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スルーセブンシーズ 【有馬記念2023】

有馬記念の各馬分析4頭目はスルーセブンシーズ。宝塚記念では本命まで検討していたものの、当日下級条件での先行有利を理由に評価を下げてしまい悔しい思いをしました。「下級条件での先行有利は信用してはいけない」ことに高い授業料を払いましたので、ここでは回収させていただきたいです。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

スルーセブンシーズ:牝4歳:ステイゴールド系×クロフネ:前走凱旋門賞S4人気4着:池添

結論

■若駒時にはスタートで出遅れる、序盤行きたがって手綱と喧嘩するなど気性的に難しいところがあったがオークス後の夏休みで解消され、3歳秋からは安定して上がり2位以内を使い、安定して自分の脚を使えることが安定した成績に繋がっている(秋華賞、マーメイドSでの大敗は展開にそぐわない騎乗)
■スパッとキレる脚が使えるわけではないが、父ステイゴールド系らしくパワフルでタフな馬場でも使える末脚が魅力でスローからの高速上がり勝負より前が垂れるようなタフな展開で狙いたい
■近走はWでの調教時計が中山牝馬S、宝塚記念と国内2戦連続で自己ベストを更新しており、5歳になって馬が完成してきているタイミングである、同じなのは馬主と性別くらいだが、覚醒の度合いはリスグラシューを彷彿とさせる
■グランプリが行われるようなタフ寄りな設定への適性は、直線でロスがありながらイクイノックスとタイム差なしで走った宝塚記念で証明済みで、ここも展開が向くようなら当然上位となる、凱旋門賞帰りで状態の確認は必要だが、差しに向くと見れば適正/実力とも高く評価する

全レース分析

2歳

【1】中山1800m新馬:1着:ルメール
・追い切りはW主体週末坂路で併せ馬が盛んに行われていた、1週前が最速で5F66.7 – 12.6
・レースは39.7 – 65.1 – 35.3の後傾4.4で前半歩いているようなペースで進めると残り5Fから1.0加速して12.2 – 12.1 – 11.6 – 11.9 – 11.8と伸びる展開
・内枠から出ないようなスタートで出遅れると中団の馬群を追走した、1、2角では行きたがり口を割って手綱と喧嘩するようなところがあった、向正面では外目へスイッチされて中団の外になった、勝負所では残り700m付近から外からポジションを上げていくと前から2列目の大外から直線へ、上がり最速で伸びると抜け出して優勝

3歳

【2】中山2000m1勝クラス:3着:3ヶ月半:戸崎
・追い切りは初戦同様にW主体週末坂路だったが時計は全体的に軽め、年明けの変則開催だった影響の可能性もあるが最終追いは坂路で単走で行われていた、休み明けで馬体は+20kg
・レースは35.9 – 59.5 – 37.0の前傾1.1で、前半は幾分流れたが残り1200mからゴールまでの6Fは12.2〜12.5の間に収まる持続的な展開でラスト3Fは12.5 – 12.2 – 12.3と上がりがかかった
・内枠からアオるようなスタートで出遅れると後方のインを追走した、2角に入るまでは多少行きたがっており手綱を引かれていた、勝負所では残り700m付近から促されると4角から直線インアウトで後方外から直線へ進入すると上がり最速でゴールまで伸びたが先に抜け出した組を飲み込めるほどではなく3着まで

【3】中山2000m1勝クラス(重):1着:2ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体週末坂路でテンションを考慮してか初めて全て単走で行われていた、馬体は-12kg
・レースは重馬場の中34.3 – 60.7 – 36.5の前傾2.2で序盤前が離して飛ばすと中盤はしっかり緩んでラスト3Fは12.7 – 11.8 – 12.0と前が入れ替わったことで残り2Fからの加速が大きい展開
・大外10番枠から若干アオるようなスタートで出遅れると序盤はいつも通り行きたがりながら中団後方の外を追走した、向正面では各馬ポジションを上げていく中で本馬は折り合い重視で追走したためポジションを下げて後方の外になって勝負所へ、残り3Fから外から加速していくと1列目の大外からさらに外に出されるようにして直線へ、2位より0.8速い上がり最速を使うと抜け出しての完勝
・向正面から勝負所での鞍上の冷静な判断(早仕掛けせず馬場の良い大外へ)もあったが、道悪はどちらかというと得意な部類か

