過去レース分析

過去レース分析 【天皇賞秋2024】

天皇賞秋が来た。幸せだ。
久々に気持ちのいい10月末と行きたい。もう3年も当たっていない。

レース概要・分析結論

【概要】
例年4回東京8日 or 9日に行われ、馬場はBコース替わり初週。
フルゲートは18頭で斤量は定量3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減。

【結論】
2019年のように道中のラップが持続的に緩まない(目安11.8以下)展開では高速上がりだけを使って差し込むのは簡単ではなく、マイル質の持続展開をある程度ポジションを取って追走した上で直線でも末を伸ばせるマイル指向な馬が好走している
(好走馬の例)
2019年2着:ダノンプレミアム:4角3番手から上がり4位以下、マイル実績:朝日杯FS1着/マイラーズC1着
2019年3着:アエロリット:4角先頭から上がり4位以下、マイル実績:NHKマイルC1着、安田記念2着2回
一方、2020年〜2022年の3年のように道中で12.0付近のラップが複数入るようなスローペースからの上がり勝負の展開では高速上がり戦への適性を問われ、多少位置取りを下げても高速上がりを使える馬であれば差し込める、あくまで高速上がりを使える馬が良いという話で、位置取りが後方の方が良い訳ではないので注意
(好走馬の例)
2020年2着:フィエールマン:4角10番手から上がり最速32.7
2020年3着:クロノジェネシス:4角9番手から上がり2位32.8
2021年2着:コントレイル:4角8番手から上がり最速33.0
2022年1着:イクイノックス:4角9番手から上がり最速32.7
2022年3着:ダノンベルーガ:4角11番手から上がり2位32.8
過去5年ではいずれも4人気以内から2頭以上が馬券圏内に好走しており、多少枠の有利不利があっても実力でねじ伏せてしまうレベルの馬が多数出走する本レースでは、固い決着での安い配当も視野にいれて馬券を組まれたい
■また、上記のようなスローペースでは馬群がある程度凝縮し、先行馬も簡単には止まらないことから内目の馬は詰まったり、直線での進路確保にワンテンポ必要になっていることが多く、スムーズに加速できるという意味で内の枠よりは外の枠の方が評価しやすい、下記に例示する馬たちも圏内には好走しており、あくまで小さなリスクとして評価
(進路取りでワンテンポ必要だった馬の例)
2020年2着:5枠6番:フィエールマン:直線では残り400m付近までは前が壁になっていたが開いて追われると上がり最速で追い込んでの2着
2021年2着:1枠1番:コントレイル:直線で進路を求めて外へ誘導され、上がり最速で伸ばして2着
2022年3着:3枠5番:ダノンベルーガ:勝負所で外から締められ、直線では進路を内へ切り返し上がり2位で伸びて3着
■上記のような特性からペースを読めれば指針をもって各馬を評価できる、この点は簡単ではないものの、メンバー構成や並びから展開には仮説を持って勝負したい

過去レース分析

【入り3F5F、上がり3F、前後傾度合いの平均】
過去5年:35.6 – 59.0 – 34.6 (後傾1.0)
– 過去5年で道悪はなし
(パンサラッサがいた2022年、ジャックドールが玉砕逃げの2023年などが含まれることを考慮すると平均ラップはあまり意味を持たない)

2019年

35.7 – 59.0 – 34.3 (後傾1.4):1:56.2 (良):16頭

【所見】
■アエロリットの逃げで入りの3F5Fはパンサラッサのいた2022年、ジャックドール玉砕逃げの2023年を除く過去3年で最速で、この3年では最も後傾度合いが小さく最も上がりがかかった、勝ちタイムは過去5年で見て2番目とハイレベル戦で馬券圏内はいずれもGⅠ馬
■レースは道中11.7以下が続く緩まない展開から、ラストは残り4Fから0.3加速して11.3 – 11.1 – 11.3 – 11.9とラストはゴールへ失速する展開で4角5番手以内の馬が圏内を独占した
■馬券圏内馬はいずれもマイルのGⅠ馬であり、アエロリットが引っ張る持続的なペースの中で、「1600mも2000mもこなせる」という適性が求められた印象で、後に有馬記念を好走するサートゥルナーリアや、道悪のJCを優勝したスワーヴリチャードが敗れていることからも、2000mを中心に2400mよりは1600mに適性があるスピードタイプの馬に向いていた
■過去5年で唯一上がり最速馬が馬券に絡んでおらず(4着)、道中のペースが流れてマイル的な指向が求められると後方から上がり一辺倒で差し切るのは容易ではない

