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ラーグルフ 【札幌記念2023】

札幌記念の各馬分析4頭目はラーグルフ。札幌2000mへのコース適性は小回りの競馬場での重賞実績で計りたいと考えていますが、本馬は中山金杯・中山記念と好走しており注目したいポイントです。また、同年の中山金杯・中山記念を連続好走した馬は近年でもウインブライト、ヒシイグアスなどGⅠ級の馬たちが記憶に新しく今後の成長にも期待です。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

札幌記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:斤量:鞍上)

ラーグルフ:牡4歳:モーリス×欧州型:前走大阪杯9人気11着:戸崎

結論

Robert系×欧州型の血統らしくキレる脚ではなく、パワフルに伸び切るような末脚を使うタイプで、その証拠に過去4度上がり最速を使っているが、いずれも長く脚を求められる新潟 or パワーが求められる前傾ラップでのものとなっている
■序盤は引っかかる雰囲気がある馬で、そのせいもあって強気にポジションを取りに行けなかったが、近走は緩和されており、能力だけでなく精神的な成長も見て取れる
■上記のように使える脚が長いことが最大の強みであり、反対に勝負所でのスピードが求められた弥生賞やセントライト記念では凡走していることからも減速しない力が問われるような流れへの適正が高く、ある程度上がりがかかる差しの展開が好ましい、また、中山での重賞を連続好走しているように小回りでもロスなくコーナリングして加速できる器用さを持っているため、瞬発力勝負になりやすい東京のような大箱コースよりは小回りの方が向く(小回り特有の先行馬有利な展開は向かないが)
■月岡温泉特別や中山金杯を見るに内枠の方がポジションを取りに行って好走に繋げられている上、札幌記念は内枠有利であり内枠に入れば評価を上げたい、また、近走は爪の不安(中山金杯)や追い切りのトラブル(大阪杯)で順調でない面もあったことを考慮すると、ここは「しっかり調整された上で比較的差せる小回りである札幌2000mの条件で内枠」と久々に好走の条件が多く揃う可能性は高い、枠によっても評価は変わるがここは重い印で

全レース分析

2歳

【1】新潟1800m新馬:9着:丸田
・追い切りは併用で併せ馬も行われていた、最終は坂路で時計はいずれも軽め
・レースは35.7 – 61.9 – 33.7で、序盤スローで進めると残り3Fから1.4加速して11.4 – 10.7 – 11.6と伸びる展開
・中枠外目から驚いたように出遅れると促されながら後方の外を追走した、直線はそのまま後方の外から進入すると外へヨレながらも上がり3位を使ったが前には迫れずの9着
・まだまだ荒削りな競馬で、勝負に加わるにはもっとポジションが欲しかった

【2】新潟1800m未勝利(稍重):1着:中2週:丸田
・陣営は「使いつつシャキッとしてきた」とコメントしていた、追い切りは坂路からのWでの調整で、最終のWでは併せ馬が行われていたがまだまだ時計は軽め
・レースは雨の降る稍重の中37.6 – 63.9 – 33.9で、序盤ドスローで進めると残り4Fから0.8加速を開始して12.2 – 11.2 – 10.9 – 11.8と伸びる道悪とは思えないラスト
・内枠からスタートすると出て行って好位のインコースを追走した、道中は初戦とは打って変わって幾分引っ掛かりそうなくらいだった、4角から直線では内目を回って直線に入ってから外目に出されると上がり最速で先に抜け出した組を差し切って優勝

【3】芙蓉S(OP)(中山2000m):1着:1ヶ月半:丸田
・追い切りはW主体の週末坂路での調整で、当週には自己ベスト5F66.5 – 11.8が出されるなど追い切りの時計が速くなっていた
・レースは重馬場スタートから乾いて良馬場になった馬場の中34.8 – 59.9 – 35.6で、序盤は速めの展開も道中でかなり緩んだことでラストは残り3Fから0.8加速して11.8 – 11.5 – 12.3という展開
・外枠から出遅れると中団後方の馬群を追走した、勝負所では馬なりで馬群の加速に付き合うと外目に出されて直線に入ってから追い出しを開始した、上がり最速で伸びると差し切って優勝