【4】オークス:9着:2ヶ月:戸崎
・追い切りはいつものパターンで前走に続いて全て単走で行われていた、1週前には自己ベストに迫る5F66.9 – 12.6が出されていた
・レースは35.4 – 59.9 – 34.9の後傾0.5で入りの5Fを淡々と進めたこともあり、ラストは3Fから0.8加速すると11.3 – 11.7 – 11.9とゴールへ失速するラップ
・内枠から今までで一番良い五分ほどのスタートを切るといつも通り若干手綱を引かれながらで中団のインを追走した、勝負所では各馬外からポジションを上げて行ったことで内にいた本馬は相対的にポジションを下げて中団後方のインになって直線へ、直線でも内目の位置取りのまましっかり伸びたが外から伸びる各馬に対抗できるほどではなく9着まで

【5】紫苑S:2着:3ヶ月半:大野
・陣営は前走について「東京への輸送で馬体が減り、インで伸びあぐねてしまった」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路のいつものパターンも、デビュー2戦目以来の併せ馬が毎週行われ、終いは11秒台半ばで伸ばされていた
・レースは35.3 – 59.7 – 34.8の後傾0.5で序盤は緩み切らないラップで進めると残り5Fから0.6加速して11.9 – 11.8 – 11.8 – 11.4 – 11.6と伸びる高速ロングスパート戦
・最内枠からスタートすると出て行って中団のインを追走した、序盤に行きたがる面は完璧ではないがかなり改善されていた、勝負所では最内の位置取りのまま馬群に合わせて加速していくと中団の最内から直線へ、直線では前が壁になり残り130m付近で前が開くと伸びて抜け出したが外からスムーズに脚を伸ばして突き抜けた勝ち馬には及ばずの2着
・オークスから夏を越えてスタート難、序盤の折り合いという課題に改善がみられ、決して向いた展開ではなかったが重賞2着と結果を出した

【6】秋華賞:11着:1ヶ月:大野
・陣営は「木曜朝で448kg」とコメントしており当日までに-18kgしての当日増減なし430kgだった、オークス時にも美浦→東京への輸送で馬体が減ったとのコメント出しており輸送がかなり苦手なタイプである、追い切りはいつものパターンも輸送を考慮してか再びオール単走に戻されていた、当週は自己ベスト5F66.5 – 12.0
・レースは雨の影響残る良馬場で強風吹く中36.6 – 61.2 – 36.5の後傾0.1で、序盤ややスローで進めると残り4Fから0.5加速して11.5 – 11.3 – 12.3 – 12.9とラストは大きく失速する展開
・最内枠から五分のスタートを切ると出て行って好位のインコースを追走した、勝負所では残り4Fから促され始めると4角手前では既に手応え怪しく直線は伸ばせずの敗戦

4歳

【7】中山2200m3勝クラス:3着:4ヶ月半:横山武
・追い切りは相変わらずのパターンでオール単走だったが1週前には自己ベスト5F66.2 – 11.4が出され、当週も1週前の自己ベストに次ぐ5F66.3が出されていた、休み明けで馬体は+22kg
・レースは36.5 – 59.1 – 37.0の前傾0.5で序盤は平均程度の流れも600 – 1200mで11.1 – 11.5 – 11.8と11秒台が3F連続で刻まれ、ラスト5Fは12.1 – 12.4 – 12.3 – 12.1 – 12.6と加速少なく上がりかかる展開
・外枠からスタートすると中団後方の外を追走した、勝負所では残り3F手前から進出を開始すると外から加速してポジションを上げて行って中団の大外から直線へ、上がり最速で伸びたが前を飲み込めず0.1差の3着

【8】マーメイドS:10着:3ヶ月半:秋山
・追い切りはいつものパターンでオール単走、しっかり加速ラップが踏めていた、ハンデ52kg
・レースは35.7 – 59.4 – 35.1の後傾0.6で序盤緩み切らないラップを刻むと後半5Fは12.0 – 11.8 – 11.6 – 11.7 – 11.8と伸びる高速ロングスパート戦
・最内からスタートすると外へ外へと意識されたポジション取りで後方の外を追走した、勝負所では早めには踏んでいかず残り3Fで最後方になったところからかなり大外をぶん回していくと後方の大大大外から直線へ、勝負に加われずの10着敗戦
・ラストまでラップが大きく失速しない高速ロングスパートで好位の馬も好走できた展開だったことを考えると勝負所での位置取りや仕掛けは勝負に加わるには絶望的なものだった

