大阪杯の各馬分析12頭目はエピファニー。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
大阪杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
エピファニー:牡5歳:エピファネイア×ディープ:前走小倉大賞典3人気1着:杉原
結論
■母父のディープよりは父系のRobertが強く出ている印象で、OPクラス勝ちの2戦がいずれも5F通過57秒台前半のハイペースで上がりのかかる展開であることからも、スローからの瞬発力勝負より先行馬が垂れるような上がりのかかる展開で末脚を伸ばす競馬に適正がある
■若駒時から折り合いの難しさがあるタイプで、3歳時に4ヶ月の休養を取ってからは多少マシになったものの現状まだやや引っかかる部分はあるため、そういう意味でも折り合いやすいハイペースの展開の方が歓迎
■例年のように良馬場スローの大阪杯になれば向くとは言えず基本は評価しないが、前週道悪で週中も雨予報の今回はタフ寄りなレースとなる可能性はある、馬場状態や枠順を見ながらの評価が必要で、「良好な馬場状態、展開はスローと予想、枠は外」などであればいらないか
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬:2着:ルメール
・陣営は「脚元に難を抱えて坂路主体の調整で」とコメントしていた、追い切りは坂路主体で併せ馬は行われていた
・レースは小雨の降る良馬場の中38.2 – 63.7 – 34.2の後傾4.0で、序盤ドスローで進めると残り3Fから1.1加速して11.1 – 11.4 – 11.7とゴールへ失速するラップ
・内枠から歩くようなスタートで出遅れると中団馬群のインを追走した、道中はやや促されながらの面もあった、そのまま中団の馬群から直線へ進入すると上がり最速で先に抜け出した馬に迫ったが2着まで、3着は3馬身離していた
・まだ幼さを残す中ではあるものの直線での伸びはキレるというよりは長く使えそうな脚だった
【2】東京1800m未勝利:3着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはオール坂路での調整、1ヶ月半の間隔で馬体は+10kgしていた
・レースは35.9 – 61.1 – 34.7の後傾1.2で、道中スローで進めると残り3Fから0.8加速して11.8 – 11.3 – 11.6と伸びる展開
・最内枠から五分のスタートを切ると出ていって好位のインを追走したが向正面ではかなり行きたがって引っかかっていた、ラストはそのまま好位のインから直線へ進入するとひたすら詰まって前が空いたのは残り200mから、その頃には前は5馬身前にいてラストは伸びていたが3着まで
・詰まり通しの競馬で度外視
3歳
【3】中山1800m未勝利:1着:2ヶ月:戸崎
・陣営は「前走は位置を取りに行ったらハミをかんでしまったもの」とコメントしていた、追い切りは相変わらず坂路オンリーだが、前走の様子を鑑みてか初めてオール単走で、当週には自己ベスト52.6 – 12.4が出されていた
・レースは開幕2週目の馬場の中36.9 – 62.2 – 35.0の後傾1.9でラストは残り3Fから0.5加速すると12.2 – 11.1 – 11.7と残り2Fからの加速も大きな展開
・中枠からスタートすると出して行って好位の外目を追走した、道中は前走に続いて引っかかっていたものの前走よりはマシだった、勝負所では特に促さず馬群の加速に付き合うと1列目の内から3頭目になって直線へ、ラストは上がり3位で力強く抜け出すと1馬身差で優勝
・残り2Fまでラップ引き上がらない先行馬有利な展開を好位で受けられた点は向いていた
【4】東京1800m1勝クラス:1着:2ヶ月半:レーン
・陣営は「折り合い重視で末脚勝負に徹する」とコメントしていた、追い切りはオール単走で1週前には初めてWでまともな時計(84.4 – 66.5 – 11.4)が出されていた
・レースは36.4 – 60.2 – 34.1の後傾2.3で序盤ややスローで進めると残り3Fから0.9加速して11.2 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・中枠からスタートするとやや行きたがるのを抑えられながら2番手を追走した、向正面では頭を上げて行きたがりハナになり、先頭に立っても行きたがっていた、勝負所残り900m付近から落ち着いて先頭のまま直線へ、ラストは上がり3位で最後まで伸ばすと好位から追ってきた馬がいたが凌いで優勝
【5】中山1800m2勝クラス:1着:4ヶ月:戸崎
