札幌記念の各馬分析5頭目はチャックネイト。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
札幌記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
チャックネイト:セ6歳:ハーツクライ×米国型Robert系:前走函館記念6人気6着:佐々木
結論
■明確にスタミナタイプで、瞬発力の求められる展開より、とにかく時計がかかるような展開で減速しないことを強みに前の馬を交わせるレースに適性がある
■精神的には集中力が続かなかったり、反応が鈍い所があるが、ブリンカー着用や虚勢の効果で近走は特に問題なく走れている
■3勝クラスおよび重賞はともに道悪で勝ち鞍を上げているように、道悪は時計もかかりやすくバテるような馬も多いことから本馬には歓迎の条件である
■これまでの5つの勝ち鞍はいずれも2200m以上で上げているように、スピードよりもスタミナの特徴から、ベストな距離は2200-2600m付近にある(天皇賞春はGⅠというものあるが距離が長すぎた分も)
■札幌は道悪になると一気に時計がかかるため、一雨あれば再考だが、基本的にはGⅠ級のメンバーレベルとなる本レースで得意とは言えない2000mでは部が悪いか、消し
全レース分析
3歳
【1】東京1800m新馬:3着:石橋
・追い切りはW主体での調整で、併せ馬は盛んに行われていたが時計は全体的に軽め(5Fベストは68.4)だった
・レースは36.2 – 60.5 – 34.9の後傾1.3で、道中はスローで進めるとラストは残り3Fから0.6加速して11.6 – 11.3 – 12.0と伸びる展開
・内枠からゆっくりのスタートを切ると中団のインを追走した、道中では手綱を動かされながら追走していた、そのまま中団のインから直線へ進入すると直線では最内を突いて上がり最速34.9で抜け出しにかかったが3着まで
・直線での脚は足が遅そうな伸び方で、戦前に陣営がコメントしているように「晩成で長距離向き」という印象
【2】中山2200m未勝利:2着:1ヶ月:石橋
・陣営は「疲労でカイ食いが落ちたので回復を待って調整」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で相変わらず時計は遅い、最終は併せ遅れていた
・レースは37.8 – 65.1 – 35.9の後傾1.9で、序盤をドスローで進めるとラストは残り5Fから1.3加速して12.2 – 12.0 – 11.6 – 11.8 – 12.5という展開で上がり上位馬が圏内を独占
・内枠からスタートすると前走より気勢良く出て行って中団前目のインを追走した、道中はドスローだったがやや促されながらの追走となっていた、勝負所では促されて加速してはいたが前との差は詰まらずに中団前目のインから直線へ、直線では先に抜け出した勝ち馬の作った進路を伸びてくると上がり最速で2着
・まだ先に抜け出した馬に逃げられていることからもう少し距離があっても良いか
【3】中山2200m未勝利:3着:1ヶ月:石橋
・追い切りは前走同様のパターンでの調整で、2週前1週前ともに併せ遅れていたが、当週はWで4F時計自己ベスト69.0 – 52.7 – 12.6が出されていた、前走-4kgしていた馬体重はさらに-8kgしていた
・レースは35.1 – 61.4 – 35.1の前後傾フラットで、入りの3Fをやや速めに入ったがその後の道中は12.9付近が続くスローな展開、ラストは残り3Fから0.8加速して12.0 – 11.5 – 11.6とゴールまで伸びるようなラップで、4角5番手以内の馬での先行決着
・中枠外目からスタートすると出て行って好位の馬群を追走した、そのまま位置を変えず勝負所に入ると徐々に促されてラストは残り400m手前から本格的に追い出しを開始され前から2列目の馬群から直線へ、直線では本馬なりにゴールまでしっかり脚を伸ばしてはいたものの0.6差の3着まで
【4】函館2600m未勝利:1着:3ヶ月半:ルメール
