宝塚記念の各馬分析13頭目はカラテ。7歳という高齢馬ながら今年に入っても重賞を制しており、かなり馬主孝行な馬です。年齢に惑わされず、敬意を持って望みますが、タイムパフォーマンスを意識して2022年のレースから見ていきます。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
宝塚記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
カラテ:牡7歳:キンカメ系×米国型ノーザンダンサー系:前走鳴尾記念4人気9着:菅原
結論
■マイルの高速ラップを追走しても末を伸ばせる強みがある一方で、スローでも折り合いがつくため距離の融通も効き、1600m・2000mと2つの階級でGⅢを勝利しているが、GⅠではどんな展開でも本馬より末脚を伸ばせる馬がいる印象で、総合点の高さでGⅢ番長になっている面がある
■外に先行馬が多くある程度ペースが流れそうな今回は道中控えた方が上の着順が望めそうだが、そう考えると内枠はマイナスで、実際は枠は無駄にしないように序盤押して出してポジションを取りに来るところが想定できる、ここも他により末脚を伸ばせそうな馬が多く評価は低いが、当日内有利な馬場が出現し、人気馬が不発であれば好位差しで圏内なら
全レース分析
6歳
【27】ニューイヤーS(L)(中山1600m)(稍重):1着:4ヶ月:菅原
・追い切りは全て坂路で単走で最終は4F52.4 – 12.4、斤量は別定で+2kgの58kg
・レースは稍重の中35.1 – 58.0 – 35.4で道中は11.5以下が続く持続的な展開からラスト3Fは11.5 – 11.4 – 12.5とラスト1Fで失速する展開
・中枠からスタートすると中団を単独で追走した、勝負所では残り500m付近からポジションを外目へスイッチされて中団の外から直線へ、上がり最速を使うと4角1、2番手から粘り込みを図った2頭を差し切って優勝
【28】東京新聞杯:3着:1ヶ月:菅原
・陣営は「冬場は合う」とコメントしており、2021年8月の関屋記念2着があるように夏がテンでダメなわけではないが冬場の方がベターである、追い切りは相変わらずオール坂路で単走だった
・レースは34.7 – 58.0 – 34.3で道中緩まり切らないラップで進めると残り3Fから0.4加速して11.2 – 11.4 – 11.7とラストまで11秒台ながらゴールへは失速するラップ
・中枠からスタートすると出して行って中団の馬群を追走した、そのまま中団の馬群から直線へ進入すると狭い進路を伸びた、残り200mからは外目へ出されて前があくと上がり2位で伸びたが3着まで
・前走に続いて持続的なマイルで好走しており、道中持続的で1600mよりも長い距離への適性が求められるようなマイル戦が向く
【29】中山記念:2着:中2週:菅原
・追い切りは坂路で単走が2本
・レースは35.2 – 57.6 – 37.3で序盤から飛ばして逃げてラストは11.6 – 12.2 – 13.5とひたすら失速していくパンサラッサ逃げ
・中枠外目からスタートすると中団の外を追走した、勝負所では残り3F過ぎから促されると外目をまわりながら加速して中団の大外から直線へ、上がり最速を使って伸びたが逃げ馬を捕まえられずに2着まで
・ここ3戦好走しているように高速上がりの求められない、道中持続的な展開で末を伸ばせる強みがあり、高速ラップを追走する能力は高い
【30】マイラーズC(阪神1600m)(稍重):7着:2ヶ月:菅原
・本レースから関東の高橋厩舎から関西の辻野厩舎へ転厩、陣営は「加速に少し時間のかかるタイプ」とコメント、追い切りは坂路で単走が多かったが、1週前当週はWで終い重点で併せ馬が行われていた
・レースは稍重の中34.6 – 57.5 – 35.8で道中11.5以下が続く持続的な展開からラスト3Fは11.7 – 11.6 – 12.5とラスト1Fで失速する展開
・内枠からスタートすると中団の馬群を追走した、勝負所で外目へスイッチされると中団の外から直線へ、直線では全く伸ばせずの7着配線
・レース後鞍上は「落鉄をしていたり、最初のコーナーの入りでぶつかったりもあったので、そういうのも影響したかもしれません」とコメントしていた
【31】安田記念: 16着:1ヶ月半:菅原
・陣営は前走について「前走はまだ栗東の環境にも慣れておらず、落鉄の影響もありました」とコメントしていた、追い切りは坂路主体でほとんど単走で行われていた