【4】ホープフルS:3着:3ヶ月:丸田
・陣営は「テンションが上がりやすいので放牧でリフレッシュ」とコメントしていた、追い切りはW主体で6Fから時計を出して全て終い重点の内容だった、3ヶ月の休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースは35.9 – 60.1 – 36.3で、道中12.0付近のラップが続く持続的な展開からラスト3Fは12.2 – 11.7 – 12.4と残り2Fからの加速が大きく36.3と上がりかかる展開
・内枠から伸び上がるように遅めのスタートを切ると中団前目のインコースを追走した、勝負所では馬なりのままインコースで馬群の加速に付き合うと直線でもインコースを走った、キレるような脚ではなかったがラストまで伸びて3着

3歳

【5】弥生賞:11着:2ヶ月:丸田
・追い切りはW主体で1週前には併せ馬で遅れていた、2ヶ月の間隔をあけたが馬体は-10kgしていた
・レースは36.2 – 61.1 – 35.2で、序盤スローで進めると残り4Fから0.6加速して11.8 – 11.5 – 11.4 – 12.3と伸びる高速4F戦
・中枠外目からスタートすると枠なりに中団の外目を追走した、向正面では残り900m過ぎから外からまくってポジション押し上げてくる馬がおり3角では中団馬群の位置取りとなった、勝負所では残り700m付近から加速を開始したが馬群で包まれて後手を踏むようなところがあり、後方のインコースになって直線へ、直線では伸ばせず最下位11着敗戦
・レース後鞍上は「3コーナーからブレーキを踏まされるようなところがあって、そこで終わってしまいました」とコメントしていた
スローな展開からスピード能力も求められる高速4F戦に対応できなかった形で、血統からもある程度上がりかかる展開により適正がある可能性が高い

【6】皐月賞:8着:1ヶ月半:丸田
・追い切りはW主体で最終追いでは自己ベスト6F82.2 – 66.2 – 11.5が出され併せ先着していた、陣営は「2走前のようにある程度のポジションで運びたい」とコメントしていた
・レースは35.2 – 60.2 – 34.9で、残り3Fから0.3加速すると12.0 – 11.4 – 11.5と残り2Fからの加速が大きい展開
・外枠からスタートすると枠なりに後方の外を追走した、道中は向正面で外からポジション上げてくる馬がおり3角では後方の馬群を追走していた、4角手前ではムチを入れられて進出を開始すると直線でも外目からしっかり脚を使って3着から0.3差の8着

【7】新潟2000m2勝クラス:1着:3ヶ月半:戸崎
・陣営は「爪など体調面の不安でラジオNIKKEI賞を回避」とコメントしていた、追い切りはW主体の週末坂路で今までの内容とは一転して全て単走で行われていた、時計は終い重点
・レースは35.7 – 60.0 – 34.2で、序盤平均からややスローで進めると残り3Fから0.8加速して11.2 – 11.2 – 11.8と伸びる展開
・内枠からスタートすると引っ掛かりそうな雰囲気があり、鞍上も折り合い重視で控えて後方のインを追走した、直線もインコースから進入すると外が開かなかったことで最内を選択、ラストまで長く脚を使うと上がり最速で差し切って優勝
末脚は徐々に伸ばすタイプで使える脚は長い

【8】セントライト記念:5着:1ヶ月半:戸崎
・陣営は「前半に力むところがあるので距離がポイントになるが(中略)」とコメントしていた、追い切りはW主体の週末坂路で最終追いのみ併せ馬が行われていた
・レースは稍重の中35.4 – 60.3 – 35.3で、残り4Fから0.5加速すると11.7 – 11.6 – 11.5 – 12.2と伸びる高速4F戦
・内目の枠からスタートすると中団のインコースを追走した、道中はそのままのポジションで進めると残り800m過ぎから加速を開始した、直線も本馬なりに脚はつかっているように見えたが5着まで
・勝ち馬や2着馬が4角手前で加速してポジションを上げていたタイミングでこちらはポジション上げられるほど脚を使えなかったのが痛かった印象で、やはりスピード自体が求められるレースよりも長く減速しないことを求められるレースの方が適性が高い

【9】東京2000m3勝クラス:1着:1ヶ月:戸崎
・追い切りはいつも通りで時計は終い重点、最終追いのみ併せ馬、ハンデ55kg
・レースは35.6 – 57.9 – 36.6で、前半11.3以下が4F連続で続くハイラップで飛ばしたことでラストは残り3Fから0.3加速すると11.6 – 12.6 – 12.4と上がりかかる展開に
・内枠からスタートを切ると相変わらず序盤は引っ掛かりそうな雰囲気で中団を追走した、直線ではヨレるわけではなく意図的に外へ出されると上がり最速で伸びて差し切って優勝