【好走馬】
■1人気1着:1枠2番:牝4歳:アーモンドアイ:ロードカナロア×SS:前走安田記念1人気3着
・東京ではオークス勝ち、JC勝ちなどがあった
・内枠からスタートすると少し出して行って中団前目のインを追走した、その後勝負所でも終始最内を周ったまま直線へ、ここでも最内を突くと一瞬で他馬を突き放して上がり2位で3馬身差の優勝
・GⅠ9勝の歴史的名馬でかつ他コースと比較すれば実力馬が実力通り走れる東京2000m、ペースもある程度流れそうで勝負所で詰まるリスクも少ない展開では、嫌う理由はほとんどなかった
■3人気2着:5枠9番:牡4歳:ダノンプレミアム:ディープ×米国型:前走安田記念2人気16着
・東京での好走歴は2歳時のサウジアラビアRCのみだった
・中枠からスタートすると多少ハミを噛みながら好位馬群を追走した、その後勝負所で外の馬の手応えが怪しく脱落したことで、前から2列目内から3頭目で直線へ、直線では早々逃げ馬に並びかけると長い叩き合いとなった、内から抜け出した勝ち馬には全く抗えなかったが、逃げ馬との競り合いは制しての2着
・能力があったことは言うまでもないが、適性面で言うとマイル実績があったことや、敗因明確な前走の大敗で人気しすぎていなかった面を評価したかった
■6人気3着:3枠5番:牝5歳:アエロリット:クロフネ×SS系:前走毎日王冠2人気2着
・東京ではNHKマイルC勝ち、毎日王冠2年連続好走、安田記念で2度の2着など数多く好走実績があった、マイルでもハナを切って持続的な展開に持ち込める逃げ馬で、2000m以上は3歳時の秋華賞以来であった
・内目の枠からスタートするとハナへ立ち、道中11.7以下が続く持続的な展開をペースメイクした、直線も先頭で進入するとゴールまで脚を長く伸ばして踏ん張ったが2頭には交わされての3着
・マイル適性は言わずもがな、1800mの毎日王冠でもやれる適性や逃げ先行馬×内枠でも幾分評価を上げられたか

【凡走人気馬】
■2人気6着:5枠10番:牡3歳:サートゥルナーリア:ロードカナロア×SS系:前走神戸新聞杯1人気1着
・東京ではダービー4着のみで好走歴はなかった、この当時から東京の地下馬道が苦手で、馬場入りの際にテンションが上がってしまうとの噂が立っていた、上がり上位の常連であり中長距離の差し馬という印象だった
・中枠から出負け気味のスタートを切るとすぐさま内へ誘導されながら押して出されて多少強引に3番手のインを確保した、道中はそのまま終始好位のインで進めると2列目の最内から直線へ、直線では逃げ馬の1つ外に出して上位勢と叩き合いになったが、ラストは伸ばせず後方から伸ばした馬に差されての6着
・レース後鞍上は「ゲートに入る前からカッカしていて、ずっと力みっぱなし」とコメントしており、精神的な面の影響でベストなパフォーマンスが出せる状態ではなかったか
・馬券圏内の馬との差分を抽出すると、本馬はオープンに入って以降2000m以上の距離を使われており、圏内馬がいずれもマイルGⅠである一方で、本馬は1600mというよりは2400mが向くタイプだった

2020年

36.5 – 60.5 – 33.6 (後傾2.9):1:57.8 (良):12頭
【所見】
■過去5年で2番目に少ない12頭立てであり明確な逃げ馬もいなかったことで、過去5年で入りの3F5Fが最も遅く(5Fは同率)、故に上がりは同率で最速で、勝ち時計は2番目に遅かった
■レースは道中12.0付近が続くこのクラスの馬にとっては楽な展開から、ラストは残り3Fから0.8加速して10.9 – 11.1 – 11.6と伸びる展開で上がり3位以内の3頭が圏内を独占した
■スローからの上がり勝負になり、好位から上がり3位でまとめたアーモンドアイが1着、後方から上位の上がりを使った2頭が2, 3着ととにかく終いの高速上がりが求められる展開だった
■この手の展開になるととにかく高速上がりが求められ、瞬発力タイプの馬はメンバー構成(好位から高速上がりでまとめられるタイプがいるか否か)次第で後方からでも差し込める
■また、頭数が少なく、上位馬は全馬実力あるGⅠ馬だったが、外目の枠からでも好走馬が出ており、スローからの高速上がりのレースになると枠の有利不利は薄れると考えたい

