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(回避)ヴァンドギャルド 【札幌記念2022】

基本情報

ヴァンドギャルド:牡6歳:ディープ×Sadler’s Wells系:安田記念13人気15着:○○(鞍上)

結論

■母父欧州型が出て一瞬のキレよりも徐々にエンジンをかけるような伸びが強みで、この適性を生かすのには長い直線を有するコースの方が向く
内回りや小回りはほとんど使われておらず(【3】戦目ホープフルS、【18】戦目BCマイルのみ)、一瞬のキレが武器でないことを陣営も分かっての起用であろう
■若駒時は引っかかる、ハミを嫌がる、ゲートで落ち着かず出遅れるなど気性的な難しさを見せていたが、4歳時夏の休養を挟んだ後の【13】戦目富士Sからはスタートも決めて折り合えるようになり超ハイレベル戦だったマイルCSで6着するなどパフォーマンスが1枚上がっていた、しかしその後は【17】戦目毎日王冠、【21】戦目安田記念などピークアウトを疑いたいレースも散見される
■2000mが【3】戦目ホープフルS以来で良績はない、ここは評価しても紐までか

全レース分析

2歳

【1】阪神1600m新馬:北村友
・追い切りは坂路Wの併用で最終のみ芝、意欲的に併せ馬が行われていた
・レースは比較的時計出やすい重馬場で36.5 – 62.3 – 34.5で残り3Fから1.3加速して11.4 – 11.5 – 11.6の展開
・最内枠から一旦重心が後ろに倒れるような形で出遅れると中団のインを行きたがりながら追走、直線も内を突くと多少進路が狭いところがあったが割って伸びてくると上がり最速で優勝、エンジンのかかりが遅いような感じ

【2】東スポ杯2歳S:2ヶ月:C.デムーロ
・初の関東遠征、追い切りはW主体で1週間は終い重点、最終は自己ベスト6F80.2 – 11.5で併せ先着していた
・レースは36.2 – 60.4 – 34.6で残り5Fから0.4加速し、11.9 – 11.6 – 11.6 – 11.4 – 11.6という東京では珍しい長めのスパートの様相
・内目の枠から出負け気味にスタートすると中団馬群を追走、序盤はいくらか行きたがったが中盤以降は落ち着いた、4角も外に出さずに回ってくると直線に入ってから進路を求めて外目に出された、残り1Fを勝ち馬ニシノデイジーと併せで伸びたが競り負けて外から1頭に差されての3着

【3】ホープフルS:1ヶ月半:C.デムーロ
・1ヶ月半ながら放牧を挟んでの参戦、追い切りは1週前までCW主体週末坂路、最終のみレースが金曜だったこともあり月曜追いで坂路で単走終い重点
・レースは37.8 – 62.5 – 35.5で残り5Fから0.4加速して11.8 – 11.8 – 12.2 – 11.5 – 11.8という変則ラップ
・外目の枠からスタートすると枠なりに後方2番手を追走、向正面でも内にいれずの外目を追走で進めた、残り600から外目を追い出されると残り400mまでのラップが落ち着いた(12.2)区間で番手を上げて前から2列目、内から3頭目で直線に進入すると直後外の馬に寄られて抜け出せず、一瞬前開いたが勝ち馬サートゥルナーリアに内から弾かれたブレイキングドーンに前をカットされ急ブレーキをかけた、それでもめげずに最後まで伸びて上がり2位を使ったが6着まで、メンタルは強いタイプ

3歳

【4】きさらぎ賞(京都外回り1800m):1ヶ月:デムーロ
・8頭立て、追い切りは1週前CWからの最終は坂路で、1週前のCWでは初めて併せ遅れていた
・レースは雨が降り時計かかる良馬場の中36.3 – 61.2 – 35.4で残り3Fから0.4加速して12.0 – 11.5 – 11.9という展開
・内目の枠から頭上げながらスタートすると内に入れず中団外目を追走、直線外目3番手で進入するとこの馬なりに伸びたが上がり3位までで4着、馬場が重たいのはあったが母父が欧州型であり一瞬でキレるタイプのディープではない

