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ジェラルディーナ 【大阪杯2023】

大阪杯の各馬分析5頭目はジェラルディーナ。近走はGⅠ優勝を含む重賞5連続馬券内と充実の1頭です。その戦績からここでも人気はするでしょうから、扱いは慎重に見極めていきたいです。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

大阪杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

ジェラルディーナ:牝5歳:モーリス×ディープ:前走有馬記念3人気3着:岩田望

結論

■若駒時にはスタートで出ない、口向きが悪く折り合いはつかない、左回りでは直線でヨレるなどかなり課題が多くその実力を発揮できていなかったが、休みを挟んで転厩した6戦目以降は上記の課題が解消されていき大きくパフォーマンスをアップ、条件戦は連勝し、重賞でも自分の脚は確実に使うなど堅実な走りを見せている
■父Robert系の影響かキレるというよりは長く良い脚が使えるタイプで、エリ女や有馬記念のパフォーマンスに見るように上がり勝負よりも先行勢が垂れるようなタフな展開の中末脚を伸ばす競馬に適性がある
■近走は押して出して行っても折り合いは安定しており、スピードレースよりもタフな展開の方が相対的にパフォーマンス上げられることから2000mよりも距離のあるレースで積極的に狙いたい印象
■3ヶ月以上の休み明けは実に【6】戦目の城崎特別(1勝クラス:8着)以来で、次走は4月末の香港クイーンエリザベスⅡ世Cに登録していることからもここは他馬と比較して叩きの色が強い可能性が高く、鞍上も一流外国人ジョッキーからの乗り替わりという意味で割引きたい、人気するだろうことからも本命は避けたい方針だが、タフな展開に適性がありながらオールカマーでは内を立ち回る器用な競馬も見せておりオールラウンダー(どんな展開でも自分の実力を出してくる)の一面がある、枠と馬場の兼ね合い次第では抑え以上の印も検討

全レース分析

2歳

【1】中京1600m新馬(稍重):3着:岩田康
・追い切りは坂路主体で併せ馬も行われていたが時計はそこそこで平凡
・レースは稍重の中36.5 – 60.5 – 34.9で、残り3Fから0.2加速すると11.8 – 11.5 – 11.6とラストまで伸びるも加減速は小さい展開
・最内枠からすぐに出ないような形で出遅れると後方からになった、道中は最内を押して少しポジションを上げていくと中団のインで直線へ進入した、直線では外目へ出されると上がり3位でそこそこ伸びたが先に抜け出した馬を捉えられず3着まで

【2】中京1600m未勝利:2着:中2週:岩田康
・追い切りは坂路で特に変わりない内容、馬体は-8kg
・レースは35.4 – 58.6 – 35.7でラスト3Fは11.7 – 11.8 – 12.2、道中一度も加速しない持続的で上がりかかり気味な流れ
・ここも初戦に引き続き外枠から出ないような形で出遅れると外から引っ掛かりながらポジションを上げて鞍上に抑えられながら3番手外を追走した、途中馬の後ろに収めると落ち着いていた、その後好位の外から直線へ進入すると直線では複数回外にヨレて鞍上に修正されながらの走りとなって最後まで十分追えない中でゴール、2着
スタート出ない、道中引っかかる、直線ではヨレるなどかなり若さを見せながらのレース

【3】阪神1800m未勝利:1着:1ヶ月半:北村友
・追い切りは坂路主体で1週前には遅めの時計で併せ遅れ、当週は前走引っかかったことを考慮してか単走でそこそこの時計
・レースは34.9 – 58.7 – 36.0で、序盤そこそこ飛ばした展開からラスト3Fは11.9 – 11.4 – 12.7と残り2Fからの加速が大きくラスト1Fは失速する展開
・中枠からまたも出遅れてスタートすると鞍上は内へ入れる素振りなく、中団の外目を追走した、道中は前走と思えば落ち着いて追走できていた、直線はそのまま外へ出されるとじわじわではあるが上がり最速を使ってハナ差差し切って優勝