・陣営は「調教では柔らかさや折り合いに進境が見られます」とコメントしていた、追い切りは相変わらずオール単走で坂路とWの併用、当週は坂路だった
・レースは開幕週の馬場の中36.9 – 61.1 – 34.8の後傾2.1で、道中スローで進めるとラスト4Fは11.9 – 11.7 – 11.7 – 11.4とゴールへ加速するラップ
・中枠外目からスタートすると枠なりに好位の外目を追走した、道中はやや行きたがっていたもののこれまでと比較すると大幅に改善されていた、勝負所では馬なりで上がっていくと1列目の内から3頭目になって直線へ、直線では力強く伸びて2馬身半差で快勝
・休みを挟んで折り合いに進展が見られ明確にパフォーマンスをアップした
【6】東京1800m3勝クラス:1着:2ヶ月:戸崎
・追い切りは併用でオール単走
・レースは36.1 – 60.1 – 33.4の後傾2.7で、道中はややスローで進めると残り3Fから0.9加速して11.0 – 10.9 – 11.5と伸びる展開
・中枠内目からスタートすると馬なりで出て行って2番手を追走した、向正面ではやや行きたがっていた、そのまま好位から直線へ進入すると内の逃げ馬との叩き合いになったがラストまで伸びて半馬身差で優勝
・1-3着は4角で2.1.4番手であり前有利の展開が向いたのはあったが2-3着は2馬身離れていた
4歳
【7】AJCC:11着:2ヶ月半:戸崎
・追い切りはW主体のオール単走で、当週には自己ベスト82.9 – 64.9 – 11.7が出されていた、初の1800m以外の距離
・レースは開始後半のCコース8日目の馬場の中36.3 – 61.3 – 35.2の後傾1.1で、道中はスローで進めるとラストは残り3Fから0.5加速して11.9 – 11.3 – 12.0と残り2Fからの加速も大きな展開
・外目の枠からスタートすると直後外の馬と接触したが大きな不利はなく枠なりに好位の外を追走した、道中は比較的落ち着いて追走できていた、向正面では外からポジション押し上げる馬がおり好位の馬群となった、勝負所では残り3Fから促されるもポジションを上げられず中団の馬群になって直線へ、直線では手応えなく後退するだけの11着
・時計のかかる冬場の馬場が向かなかった可能性もあるが、止まり方からして距離が長かった印象
【8】東風S(L)(中山1600m):4着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体のオール単走で行われていた、初のマイル
・レースは35.0 – 57.6 – 35.4の前傾0.4で、道中は200-800mで11.2付近が続くハイラップからラスト3Fは11.8 – 11.6 – 12.0と加速が小さな展開
・外枠からスタートすると枠なりに中団後方の外を追走した、勝負所では残り500mから外目から追い出しを開始されて中団後方の外になって直線へ、直線ではそれなりに伸ばして上がり2位を使ったが先に前から抜け出した組には迫れず3着から2馬身差の4着
・ある程度淡々とラップを刻むマイルではスピード能力が不足しているか
【9】メイS(OP)(東京1800m):3着:2ヶ月半:ルメール
・追い切りはいつものパターン、ハンデ56kg
・レースは35.2 – 58.4 – 34.4の後傾0.8で、道中はやや速めのペースで進めるとラストは残り3Fから0.6加速して11.3 – 11.4 – 11.7と11秒台を維持しながらゴールへ失速する展開
・外枠からスタートすると枠なりに中団外になったが向正面でややポジション上げて3角では中団前目の外を追走した、勝負所でも外をまわすと好位の大外になって直線へ、直線では本馬なりにゴールまでしっかり脚を使っていたが内から抜け出した2頭には離されて2着から3馬身差の3着
【10】関越S(OP)(新潟1800m):8着:2ヶ月半:戸崎
・追い切りはオールW単走、馬体は-6kgで過去最小馬体重だった
・レースは開幕週の中34.4 – 58.5 – 33.9の後傾0.5で、道中はややハイペースで進めるとラストは残り3Fから0.7加速して11.3 – 11.0 – 11.6と伸びる展開
・中枠からスタートすると出て行って手綱と喧嘩しながら好位の馬群を追走した、そのまま好位の馬群から直線へ進入したがひたすら進路が開かずしっかり前が空いたのはラスト100mだけ、度外視の一戦
【11】ケフェウスS(OP)(阪神2000m):1着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体週末坂路でオール単走、馬体はさらに6kg減って最小馬体重を更新、ハンデ56kg、追い切りは全て栗東で行われており滞在していた