4歳

【10】中山金杯:1着:2ヶ月半:戸崎
・陣営は「爪の状態を見ながらの立ち上げで、なんとか間に合った感じですね」とコメントしていた、追い切りはW主体で終い重点の内容だった、休み明けで馬体は+8kg、ハンデ56kg
・レースは36.2 – 60.6 – 35.9で、道中は緩み切らない若干持続的な展開からラスト3Fは12.0 – 11.4 – 12.5と残り2Fからの加速が大きな展開
・内枠から出負け気味のスタートを切ると中団前目の馬群を追走していた、ここでは序盤若干出していっても引っ掛かりそうなところを見せていなかった、勝負所では少し外に出されながら加速していくと前から2列目の内から4頭目付近で直線へ、直線でもしっかり脚を伸ばすと差し切って優勝
・状態完璧ではない中で道中の落ち着きでも成長を見せての重賞初制覇

【11】中山記念:2着:1ヶ月半:菅原
・陣営は前走中山金杯と比較して「今回の方が出来は明らかにいい」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、毎週併せ馬が行われていた
・レースは36.4 – 60.0 – 35.4で、序盤からスローな展開で進めると勝負所でも加速幅小さく、ラスト5Fは11.8 – 11.7 – 11.6 – 11.4 – 12.4と徐々に加速してラスト1Fは時計がかかるラップ
・外枠からスタートを切ると中団後方の外を追走した、勝負所では残り600mから促されると外目をまわって加速していき中団の大外から直線へ、上がり2位で伸びたが内から抜け出した勝ち馬には及ばずの2着
・ラストはゴール前でもまだまだ伸びられる様子で開幕週のスピード寄りな馬場が向かなかった可能性も

【12】大阪杯:11着:1ヶ月:戸崎
・追い切りは併用で最終にはWで6F82.3 – 66.7 – 11.5が出され併せ先着していたが、陣営が「2週前の14日にトモを落とすしぐさを見せて追い切らなかったが、運動は休まず19日には問題なく追えた」とコメントしていたように2週前追い切りが順調に行われていなかった、1ヶ月間隔も初の関西遠征の影響か馬体は-10kgしていた
・レースは35.5 – 58.9 – 35.3で入りは良馬場のGⅠとしてはややスローだったが残り6Fから0.6加速して11.4 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 11.4 – 12.5と長い高速ロングスパート戦となった
・中枠からスタートすると控えて後方を追走した、勝負所では後方の位置取りのまま残り500m付近から追い出しを開始すると後方のインコースから直線へ、直線では一度進路を軽く切り替えるようなところもありながらラストまで伸びていたが前には届かず、6着と0.2差の11着
・レース後鞍上は「もう少しポジションを取りたかったです」とコメントしており、そもそも差しにくいコースでポジションが取れなかった時点で厳しい競馬だった

結論(再掲)

Robert系×欧州型の血統らしくキレる脚ではなく、パワフルに伸び切るような末脚を使うタイプで、その証拠に過去4度上がり最速を使っているが、いずれも長く脚を求められる新潟 or パワーが求められる前傾ラップでのものとなっている
■序盤は引っかかる雰囲気がある馬で、そのせいもあって強気にポジションを取りに行けなかったが、近走は緩和されており、能力だけでなく精神的な成長も見て取れる
■上記のように使える脚が長いことが最大の強みであり、反対に勝負所でのスピードが求められた弥生賞やセントライト記念では凡走していることからも減速しない力が問われるような流れへの適正が高く、ある程度上がりがかかる差しの展開が好ましい、また、中山での重賞を連続好走しているように小回りでもロスなくコーナリングして加速できる器用さを持っているため、瞬発力勝負になりやすい東京のような大箱コースよりは小回りの方が向く(小回り特有の先行馬有利な展開は向かないが)
■月岡温泉特別や中山金杯を見るに内枠の方がポジションを取りに行って好走に繋げられている上、札幌記念は内枠有利であり内枠に入れば評価を上げたい、また、近走は爪の不安(中山金杯)や追い切りのトラブル(大阪杯)で順調でない面もあったことを考慮すると、ここは「しっかり調整された上で比較的差せる小回りである札幌2000mの条件で内枠」と久々に好走の条件が多く揃う可能性は高い、枠によっても評価は変わるがここは重い印で

Gregory

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