有馬記念の各馬分析1頭目はドウデュース。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ドウデュース:牡5歳:ハーツクライ×米国型:前走ジャパンC1人気1着:武豊
結論
■これまで何度も右回りの直線を右手前のまま走って好走しており、かなり右手前偏重なところがある、それ故に右回りでは上手にコーナリングできる強みがあり、一方で直線での伸びという観点では左回りの方がベターである
■また、過去にダービーに向けて弥生賞から使っている点や、凱旋門賞に向けてもニエル賞を使っている点、昨秋は叩き3走目の有馬記念で結果を出したことからもレースを使って状態をアップもしくは維持できるタイプであり、休み明けよりは叩いてからの方が他馬との相対比較という観点でパフォーマンスを上げられるとみる
■主戦の武豊はこれまで序盤に行きたがるのを抑えて後方を追走し、ラストは外をまわして脚を使わせる競馬をしており、京都記念のレース後には「前半は急がせない方がいいとは思いました」とコメントしていた、実際、序盤に手綱を引き切らずにポジションを取りに行った天皇賞秋2023とジャパンCでは道中引っ掛かり気味で末脚が削がれた印象の競馬となっており、序盤は折り合い重視で追走し、末脚に賭ける競馬で本来の脚が使えるタイプである
■GⅠクラスに入っても瞬発力と持続力のどちらが本質的な武器なのかわからないほど能力が高く、この点においては疑う余地がない
■過去には道中に引っかかると末が削がれる面を見せていることからも、ここも引き続き序盤は後方で控えて一瞬の加速力と持続力で馬群の外をまわして差す競馬をしてくる、昨年は過去の有馬記念と比較してもダントツで各馬の上がりが速い一種の上がり勝負になったことで悠々とまくり差ししたが、残り5Fや4Fから加速する展開になった時に4角までに前を射程に入れられるかについては不安が残る、能力については疑う余地がないものの、絶対的な存在ではない中で抜けた人気となりそうな今回は本命以外の印で
全レース分析
2歳
【1】小倉1800m新馬:1着:武豊
・追い切りはW、坂路、芝の併用で1週前にはWで6F80.6 – 64.9 – 11.7が出され併せ先着していた、当週は芝
・レースは荒れ気味の良馬場の中38.7 – 63.7 – 34.3の後傾4.3で残り3Fから0.4加速すると11.8 – 11.4 – 11.1とゴールまで加速し続けるラップ
・大外枠からスタートすると枠なりに好位の外目を追走した、勝負所では馬なりで先頭に並びかけていくと1列目の内から4頭目となって直線へ、上がり最速で伸びると内で伸びたガイアフォースに競り勝って優勝
【2】アイビーS(L)(東京1800m):1着:1ヶ月半:武豊
・追い切りは新馬同様の併用で2、1週前にWで負荷をかけて当週は芝で単走、終い重点、1ヶ月半の間隔で馬体は+12kgしていた
・レースは35.9 – 61.6 – 34.5の後傾1.4で序盤スローで進めるとラストは残り3Fから1.7加速して11.5 – 11.2 – 11.8という展開
・8頭立ての中枠からスタートすると出て行ったが抑えられて中団外目を追走した、道中は新馬戦よりは行きたがっているようだった、勝負所でも強く追い出されることはなくほぼ馬なりのまま好位外目から直線へ、残り300m付近から追い出されると上がり2位で抜け出して優勝、まだ余裕のある印象だった
【3】朝日杯FS:1着:2ヶ月:武豊
・追い切りはW、坂路、Pコースの併用で2週前にはWで自己ベスト6F78.4 – 64.3 – 11.4が単走で出されていた、当週はPで軽め先着、馬体は-10kgしていた
・レースは34.3 – 58.3 – 35.2の前傾0.9で序盤飛ばし気味に入るとラスト3Fは11.9 – 11.2 – 12.1と残り2Fからの加速が大きな展開
・中枠からスタートすると中団の外を追走した、勝負所では残り3F付近から促していくと中団の外から直線へ、上がり最速を使うと先に抜け出したセリフォスを差し切って優勝、初のマイルでペースがアップしてもいきなりから対応した
3歳
【3】弥生賞:2着:2ヶ月半:武豊