・レースは34.4 – 57.1 – 36.5の前傾2.1で、序盤かなりのハイペースで進めるとラスト4Fは11.9 – 11.8 – 12.4 – 12.3とラスト2F減速して上がりかかる展開
・最内枠からスタートすると出て行って中団のインを追走した、序盤1角までのポジション争いでは頭を上げるような所があったが道中はなんとか折り合いの中だった、3角では後方のインになって終始内目を進むとややポジション上げて中団の最内から直線へ、直線では前の先行馬を避けるように外に出されるとラストは上がり最速35.0で減速しないような伸びを見せると差し切って優勝
・超ハイペースの時計勝負になった中で距離をロスしない最内枠だったのが向いた印象で、折り合いの難しさのある本馬には折り合いやすいペースも歓迎だった、ラストは減速しないような伸びを見せており、圧倒的にキレる脚があるタイプではない以上、流れてラストは先行馬が垂れるような展開が好み
【12】チャレンジC:4着:2ヶ月半:ルメール
・追い切りは併用で当週のみ栗東での調整、多少間隔が空いて馬体は+12kgしていた
・レースは開幕週で風が吹く中36.3 – 59.9 – 35.1の後傾1.2で、序盤スローで進めると残り6Fから11.5が入ってその後11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.6 – 11.8と続く後半持続的な展開
・中枠からスタートすると出ていって中団の外を追走した、1角では相変わらず頭を上げるような所があった、勝負所でも終始外をまわりながら残り3F手前から進出を開始するとポジションを上げて好位の大外になって直線へ、ラストは上がり2位で本馬なりに伸ばしてはいたが、内の馬を交わせる鋭さはなく4着まで
・1-5着が同率も含めて上がり3位以内の馬で占められており、末を伸ばす馬に向いていた印象
・レース後鞍上は「最後の150mぐらいで疲れてしまいました、2000mの距離はギリギリで、ベストは1800mだと思います」とコメントしていた
5歳
【13】中山金杯:11着:1ヶ月:ピーヒュレク
・陣営は「前走は体が絞り切れないなかでの競馬」とコメントしていた、追い切りはオールW単走で、1週前には5F時計自己ベストの82.2 – 64.3 – 11.5が出されていた、馬体は-6kgでハンデは57kg
・レースは36.1 – 60.5 – 34.8の後傾1.3で、前半はややスローで進めると残り5Fから0.6加速して11.8 – 11.8 – 11.7 – 11.4 – 11.7と伸びるロングスパートの展開
・内枠からスタートすると一度控えたが馬が行きたがるままに行かせて好位の馬群を追走した、向正面では好位馬群のまま落ち着いて追走できていた、勝負所では残り3Fから促して行って好位の外目になって直線へ、直線では手応えなく後退して11着敗戦
【14】小倉大賞典:1着:1ヶ月半:杉原
・陣営は前走について「向正面までコントロールが利かないままで走った、今回は調教で鞍上としっかりコンタクトを取って臨むので」とコメントしていた、追い切りは美浦のWと栗東のWで1本ずつで、1週前金曜の美浦では前走に続いて自己ベスタイの時計が出されていた、ハンデ57kg
・レースは35.0 – 57.2 – 36.5の前傾1.5で、前半かなりのハイペースで飛ばすとラスト4Fは11.4 – 11.6 – 12.4 – 12.5と減速し続けて上がりかかる展開
・外目の枠からスタートすると出て行って上手くなだめて枠なりに中団の外目を追走した、勝負所では残り700m付近から促されると馬群をタイトにまわりながら中団から直線へ、直線ではグイグイ伸びて上がり2位で差し切って優勝
・ケフェウスS(OP)に続いて超ハイペースを差し切り勝ちで、折り合いの難しさやパワーある伸び脚から現状はこの展開がベスト
結論(再掲)
■母父のディープよりは父系のRobertが強く出ている印象で、OPクラス勝ちの2戦がいずれも5F通過57秒台前半のハイペースで上がりのかかる展開であることからも、スローからの瞬発力勝負より先行馬が垂れるような上がりのかかる展開で末脚を伸ばす競馬に適正がある
■若駒時から折り合いの難しさがあるタイプで、3歳時に4ヶ月の休養を取ってからは多少マシになったものの現状まだやや引っかかる部分はあるため、そういう意味でも折り合いやすいハイペースの展開の方が歓迎
■例年のように良馬場スローの大阪杯になれば向くとは言えず基本は評価しないが、前週道悪で週中も雨予報の今回はタフ寄りなレースとなる可能性はある、馬場状態や枠順を見ながらの評価が必要で、「良好な馬場状態、展開はスローと予想、枠は外」などであればいらないか
Gregory