【9】新潟2200m3勝クラス(稍重):2着:2ヶ月:戸崎
・追い切りはいつものパターン、新潟への輸送があったが馬体は+8kgしていた
・レースは稍重の中35.5 – 62.1 – 35.0の後傾0.5で前半ゆったりとした流れで進めると残り3Fから0.5加速して11.8 – 11.5 – 11.7と伸びる展開
・外枠からスタートすると手綱を幾分引かれながら中団の外を追走した、その後3角手前で各馬が外からポジションを押し上げてくると中団の馬群の位置取りになった、勝負所では馬群だったこともあり手綱を抱え気味でまわってくるとそのまま中団馬群から直線へ、上がり2位で伸びて抜け出しにかかったが大外から上がり最速を使った馬に競り負けての2着
・父ステイゴールド系らしくタフな差し競馬が向く印象で、ラストまで11秒台で伸びるような展開よりはラスト失速する展開の方が向くか

5歳

【10】中山2000m3勝クラス(稍重):1着:5ヶ月:バシュロ
・追い切りはいつものパターンでオール単走、ハンデは単独トップの56kg
・レースは稍重の中37.1 – 61.4 – 35.8の後傾1.3で序盤スローで進めると残り5Fから0.4加速して11.9 – 11.9 – 12.1 – 11.6 – 12.1と早めにスパートが始まって前が入れ替わって残り2Fからが最加速区間となる展開
・中枠内目からスタートすると中団の馬群を追走した、勝負所では残り3Fから馬群の中で加速していくと少し外目に出されて前から3列目の外目から直線へ、上がり2位で伸びると抜け出して優勝、休み明けでも結果を出した

【11】中山牝馬S:1着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはいつものパターンも1週前には自己ベスト大幅更新の5F64.7 – 11.3が出されていた、ハンデ54kg
・レースは36.7 – 60.1 – 34.5の後傾2.2で、序盤スローで進めると残り5Fから0.6加速して11.4 – 11.9 – 12.0 – 11.2 – 11.3と早めから加速が入ったが残り2Fから加速してゴールまで伸び切るラップ
・中枠からスタートするとしっかり折り合って中団の馬群を追走した、向正面で外目へスイッチされると中団外目の位置取りとなって勝負所へ、外目を加速しながら残り500m付近から本格的に進出を開始するとポジションを上げて1列目外から直線へ、2位より0.6速い上がり最速を使うと抜け出して優勝

【12】宝塚記念:2着:3ヶ月半:池添
・追い切りはWと坂路の併用で、栗東滞在を敢行したことで1週前からは栗東での時計だった、当週には自己ベスト5F64.4 – 11.2が出されていた
・レースは34.0 – 58.9 – 35.5の前傾1.5で、残り4Fから0.6加速すると11.9 – 11.7 – 12.0 – 11.8という展開
・内目の枠からスタートすると序盤ある程度出して行ったが外枠主導の先行争いの影響もあってか最後方を追走した、向正面では内目を追走して3角では最後方のイン、勝負所では残り3F手前から促されると加速して中団後方の外目になって直線へ、直線では進路が開かず残り250m付近から本格的に追い出されると上がり最速で伸びたが大外の勝ち馬イクイノックスを交わせず2着まで
・直線では鞍上が外を選択して開かず内へ切り替えるロスがあってのイクイノックスとタイム差なし、結果論はじめから内であれば勝っていた

【13】凱旋門賞:4着:3ヶ月:ルメール
・内目の枠からスタートすると控えて後方のインを追走した、道中はややスローペースだった影響か少し手綱を抱えられるようなところがあった、ラストは後方の馬群で直線へ向くとそのまま馬群を突くようにして伸びた、先に抜け出した馬や外から伸びた馬には届かずの4着

結論(再掲)

■若駒時にはスタートで出遅れる、序盤行きたがって手綱と喧嘩するなど気性的に難しいところがあったがオークス後の夏休みで解消され、3歳秋からは安定して上がり2位以内を使い、安定して自分の脚を使えることが安定した成績に繋がっている(秋華賞、マーメイドSでの大敗は展開にそぐわない騎乗)
■スパッとキレる脚が使えるわけではないが、父ステイゴールド系らしくパワフルでタフな馬場でも使える末脚が魅力でスローからの高速上がり勝負より前が垂れるようなタフな展開で狙いたい
■近走はWでの調教時計が中山牝馬S、宝塚記念と国内2戦連続で自己ベストを更新しており、5歳になって馬が完成してきているタイミングである、同じなのは馬主と性別くらいだが、覚醒の度合いはリスグラシューを彷彿とさせる
■グランプリが行われるようなタフ寄りな設定への適性は、直線でロスがありながらイクイノックスとタイム差なしで走った宝塚記念で証明済みで、ここも展開が向くようなら当然上位となる、凱旋門賞帰りで状態の確認は必要だが、差しに向くと見れば適正/実力とも高く評価する

Gregory

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