東京新聞杯の各馬分析2頭目はジャスティンカフェ。昨年度の本命馬。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
東京新聞杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ジャスティンカフェ:牡6歳:エピファネイア×Kingmambo系:前走マイルCS7人気3着:福永:58kg(+1kg)
結論
■キャリアの大半で上位の上がりを使っているが、一瞬でキレるというよりは持続的な末脚を使うため時計のかかる展開がベター、また、脚を高く上げストライドの広い走りをするため小回りよりも大箱向きで、時計のかかる東京がベストな舞台と見る
■休み明け×開幕週だった前々走の毎日王冠でのパフォーマンスが不満で、好走したダービー卿CT、エプソムC、マイルCS2023のように時計のかかりやすい開催後半のレースが走り時である
■東京新聞杯は開幕4日目で、過去5年のうち4年で勝ち馬が4角6番手以内から出ているように後方から末脚を生かす競馬をする本馬には向かない条件であり、人気であれば消しまで検討したい、イルーシヴパンサーが勝った2022年のように差し入る馬場やメンバー構成の際には再考の余地あり
全レース分析
3歳
【1】中京1600m新馬(不良):1着:北村友
・追い切りは坂路、CW、Pコースの併用で、最終追い切りではPコースながら併せ馬でしっかり先着していた、時計は終い重点
・レースは小雨の降る不良馬場の中36.5 – 60.9 – 36.1の後傾0.4で、ラスト3Fは12.5 – 11.5 – 12.1と残り2Fからの加速が大きい展開
・中枠からスタートすると中団内目を落ち着いて追走、直線は前から2列目内から4頭目付近で進入すると上がり最速で抜け出して優勝
【2】阪神1800m1勝クラス:2着:1ヶ月:北村友
・追い切りは坂路主体から最終追い切りのみCWで、時計は軽めも併せ先着していた
・レースは37.9 – 64.3 – 33.1の後傾4.8で、残り3Fから1.5急加速して10.9 – 10.6 – 11.6と高速上がり求められる展開
・外目6番枠からスタートすると出脚は遅めで後方から、道中は勝ち馬の後ろで控えていたが、前走よりペースが遅かった影響か頭を上げて行きたがるのを抑えられていた、4角では距離ロスを省くように周ってくると直線に入って外へ出され伸びた、上がり最速32.5を使ったが届かずの2着
【3】アーリントンC(重)(阪神1600m):13着:1ヶ月:北村友
・追い切りは前走同様坂路主体から最終CWで、最終は自己ベスト6F82.0 – 65.6 – 12.7が出され併せ先着していた
・レースは雨の降る重馬場の中34.7 – 59.2 – 35.0の前傾0.3で、残り3Fから0.7加速すると11.5 – 11.2 – 12.3という展開
・外枠からスタートすると出脚が早くなく、枠なりに中団後方の外目を追走した、直線は大外から良い手応えで進入してくると直線でも伸びていたが、残り350m付近で脚を取られて躓いたようになってしまい、そこからは伸びられなかった、馬場も敗因の一つ
【4】東京1600m1勝クラス:3着:1ヶ月:福永
・初の関東遠征、追い切りは同じパターンも初の輸送を考慮してか最終追い切りは5Fからの時計だった
・レースは36.7 – 61.1 – 33.6の後傾3.1で、残り3Fから0.9加速すると11.4 – 10.8 – 11.4と末脚求められる展開
・中枠から好スタートを切ると出て行って3番手外を追走、道中は行きたがっており、前走よりも追走スピードが遅いと素直に引っかかるタイプか、直線も好位で進入すると上がり3位で伸びたが結局前にいた2頭が止まらず、捕まえられずに3着
【5】中京1600m1勝クラス:1着:4ヶ月半:川田
・追い切りは坂路主体からCWで2本で、1週前には自己ベスト6F81.5 – 64.8 – 12.3が出されていた、初めての休み明け
・レースは35.2 – 58.5 – 34.1の後傾1.1で、道中は11.7以下が続く持続寄りの展開から、残り3Fから0.3加速して11.4 – 11.4 – 11.3と最後まで伸び切るラップ
・内枠からスタートすると押して押して向正面にかけて外に寄せて行き中団馬群を追走、スタート後押していたためか、抑えにかかったところで頭を上げていた、4角は内目で周ってくると直線で外目に出されて抜け出した、上がり2位で優勝
【6】中京1600m2勝クラス:2着:2ヶ月:川田
・陣営は「この時期が合うようで前回より張りがいい、ハミを変えて操作性もアップ」とコメントしていた、追い切りは前走同様
・レースは36.8 – 61.1 – 34.0の後傾2.8で、残り3Fから1.0加速して11.2 – 11.4 – 11.4という展開
・内枠からスタートすると前走の反省を生かしてか川田は押していかずに、中団インのポジション、それでも若干行きたがってはいたが折り合いの中で収まっていた、4角では内目から直線に進入すると進路がなく外の馬を弾くようにして先に外から抜け出した勝ち馬を追いかけた、上がり最速でゴール前ものすごい脚で追い込んだが捉えきれずの2着