・レースは34.7 – 58.7 – 33.6で道中マイルGⅠとしては緩いペースで進めると、残り3Fから0.8加速して11.2 – 11.0 – 11.4と伸びるラップ
・内目の枠からスタートすると中団後方のインを追走した、その後もポジション変えずに追走し直線へ、直線では相対的に伸ばせず16着敗戦
・上位は道中外を追走して、直線伸び伸びと上位の上がりを使った馬たちだったことを考えると、そこまで切れる脚のない本馬が内目で窮屈な位置取りではその時点で勝負には加われなかった
【32】新潟記念:1着:3ヶ月:菅原
・陣営は「マイルはやや短い印象があり距離を伸ばしたいと思っていました」とコメント、追い切りは坂路主主体も、1週前にはWで終い重点で併せ馬が行われていた、当週は坂路で単走、トップハンデ57.5kg
・レースは36.6 – 60.5 – 33.8で道中スロー気味で進めると残り3Fから0.9加速して11.2 – 11.0 – 11.6と伸びる展開
・内目の枠からスタートすると中団の馬群を追走した、勝負所では直線に入って残り3F付近から追い出しを開始されると馬群が外にいく中、比較的内目から上がり2位で脚を伸ばすと抜け出して優勝
・高速上がりレースを勝った形だが、瞬発力というよりは長い脚を求められた印象
【33】天皇賞秋:6着:2ヶ月:菅原
・追い切りは併用で行われ時計はいずれも軽めだった
・レースはパンサラッサが後続を離して逃げて34.7 – 57.4 – 36.7で、2番手以下はスローから瞬発力求められる例年通りの天皇賞だった
・内枠からスタートすると中団のインを追走した、そのまま中団の最内から直線へ進入すると本馬なりに脚を伸ばしていたが上位争いには加われずの6着
・着順こそ上位だが、13着ポタジェとも0.2差であり、スローからの瞬発力勝負だった分、4着から2馬身離された5着以下は団子状態だった
【34】ジャパンC:8着:1ヶ月:菅原
・陣営は前走との比較で「もう少しペースが流れてくれれば」とコメントしていた、追い切りは併用で1週前にWで終い重点併せ馬、当週は坂路で単走だった
・レースは36.3 – 61.1 – 34.2で道中スローで進めると残り5Fから0.3加速して12.1 – 11.7 – 11.4 – 11.3 – 11.5と伸び切る展開
・中枠外目からスタートすると中団の馬群を追走した、中団の外目から直線へ進入すると本馬なりに末を伸ばしたが上位の上がりを使った組には抗えずの8着
・高速ラップを追走して末を伸ばせる強みがある一方で、スローでも折り合いがつくため距離の融通は効くがGⅠではどんな展開でも本馬より末脚を伸ばせる馬がいる印象で、総合点は高いためにGⅢ番長になっている面がある
7歳
【35】新潟大賞典(不良):1着:5ヶ月:菅原
・追い切りは併用で行われていずれも時計は軽めだった、トップハンデ59kg
・レースは雨の降る不良馬場の中35.9 – 61.6 – 36.5で、道中はゆったり目のペースで進めると残り3Fから0.7加速して11.9 – 11.9 – 12.7とラスト1F失速する展開
・内枠からスタートすると中団前目のインを追走した、そのまま内目から直線へ進入すると馬群が外に行ったことで本馬も内から徐々に外へ出されながら伸びた、直線では抜け出した逃げ馬を追いかけると2位より0.6早い上がり最速を使って差し切って優勝
【36】鳴尾記念:9着:1ヶ月:菅原
・追い切りはオール坂路で時計は軽めが多かった
・レースは35.8 – 59.6 – 35.6で道中は11.9付近が続く緩まり切らない展開から残り4Fから0.3加速すると11.8 – 11.5 – 11.8 – 12.3とラストはゴールへ失速する4F戦
・内枠からスタートすると好位のインを追走した、勝負所では逃げ馬のすぐ後ろのポジションになって直線へ、直線では抜け出せそうな手応えだったが詰まり通しで一度も前が開かずにゴールしての9着
結論(再掲)
■マイルの高速ラップを追走しても末を伸ばせる強みがある一方で、スローでも折り合いがつくため距離の融通も効き、1600m・2000mと2つの階級でGⅢを勝利しているが、GⅠではどんな展開でも本馬より末脚を伸ばせる馬がいる印象で、総合点の高さでGⅢ番長になっている面がある
■外に先行馬が多くある程度ペースが流れそうな今回は道中控えた方が上の着順が望めそうだが、そう考えると内枠はマイナスで、実際は枠は無駄にしないように序盤押して出してポジションを取りに来るところが想定できる、ここも他により末脚を伸ばせそうな馬が多く評価は低いが、当日内有利な馬場が出現し、人気馬が不発であれば好位差しで圏内なら
Gregory