大阪杯の各馬分析6頭目はルージュエヴァイユ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
大阪杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ルージュエヴァイユ:牝5歳:ジャスタウェイ×Frankel:前走京都記念2人気8着:菅原
結論
■東京の1800・2000mで条件戦を連勝し、2023年の府中牝馬Sでも上がり2位で2着しているように東京でのスローからの瞬発力勝負への適性が高く、速い上がりが使えるタイプ
■一方でエプソムCでは先行して折り合って末まとめる競馬で2着しており、二の脚が遅いため馬のリズムでは中団から後方になるものの鞍上の意図次第では先行抜け出しの競馬もできる強みをもっている
■2023年の4歳シーズンには調教で自己ベストを複数回更新し、着実に成長している
■GⅠを含めて重賞でも3度連対しているようにここに入っても力は上位だが、大阪杯というレースの特性上いつもの差し競馬では分が悪い、一方で鞍上が先行させれば戦える要素は十分で、他馬に被せられず先行できる枠に入れば怖い存在で、鞍上の意図に左右される以上強気に本命などは打てないが、ここは評価して最低でも相手には絡める
全レース分析
2歳
【1】中山1800m新馬(稍重):1着:戸崎
・追い切りはWと坂路の併用で併せ馬も行われていた、当週は坂路で53.3 – 12.3併せ併入
・レースは稍重の中37.5 – 62.6 – 35.6の後傾1.9で、序盤スローで進めると残り3Fから0.3加速すると12.1 – 11.6 – 11.9と伸びる展開
・外枠からスタートすると押して促されながら内に寄せられて中団後方のインを追走したが、向正面では外目にスイッチされ中団の馬群を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り3F過ぎから徐々に促されたが馬群で進路なく手綱を抱えられたまま中団の馬群から直線へ、直線では進路が開くと鋭く伸びて上がり最速で差し切って優勝
3歳
【2】中山1800m1勝クラス:1着:2ヶ月:戸崎
・追い切りはW主体週末坂路での調整で毎週併せ馬が行われていた、当週は自己ベストの82.7 – 67.5 – 12.2で併せ併入
・レースは37.0 – 60.8 – 35.7の後傾1.3で、序盤ややスローで進めると残り3Fから0.3加速して11.6 – 11.4 – 12.7と伸びてラスト1Fは落とす展開
・最内枠から出遅れると後方を追走したが2角までにポジションを押し上げて向正面では中団の外を追走した、勝負所では残り3F手前から促されると馬群の外を回しながら加速して中団の大外から直線へ、直線ではゴールまで長く脚を使うと2位より0.6早い上がり最速を使って差し切って優勝
・開幕週の馬場でありながら差し切ったのは強く、評価できる
【3】フローラS:5着:2ヶ月:戸崎
・追い切りは併用で1週前にはWで自己ベスト82.6 – 67.3 – 11.6が出され併せ先着していた、当週は坂路で併せ先着
・レースは雨の降る良馬場の中35.9 – 60.2 – 34.8の後傾1.1で、序盤平均程度で進めると残り3Fから1.2加速して11.6 – 11.4 – 11.8と伸びる展開
・最内枠からスタートすると控えて後方のインを追走した、道中はラップ緩んだ区間でも落ち着いて追走すると4角手前から追い出されてインアウトで外目に出されて直線へ、直線では進路が塞がるところもあり残り300m付近から開くと2位より0.3早い上がり最速で伸びたが上位争いには参加できず0.4差の5着
・開幕週であり4角4番手以内が圏内を独占する前残りの競馬だった
【4】オークス:6着:1ヶ月:池添
・追い切りはW主体で併せ馬も行われていた、1ヶ月の間隔だったが馬体は+6kg
・レースは35.3 – 60.6 – 34.8の後傾0.5で、残り4Fから0.5加速して11.6 – 11.3 – 11.7 – 11.8と伸びる4F戦の展開