【5】毎日杯(阪神外回り1800m):1ヶ月半:ルメール
・追い切りはCW主体週末坂路、1週間には6Fから全体そこそこの時計も併せ遅れていた、当週は半マイルからで併せ先着
・レースは36.5 – 60.7 – 34.3で残り3Fから1.0加速して11.2 – 11.2 – 11.9の末脚求められる展開
・大外枠からスタートすると枠なりに後方外目を追走、道中前に馬がいても行きたがる場面あり頭を上げていた、残り4F過ぎから徐々に外目を進出したがポジションは後方外のまま直線へ進入、残り300m付近から本格的に追われると上がり最速で伸びたが前2頭には迫れず3着、レース後鞍上からは「ペースがもっと早ければ勝っていたかもしれません」とあり、上がり勝負で純粋に瞬発力と最高速度を求められる展開より、多少流れて前が垂れるような展開の方が向く可能性が高い
・次戦の戦前コメントで今走について「まだトモが緩くて、途中で頭を上げるシーンがあった」とコメントがあった

【6】アーリントンカップ:中2週:デムーロ
・新馬以来のマイル戦、追い切りは間隔詰まったこともあってか坂路で単走軽めが2本
・レースは35.0 – 59.8 – 34.4で残り3Fから0.9加速して11.5 – 11.0 – 11.9の展開
・中枠からスタートすると前走から入りの3Fで1.5もペースは早かったにも関わらず今までで最も引っかかりながら先行外目を追走、スタート直後鞍上が若干促したことが影響したかもしれない、勝負所残り3Fから外から絞められないように進出を開始すると1列目内から4頭目で直線へ進入、しっかり追われたが伸ばせずの9着、今までもある程度かかりながら直線伸ばしていたことを考えるとここの敗因は先行して脚が溜まらなかったことか、先行すると良さが出ないタイプ

【7】阪神1600m1勝クラス:5ヶ月:福永
・初の長期休養明けで外人路線から福永に乗り替わり、追い切りはCW坂路芝の併用で1週前CWでは自己ベストCW6F79.8 – 12.1が出されていた、最終は芝で単走、芝追いは新馬以来
・レースは34.6 – 59.2 – 34.0で3Fから0.6加速して11.7 – 10.7 – 11.6の展開
・中枠からスタートすると引っかかって頭を上げながら中団馬群を追走、発汗も目立っていた、3角までに外目に出されると勝負所まで中団の外を追走した、残り3Fからさらに外に出されて進出を開始すると前から前から3列目内から6頭目付近で直線へ、馬なりで先頭に並びかけると残り1Fで先頭、上がり最速で優勝、休みをあけてここでは力が違った

【8】京都外回り1600m2勝クラス:1ヶ月:福永
・前走からは在厩で調整、追い切りはCW坂路芝の併用で時計はいずれも軽め、かつ全て単走、全て単走で追い切りが行われるのは中2週と間隔詰まっていた【6】戦目アーリントンC以来
・レースは稍重の中35.1 – 59.0 – 34.7で3Fから0.7加速して11.2 – 11.8 – 11.7という展開
・中枠からスタートすると多少抑えられて頭高めの走りだったが前走よりは遥かに折り合って中団前目を追走、直線好位から追い出されると抜け出して残り1Fでは先頭、上がり最速で優勝、横綱競馬でこのクラスもまだ通過点
・中2週だったアーリントンCを除けば実質初めてオール単走での調整で、その影響か折り合いには進展が見られた

【9】東京1800m3勝クラス:1ヶ月半:岩田望
・追い切りはW坂路芝の併用で時計は軽め、前走に続いてオール単走調整
・レースは重馬場で時計かかる中内から乾いてイン有利になった東京で35.6 – 59.6 – 36.5と時計的にはそこまで飛ばしたわけではないが、道悪の影響で上がりかかる展開
・中枠からスタートすると中団前目の外を追走、道中はハミを嫌がるような素振りを見せながらの追走であった、好位外目で直線へ進入すると馬場の真ん中に出されて上がり3位で伸びて優勝、重た目の馬場でもしぶとく末を使った、母父Sadler’s Wellsの影響かキレるような末ではない