【好走馬】
■1人気1着:7枠9番:牝5歳:アーモンドアイ:ロードカナロア×SS:前走安田記念(稍重)1人気2着
・東京では数多くの好走歴があり、前年の覇者でもあった
・外目の枠からスタートすると馬なりで中団前目の外を追走した、そのままスムーズに勝負所まで進めると前から3列目内から4頭目付近で直線へ、直線に入っても馬なりで進めて残り300m付近から追い出されると上がり3位33.1の脚で抜け出して優勝
・前年には道中のペースが締まったマイル質の天皇賞を優勝していたが、上がり勝負になってもハイレベルな馬であることは明白で、ある程度ポジションも取れるとなれば自然と評価はできる馬だった
■5人気2着:5枠6番:牡5歳:フィエールマン:ディープ×欧州型:前走天皇賞春1人気1着
・東京は新馬でしか走っていなかったが、国内では9戦中6戦で上がり最速を使っており、戦績から長距離のイメージがあったが菊花賞での末脚などを見れば中距離でも速い末が使えそうなタイプであった
・中枠からスタートすると両サイドから挟まれるような形になりポジションを下げて中団の後方を追走した、その後は大きくポジション変わらずに直線へ進入すると、直線では残り400m付近までは前が壁になっていたが開いて追われると上がり最速で追い込んでの2着
・長距離のイメージで人気を落としていた形で、東京2000mのスローで高速上がりが使えるタイプであることを見抜けていればしっかり評価できた
■2人気3着:6枠7番:牝4歳:クロノジェネシス:バゴ×クロフネ:前走宝塚記念(稍重)2人気1着
・東京では2歳時にアイビーS(OP)1着、3歳時にクイーンC1着、オークス3着と好走歴があったが、道悪で秋華賞、宝塚記念を優勝しており高速上がりのレースが最も向くタイプではなかった
・中枠からスタートすると内のフィエールマンと一緒に挟まれてポジション下げて中団後方の外目を追走した、直線は後方の大外から進入すると上がり2位で伸びて勝ち馬を追いかけたが並びかけられず、ラストは上がり最速の2着馬に差されての3着
・イメージからは高速東京よりタフな阪神や中山の方が向くタイプだったが、能力である程度速い末も使えたタイプで、この辺りの塩梅を評価して相手には持っておきたかった

【凡走人気馬】
■3人気12着:4枠4番:牡4歳:ダノンキングリー:ディープ×StormCat:前走安田記念(稍重)5人気7着
・東京では毎日王冠勝ちやダービー2着などがあり、血統からも高速東京は向きそうなタイプだった
・内枠からスタートすると馬なりで中団前目のインを追走した、向正面では手綱を嫌って頭を上げるような素振りを見せていた、勝負所で少しペースが上がるとポジションを下げてしまい中団の馬群から直線へ、直線では前に勝ち馬を見る位置から追い出されたが伸びられず、ラストは大きく失速して11着から7馬身差の最下位12着
・前々走の大阪杯で逃げの競馬をしてから若干気性的に難しい面を見せており、この点で本命に指名したくなかった

