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アーバンシック 【有馬記念2024】

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

アーバンシック:牡3歳:スワーヴリチャード×ハービンジャー:前走菊花賞2人気1着:ルメール

結論

■飛びが大きく不器用な所がある馬で、直線での伸びは持続的にジワジワと加速する脚であるため、コーナーでの加速が求められる内回りコースよりは、直線でのびのびと脚を伸ばせる大箱で直線の長いコースが向く
■スタートが遅く、また、序盤を引っ掛かり気味に追走するため、日本ダービーまでは中団後方以降の位置取りから直線での末脚に賭ける競馬がされていたが、休養を挟んだセントライト記念時には陣営から「肉体的な成長はそれほどないけど気性が成長して乗りやすくなっている」とコメントが出されていたように精神的な成長が見られ、セントライト記念と菊花賞では序盤の引っ掛かりがマシになって、以前よりポジションが取れるようになっている、なお菊花賞ではスタートもこれまでで一番良かった
■折り合い面を考慮すると、今回距離短縮で臨めるのはプラスで、気性面での成長から春先よりも出せるパフォーマンスが上がっているのは確かである、しかし、有馬記念では勝負所のコーナーで加速できる器用さも求められるため、本馬にとってはベストな舞台ではなく、外をまわしても相対的なロスが少ないハイペースの差し有利な展開がより好ましい、ここでは、連勝、ルメールが継続騎乗、3歳馬など人気しそうな要素も多く、特段の妙味は出ないと見る

全レース分析

2歳

【1】札幌1800m新馬:1着:横山武
・陣営は「心肺機能と持続力はかなり高いが、気性面が幼過ぎる」とコメントしていた、おいk利はW主体から最終のみ札幌の芝での調整で、2週前には79.5 – 65.3 – 12.3の好時計が出されていた
・レースは開催8日目(Aコース8日目)の馬場の中39.0 – 65.6 – 34.5の後傾4.5で、終始新馬戦でもなかなか見ないレベルのドスローで進めると、ラストは残り3Fから1.0加速して12.0 – 11.2 – 11.3と伸びる上がり特化戦
・中枠から歩くようなスタートで出遅れるとやや行きたがるのを抑えられながら中団前目の馬群を追走した、道中は馬込みでも落ち着いて追走できていた、勝負所では残り2F手前から促されて前から2列目の内から3頭目付近から直線へ、直線では自身より内前の馬が外へヨレてきた影響で一瞬だけ待たされてそのタイミングで手前を替えてしまったが、ラストまで右手前のまま伸ばすと差し切って優勝

【2】東京2000m1勝クラス:1着:2ヶ月半:横山武
・陣営は「子どもっぽさが抜けました。もともとクラシックを狙っている馬で決めたい」とコメントしていた、追い切りはWと坂路の併用で新馬戦と比較すると全体時計は出されていなかった、最終は坂路で53.1 – 13.0
・レースは36.4 – 60.8 – 34.5の後傾1.9で、道中をスローで進めるとラスト4Fは11.9 – 11.7 – 11.5 – 11.3とゴールまで徐々に加速するラップ
・中枠内目から遅めのスタートを切ると内の馬に軽くぶつけられて最後方からになった、向正面では外に進路を取って徐々に差を詰めて3角では後方の外を追走していた、勝負所では残り4F過ぎから徐々に促して行って後方から直線へ、直線では大外へ出されるとキレる脚ではなかったがラストまでぐんぐんと伸びるような脚を使うと、ラストは2位より0.6速い上がり最速33.2の脚で差し切って優勝
・直線での長く良い脚からは直線の長いコースが向きそう

3歳

【3】京成杯:2着:2ヶ月半:横山武
・陣営は「肉体面はそれほどでもないが、精神面の成長が顕著」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、Wでは全体時計もそこそこで終いも加速させる好ラップが出されていた
・レースは開催14日目でCコース5日目の馬場の中35.6 – 60.7 – 34.8の後傾0.8で、前半をややスローで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.9 – 11.3 – 11.6と伸びる展開で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー、上位は上がり最速でのちの菊花賞馬の2着アーバンシックを除いて4角で好位の馬が占めており、展開的には先行有利だった
・内目の枠から歩くようなスタートで出遅れると控えて後方の外を追走した、向正面では外からポジションを少し押し上げて3角では中団後方の外を追走していた、勝負所では残り700m付近から徐々に促して行って中団後方から外目の馬群を突くようにして直線へ、直線では上がり最速33.9の脚で徐々に伸びてきたが、外前から先に抜け出したダノンデサイルを交わせずの2着まで
・レース後鞍上は「途中から良い感じで上がっていきましたが、勝負どころで内にもたれて、最後はその分の差だと思います」とコメントしていた
・道中の走りからは不器用な感じを受け、その点でも小回りコースよりは大箱で直線の長いコースが向く

【4】皐月賞:4着:3ヶ月:横山武
・追い切りはW主体での調整で、1週前には自己ベスト78.9 – 64.0 – 11.7が出されていた
・レースは34.2 – 57.5 – 35.8の前傾1.6で、前半11.8以下が続くハイペースで進めるとラスト4Fは12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.0と加減速少ない展開で1:57.1のコースレコード
・中枠から出負け気味のスタートを切るとやや行きたがるのを抑えられながら後方の内目を追走した、向正面では外目に誘導して3角では後方の馬群の位置となった、勝負所では残り700m付近から徐々に促して行って外に出されて中団後方の大外から直線へ、直線ではじわじわと脚を伸ばして前に迫ったが3着からは0.3秒離された4着まで
・レース後鞍上は「馬場を考えて、もう2列くらい前が欲しかったのですが、スタートがうまく出られず、思った位置を取れませんでした」とコメントしていた
・不器用な馬でコーナリングで良好に加速できないことを考えると中山内回りでのレコード決着では対応が簡単ではなかった

