直線へ、直線では上がり2位の脚で伸ばして抜け出しにかかったが外から自身より0.3秒速い上がり最速で差した勝ち馬に交わされて2着まで
・前半スローペースから後半4F脚を使って時計のかかる展開で結果を出した
【23】小倉大賞典:8着:中1週:吉田隼
・陣営は「中1週なので小倉に滞在させているけど、反動はなく順調にきている。距離が千八になるのはプラスなので、この相手でも楽しみ」と距離適性についてコメントしていた、追い切りは小倉のダートコースで単走馬なり終い重点が1本、ハンデ57kg
・レースは開催10日目(Bコース4日目)の馬場の中35.9 – 58.6 – 36.2の前傾0.3で、前半を5F通過まで加速していくようなラップで進めると、ラスト5Fは11.1 – 11.3 – 11.6 – 12.1 – 12.5と後半は減速し続ける展開で、上位の上がりを使った馬が圏内を独占する末脚決着
・内枠からあおって出遅れると控えて最後方を追走した、道中は後方のインを追走ししていた、勝負所では残り4Fから徐々に促されると3, 4角でも最内をまわって残り2F手前からインアウトで後方の外から直線へ、直線では本馬なりに脚を使って前との差を詰めたが上位争いには加われずの8着まで
・レース後鞍上は「全然でした。スタートがすべて。ゲート内で最後に動いてしまって、うまく出られなかった」とコメントしていた
【24】メトロポリタンS(L)(東京2400m):5着:2ヶ月半:大野
・陣営は「前回は発馬が悪く自分の形に持ち込めず。マイペースで距離をこなしてほしい」とコメントしていた、追い切りは相変わらずWオンリーでの調整で併せ馬も行われていた
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中36.6 – 61.6 – 35.1の後傾1.5で、前半5Fをスローペースで進めると、ラスト7Fは11.9 – 11.7 – 11.9 – 11.8 – 11.5 – 11.6 – 12.0と早めから加速を開始してラストはわずかにゴールへ失速する展開
・内枠から重心が後ろにある感じで出遅れると最後の外を追走した、前走のペースが速めからの距離延だった影響か道中は少し行きたがっていた、向正面では馬群の外から少しだけ番手を上げていた、勝負所では残り4F過ぎから徐々に促されると残り3Fからは外目へ誘導されて後方の外から直線へ、直線では脚を使って前に迫ったがラストはまわりと同程度の脚色になって5着まで
【25】ジューンS(OP)(東京1800m):1着:1ヶ月:大野
・陣営は「伸びかけて止まったように距離が長かった。得意な条件で好勝負を期待する」とコメントしていた、追い切りは相変わらずWオンリーだったが終い重点の時計が目立っていた
・レースは開催15日目(Cコース5日目)で小雨の降る馬場の中36.3 – 61.3 – 34.7の後傾1.6で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.6加速して11.4 – 11.5 – 11.8と11秒台が続きながらもゴールへ失速する展開
・中枠からゲートでの駐立はかなり悪かったがたまたまタイミングが合ってスタートすると出て行って外から前に行く組を行かせて中団前目の外を追走した、道中は折り合いの中で追走できていた、勝負所では馬群の外目で手綱を抱えられて進めると中団前目の外から直線へ、直線ではしっかりと脚を使って馬群から抜け出すとラストは差しの組に少し迫られたがしっかりと残して完勝
・小倉大賞典と同様前半はスローペースの展開をスタートを決めて抜け出しにかかる競馬で結果を出した
【26】七夕賞:4着:1ヶ月:大野
・陣営は「控えてしまいに懸ける競馬。脚質に幅が出たのは大きな収穫だった」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで最終追いでは併せ遅れていた、ハンデ57kg
・レースは開催6日目(Bコース2日目)の馬場の中34.7 – 59.4 – 36.0の前傾1.3で、前半をややハイペースで進めると800 – 1200mが12.7 – 12.8とガッツリ緩んだ、ラストは残り4Fから0.5加速して12.3 – 12.0 – 11.9 – 12.1と上がりを要する展開
・外枠からスタートすると出て行って前が飛ばしたことで中団前目でまわりに馬が少ない位置を追走した、道中は落ち着いてインコースを追走し、向正面では前との差を詰めて好位のインになっていた、勝負所でも終始最内をまわってくると好位の最内から直線へ、直線では内の進路のまま前を追いかけたが離される形で勝ち馬から0.8秒差の4着まで
・レース後鞍上は「課題のゲートはクリアしてくれましたね。若干距離が長いと思いましたが、対応してくれて頑張ってくれました」と距離適性についてコメントしていた
結論(再掲)
■昨年の毎日王冠では直線で詰まりながらも0.2秒差に好走していたリピーターで、その後の小倉大賞典2着、ジューンS(L)1着など、いずれも前半がスローペースで進む展開をスタートを決めて先行し、直線で抜け出しにかかる競馬で好走している
■反対に極端な上がり勝負になった天皇賞秋や上がりを要して差しも入る展開だった前走の七夕賞では勝ち馬から離される形で敗れており、末脚比べの展開では分が悪い
■元々は逃げの競馬をした経験もあるものの、近走は1年以上逃げの競馬をしておらず、前々走のジューンS後には陣営から「控えてしまいに懸ける競馬。脚質に幅が出たのは大きな収穫だった」とコメントもあったように、現状は逃げにこだわるタイプではなく、仮に逃げる場合にも自身の得意な展開を考えるとペースを引き上げるような競馬はしないと考えられる
■距離適性については2400mのメトロポリタンS(L)後に陣営は「伸びかけて止まったように距離が長かった」とコメントしており、2000mの七夕賞後には鞍上が「若干距離が長いと思いましたが、対応してくれて頑張ってくれました」とコメントしていたように、戦績からしても1800mがベスト、展開次第では2000mもこなす程度と考えて良い
■毎日王冠は昨年ある程度好走している舞台ではあるものの、道中のペースが持続的に流れて鋭い決め手が活きやすい展開になると苦しく、昨年同様の前半スローペースの展開でスタートを決められれば末の鋭い組が直線でスムーズに行かないリスクも含めて圏内がある可能性も、近走はゲートでの駐立が悪く出遅れるパターンがあり信頼できない要素もあるものの、スローペース想定で人気がなければ評価する形も
Gregory