・スローな展開と直線で進路が狭くなった分で捉えられなかったが、ゴール前の脚色を見れば力が最上位なのは歴然
4歳
【7】中京1600m2勝クラス:2着:1ヶ月:川田
・陣営は「アーリントンC以来、久々に在厩での競馬」とコメント、追い切りはCWと坂路の併用で、CWではいつものような6F82秒付近ではなく、84秒より遅いところから終いだけ伸ばす調整がされていた
・レースは36.7 – 61.3 – 34.0の後傾2.7で、序盤スローからラスト3Fは12.1 – 10.7 – 11.2と残り2Fからの加速が大きく、先行有利だったか
・内枠からスタートすると馬なりで中団前目のインを追走、かなり落ち着いて追走できていた、4角から直線インアウトで外目に出されると勝ち馬を追いかけるように伸びたが上がり2位で1馬身半差の2着まで
【8】阪神1600m2勝クラス:1着:2ヶ月:横山典
・追い切りは坂路主体からラスト2週がCWのパターンで、1週前には6F81.8 – 65.9 – 11.5が出されており、5Fを65秒台でまとめながらラストを11秒台まで伸ばせていたのは初めてだった
・レースは34.7 – 58.8 – 34.7の前後傾フラットで、序盤3Fそこそこ飛ばしたあと12.1 – 12.0で息をいれて、残り3Fから0.5加速すると11.5 – 11.3 – 11.9という展開
・中枠からスタートすると馬なりで後方3番手を追走、残り3F付近から外から進出を開始すると直線上がり最速で差し切って2馬身半差で圧勝、ここでは力が違った
・抜け出してからは若干伸びが鈍化したように見え、抜け出すと遊ぶタイプか
【9】東京1600m3勝クラス:1着:2ヶ月:横山典
・追い切りは坂路主体からラスト2週CWのいつものパターン
・レースは35.1 – 58.0 – 34.3の後傾0.8で、道中11.5以下が続く持続的なラップから、残り3Fから0.5加速すると11.0 – 11.5 – 11.8と最後はゴールへ失速する展開
・外枠からスタートすると序盤から折り合い重視で控えて枠なりに後方外目を追走した、勝負所では残り3F手前から外から進出を開始すると直線では大外へ行った、ラストは2位より0.7秒速い上がり最速32.9を使って差し切って圧勝
・前走阪神での競馬で直線に入ってからも長く手前を替えなかった点、今走でも直線で手前を右手前から左手前に替えたタイミングでヨレた点を見るに右手前の方が向くタイプで、その広いストライドから大箱左回りの東京競馬場がベストな舞台と見る
【10】エプソムC(重):4着:1ヶ月:横山典
・追い切りはいつものパターンも、1週前には自己ベスト6F78.8 – 64.0 – 11.8が出されており、当週は軽めだった
・レースは重馬場の中、36.2 – 59.7 – 35.1の後傾1.1で、道中平均ペースから残り3Fから0.4加速すると11.5 – 11.3 – 12.3と重馬場ながら上がりはかかり切らない展開
・外枠からスタートすると序盤からしっかり控えて最後方の外目を追走した、勝負所は直線にかけて各馬が馬場の外へ出していく中で、本馬はその馬群の内を突いて伸びてきた、残り200mまでは差を詰める素晴らしい脚だったがラストは伸びが若干鈍くなり4着まで
・レース後調教師は「前走のような滑らかな走りではなかった」とコメントしており、馬場の影響が幾分あった可能性、直線では勝ち馬が内にヨレてだんだん自分の前に入ってきたところもあり、最後まで十分に追えなかった
【11】毎日王冠:2着:4ヶ月:福永
・追い切りは坂路からラスト2週Wで調整のパターンで終い重点、馬体は+8kgで過去最高馬体重
・レースは雨の降る良馬場の中34.5 – 57.9 – 34.4の後傾0.1で、前半からそこそこ飛ばす展開から残り3Fから0.5加速すると11.3 – 11.3 – 11.8と伸びる展開
・外枠9番枠からスタートすると馬なりで控えて後方を追走した、直線へはそのまま後方の外目から進入し上がり最速で伸びたが内で前が開くのを待っていた勝ち馬に差し切られて2着
【12】マイルCS:6着:1ヶ月半:福永
・追い切りはいつものパターン
・レースは35.1 – 58.5 – 34.0の後傾1.1で序盤ややスローな展開から残り3Fから0.3加速すると11.6 – 10.8 – 11.6と残り2Fからの加速が大きい展開
・中枠内目からスタートすると隣の馬にぶつけられたが大きな不利はなく控えて後方の馬群を追走した、勝負所でも外目には出さず内目をまわって直線に進入するとよく伸びて前との差を詰めていたが前の馬がふらついて走っており残り300 – 150mの間進路を塞がれてしまった、上がり2位を使うも6着まで
・レース上がり34.0で前後半3Fで後傾1.1の展開では直線で約150mに渡って進路がなかったのはかなりの痛手で、力負けではない
5歳