・陣営は「芝の長距離は合っている。チークピーシーズを着用して、決め手を生かせれば」とコメントしていた、追い切りは1週前にWで自己ベスト68.3 – 52.9 – 12.6が出され併せ併入していた、最終は函館芝でカフェファラオに併せ遅れ
・レースは37.7 – 62.8 – 35.8の後傾1.9で、道中は13秒台も多く入るスローで進めるとラストは残り4Fから0.7加速して11.9 – 12.0 – 11.5 – 12.3というラップで4角5番手以内での決着
・中枠からスタートすると出て行って好位のインを追走した、道中では進路を外に切り替えて1.2角では好位の外を追走していた、勝負所では残り5Fから促され始めると進出してムチも入れられながら1列目の内から3頭目になって直線へ、直線では上がり2位の脚で伸びると抜け出して2馬身差の完勝
【5】札幌2600m1勝クラス:4着:1ヶ月半:藤岡佑
・陣営は「今回一番のトピックスはフルカップのブリンカー着用。気を抜かずに走れれば」とコメントしていた、追い切りは函館のWオンリーで併せ馬も行われていた
・レースは36.6 – 60.1 – 37.8の前傾1.2で、道中1000m地点までは11秒台が続く速めの展開で、以降は12.3以上が続く低速の展開になった、ラスト4Fは13.0 – 12.8 – 12.6 – 12.4と加速しながらも上がりかかるラップで3.4角で番手を押し上げた馬たちで上位を独占
・中枠から出遅れると控えて進路を外にとって後方の外を追走した、勝負所では向正面で進路をもう一つ外に振ると3角では中団の外を追走し、ポジション押し上げて2列目になって直線へ、直線では本馬なりに伸びてはいたが4着まで
【6】中京2200m1勝クラス:1着:3ヶ月半:藤岡康
・陣営は「毛ヅヤや張りはいいが、ノドが鳴っている。気を抜く面もあって、反応が鈍い」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、休み明けもあってまず本数が乗られていたが時計が一気に速まって当週には重馬場の中で82.8 – 65.8 – 12.1が出されて併せ併入していた、レースでは前走着用のブリンカーから前々走着用のチークに戻されていた
・レースは稍重から良に変わった馬場で35.5 – 60.6 – 36.6の前傾1.1で、道中は平均程度で進めるとラストは残り3Fから0.4加速して11.6 – 12.3 – 12.7とゴールへ失速する展開で、上がり3位以内の3頭が1.3.4着の差し有利
・内目の枠からスタートすると馬なりで中団前目の馬群を追走した、道中の向正面では少し外に進路を取りながら、勝負所では残り4Fから手綱を動かされて中団の外から直線へ、直線では上がり3位の脚で抜け出して2馬身差の完勝
・とにかくスタミナ型でスピードがないタイプのため、本レースのように時計も上がりもかかるようなレースへの適性が高い
4歳
【7】中山2200m2勝クラス:3着:1ヶ月:デムーロ
・追い切りはWと坂路で1本ずつで当週は坂路で単走軽め
・レースは38.5 – 64.1 – 35.3の後傾3.2で、道中はドスローで進めるとラスト5Fは12.5 – 12.3 – 12.0 – 11.2 – 12.1と残り2Fからの加速が大きな展開で、4角3番手以内の馬が上がり3位以内を独占して圏内も独占
・中枠からスタートすると馬なりで3番手の外を追走した、向正面以降は2番手になって逃げ馬を見る位置を追走し勝負所では残り3Fから促されると逃げ馬に並びかけるようにして直線へ、直線では前との差が詰まらず3着まで
【8】東京2400m2勝クラス:5着:1ヶ月:横山武
・陣営は「身のこなしの硬さや活気など、回復に手間取った」とコメントしていた、追い切りはいつものパターンも終い重点の時計が目立っていた
・レースは36.3 – 61.4 – 34.5の後傾1.8で、道中はスローで進めると、ラストは残り3Fから1.3加速して10.7 – 11.5 – 12.3とゴールへ失速する展開で、先行馬と上がり上位馬が上位を独占
・内枠からスタートすると出て行って好位のインを追走した、その後ポジションは大きく変えずに好位のインから直線へ進入すると直線でも懸命に伸ばしたが、ラスト3Fに10秒台が入るような展開では分が悪く、5着まで