2021年

36.2 – 60.5 – 33.6 (後傾2.6):1:57.9 (良):16頭

【所見】
■過去5年最多頭数の16頭立てだったが速い逃げ馬はおらず、過去5年で入りの3Fは2番目に遅く、5Fは同率で最も遅かった、故に上がりは同率で最速で、昼からの降雨で雨の影響ある良馬場だったこともあり勝ちタイムは最も遅かった
■レースは道中600-1200mが12.0 – 12.3 – 12.0と緩む展開で、ラストは残り3Fから0.7加速して11.1 – 11.1 – 11.4と伸びる高速上がり戦
■同じくスローからの高速上がり戦だった前年の2020年同様中団から上がり3位でまとめた馬が勝利し、上がり最速馬が圏内に差し込むという決着、この展開であれば追走力ではなく、中距離的な高速上がりを使える馬で、中団以前のポジションが取れる馬を狙いたい
勝ったエフフォーリアはこの後比較的上がりのかかった有馬記念も制しているようにイメージから高速上がりレースが最も向くタイプではなかったが、昼からの降雨の影響でこの舞台としてはパワーも求められたことが勝因だった印象で、馬場によっては高速上がりのイメージからややパワーに寄せたタイプを評価されたい
最内枠からのスタートだった2着馬コントレイルは直線で外に持ち出すロスがあったように見え、スローからの上がり勝負で内外の有利不利が薄まる展開では、勝負所から直線でスムーズに加速できるという意味で内枠すぎない方が良い
■東京2000mは他コースと比較して全馬が実力を出しやすいコースで、メンバーレベルによっては本年のようなガチガチ決着になることも見据えたい(上位3頭はGⅠを複数勝ちするような名馬で、3-4着が1.3/4馬身離れたように実力的に抜けていた)

【好走馬】
■3人気1着:3枠5番:牡3歳:エフフォーリア:エピファネイア×ハーツクライ:前走ダービー1人気2着
・東京では共同通信杯勝ち、ダービー2着など好走歴があった
・内目の枠からスタートするとほとんど馬なりで中団前目の外を追走、ジョッキーの動きから内よりは外を追走したい様子だった、直線でそのまま外目に出されると上がり3位を使い、残り150mでグランアレグリアを捉えて先頭、外から迫るコントレイルも1馬身凌いでの優勝
・スローからの高速上がりの展開だったが、雨の影響があったことでクッションの効いた馬場になっており、マイル的なスピードよりはこの展開にしては中距離的な、少しパワーに寄った末脚が求められた印象で、その点でグランアレグリアらよりも秀でていた
■1人気2着:1枠1番:牡4歳:コントレイル:ディープ×米国型:前走大阪杯(重)1人気2着
・ご存じ無敗の3冠馬で、重馬場だった大阪杯を除けば、後にも先にも全戦で上がり2位以内を使い連対を外していなかった
・最内枠からスタートすると少し外の勝ち馬をマークする位置(中団前目)を追走した、そのまま直線まで終始マークして追走し直線では勝ち馬の外へ出されると、上がり最速で追い込み、好位から抜け出したグランアレグリアには先着したが、勝ち馬には1馬身及ばずの2着
・直線での進路取りを見ると内枠すぎたのが少し影響した印象で、スローからの上がり勝負で内外の有利不利が薄まる展開では勝負所から直線でスムーズに加速できるという意味で内枠すぎない方が良い
■2人気3着:5枠9番:牝5歳:グランアレグリア:ディープ×米国型:前走安田記念1人気2着
・東京ではマイルで多くの好走歴があったが、2000mは経験自体が重馬場の大阪杯4着のみだった
・中枠外目からスタートすると出て行って逃げ馬の外の2番手を追走した、直線で馬場の真ん中に出されると残り350mで抜け出して先頭に立ったが、残り150mで外から来た勝ち馬に交わされ、ラストはゴール前でコントレイルにも交わされての3着
・マイルのスピード能力はピカイチで2000mもこなせない距離ではなかったが、雨の影響ある馬場の中スローからの高速上がりになったことでラストは中距離的な末脚が求められた印象で、これに対する適性の差が出ての3着

【凡走人気馬】
■該当馬なし

2022年

34.7 – 57.4 – 36.7 (前傾2.0):1:57.5(良):15頭
【所見】
■パンサラッサの引っ張る展開で入りの3F/5Fは過去5年で最速で上がりは最もかかった、勝ち時計は3位
■レースは前半5Fを11.4以下で進めると、後半5Fは11.6 – 11.8 – 11.6 – 12.4 – 12.7とラスト2F大きく失速するラップだったが、2番手以降は離れたスローになっており、目測で35.0 – 59.4 – 33.6(後傾1.4)程度になっていた
■後続は実質後傾1.4で、例年ならマイル的な適性が求められてもおかしくないバランスだが、本年はパンサラッサを多少追いかけた入りの3Fが早くなっただけで道中と勝負所でガッツリラップが緩んだことで高速上がりが求められる展開となり、パンサラッサと上がり2位以内の2頭で決着した
■3着のダノンベルーガは直線で進路を求めて内に切り返したが、スローペースでは内外の有利不利が薄れるため、外目をスムーズにまわすことのメリットの方が大きい