・陣営は「スパッと切れるというよりもスピードの持続力がある」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で1週前には6F79.0 – 64.9 – 11.3が出され、当週は6F81.8 – 66.5 – 12.0とここもある程度負荷をかける内容
・レースは36.2 – 61.1 – 35.2の後傾1.0で前半スローで入ると残り4Fから0.6加速して11.8 – 11.5 – 11.4 – 12.3と伸びる高速4F戦
・中枠外目からスタートすると中団の外を追走した、前走のマイルからペースが落ちて少し行きたがっていたが折り合いはついていた、勝負所では残り4F過ぎから外から一気に捲ってくる馬がおり内に押し込められたことで中団の馬群となって直線へ、上がり2位で伸びるも先に抜け出した馬を捉えきれずの2着、スピードの求められる4F戦で勝負所加速できなかったのが痛かった
【4】皐月賞:3着:1ヶ月半:武豊
・追い切りはW、坂路、Pの併用で終い重点の時計が目立ち全体時計はいつもと比較して遅いものが多かった
・レースは馬場の内目が悪い良馬場の中35.2 – 60.2 – 34.9の後傾0.3で、序盤平均程度で進めるとラスト4Fは12.3 – 12.0 – 11.4 – 11.5と徐々に加速して残り2Fからの加速が大きな展開
・外目の枠からスタートすると控えて後方を追走した、そのまま後方で進めると勝負所では残り700m付近から外から加速を開始した、その後も外をまわると後方の外目となって直線へ、上がり最速で伸びたが先に抜け出した2頭は交わせずに3着まで
・直線ではコーナーからゴールまで右手前を一度も変えておらず右手前に偏重したタイプで右回りよりも左回りの方が向く可能性
【5】日本ダービー:1着:1ヶ月半:武豊
・追い切りはW、坂路、Pの併用で1週前にはWで6F79.6 – 64.7 – 11.2が出され併せ先着していた、当週はPで終い重点単走馬なり
・レースは35.1 – 58.9 – 35.2の前傾0.1で、道中は11.9付近が続く緩まり切らないラップからラスト5Fは12.0 – 11.8 – 11.5 – 11.7 – 12.0と徐々に加速してラスト3Fはゴールへ失速する展開
・外枠からスタートすると中団後方の外を追走した、勝負所では残り3F手前から外から加速を開始すると後方の外から直線へ、上がり2位で真一文字に伸びると最後に迫ってきたイクイノックスを凌いで優勝
・イクイノックスに勝ったものの枠順と4角から直線へのスムーズさではこちらに利があった
【6】ニエル賞(フランスロンシャン2400m)(重):4着:3ヶ月半:武豊
・7頭立ての大外枠からスタートすると控えて最後方を追走した、その後も後方で進めると後方の大外となって直線へ、直線でも伸びてはいたが前を飲み込めるほどではなく4着まで
・皐月賞同様ここでもラストはずっと右手前で走っていた
【7】凱旋門賞(フランスロンシャン2400m)(重):19着:中2週:武豊
・内枠からスタートすると後方のインを追走した、道中は速めから手応えがなくなって追い出されたが馬群についていけず1頭だけ離された後方となって直線へ、20頭立ての19着
・泥んこ馬場で全く力を出せなかった
4歳
【8】京都記念(阪神2200m):1着:4ヶ月半:武豊
・追い切りは坂路、W、Pの併用で1週前に負荷をかけて当週は単走のパターン
・レースは34.6 – 59.5 – 34.5の後傾0.1で序盤速めに入ったものの中盤は緩んでラストは残り3Fから0.6加速して11.6 – 11.3 – 11.6と阪神2200mでは珍しい上がりの求められる競馬
・外枠からスタートすると出していかずに控えて後方を追走した、向正面から3角過ぎではやや行きたがるところがあり3、4角中間では中団外目の位置取りとなっていた、勝負所では残り3F過ぎから大外から進出を開始すると好位の外目までポジションを上げて直線へ、上がり最速を使って抜け出すと3馬身半差の圧勝
・ここでは手前を替えてはいたものの直線では内へ内へとヨレていた
・レース後鞍上は「ポジションは意識しませんでした。ただ前半は急がせない方がいいとは思いました。」とコメントしており、序盤はリズム重視の競馬をしてくるタイプ
【9】ドバイターフ(ドバイメイダン1800m):取り消し:1ヶ月半:武豊