4歳

【10】東京新聞杯:2ヶ月半:福永
・追い切りは坂路が多めで1週前にはCWで併せ馬、最終は芝コースで終い重点単走
・レースは34.7 – 58.1 – 34.9で道中11.8以下が続きラスト3Fは11.5 – 11.6 – 11.8とわずかにゴールへ失速するラップ
・内枠だったがゲートで落ち着かず立ち上がるように出遅れて後方から、直後すぐさま最内を盛り返して中団のインを追走、直線も内目から追い出されると途中段階的に外に切り替えられながら伸びるも0.2差の6着、直線は徐々に加速していてゴール前の伸び脚は多少目立っていた、エンジンのかかりが遅いタイプ
・レース後鞍上からは「両サイドが牝馬で、ゲートに入ったとき馬がソワソワしていつも以上にじっとしていられませんでした」とコメントがあったが、過去にも両サイドが牝馬だったことはあり、これだけが出遅れの原因ではない可能性も

【11】マイラーズC(京都外回り1600m):2ヶ月半:岩田望
・追い切りは坂路で乗られたところから1週前にCWで自己ベスト6F79.6 – 12.2で併せ先着、当週はCWで半マイルから単走
・レースは35.3 – 58.6 – 33.8で残り4Fから0.5加速して11.4 – 11.3 – 10.9 – 11.6という展開
・ここも前走に続いて立ち上がるようなスタートで出遅れて最後方から、道中は後方の外を追走、残り3F過ぎから促されて外から進出を開始、直線大外から伸びて上がり最速32.7を使ったが3着まで、展開と馬場を考えれば(出遅れの影響大きいが)ポジションが後ろすぎた

【12】安田記念:1ヶ月半:岩田望
・追い切りはCW主体で間に坂路を挟み、当週は半マイルから軽めでオール単走、輸送もあるがテンションを落ち着けてスタートを決めたい考えが見える
・レースは稍重の中34.2 – 57.3 – 34.3で道中11.6以下が続く持続的な展開でラスト3Fは11.4 – 11.0 – 11.9の超マイルGⅠ的な流れ(道中ある程度締まってラストも加速して最後1Fだけラップが垂れるような展開)
・外枠からスタートを決めると出して行って中団前目の外を追走、4角から直線では手応え怪しく外には出さずに内目を追い出されるも伸ばせずの10着、この展開ではGⅠ級相手に脚伸ばせず、グランアレグリアやアーモンドアイを相手にすることを考えると濡れた馬場はどうかも、もっと時計がかかって欲しい

【13】富士S:4ヶ月半:福永
・追い切りは坂路主体から1週前芝でここまで全て単走、当週のみCWで併せ先着も終いに向かって加速できていなかった
・レースは33.8 – 57.4 – 36.0で残り3Fから0.5加速して11.5 – 12.2 – 12.3とゴールへ失速するラップ
・中枠から良いスタートを切ると中団外目を折り合って追走、この馬を折り合わせるという点で岩田望より福永の方が上、直線外から追い出されると徐々に伸びて上がり最速でラウダシオンを差し切って優勝、ラストは加速するよりゴールへ向かって失速するような前の組が辛い展開が好み

【14】マイルCS(阪神1600m):1ヶ月:戸崎
・追い切りはCWから芝の2本で時計は共に軽め、1週前CWでは併せ遅れていた
・レースは34.9 – 58.5 – 33.5で残り3Fから0.6して11.0 – 10.8 – 11.7の展開
・外枠からスタートすると中団馬群を折り合って追走、直線も外には振らず追走していた位置からそのまま馬群を突くように追い出されると上がり3位33.3で6着、上位は超GⅠ級の馬ばかりのハイレベル戦であったことを考えれば6着はかなりの好走で力を示した形

5歳

【15】東京新聞杯:2ヶ月半:福永
・間隔は空いていたが坂路CW芝の順でオール単走、時計は軽めと全体的に軽めの調整内容で次走がドバイターフであったことも考えると叩きの意味が強かった可能性、別定戦で斤量は+1kgの57kg
・レースは34.9 – 58.1 – 34.3で道中11.7以下が続きラスト3Fから0.3加速して11.2 – 11.6 – 11.5という展開
・外目の枠からスタートを決めると若干行きたがりながら中団前目の外を追走、直線は好位外目からかなりしっかり追い出されると先頭に並びかけたが、そこからの伸びが案外で後続に差し込まれての4着、レース後鞍上からは「最後は踏ん張り切れませんでした」とコメントあり、まさに前哨戦という内容であった