【好走馬】
■1人気1着:4枠7番:牡3歳:イクイノックス:キタサンブラック×欧州型:前走日本ダービー2人気2着
・ここまでキャリア4戦で、引っ掛かり気味にポジションを上げた皐月賞を除く3戦では上がり最速を使っていた
・中枠からスタートすると中団の馬群を追走し、道中には残り1200m手前で外が開いたのをみてポジションを外にスイッチされた、勝負所では仕掛けずにスムーズにまわってくると中団の大外から直線へ、上がり最速32.7で差し込んで大逃げの2着馬を交わして優勝
・東スポ杯では上がり32.9を使っており、ダービーでも33.6を使っていた、道中が緩んで上がり勝負という得意な展開になったことで力通りの好走
■7人気2着:2枠3番:牡5歳:パンサラッサ:ロードカナロア×欧州型:前走札幌記念2人気2着
・高速逃げを確立した福島記念以降は1800m or 2000mでは連対を外していなかった、東京ではオクトーバーS(L)(2000m)を2年連続好走などの実績があった
・内枠からスタートすると出脚こそ早くなかったが道中は持ち味の高速持続逃げで飛ばした、そのまま大きくリードを保って直線に進入すると、ラストまで脚を伸ばして上がり最速の勝ち馬に交わされたものの2着を確保した
・直線の長い2000mで大逃げだったがマイペースでいけたことで強さを最大限発揮できた印象、特別な馬でありあまり参考にはならない
■4人気3着:3枠5番:牡3歳:ダノンベルーガ:ハーツクライ×米国型:前走日本ダービー1人気4着
・歩様から左回り>右回りの馬で、2400mは若干長い印象からも東京2000mはベストと言える舞台だった、東京では共同通信杯を上がり最速で勝った実績があった
・内目の枠からスタートすると控えて中団後方で勝ち馬を見る位置を追走した、勝負所でも勝ち馬をマークしていたが外からユーバーレーベンに締められてしまい直線では勝ち馬を追い掛けるのではなく内目を選択した、ラストは上がり2位32.8で伸びたが逃げ馬を捉えられずの3着
・道中は理想的に進められていたが勝負所で締められたのが痛かった印象で、スムーズに外に出せていれば2着はあったか

【凡走人気馬】
■3人気4着:5枠9番:牡4歳:ジャックドール:モーリス×米国型:前走札幌記念3人気1着
・中距離としてはややラップを締めた逃げから直線でもう一脚使って逃げ切るスタイルの馬で、ここまで2000mのみを使われていた
・中枠外目から好スタートを切ったが、本馬としては控え気味の4番手外を追走した、勝負所でもゆったりと進めて前にバビットを見たままで3番手外から直線へ、直線では残り300m付近で抜け出したが残り200mで1頭、残り100mでもう一頭に交わされての4着
・この舞台で瞬発力勝負に持ち込んだ時点で自身より適性のある馬が数頭いた印象で、せめて勝負所でもう少し早めに踏んでいれば圏内ならあったか
・脚質から仕方ない面はあるが、オープンに入ってからは上がり2位以内を使えておらず、このあたりから本命は避けたかった
■2人気5着:5枠8番:牡4歳:シャフリヤール:ディープ×米国型:前走プリンスオブウェールズS(イギリスアスコット1990m)2人気4着
・ダービーまでの若駒時には上がり上位の常連だったが、適性を鑑みて2400mに主戦場を移してからは好位から脚を伸ばすような中長距離的なスタイルとなっていた
・中枠からスタートすると中団前目の外を追走した、勝負所では前にジャックドールを見ながら進め、好位の外目から直線へ進入した、直線では本馬なりに脚を使ったがより瞬発力に優れたタイプには迫れず5着まで
・GⅠを2勝しており無論実力馬ではあったが、高速上がり戦での瞬発力勝負という意味では一段評価を下げたかった印象