・内枠からスタートすると控えて後方のインを追走した、勝負所では残り4F過ぎから徐々に促されると後方から外に出されて直線へ、直線では外にヨレながらも上がり2位で伸びたが自身より内前から伸びた組には迫れず6着敗戦
・レース後鞍上は「調教が抜群で楽しみだったが、返し馬からハミに乗っかる感じでもたれていた」とコメントしていた
【5】東京2000m2勝クラス:1着:5ヶ月:戸崎
・追い切りはW主体で当週は坂路
・レースは37.4 – 62.2 – 33.7の後傾3.7で、道中スローで進めると残り3Fから0.8加速して11.3 – 11.2 – 11.2とラストまで伸びて高速上がり求められる展開
・中枠内目からスタートすると両サイドの馬が進路を挟む形で出てきて控えて後方のインを追走した、勝負所では外目にスイッチされて後方の大外になって直線へ、ラストは2位より0.8早い上がり最速で直線真一文字に伸びると余裕で差し切って優勝、ここでは力上位
【6】東京1800m3勝クラス:1着:中2週:戸崎
・追い切りは併用で間隔詰まった影響を考慮してか全て単走だった、馬体は休み明けで+4kgしていた前走からさらに+8kg
・レースは36.0 – 60.4 – 34.1の後傾1.9で、序盤ややスローで進めると残り3Fから0.8加速して11.2 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・中枠からスタートすると出て行って中団の馬群を追走した、勝負所では外目に持ち出されるとここでもゴールまでしっかり伸びて上がり2位32.9を使って差し切って優勝
・東京でのスローからの高速上がり戦で条件戦を連勝、少なくともこの展開には適性がある
4歳
【7】愛知杯(重):12着:2ヶ月:戸崎
・陣営は「これまで関東圏のレースしか経験していないので、中京への輸送が鍵に」とコメントしていた、追い切りはW主体で1週前には6Fで自己ベストタイの82.6 – 67.5 – 11.6が出され併せ併入していた、当週は坂路で軽め単走、ハンデ54kg
・レースはAコース5日目の道悪でタフな馬場状態の中37.9 – 63.9 – 34.3の後傾3.6で、序盤ドスローで進めると残り3Fから0.9加速して11.4 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・外目の枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方のインを追走した、勝負所では各馬外からポジションを上げて行ったことでインにいた本馬が最後方になる形、残り700m付近から外目へスイッチされ追い出されると後方の大外になって直線へ、直線ではオークス時同様外にヨレながらで前との差は詰められず敗戦
・4角5番手以内の馬が5着までを独占する前残りの展開で、常に差し競馬になる本馬には展開から向いていなかった
・レース後鞍上は「今日はノメる感じで甘くなりました」とコメントしており、道悪は得意ではない
【8】メイS(OP)(東京1800m):10着:4ヶ月:戸崎
・追い切りはW主体週末坂路で1週前には80.6 – 65.8 – 11.6で併せ先着し自己ベストを更新していた、休み明けで馬体は+8kg、ハンデ54kg
・レースは35.2 – 58.4 – 34.4の後傾0.8で、入りの5Fは11.6以下が続く持続的な展開から1000 – 1200で11.9を入れてそこから0.6加速して11.3 – 11.4 – 11.7と失速しながらも伸びる展開
・内目の枠から好スタートを切ると中団馬群の内目を追走した、勝負所では馬群の位置取りのまま中団の内目から直線へ進入したが直線では進路が開かず挟まれて完全に減速する不利もあり10着まで
・直線で挟まれた後も伸びなおしており、不利の影響は大きかった
【9】エプソムC(稍重):2着:中2週:石川
・追い切りはWオンリーで詰まった間隔を考慮してか時計は終い重点