【16】ドバイターフ:1ヶ月半:バルザローナ
・内目の枠からスタートすると中団のインでしっかり折り合った、直線も内目から前が開いて追い出されるとしっかり末伸ばして2着、優勝した馬は力ありそうだったがそれ以下にはしっかり先着、ロスを省いた完璧な競馬ではあったがマイルCSで超GⅠ級相手でも好走した力をここでも示した形

【17】毎日王冠:6ヶ月半:福永
・追い切りはCW主体で1ヶ月前には併せ馬があったがその後は単走のみで3週続けて福永が調教騎乗していた、別定で斤量は+1kgの57kg
・レースは34.8 – 58.5 – 34.6で残り3Fから0.4加速して11.3 – 11.4 – 11.9とゴールへ失速する展開
・外枠からスタートすると枠なりに中団外目を追走、3角手前で外から2着馬ダノンキングリーがポジション押し上げてきてそこからはダノンキングリーを見る位置で追走、直線邪魔もなくしっかり追い出されたが他馬と同じような脚になって伸ばせずの8着敗戦
・レース後鞍上は「4角では手応えが怪しかったです、480kgということで、伸び切れず動き切れませんでした」とコメントしているが、好走時と大きく体重異なるわけでもなく、能力のピークアウトも疑いたい内容

【18】BCマイル(アメリカデルマー1600m):1ヶ月:福永
・内枠から出負け気味のスタートを切ると後方のインを追走、そのまま3角まで進めると早めに追い出されたがポジションは上げられず後方のまま直線へ、ペースも落ち着いていたのか直線で前後の組がほとんど入れ替わらない行った行ったの展開で脚伸ばせず12着敗戦
・レース後陣営からは「ゲートでの思わぬアクシデント(レース直前に他馬がゲート内で暴れ出走取り消しとなった)で馬の集中力が切れてしまったことが大きかったですね」とコメントがあった

【19】香港マイル(香港シャティン1600m):1ヶ月:ティータン
・内枠からスタートすると若干行きたがっているのを抑えられながら先行のインを追走、サリオスが逃げておりペースはスローだったか、直線も内目から追い出されると本馬なりに伸びたが逃げたサリオスから1馬身ほど離れた6着

6歳

【20】ドバイターフ(ドバイメイダン1800m):3ヶ月半:バルザローナ
・中枠からスタートすると控えて後方の外目を追走、4角では内目を周ってロスを省くと直線で徐々に外目に出されながら伸びた、最後は逃げたパンサラッサに外から迫るも同着優勝からハナ差の3着

【21】安田記念:2ヶ月:岩田望
・毎日王冠以来の国内戦、追い切りは坂路とCW併用で1週前は坂路で併せ馬、当週はCWで単走、いずれも終い重点の内容
・レースは34.7 – 58.7 – 33.6で残り3Fから0.8加速して11.2 – 11.0 – 11.4と瞬発力求められる展開
・内枠からスタートを決めると中団のインを追走、4角から直線も内目を周って追い出されたが伸ばせず、残り1F過ぎでは外から他馬に寄られて失速しての15着
・ラップからは【14】戦目マイルCSと似た展開だったがここでは末伸ばせなかった、マイルCS時をピークと考えれば衰えている可能性が高い

結論(再掲)

■母父欧州型が出て一瞬のキレよりも徐々にエンジンをかけるような伸びが強みで、この適性を生かすのには長い直線を有するコースの方が向く
内回りや小回りはほとんど使われておらず(【3】戦目ホープフルS、【18】戦目BCマイルのみ)、一瞬のキレが武器でないことを陣営も分かっての起用であろう
■若駒時は引っかかる、ハミを嫌がる、ゲートで落ち着かず出遅れるなど気性的な難しさを見せていたが、4歳時夏の休養を挟んだ後の【13】戦目富士Sからはスタートも決めて折り合えるようになり超ハイレベル戦だったマイルCSで6着するなどパフォーマンスが1枚上がっている
■しかしその後は【17】戦目毎日王冠、【21】戦目安田記念などピークアウトを疑いたいレースも散見される、評価しても紐までか

Gregory

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