大阪杯の各馬分析13頭目はリカンカブール。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
大阪杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
リカンカブール:牡5歳:シルバーステート×デインヒル系:前走中山金杯5人気1着:津村
結論
■過去に陣営は「ダメージが残りやすいので間隔をあけている」とコメントしており、これまで新馬戦を除くキャリア9戦のうち7戦を2ヶ月以上の間隔を開けて使われているが、前走中山金杯では1ヶ月間隔かつ輸送ありでも結果を出した
■またキャリア10戦中9戦で4番から内の枠を引いており、内目からロスの少ない競馬をしていることが多い
■スタートと二の脚は速くないため馬なりだと中団付近からの競馬になることが多いが、前走のように強気にポジションを取りにいっても折り合えるためある程度どんな競馬でもできるがOPに入ると特筆できるような末脚はないため、前走のように内目からロスなく、かつある程度時計のかかる条件が欲しいタイプ
■ある程度立ち回りの上手さは武器になるが、ドバイ組がいないとはいえGⅠはまだやや敷居が高い印象で、枠、展開、ポジション、人気馬の不発など色々と噛み合って掲示板争いというイメージ、消しで
全レース分析
2歳
【1】阪神1800m新馬:6着:藤岡康
・追い切りはWと坂路の併用で時計は平凡も併せ馬は意欲的に行われていた
・レースは35.8 – 62.1 – 34.4の後傾1.4で、道中スローで進めるとラストは残り3Fから1.2加速して12.0 – 10.8 – 11.6と伸びて残り2Fからの加速も大きな展開
・内枠からスタートすると枠なりに中団のインを追走した、道中ではやや促されながらの追走だった、勝負所でもポジションを変えずに進めると残り3F手前から促されて中団の最内から直線へ、直線では外に張るのを矯正されながら伸びたが周りと同程度の脚になって6着まで
3歳
【2】小倉2000m未勝利:1着:3ヶ月半:藤岡康
・追い切りは併用で1週前にはWで自己ベスト80.8 – 65.8 – 11.8が出されていた、当週は坂路で終い重点、休み明けで馬体は+8kgしていた
・レースは36.2 – 61.8 – 35.8の後傾0.4で、道中はスローで進めると残り3Fから0.4加速して11.8 – 11.8 – 12.2と伸びる展開
・内枠からやや躓き加減のスタートを切ると控えて中団馬群を追走した、馬場の悪い所を避けるためか内を開ける人馬が多かった、向正面では外へ外へ誘導されたが馬群全体も外で相対的には内目の位置取り、勝負所では残り3F手前から追い出しを開始されると中団の外目になって直線へ、直線では手前を替えずに伸びあぐねていたが左手前に替えた所から一気に伸びて差し切って優勝
【3】京都新聞杯(中京2200m):4着:3ヶ月:藤岡康
・追い切りは併用で時計は軽め、ここまで併用で調整して当週は坂路というのがパターン、再びの休み明けで馬体はさらに+8kgしていた
・レースは開幕初日の馬場の中34.0 – 58.2 – 35.6の前傾1.6で序盤3Fを飛ばして入ると、道中も12.1が3F続く持続的な展開、ラストは残り5Fから0.3加速すると11.8 – 11.8 – 11.8 – 11.7 – 12.1と長く脚を求められる持続的な展開
・内枠からやや出負け気味のスタートを切ると出て行って好位のインを追走した、道中から勝負所も終始最内をピッタリまわってくると逃げ馬のすぐ後ろの最内になって直線へ、直線ではしぶとく脚を伸ばして好位の組からは抜け出したが上位の脚を使った組には抗えず1着から0.7秒、3着から0.4秒差の4着まで
・1角9番手以下から上位の上がりを使った組が圏内を独占しており差し有利だったが、開幕週の馬場で最内を走った恩恵はあった
【4】小倉2000m1勝クラス:1着:3ヶ月半:藤岡康
・陣営は「本当に良くなるのは先だが春に比べて成長している」とコメントしていた、追い切りはいつものパターンで1週前に速めの時計が出されていた
・レースは33.7 – 57.5 – 35.8の前傾2.1で後続を離した逃げ馬のラップ、ラスト3Fは11.9 – 12.2 – 11.7と入れ替わってラスト1F加速
・内目の枠からスタートすると内には拘らず真っ直ぐ走らせて前の組から離れた馬群の好位外目を追走した、勝負所では外目から残り500mから追い出しを開始されると4角では比較的タイトにコーナリングしてきて好位から直線へ、ラストは上がり2位で抜け出すと外から迫った2着馬を凌いで優勝
【5】神戸新聞杯(中京2200m):6着:1ヶ月:藤岡康
・追い切りはいつものパターンも当週の坂路ではラスト失速するような時計が出されていた、間隔を詰めて使われるのは初
・レースは34.7 – 60.0 – 34.7の前後傾フラットで、前半3Fを飛ばし気味に入った後道中は緩んで、勝負所残り4Fから0.7加速すると11.6 – 11.4 – 11.2 – 12.1と伸びる展開
・最内枠からスタートすると気勢良く出て行ってハナへ、1,2角でもグングン進んで2番手を3馬身ほど離しての逃げとなっていた、向正面では緩めて後続を引き付けて勝負所では再び加速をかけて最内先頭で直線へ、直線では残り150m付近までは踏ん張っていたがラストは苦しくなってヨレながらになって6着敗戦、やや飛ばしすぎたか