【4】阪神JF:7着:中2週:岩田康
・追い切りは坂路主体でオール単走
・レースは34.9 – 58.7 – 34.4で、残り3Fから0.7加速すると11.2 – 11.4 – 11.8とゴールへ失速する展開
・内枠からここも出遅れると最後方から、道中も後方のまま追走すると勝負所残り3Fから追い出されて外から進出を開始した、直線はそのまま大外にいくと長く脚を使って上がり2位で追い込んだが上位争いには加われずの7着
デビュー2戦目の未勝利戦を思えば直線はかなりまっすぐ走れていた、が、引き続き出遅れは解消されていない

3歳

【5】エルフィンS(L)(中京1600m):10着:2ヶ月:北村友
・追い切りは坂路オンリーで1週前には自己ベスト4F52.2 – 12.5が出され、当週は軽めで単走
・レースは36.5 – 61.7 – 34.3で、序盤スローから残り3Fから0.8加速すると11.7 – 11.2 – 11.4と速い上がり求められる展開
・内目の枠から若干出遅れながらも今までは一番良いスタートを切ると折り合い重視で控えて外目に出されて後方の外を追走した、その後道中から勝負所ではそのまま後方の外を追走すると大外から直線へ進入、ムチを入れて追われるとじわじわとは伸びていたが途中脚取りバラバラになりかけて鞍上も十分に追えないところがあり10着まで
・現状末脚はじわじわな感じで、左回りでは直線フラつくなどの別の課題もあるが、上がり勝負よりは先行勢が垂れるような差し展開の方が向く可能性が高い

【6】阪神1800m1勝クラス:8着:4ヶ月半:福永
・初の古馬混合戦で斤量は52kg、本格的な休み明けも初、石坂厩舎から斉藤厩舎へ転厩して初戦で追い切りはCWオンリーと大きくパターンを変更してきた、1週前当週はチグハグな時計や終い重点ではあったが続けてクロノジェネシスと併せ馬が行われていた
・レースは雨の降る良馬場の中36.0 – 59.2 – 34.9で、道中は11.8以下が続く若干持続的な展開から残り3Fから0.3加速すると11.5 – 11.5 – 11.9という展開
・外枠から五分のスタートを切ると中団後方の外目を追走していたが、途中一気に外へ逸走しながら先頭まで行ってしまった、その後は外を周ってくるだけの敗戦
レース後、右の手綱が外れてしまっていたことが判明し完全に度外視の一戦

【7】小倉1800m1勝クラス:1着:中1週:福永
・前走のアクシデント後ダメージがなかったことで中1週での参戦、追いきりはCWで軽めが1本
・レースは34.8 – 58.6 – 35.2で、道中は11.9が続き残り4Fから0.4加速すると11.5 – 11.7 – 11.9 – 11.6とゴールへ失速しながらラスト1Fは勝ち馬である本馬の影響で加速するラップ
・内枠からスタートすると多少出してポジション取りに行った中で折り合って中団の馬群を追走した、直線はコーナーで少し膨れながら外に出されると上がり2位で突き抜けて優勝、折り合いに進展が見られたことや斤量利などもあるがここでは力が抜けていた

【8】小倉1800m2勝クラス:1着:2ヶ月:福永
・追い切りはCWで単走オンリーで1週前はジョッキー騎乗、当週は終い重点
・レースは小雨の降る良馬場の中38.0 – 62.0 – 34.2で、残り5Fから0.6加速して11秒台に突入すると11.7 – 11.6 – 11.6 – 11.5 – 11.1とラストまで伸び切るラップ
・大外枠からアオるように少し出遅れると控えて後方の外目を追走した、発汗が目立っていた、勝負所では残り3Fから外から進出を開始した、コーナーでも鞍上の福永が膨れないように工夫しながら(盛んに右手綱を引きながら)加速して周ってくると直線大外から2位より0.7速い上がり最速で差し切って優勝、最後は流すくらいでここでも圧勝

【9】阪神1800m3勝クラス:1着:1ヶ月:福永
・追い切りはここもCWで単走オンリーで1週前当週とジョッキー福永が騎乗
・レースは36.6 – 60.5 – 34.2で、序盤スローから残り4Fから0.4加速すると11.4 – 11.1 – 11.3 – 11.8と速めの上がりの中でラストはゴールへ失速する展開
・中枠から五分のスタートを切るとしっかり折り合いながら中団後方の外を追走した、勝負所では外から中団付近までポジションを少し上げて大外から直線へ、ゴールまでしっかり伸び切って2位より0.4速い上がり最速を使うと1.3/4馬身差で優勝
・3歳馬で以前斤量利はあるものの、転厩して休みを挟んだ後はスタートと道中の折り合いの2点、課題としてきたところが解消されてパフォーマンスアップ、アクシデントのあった初戦を除いて3連勝でOP入り