・ドバイ到着しレース前日にハ行を発症し出走回避
【10】天皇賞秋:7着:8ヶ月半(京都記念から):戸崎
・当日のアクシデントで鞍上は武豊→戸崎に変更、追い切りはW、坂路、Pコースの併用で、初めて最終追い切りが坂路で行われていた
・レースは34.9 – 57.7 – 34.7の後傾0.2で、道中は11.5以下が続くハイペースからラストは勝ち馬が抜け出してラップ落とし切らない展開
・内枠からスタートすると出て行って中団馬群で勝ち馬を見る位置を追走した、道中はやや行きたがっているのを抑えられているようだった、勝負所では残り3F手前から促されると中団の内から3頭目付近になって直線へ、直線では勝ち馬を追いかけるように追い出されたが突き放され、後方からも差されての7着
・レース後陣営は「ゲートを出て少ししたところで躓いて、そこから噛んでしまって力んだ分と、休み明けで本来の伸びを欠いたのかなと思います」とコメントしていた
・過去のレースでは序盤ある程度行きたがるところを抑えられており、ここでは序盤あまり抑えずに進めたせいもあってか道中かかり気味で末が削がれてしまった、以上から序盤にポジションを取りにいくと末脚の削がれるタイプで、道中はリズム重視から末にかける競馬が合っている
【11】ジャパンC:4着:1ヶ月:戸崎
・追い切りはWとPコースの併用で1週前のWでは6F80.1 – 65.0 – 11.1が出されていた
・レースはパンサラッサが飛ばして35.5 – 57.6 – 36.5の前傾1.0だが、2番手タイトルホルダーは5F通過60.1で、以降 – 12.6 – 11.8 – 11.7 – 11.9 – 11.3 – 11.8 – 11.9(手計測)と、残り6Fから加速を開始して残り3Fから再び加速する末脚求められる展開
・内枠からスタートすると折り合い重視で内へ寄せていき中団のインを追走した、ここでも道中はやや手綱を引かれている様子だった、勝負所では残り3F手前から促されると中団からインアウトで外目へ行って直線へ、ラストは上がり2位の脚を使ったが前の組との差を詰められず4着まで
【12】有馬記念:1着:1ヶ月:武豊
・追い切りはWコースで調整されて当週のみPコースで、Wでの時計は前走と比較して出されていなかった、最終のPでは前走より時計が出されていたものの併せ馬には遅れていた
・レースは30.2 – 60.4 – 35.9で、タイトルホルダーが1角付近から2番手を4馬身ほど離して後続はスローの展開、勝負所ではタイトルホルダーのラップは大きく加速していないにも関わらず後続との差は詰まらず、4角で好位にいた馬に向いた展開、ラスト4Fは12.0 – 12.0 – 11.7 – 12.2と加速も入っていた
・内目の枠から遅めのスタートを切ったが促さず後方の馬群を追走した、ホームストレッチでは外目に誘導され後方の外を追走していた、向正面ではほんの少しだけポジションを上げると勝負所では残り700m付近から進出を開始して大外をスーッとポジションを上げて2番手になって直線へ、直線では一度も手前を替えずに右手前のまま伸びると好位で進めた2頭を上がり最速34.3で差し切って優勝
・相変わらず右手前に偏重しており、それゆえに右回りのコーナリングはかなり上手い
5歳
【13】ドバイターフ(ドバイメイダン1800m):5着:3ヶ月:武豊
・追い切りは出国1週前にWで79.5 – 65.1 – 11.0が出され併せ先着し、当週は坂路で調整されていた
・内枠から出遅れると最後方からになった、道中はすぐさまインをポジション上げて行って中団後方のインを追走した、終始動けない最内を追走しておりそのまま後方のインから直線へ、直線では内目で詰まって満足に追えず5着まで
・直線では近くにいたダノンベルーガとの比較でもそこまで伸ばせていなかった
【14】宝塚記念(京都2200m)(重):6着:3ヶ月:武豊
・追い切りはW主体で、当週のみ馬場状態を考慮してか芝で追い切られていた、陣営は「馬群の中の競馬はあまり良くない。勝負どころは伸び伸びと走らせていい馬」とコメントしていた