【5】日本ダービー:11着:1ヶ月半:横山武
・陣営は前走および今回について「最後は同じ脚色に。前進気勢を求めたケイコだったので、道中は少し掛かった。今回はクロス鼻革を着用するので対応できそう」とコメントしていた、追い切りはW主体で最終は終い10.9という時計が出されていた
・レースは開催12日目でCコース2日目の馬場の中36.3 – 62.2 – 33.8の後傾2.5で、前半をスローで進めるとラストは残り5Fから1.0加速して11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・中枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方の外目を追走した、向正面では手綱と喧嘩して頭を上げるようば場面があった、勝負所では残り4F手前から馬群の外目を徐々に促していくと後方の大外になって直線へ、直線では邪魔なく一心追われたがラストの脚は上がり3位33.5までで11着敗戦
・レース後鞍上は「アーバンシックに有利とはいえない馬場なのは承知で、ゲートも速くないし馬を信じてあの位置にしました(中略)、直線もスムーズに外に出せましたが、百日草(特別)の時のような爆発力はありませんでした」とコメントしていた
・後半持続的にハイラップで伸びる東京でのロングスパートでは勝負所外をまわした分も響いたか

【6】セントライト記念:1着:3ヶ月半:ルメール
陣営は「肉体的な成長はそれほどないけど気性が成長して乗りやすくなっている」とコメントしていた、追い切りはW主体ではあったものの1週前の週末の坂路では自己ベスト51.9 – 12.3が出されて併せ遅れていた
・レースは開催5日目(Bコース5日目)の馬場の中36.2 – 60.5 – 34.6の後傾1.6で、道中はややスローペースで進めると、ラスト4Fは12.0 – 11.7 – 11.4 – 11.5と伸び切るようなラップの高速4F戦
・最内枠から出遅れるとこれまでよりも落ち着いて出て行って中団のインを追走した、道中も落ち着いて追走し中団前目のインを追走していた、勝負所では馬なりで馬群の加速についていって中団前目の最内から少し外に出されるようにして直線へ、直線では手前を変えるのが遅かったがグイグイと脚を伸ばすと、ラストは上がり最速34.0の脚で差し切って抜け出して0.3秒差の完勝
・レース後鞍上は「じわじわと伸びてくれますが、今回は力をつけていて、直線で外へ持ち出すとすぐにギアアップして、最後は凄く良い脚を使いました」とコメントしていた
・序盤に引っかからずに追走できていたことでこれまでよりも前目のポジションを取ることができ、勝負所の進路取りもスムーズだった

【7】菊花賞:1着:1ヶ月:ルメール
・陣営は「初めての前日入厩に少しの心配は残るが、前回がすごくいい内容で勝てたし、気性面の成長が大きいですからね」とコメントしていた、初の関西遠征、追い切りはW主体でいつも通り終いへ加速するラップだった
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中37.0 – 62.0 – 123.7 – 35.9の後傾1.1で、道中は先頭が入れ替わり立ち替わりとなった影響で大きく緩む箇所がない展開で、ラストは残り4Fから0.7加速して11.9 – 12.0 – 11.8 – 12.1と減速しきらず上がりは少し要するラップで、1角で8番手以下の馬が6着までを独占した
・外目の枠から本馬としては良い方のスタートを切ると控えて後方の馬群を追走した、ホームストレッチでは馬群が凝縮する流れの中でポジションを押し上げて1角では中団の馬群を追走していた、向正面では進路を外目にとって外から進出していき3角では中団前目の外の追走となった、勝負所では残り4F手前から促して進出していくと3番手になって直線へ、直線では馬場の五分所に出されるとラストまでしぶとく脚を伸ばしてラストは上がり3位35.6の脚で抜け出して0.4秒差の完勝
・レース後コメントの中で鞍上は「スタートはいつも通りちょっと遅かったです」とコメントしていたが、これまでと比較するとかなり良いスタートだった

結論(再掲)

■飛びが大きく不器用な所がある馬で、直線での伸びは持続的にジワジワと加速する脚であるため、コーナーでの加速が求められる内回りコースよりは、直線でのびのびと脚を伸ばせる大箱で直線の長いコースが向く
■スタートが遅く、また、序盤を引っ掛かり気味に追走するため、日本ダービーまでは中団後方以降の位置取りから直線での末脚に賭ける競馬がされていたが、休養を挟んだセントライト記念時には陣営から「肉体的な成長はそれほどないけど気性が成長して乗りやすくなっている」とコメントが出されていたように精神的な成長が見られ、セントライト記念と菊花賞では序盤の引っ掛かりがマシになって、以前よりポジションが取れるようになっている、なお菊花賞ではスタートもこれまでで一番良かった
■折り合い面を考慮すると、今回距離短縮で臨めるのはプラスで、気性面での成長から春先よりも出せるパフォーマンスが上がっているのは確かである、しかし、有馬記念では勝負所のコーナーで加速できる器用さも求められるため、本馬にとってはベストな舞台ではなく、外をまわしても相対的なロスが少ないハイペースの差し有利な展開がより好ましい、ここでは、連勝、ルメールが継続騎乗、3歳馬など人気しそうな要素も多く、特段の妙味は出ないと見る

Gregory

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