【10】チャレンジC:4着:1ヶ月半:福永
・追い切りは変わらずCWで単走オンリーで時計は軽め、斤量は別定で53kg
・レースは38.2 – 62.9 – 34.0で、前半はドスローで進めると残り4Fから0.7加速して11.7 – 11.6 – 10.8 – 11.6と伸びる高速4F戦
・最内枠からスタートすると控えて中団のインを追走した、勝負所も内にこだわって加速しながら周ってくると直線でも内へ、上がり3位でじわじわと脚を伸ばしたが4着まで
・直線では外の馬に伸び負けたが、直線の内目は芝が禿げていて幾分馬場差の影響もあった

4歳

【11】京都記念(稍重):4着:2ヶ月:福永
・追い切りは変わらずCWで単走オンリーも、3週続けて終い1Fは11秒台前半が出されていた、斤量は別定で53kg
・レースは小雨の降る稍重の中36.0 – 61.7 – 34.5で、序盤6Fはスローでそこから1.1加速して11秒台に入ると11.6 – 11.4 – 11.4 – 11.0 – 12.1と伸びる高速5F戦、展開からかなり前有利な一戦
・中枠外目からスタートすると控えて後方を追走した、勝負所では残り900m付近から外目に寄せられると残り600mから追い出しを開始、大外から直線へ進入すると上がり最速で伸びたが前には届かず4着まで
・レース後鞍上は「(中略)長く良い脚を使ってくれました(中略)流れが向かなかった感じです」とコメントしており、やはりキレるよりは長く脚を使うタイプで、先行勢が垂れるような展開に適性がある

【12】阪神牝馬S:6着:2ヶ月:幸
・調教師は「先週除外で伸びたが変わらず順調、口向きが良くなってリラックスするようになっているので」とコメント、除外はおそらく大阪杯、追い切りは前走に続いてCW単走オンリーで終いは11秒台前半で強烈に伸ばされていた
・レースは35.3 – 58.1 – 34.7で道中は11.5以下が続く持続的な展開、ラスト3Fは11.2 – 11.4 – 12.1とゴールへ失速するラップ
・中枠外目からスタートすると近走のラップや展開とのギャップ大きく最後方から追走した、勝負所では外を周りながら促されて直線も大外から進入すると上がり最速で伸ばしたが掲示板争いまで
・近走の展開とのギャップが大きかったことで追走に苦労し、スピード足りず勝負に参加できなかった形

【13】鳴尾記念(中京2000m):2着:2ヶ月:福永
追い切りはCWで毎週併せ馬で6Fから速い時計を出してくるなど大きくパターンを変えてきた、陣営は「今は口向きが良くなり折り合いもつくようになったので、この中間からは併せ馬で調整を」とコメント
・レースは36.1 – 60.1 – 34.3で、序盤若干スローから残り4Fから0.5加速すると11.4 – 11.3 – 11.1 – 11.9と伸びる高速4F戦
・外枠からスタートすると多少ポジション取りにいって中団後方の外を追走した、勝負所でも外を周りながら加速していくと直線も大外へ、上がり最速で長く脚を使って伸びたが自分より内前から抜け出した馬を捉えられずの2着
・スタートや折り合いの課題解消後パフォーマンスは確実にアップしているがいまひとつ展開が向いてない影響で勝ってはいないが、展開がハマれば重賞は勝てるレベルにある