【6】阪神2000m2勝クラス:2着:3ヶ月:藤岡康
・陣営は「前走は押し出されて想定外のレースに」とコメントしていた、追い切りはいつものパターン、ここでは+4kgしておりこれまでデビューから馬体を増やし続けている
・レースは開幕最終日のBコース11日目の馬場の中36.3 – 60.9 – 35.4の後傾0.9で、前半をスロー気味に進めると残り5Fから0.5加速して11.6 – 11.8 – 11.7 – 11.9 – 11.8と持続的に伸びる展開
・中枠からスタートすると出て行って内へ寄せて中団のインを追走した、1,2角ではややハミを噛む所があった、勝負所でも終始最内を追走すると4角インアウトでやや外目に出されて中団馬群から直線へ、直線ではしっかり伸びていたが先に抜け出した勝ち馬には迫りきれず2着
4歳
【7】中山2000m2勝クラス(不良):1着:2ヶ月半:戸崎
・陣営は「ダメージが残りやすいので間隔をあけている」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整に切り替えられ、Wはいずれも終い重点の時計だった、藤岡康から初の乗り替わり、初の関東遠征
・レースはAコース7日目で雨の降るタフな不良馬場の中37.0 – 62.2 – 38.0の前傾1.0で、道中はスローで進めたものの道悪の影響でラスト4Fも12.8 – 12.7 – 12.4 – 12.9と残り2Fから加速は入ったものの上がりかかる展開
・最内枠からスタートすると馬なり枠なりで中団のインを追走した、勝負所では残り3F付近から馬群の狭い所を突く形で進出を開始し、中団内目から直線へ、ラストは上がり2位で伸びて抜け出して優勝
・2勝クラスではあるもののラストの伸びからは道悪は苦手ではなさそう
【8】阪神2000m3勝クラス:1着:6ヶ月半:武豊
・追い切りは再び最終追いが坂路のパターンに戻されていた
・レースは34.7 – 57.6 – 36.5の前傾1.8で序盤逃げ馬が後続を離して飛ばしていって速め失速で後続に変わられラスト3Fは12.8 – 11.8 – 11.9という展開
・最内枠から物見している最中にゲート開いて出負け気味のスタートを切ると控えて後方のインを追走した、勝負所では3角で後方のまま外目へスイッチされ進出を開始、外目をまわるとインアウトの誘導で後方の大外に出されて直線へ、ラストは2位より0.3速い上がり最速で追い込んで差し切って優勝
・逃げ馬が引っ張った展開で馬場もやや禿げており阪神2000mの割には差し届くレースだったが、間隔を開けた影響かラストの伸びは一段成長していた印象
【9】チャレンジC:7着:2ヶ月:藤岡康
・ここでは再びW主体の調整で時計は終い重点、2ヶ月の間隔で馬体は+12kgしていた
・レースは36.3 – 59.9 – 35.1の後傾1.2で、序盤スローで進めると残り6Fから11.5が入ってその後11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.6 – 11.8と続く後半持続的な展開
・内枠からやや躓き加減のスタートを切ると控えて最後方を追走した、勝負所では残り4F過ぎから外目を意識されて4角ではインアウト気味に外へ出されて直線へ、直線では本馬なりに伸びていたが自身より前から伸びた組も脚を残しており、上がり2位で7着まで
5歳
【10】中山金杯:1着:1ヶ月:津村
・神戸新聞杯以来の詰まり気味の間隔、前走+12kgした馬体はここで-12kg、追い切りは併用、当週は坂路、ハンデ56kg
・レースはCコース初日の馬場の中36.1 – 60.5 – 34.8の後傾1.3で前半スロー気味で進めると残り5Fから0.6加速して11.8 – 11.8 – 11.7 – 11.4 – 11.7と伸びる高速5F戦
・内枠からスタートすると積極的に出して行って好位のインを追走した、序盤出していったが道中はしっかり折り合えていた、道中から勝負所も終始最内をまわってくると4角インアウトで好位の内から4頭目付近になって直線へ、ラストはそこそこの伸びで抜け出して優勝
結論(再掲)
■過去に陣営は「ダメージが残りやすいので間隔をあけている」とコメントしており、これまで新馬戦を除くキャリア9戦のうち7戦を2ヶ月以上の間隔を開けて使われているが、前走中山金杯では1ヶ月間隔かつ輸送ありでも結果を出した
■またキャリア10戦中9戦で4番から内の枠を引いており、内目からロスの少ない競馬をしていることが多い
■スタートと二の脚は速くないため馬なりだと中団付近からの競馬になることが多いが、前走のように強気にポジションを取りにいっても折り合えるためある程度どんな競馬でもできるがOPに入ると特筆できるような末脚はないため、前走のように内目からロスなく、かつある程度時計のかかる条件が欲しいタイプ
■ある程度立ち回りの上手さは武器になるが、ドバイ組がいないとはいえGⅠはまだやや敷居が高い印象で、枠、展開、ポジション、人気馬の不発など色々と噛み合って掲示板争いというイメージ、消しで
Gregory