・レースは開催20日目でDコース4日目の重馬場の中35.6 – 61.0 – 34.5の後傾1.1で、序盤は平均程度で入ったが中盤600-1200mで12.7 – 12.7 – 12.9と緩んで、ラスト5Fは12.2 – 11.4 – 11.7 – 11.3 – 11.5と加速開始してラスト4Fは全て11.7以下となる展開で、同率で上がり最速を使った2頭のワンツーだった
・内枠からスタートすると控えて外へ寄せて後方の馬群を追走した、序盤は幾分行きたがっており手綱を引かれていた、向正面でも大きな動きはなく3角では最後方を追走していた、勝負所では内目をまわって残り3F過ぎから促されると内目へ進路を選択して後方のインから直線へ、直線では馬群としては最も内の馬場の6分所に出されると相変わらず右手前のままで懸命に伸びたが外差し決着の中で前には迫り切れず6着まで、内目を通した馬の中では良く伸びていた
【15】天皇賞秋:1着:4ヶ月:武豊
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、当週はPコース
・レースは35.9 – 59.9 – 33.7の後傾2.2で、道中は12.0付近が続く持続よりのスローで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.1 – 11.1 – 11.5と伸びる展開
・中枠からスタートすると控えて後方の外目を追走した、道中は行きたがるのを抑えられていた、勝負所の3, 4角ではまだポジションを上げずに後方の外から直線へ、直線ではゴールまで長く段違いのスピードで伸びて優勝、2位より0.5速い上がり最速32.5
【16】ジャパンC:1着:1ヶ月:武豊
・追い切りはWと坂路の併用で、当週はPで軽めのパターン
・レースは37.1 – 62.2 – 33.4の後傾3.7で、逃げ馬不在だった影響で道中をドスローで進めると、ラストも残り3Fまでラップは速まらず、残り3Fから1.0加速すると11.5 – 10.8 – 11.1と伸びる高速上がり戦
・内枠からややヨレ気味にスタートすると控えて外へ寄せて後方を追走した、道中は行きたがって引っかかるのを抑えられながら後方の外を追走していた、勝負所では残り700m付近から手綱を引かれたままポジションを外から押し上げて中団の大外から直線へ、直線では一瞬で前に取りついてゴールまで長く脚を使うと上がり最速32.7で内の馬に競り勝って優勝
・一瞬で加速する瞬発力も、そのスピードを維持する持続力も兼ね備えている
結論(再掲)
■これまで何度も右回りの直線を右手前のまま走って好走しており、かなり右手前偏重なところがある、それ故に右回りでは上手にコーナリングできる強みがあり、一方で直線での伸びという観点では左回りの方がベターである
■また、過去にダービーに向けて弥生賞から使っている点や、凱旋門賞に向けてもニエル賞を使っている点、昨秋は叩き3走目の有馬記念で結果を出したことからもレースを使って状態をアップもしくは維持できるタイプであり、休み明けよりは叩いてからの方が他馬との相対比較という観点でパフォーマンスを上げられるとみる
■主戦の武豊はこれまで序盤に行きたがるのを抑えて後方を追走し、ラストは外をまわして脚を使わせる競馬をしており、京都記念のレース後には「前半は急がせない方がいいとは思いました」とコメントしていた、実際、序盤に手綱を引き切らずにポジションを取りに行った天皇賞秋2023とジャパンCでは道中引っ掛かり気味で末脚が削がれた印象の競馬となっており、序盤は折り合い重視で追走し、末脚に賭ける競馬で本来の脚が使えるタイプである
■GⅠクラスに入っても瞬発力と持続力のどちらが本質的な武器なのかわからないほど能力が高く、この点においては疑う余地がない
■過去には道中に引っかかると末が削がれる面を見せていることからも、ここも引き続き序盤は後方で控えて一瞬の加速力と持続力で馬群の外をまわして差す競馬をしてくる、昨年は過去の有馬記念と比較してもダントツで各馬の上がりが速い一種の上がり勝負になったことで悠々とまくり差ししたが、残り5Fや4Fから加速する展開になった時に4角までに前を射程に入れられるかについては不安が残る、能力については疑う余地がないものの、絶対的な存在ではない中で抜けた人気となりそうな今回は本命以外の印で
Gregory