【13】東京新聞杯:4着:2ヶ月半:福永
・追い切りはいつものパターンで終い重点の内容、陣営は「いい形で始動して次の目標に向かえれば」とコメントしており、次を見据えていた
・レースは34.4 – 57.1 – 34.7の前傾0.3で、道中は11.4以下が続く持続的な展開からラストは残り3Fから0.3加速して11.0 – 11.6 – 12.1とゴールへ失速する展開
・内枠からスタートすると控えて後方のインを追走した、道中はスムーズに進めると後方のインのまま直線へ進入し直線では徐々に外へ行った、進路が開かないところがあり残り300mまで追い出しを待たされると上がり最速を使ったが前から抜け出した組に届かず4着まで
・開幕2週目で内目が良好な冬場の東京では後方から詰まった時点で厳しい競馬だった
【14】ダービー卿CT:2着:2ヶ月:ルメール
・追い切りは1週前の坂路で自己ベスト4F50.3 – 12.3が出されて当週のみW、Wでは終い重点の時計で併せ先着していた、陣営は「今回はこれまでとは違う競馬を試したい」とコメントしており先行する雰囲気を出していた、初の中山、ハンデ58kg
・レースは35.4 – 59.1 – 34.1の後傾1.3で、スローで進めると残り3Fから0.3加速して11.6 – 11.3 – 11.2とラストまで伸び切るラップ
・内枠からスタートすると少し出て行って中団馬群を追走した、勝負所では馬群で加速に付き合って中団の外から直線へ、直線では勝ち馬の外に出されて上がり3位で伸びたが差しきれず2着まで
・ある程度の位置から末を伸ばせるタイプに向いた展開で、短い直線も相まって差し遅れたような競馬だった
【15】エプソムC(稍重):1着:2ヶ月半:横山和
・追い切りは当週+その前の週末がWでの調整で、終い重点の時計、初めて全て単走で行われていた
・レースは稍重の中34.9 – 58.3 – 35.2の前傾0.3で、序盤こそ速めに入ったものの800 – 1200mで11.9 – 12.0と緩むと残り3Fから0.3加速して11.7 – 11.5 – 12.0と伸びる展開
・外枠からスタートすると枠なりに控えて後方の外を追走した、外を追走したことで比較的馬場の良い部分を通れていた、勝負所では残り4F手前から外から進出を開始して大外から直線へ、直線では上がり最速でラストまで伸びると4角2, 3番手が内で2, 3着に残す展開を差し切って優勝
・直線はそこまで内が荒れておらず内前の馬も残したが、道悪で時計がかかって外差しも入る比較的フラットな条件だった
【16】毎日王冠:7着:4ヶ月:横山典
・追い切りは当週のみWで終い重点で、前走に引き続いて全て単走で行われていた
・レースは36.0 – 59.5 – 34.1の後傾1.9で、入りの3Fが遅くトータルややスローで進めると残り3Fから0.3加速して11.4 – 11.3 – 11.4とラストまで伸びる展開
・中枠外目から集中していない感じで出遅れると控えて後方を追走した、4角手前でも単独の最後方でインアウトで大外に出されて直線へ、ラストは上がり2位を使ったが前には迫れず7着まで
・上がりが2位だったのはシュネルマイスターとソングラインが直線で思いっきり詰まった影響が大きく、実際は上位の末を使えていない、スローペースで前の組にも余裕があったとしても物足りないパフォーマンス
【17】マイルCS:3着:1ヶ月半:坂井
・追い切りは最終のみWでそこそこの時計が出されており、【14】ダービー卿CT以来の併せ馬が行われていた、陣営は「今回は折り合い面に主眼を置くより、少し前進気勢を残した状況で進めている」とコメントしていた
・レースは34.3 – 58.2 – 34.3の前後傾フラットで、序盤は速めも道中緩んだことでラスト4Fは11.7 – 11.6 – 11.5 – 11.2とラストまで加速するラップ
・内枠からスタートすると内目には拘らず中団後方の馬群を追走した、そのまま直線へ進入すると伸びて前に迫ったが先に抜け出した2着馬を交わせず、外から勝ち馬に差されての3着
・4角8番手以下が7着までを占めたように、下り坂始まる残り4Fから11.7と加速が始まったことで末脚の要求度が高いレースとなった
結論(再掲)
■キャリアの大半で上位の上がりを使っているが、一瞬でキレるというよりは持続的な末脚を使うため時計のかかる展開がベター、また、脚を高く上げストライドの広い走りをするため小回りよりも大箱向きで、時計のかかる東京がベストな舞台と見る
■休み明け×開幕週だった前々走の毎日王冠でのパフォーマンスが不満で、好走したダービー卿CT、エプソムC、マイルCS2023のように時計のかかりやすい開催後半のレースが走り時である
■東京新聞杯は開幕4日目で、過去5年のうち4年で勝ち馬が4角6番手以内から出ているように後方から末脚を生かす競馬をする本馬には向かない条件であり、人気であれば消しまで検討したい、イルーシヴパンサーが勝った2022年のように差し入る馬場やメンバー構成の際には再考の余地あり
Gregory