【9】札幌2600m2勝クラス(稍重):3着:6ヶ月:ルメール
・陣営は「前走はノド鳴りの影響があったが、手術で良くなった」とコメントしており、中間に手術した様子、追い切りは函館のWオンリーで1週前にやや速めの時計を出して当週は軽め、トップハンデ55kg
・レースは稍重の中38.0 – 61.7 – 37.9の後傾0.1で、入り3Fをドスローで入ったが600-1000mに12.0 – 11.7が入ってこの区間がこのレースの最速区間、ラスト5Fは12.8 – 12.7 – 12.6 – 12.4 – 12.9と上がり要する展開
・内目の枠からスタートすると好位の外目を追走した、向正面では残り5Fから外から勝ち馬がまくってきて対抗するように進路を外に切り替えて進出を開始、捲り切られたものの追いかけて1馬身半差の2番手になって直線へ、直線では懸命に伸ばしていたが勝ち馬には離されて外からは差されての3着
5歳
【10】中京2200m2勝クラス:1着:4ヶ月半:松山
・陣営は「少し太めだけど息遣いも良好」とコメントしていた、追い切りはいつものパターンで当週は4Fからで51.4 – 12.1が出されており、休み明けで+12kgしていた
・レースは35.0 – 60.5 – 34.8の後傾0.2で、入りこそ速めだったものの道中はドスローで進めるとラストは残り3Fから0.8加速して11.4 – 11.6 – 11.8と11秒台が続きながらゴールへ失速するラップで上がり上位馬が圏内を独占した
・外目の枠からスタートすると出て行って枠なりに中団前目の外を追走した、勝負所では残り3F過ぎから外から促されて中団から直線へ、直線では上がり2位の脚で長く伸ばすと差し切って優勝
・馬場は冬場特有のパワーを要する芝に見えたものの、ラスト3F11秒台が続く展開の中で好走できたのは、休みを経ての成長と見る
【11】東京2400m3勝クラス:3着:1ヶ月:田辺
・陣営は「在厩で調整し順調だが、以前より集中力が途切れがち」とコメントしていた、追い切りはいつものパターン、ハンデ56kg
・レースはDコース3日目の馬場の中36.9 – 60.7 – 34.7の後傾2.2で、道中は平均程度で進めるとラストは残り3Fから1.3加速して11.2 – 11.5 – 12.0とゴールへ失速する展開で、4角4番手以内の馬が上位を独占した
・内枠からスタートすると出て行って4番手のイン(逃げ馬が離れて2-4番手が2番手グループ)を追走した、勝負所では逃げ馬と馬群の差が詰まって本馬は好位の最内になって直線へ、直線では瞬発力の差で置かれそうになる場面があったもののゴール前では前に迫って0.1差の3着
【12】東京2000m3勝クラス:3着:4ヶ月半:三浦
・この中間には虚勢手術が行われており、馬体は-12kgしていた、追い切りはWオンリーで1週前には5F時計自己ベストの82.8 – 65.2 – 10.7が出されていた、ブリンカーを着用
・レースは37.0 – 62.4 – 33.9の後傾3.1で、道中はスローで進めるとラストは残り3Fから0.6加速して11.2 – 11.2 – 11.5と伸びる高速上がり戦
・外枠からスタートすると枠なりに中団の外を追走した、向正面では外からポジションを上げる馬がおり相対的に位置を下げて後方の外になって直線へ、直線では上がり3位の脚で伸びたが内の馬を交わしきれずに3着まで
・これまでであればよりキレ負けしているような展開で、多少キレが増している分は虚勢の効果と見たい
【13】東京2400m3勝クラス(重):1着: 3ヶ月半:三浦
・陣営は「調教でもブリンカーを着けないとフルスピードに入らない」とコメントしていた、追い切りはW主体での調整で6Fから82秒台の時計が3週続けて出されていた
・レースは開催3日目で雨が降り、時計はかかり切っていない重馬場の中35.9 – 60.3 – 35.6の後傾0.3で、道中からラストまで12.0が続く持続的な展開で4角7番手以下で決着の差し有利
・中枠からスタートすると出て行って中団の外を追走した、道中はポジション変わらずそのまま中団の外から直線へ進入すると、直線では上がり3位の脚で伸びて競り合いを制して優勝