・レースは稍重の中34.9 – 58.3 – 35.2の前傾0.3で、序盤4Fを早めに入ると800 – 1200mで11.9 – 12.0と緩んでそこから0.3加速して11.7 – 11.5 – 12.0と伸びる展開
・大外枠からスタートすると馬の気に任せて行って2番手を追走した、序盤こそやや行きたがっていたが道中はしっかり折り合えていた、勝負所では逃げ馬に並びかけて1列目から直線へ、直線ではラストまで踏ん張って3着以下を凌いだが外からジャスティンカフェに差し切られての2着
・間隔も詰まっていたし、序盤出して行ったが鞍上の指示に従って折り合えることを示した
【10】府中牝馬S:2着:4ヶ月:横山武
・追い切りは1週前にWで自己ベスト80.4 – 64.9 – 11.3で併せ先着し、当週は坂路
・レースは35.9 – 60.0 – 33.9の後傾2.0で、序盤スローで進めると残り3Fから0.9加速して11.3 – 11.2 – 11.4と伸びる高速上がり戦
・内目の枠からスタートすると挟まれるような形で控えて後方のインを追走したが、向正面で外目へスイッチされて3角では中団後方の外を追走していた、勝負所では残り700m付近から徐々に促されて進出して中団の大外になって直線へ、直線ではしっかりと上がり2位32.7で伸びて楽逃げしていた逃げ馬に迫ったがハナ差捉えきれず2着
・これまで使われたコースの中では東京の1800-2000mがベストコース
【11】エリザベス女王杯:2着:1ヶ月:松山
・追い切りはWからの坂路で当週の坂路では自己ベスト52.0 – 12.1が出されていた、初の関西遠征
・レースはやや馬場緩めの良馬場の中36.5 – 61.1 – 35.1の後傾1.4で、道中はスロー気味に進めると残り4Fから0.9加速して11.8 – 11.6 – 11.5 – 12.0と伸びる高速4F戦
・内枠からスタートすると出て行って中団のインで前に勝ち馬を見る位置を追走した、道中は2角までやや行きたがっているようだった、勝負所では馬群が加速した下り坂でも馬群の最内で手綱を抱えたまままわってくると中団の内目から直線へ進入して追い出しを開始された、直線では上がり2位で伸びたが自身より前から上がり3位で伸びたブレイディヴェーグを捉えられず2着
・直線長いコースでのスローからの高速4F戦で、2200mながら東京1800m向きの馬が好走できる条件は揃っていた、勝ち馬との差は位置取りの影響も大きく、伸び脚は同等のものが使えていた
・レース後鞍上は「最後右にモタれて、その分伸び切れませんでした」とコメントしていた
5歳
【12】京都記念:8着:3ヶ月:松山
・追い切りはW主体から当週は坂路でいずれも併せ馬、休み明けで馬体は+10kg
・レースは35.3 – 59.7 – 35.7の前傾0.4で、ラスト4Fは12.0 – 12.3 – 11.6 – 11.8と飛ばしていた逃げ馬が失速して入れ替わって残り2Fからの加速が大きな展開
・外目の枠からスタートすると控えて後方の外を追走した、勝負所では残り3Fから外を回して進出を開始すると後方の外になって直線へ、直線では伸ばせず8着
・タフな2200mでラスト伸ばせず、2200mは距離が長いか
結論(再掲)
■東京の1800・2000mで条件戦を連勝し、2023年の府中牝馬Sでも上がり2位で2着しているように東京でのスローからの瞬発力勝負への適性が高く、速い上がりが使えるタイプ
■一方でエプソムCでは先行して折り合って末まとめる競馬で2着しており、二の脚が遅いため馬のリズムでは中団から後方になるものの鞍上の意図次第では先行抜け出しの競馬もできる強みをもっている
■2023年の4歳シーズンには調教で自己ベストを複数回更新し、着実に成長している
■GⅠを含めて重賞でも3度連対しているようにここに入っても力は上位だが、大阪杯というレースの特性上いつもの差し競馬では分が悪い、一方で鞍上が先行させれば戦える要素は十分で、他馬に被せられず先行できる枠に入れば怖い存在で、鞍上の意図に左右される以上強気に本命などは打てないが、ここは評価して最低でも相手には絡める
Gregory