2023年

34.9 – 57.7 – 34.7 (後傾0.2):1:55.2(良):11頭
【所見】
■過去5年で最少頭数の11頭立てだったが、ジャックドールの玉砕逃げにより入りの3F/5Fは2番目に(パンサラッサ参戦の2022年に次いで)速く、上がりは2番目に遅かった、勝ちタイムは最速でスーパーレコード
■レースは道中11.4以下が続く展開で、600-1400mでは4F連続で11.4が刻まれるタフな持続ラップ、ラスト3Fは11.6 – 11.4 – 11.7と勝ち馬が抜け出して失速しきらなかった
ハイペースを馬群が追いかける格好となった影響で1着馬は例外として2, 3着には道中後方に控え、ラストで長く脚を使える2頭が差し込んだ形で、逃げたジャックドールが大敗していることからも先行負荷はかなり高く、差し追い込みに向く展開だった
■ハイペースになり、ハイペースが向きそうな馬が好走した形ではあるが、「ジャックドールの単騎逃げ」からこのペースを予想するのは難しかった印象で、大外枠×藤岡兄×逃げ馬ではこのパターンが過去にあったということを学びとしたい

【好走馬】
■1人気1着:6枠7番:牡4歳:イクイノックス:キタサンブラック×欧州型:前走宝塚記念 1人気1着
・レース前時点で昨年の天皇賞秋からGⅠを4連勝していた世界最強馬で、引っ掛かり気味にポジションを上げた皐月賞を除けば全戦で上がり2位以内を使っていた
・中枠からスタートすると出て行って折り合って3番手を単独で追走した、道中は最内を1つ開けて進められていた、勝負所では残り4F付近から少しずつ促されると前との差を詰めて逃げ馬から3馬身差ほどの3番手から直線へ、直線では軽く促された状態で先頭に並びかけると残り300mから追い出されて抜け出した、ラストは上がり3位の脚で2.1/2馬身差で優勝、GⅠに入っても力が違った
・紛れも無い世界最強馬で状態等を加味しても負けるとしたら前走の宝塚記念だった印象で、ここではどうやっても一定以上の評価はできた
■6人気2着:6枠6番:牡4歳:ジャスティンパレス:ディープ×米国型:前走宝塚記念2人気3着
・東京ではダービー9着があったのみで好走歴はなかった
・中枠からあおるように出遅れると多少促されながら後方2番手を追走した、道中はスムーズに進めると、勝負所では残り4Fから最後方にいた馬が外から進出してきた影響でこちらが最後方の位置取りとなって直線へ、直線では外へ外へと誘導されて大外から追われると長くゴールまで脚を伸ばし、ラストは上がり最速33.7の脚で伸びると先に抜け出しにかかった3着馬を差しての2着、3着とは1.1/4馬身差をつけていた
・ダービーから一貫して2000mより長い距離を使われており、瞬発力というよりは長く力強い脚を使うタイプだったが、かなりのハイペースとなったことで道中最後方にいた本馬に展開が向いた形で、スローの展開ではおそらく前を飲み込む脚は使えなかったタイプ
・ここまでのハイペースになることを読めていれば、というたらればではあるが、2000mより長い距離に適性がある面などを評価して相手に持っておきたかった
■3人気3着:7枠9番:牡5歳:プログノーシス:ディープ×欧州型:前走札幌記念(稍重)2人気1着
・関東圏では出走歴自体がなく初の東京競馬場だった、国内ではここまで9戦のうち8戦で上がり最速、残り1回も上がり2位だった上がり上位の常連
・外枠からスタートすると出脚が鈍く控えて最後方を追走した、勝負所では残り5F手前と早めから手綱を動かされると、前との差を詰めて1つ前にいた2着馬を外から締めるような形で交わしてインアウトで後方の外から直線へ、直線では鋭く伸びるというよりは失速せずに踏ん張るような伸びを見せ、ラストは上がり2位33.9の脚で3着
・2着馬同様道中は後方で構えていた形で、各馬が失速するようなタフな展開が向いての好走
・こちらもハイペースの消耗戦になることが読めていれば評価できたタイプ

【凡走人気馬】
■2人気7着:3枠3番:牡4歳:ドウデュース:ハーツクライ×米国型:前走ドバイターフ(ドバイメイダン1800m)取り消し
・東京ではアイビーS(L)1着、ダービー1着と2戦2勝で、ここまでの国内で走った7戦では全てで上がり2位以内だった
・内枠からスタートすると出て行って前に勝ち馬を見る位置で中団馬群を追走した、道中は少し行きたがっている様子だった、勝負所では残り3F手前から促されるとポジションは大きく変えずに中団の内から2頭目付近から外には馬がいない状態で直線へ、直線では伸ばせず外から伸びた組には交わされ、2番手追走していた馬も交わせずの7着まで

Gregory

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