【14】アルゼンチン共和国杯:3着:1ヶ月:大野
・陣営は「晩成型で、いろいろとはまってきた」とコメントしていた、追い切りはいつものパターン、ハンデ56kg
・レースは序盤を平均程度で進めると後半は11.9付近が続く展開から、ラストは残り3Fから0.2加速して11.8 – 11.6 – 11.8と減速が少なく伸びる展開で、4角9番手以下の馬で1-4着を独占の差し有利
・内枠からスタートすると控えて中団馬群を追走した、道中はポジション変わらず中団の馬群のまま直線へ進入すると、直線では長く脚を伸ばして前に迫ったが内の2頭には及ばずの3着まで
・レース後鞍上は「昇級戦でしたけど相手なりに走れるのが強みですね」とコメントしていた
6歳
【15】AJCC(不良):1着:2ヶ月半:キング
・追い切りはいつものパターンで1週前にはジョッキー騎乗で自己ベスト6F80.4 – 64.4 – 11.3が出されていた、馬体重は+8kg
・レースは開催16日目でCコース7日目の不良馬場の中37.1 – 62.2 – 37.8の前傾0.7で、道中は馬場悪いなりに平均程度で進めるとラスト6Fは12.3 – 12.2 – 12.1 – 12.2 – 12.5 – 13.1と急加速はなく、ラストはゴールへ失速して上がりかかる展開で、初角4番手以内の馬で圏内を独占した
・外枠からスタートすると出て行って好位の外を追走した、勝負所では残り3Fから大きく外をまわって追い出しを開始されると前の2頭にやや離されて2馬身差ほどの3番手から直線へ、直線では減速しないような伸びを見せるとゴール前で2着馬ボッケリーニがソラを使った隙を差して優勝
【16】天皇賞春:14着:3ヶ月:鮫島克
・6歳にして初の関西遠征、追い切りはいつものパターンで2週前には自己ベスト級の時計が出されていた
・レースは36.6 – 59.7 – 121.7 – 35.3の後傾1.3で、前半この距離としてはやや速めのペースで入るとその後はしっかり緩んで、ラストは残り4Fから0.9加速して11.9 – 11.7 – 11.6 – 12.0と伸びる高速4F戦
・外枠からスタートすると出て行って枠なりに中団の外を追走した、勝負所では残り1000m付近から促されると馬群に付き合って加速できていたが、4角手前では置かれてしまい後方になって直線へ、直線では伸ばせずの14着
・レース後鞍上は「こんなに負ける馬ではないので、アクシデントでなければいいのですが」とコメントしていた
・個人的な見解としては、途中まで加速に付き合えて、途端に失速したように見えたところから距離負けの印象で、京都で瞬発力を求められやすいのも向かなかった
【17】函館記念:6着:2ヶ月半:佐々木
・追い切りはいつものパターンから、当週のみ函館Wで軽めでの調整、トップハンデ58.5kg
・レースは35.4 – 59.6 – 35.7の前傾0.3で、終始12.0付近が続く持続的な展開
・外枠からスタートすると内の馬を見ながら中団あたりを選択して中団の外を追走した、道中は向正面で外からポジションを上げてくる馬がおり3角では中団馬群の位置取りとなった、そこから手綱を動かして促されたがポジションを上げられず後方の外目から直線へ、直線ではジワジワと前の馬を交わしていたが6着まで
結論(再掲)
■明確にスタミナタイプで、瞬発力の求められる展開より、とにかく時計がかかるような展開で減速しないことを強みに前の馬を交わせるレースに適性がある
■精神的には集中力が続かなかったり、反応が鈍い所があるが、ブリンカー着用や虚勢の効果で近走は特に問題なく走れている
■3勝クラスおよび重賞はともに道悪で勝ち鞍を上げているように、道悪は時計もかかりやすくバテるような馬も多いことから本馬には歓迎の条件である
■これまでの5つの勝ち鞍はいずれも2200m以上で上げているように、スピードよりもスタミナの特徴から、ベストな距離は2200-2600m付近にある(天皇賞春はGⅠというものあるが距離が長すぎた分も)
■札幌は道悪になると一気に時計がかかるため、一雨あれば再考だが、基本的にはGⅠ級のメンバーレベルとなる本レースで得意とは言えない2000mでは部が悪いか、消し
Gregory