3歳牝馬限定戦の紫苑Sにトライ。昨年は愛馬が出走とのことで避けましたが、今年は勝負したいと思います。
レース概要・分析結論
【概要】
■過去5年は全て4回中山1日(開幕初日)に行われ、馬場はBコース。4回中山は4月に皐月賞を行って以来の開催。2年前の2023年からGⅢ→GⅡに格上げされており、フルゲートは18頭で斤量は昨年の2024年から54→55kgに変更されている。
■秋華賞のトライアルレースであり、3着までに優先出走権が与えられる。
【結論】
■過去5年のうちスローペースで勝ち時計も遅かった2020年(勝ち馬:マルターズディオサ), 2022年(勝ち馬:スタニングローズ)の2年では馬券圏内の6頭中5頭が4角を4番手以内で迎えており、低速のスローペース戦になると明確に先行馬有利である
■また、上記の2年では馬券圏内馬6頭中4頭が8枠だったように、1角までが長く外枠からの方がスムーズに前目のポジションを取りやすい2000mのコース形態や、勝負所で速めにエンジンをふかしにいけることから、メンバー構成と枠の並びにも依るものの外枠有利な傾向が出ている
■一方で、過去5年のうち道中のペースが比較的流れた2021年(勝ち馬:ファインルージュ), 2023年(勝ち馬:モリアーナ)の2年では馬券圏内馬6頭中4頭が馬番3番以内だったように開幕週の馬場かつ速めのペースで外をまわる負荷が高いことから内の馬が有利である
■また、上記の2年では馬券圏内馬6頭中4頭が4角で10番手以下だったように、道中のペースが流れると距離ロスをしなかった差し馬が差してくるシーンもあり、ペースが流れると見れば隊列予想も考慮に入れた上で内差しを決められそうな馬も評価したい
■以上のようにマクロにはスローペースなら外先行、ハイペースなら内差しの傾向が出ているが、昨年は異常と言ってよい高速馬場でかなり速い上がりも出る中でのスローペースだったことで、馬群の外目をまわった先行馬 + 道中に内を追走し高速上がりを使った差し馬で決着しており、昨年同様の異常な高速馬場が出てきた際にはこのパターンも考慮に入れて対応されたい
■過去5年の勝ち馬5頭は、それまでに重賞勝ちがあった馬が3頭, 重賞馬券圏内があった馬が1頭, 重賞での掲示板内があった馬が1頭と重賞での好走歴があった馬で構成されており、全体の傾向として主に夏の上がり馬よりも既に重賞などで世代上位の実力を示していた馬の成績が良く、定量的な表現とはならないが、どちらかと言えば実績馬を評価する形で馬券を構成されたい
過去レース分析
【入り3F/5F、上がり3Fの平均】
過去5年:35.4 – 59.8 – 35.2 (後傾0.2)
良馬場3年:35.3 – 59.8 – 34.6 (後傾0.7)
道悪2年:35.7 – 60.0 – 36.1 (前傾0.4)
2020年
36.3 – 61.8 – 35.9 (後傾0.4):2:02.1 (稍重):18頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:同率で最も多い
入りの3F:最も遅い
入りの5F:最も遅い
上がりの3F:4番目に速い
勝ち時計:最も遅い
■レースは雨の影響で開幕週ながら稍重になった馬場の中道中をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.4加速して12.0 – 11.8 – 12.0 – 12.1とやや上がりと時計を要する展開で、4角で馬群は凝縮していたものの前半がスローペースでラストに大きくは失速しないラップだったことで4角で5番手以内だった馬が圏内を独占したように先行馬が恵まれる形 (道悪だったことで差し馬のキレも多少削がれた印象)
■開幕初日かつ小回りコースながら8枠の馬が2, 3着しており、前半がスローペースで先行馬に展開が向いたことと、上がりも時計もかかる全体的に低速戦だった影響で、最内を走らないとNGのような内有利展開にはならなかったのが要因
■凡走人気馬となった2頭は共に道中後方で展開が向いておらず、後方から進出したことで4角で内から6, 7頭目のかなり外をまわったのも (全体的に低速とはいえ) 痛かった印象
■圏内馬は全て小回りコースでの実績があった
■道悪×スローペースからまずは先行馬を評価し、次点で世代上位の実績や小回りでの実績のある馬を評価して単勝、3複あたりを的中させたかった
【好走馬】
■5人気1着:5枠10番:マルターズディオサ:キズナ×米国型:オークス12人気10着
・小回りコースでは2歳の9月に中山マイルで1勝クラスを優勝しており、前走のオークスを除いては全てマイルを使われ、阪神JF2着、チューリップ賞優勝など世代上位の実績があった
・中枠からスタートすると出ていって逃げ馬の外の2番手を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では軽い手応えのまま逃げ馬に並びかけると先頭に変わって直線へ、直線ではしっかりと反応して抜け出すとラストまで後続には差を詰めさせず1.1/4馬身差で優勝