【14】小倉記念(小倉2000m):3着:2ヶ月:福永
・追い切りは毎週CWで併せ馬が行われ前走と比較すると終い重点気味の内容であった、ハンデ54kg
・レースは34.7 – 58.9 – 35.0で、序盤軽快なラップから残り5Fから11秒台に突入すると11.8 – 11.7 – 11.7 – 11.6 – 11.7と後半は加減速が少なく上がりはそこまでかからないスピードレース
・内枠からスタートすると最内には拘らず中団の馬群を追走した、その後も本馬なりにスムーズに進めたが馬群だったことで勝負所若干踏み遅れて直線へ、上がり2位で脚を伸ばしたが好位から抜け出した勝ち馬には離されての3着
折り合いもつくようになってきた今、長く脚を使える強みを生かそうと思うと2000mより距離が欲しい印象

【15】オールカマー:1着:1ヶ月:横山武
・追い切りはCWオンリーで詰まり気味の間隔を考慮して終い重点で併せ馬も最終追い切りのみ
・レースは36.5 – 61.1 – 35.6で、大きな加速所なく後半5Fは12.0 – 11.9 – 11.8 – 11.7 – 12.1と徐々に加速していく展開
・内枠からスタートすると押してポジション取りにいって中団前目のインを追走した、勝負所でも最内をピッタリ周って加速してくると直線でも内目から抜け出しにかかった、上がり最速で抜けると1馬身半差で優勝
押してポジションを取りにいっても折り合って、終始最内を周ってラストは上がり最速で抜け出すかなり優等生な競馬、高く評価

【16】エリザベス女王杯(重):1着:1ヶ月半:C.デムーロ
・追い切りはCWオンリーで終い重点、最終のみ併せ馬
・レースは重馬場の中35.3 – 60.3 – 36.4で、序盤重馬場にしては若干速いペースで進めると残り4Fから0.4加速して11.8 – 11.9 – 12.3 – 12.2と上がりかかる4F戦
・大外枠からスタートすると枠なりに中団の外を追走した、その後も終始外を周ると直線ではそのまま大外へ、上がり最速で差し切って優勝
待ちに待ったタフな展開で枠や馬場も向き、しっかりパフォーマンスを出してGⅠ初制覇

【17】有馬記念:3着:1ヶ月半:C.デムーロ
・追い切りはWで終い重点オンリーで、最終のみ併せ馬が行われていた
・レースは序盤スロー気味のペースで進めると勝負所では残り5Fから0.6加速して11.8 – 11.9 – 12.2 – 11.4 – 12.3と2Fから先行勢が交わされてラップ早まる展開、入りの5Fは61.2で上がりは35.9
・内目の枠からアオるように出遅れると控えて後方の外目を追走した、道中は大きくはポジション変えず折り合って追走すると勝負所では残り4F付近から促されて進出を開始、4角では狙いを空いていた内目へスイッチして中団後方の内から2頭目付近から直線へ、直線では進路を求めて外目へ誘導されると上がり3位で伸びたが前の2頭には及ばずの3着
・レース後鞍上は「4角ではズブさを見せたが」とコメントしていた

結論(再掲)

■若駒時にはスタートで出ない、口向きが悪く折り合いはつかない、左回りでは直線でヨレるなどかなり課題が多くその実力を発揮できていなかったが、休みを挟んで転厩した6戦目以降は上記の課題が解消されていき大きくパフォーマンスをアップ、条件戦は連勝し、重賞でも自分の脚は確実に使うなど堅実な走りを見せている
■父Robert系の影響かキレるというよりは長く良い脚が使えるタイプで、エリ女や有馬記念のパフォーマンスに見るように上がり勝負よりも先行勢が垂れるようなタフな展開の中末脚を伸ばす競馬に適性がある
■近走は押して出して行っても折り合いは安定しており、スピードレースよりもタフな展開の方が相対的にパフォーマンス上げられることから2000mよりも距離のあるレースで積極的に狙いたい印象
■3ヶ月以上の休み明けは実に【6】戦目の城崎特別(1勝クラス:8着)以来で、次走は4月末の香港クイーンエリザベスⅡ世Cに登録していることからもここは他馬と比較して叩きの色が強い可能性が高く、鞍上も一流外国人ジョッキーからの乗り替わりという意味で割引きたい、人気するだろうことからも本命は避けたい方針だが、タフな展開に適性がありながらオールカマーでは内を立ち回る器用な競馬も見せておりオールラウンダー(どんな展開でも自分の実力を出してくる)の一面がある、枠と馬場の兼ね合い次第では抑え以上の印も検討

Gregory

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