・前々走の桜花賞は極端な道悪、前走のオークスは距離の影響もあり2戦負けが続いて人気を落としていた形で、桜花賞ほどの道悪でもなく距離を短縮されての5人気であれば春の実績を評価して相手には持っておきたかった
■10人気2着:8枠18番:パラスアテナ:ルーラーシップ×SS系:ラジオNIKKEI賞1人気4着
・小回りコースでは3歳の4月に福島2000mで未勝利を勝っており、前走はラジオNIKKEI賞で2着から0.1差の4着があった
・大外枠からスタートすると枠なりに控えて中団の外を追走した、道中には向正面で外からややポジションを押し上げると3角では中団前目の大外を追走していた、勝負所では残り700m付近から徐々に促されるとポジションを上げて1列目の内から4頭目になって直線へ、直線ではしっかりと長く脚を使って伸びたが内から先に抜け出した勝ち馬には及ばずの2着まで
・明確に世代上位の力を示した実績はなかったものの、前走に小回りコースの牡馬混合重賞で2着と0.1差の4着に好走していた点を評価し、10人気と世間的には低評価だったことを考えると相手に持っておいて良い存在だったか
・大外枠で終始大外をまわらされる競馬ではあったものの、道中がスローでいて上がりも時計もかかったように全体的に低速戦だったことで外をまわらされる不利は大きくなかった印象
■3人気3着:8枠16番:シーズンズギフト:エピファネイア×SS系:ニュージランドT5人気2着
・小回りコースでは福島2000mでのデビュー勝ち、中山1800mでの1勝クラス勝ち、フラワーC3着など好走歴が多くあり、前走も外回りではあるもののNZTで2着していた
・外枠からスタートすると枠なりに中団前目の外を追走していたが、行きたがるのを抑えられながら進出して2角では好位の外のポジションになっていた、向正面では勝ち馬を前に見る位置に収められ落ち着いて追走できていた、勝負所では残り4Fにあたる3角から外から進出してきた馬がおり好位の馬群で加速に付き合うと前から2列目の内から2頭目から勝ち馬の内へ出すように直線へ、直線では内へヨレながら脚を使ったが先に抜け出した勝ち馬には及ばず、外から2着馬に差されて3着まで
・これまで4戦中3戦で出遅れており、前走は中山マイルの外枠で二桁番手での競馬だったものの、ここはスタートを決めて距離延長かつ外枠だったことである程度ポジションが取れた形で、前半がスローになって前が恵まれる展開と小回りコースでの実績を評価して相手には持っておきたかった
【凡走人気馬】
■2人気6着:8枠17番:ウインマイティー:ゴールドシップ×米国型:オークス13人気3着
・本年のオークス最先着馬であり忘れな草賞(L)勝ちもあったように世代で上位の力を示した実績があり、小回りコースでも中山1800mで1勝クラスを勝利した実績があった
・外枠から出負け気味のスタートを切ると枠なりに控えて後方の外を追走した、道中は大きくはポジションを変えず3角でも後方の大外を追走していた、勝負所では残り3Fから徐々に促され中団後方の大外から直線へ、直線ではしっかりと脚を使って上がり最速35.0の脚で伸びたが、自身より内前の馬には及ばず勝ち馬から0.3秒差の6着まで
・先行馬に向いた展開の中で出遅れて後方になった影響が大きかった印象で、小回り実績も世代上位の力を示した実績もあり先行経験もあって外枠など買いたい要素は多かった、出遅れに休み明けの影響があったかは定かではないが、その後も出遅れが多かった訳でもなく、突発的な出遅れは予想が及ばない要素ではある
■1人気9着:6枠11番:牝3歳:スカイグルーヴ:エピファネイア×キンカメ:フローラS1人気5着
・小回りコースでは牡馬混合の京成杯で2着があり、新馬1着→京成杯2着→フローラS5着と2000mを使われ続けてここはキャリア4戦目だった、馬体重は+26kgと大幅増していた
・中枠からスタートするとやや手綱と喧嘩しながら中団後方の外を追走した、道中も同じポジションで進めると勝負所では残り3F手前から促されて前から2列目の大外になって直線へ、直線では伸ばせず9着敗戦
・小回りでの実績こそあったものの気性的に難しい馬の多頭数での中枠、1人気、大幅なプラス体重などの要素から本命は避けたかった
2021年
35.3 – 59.7 – 34.8 (後傾0.5):1:58.2 (良):18頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:同率で最も多い
入りの3F:3番目に速い
入りの5F:3番目に速い
上がりの3F:2番目に速い
勝ち時計:3番目に速い
■レースは道中を平均ペースで進めると、ラストは残り5Fから0.6加速して11.9 – 11.8 – 11.8 – 11.4 – 11.6と5F連続で11秒台が続く展開で、開幕週に後半が速い流れとなったことで道中に内を追走できた馬が恵まれた印象、道中に最内を追走できた3枠以内の馬が2着から5着までを独占した
■3着から5着の3頭はいずれも12人気以下とかなりの人気薄であり、開幕週良馬場×後半が速い流れでは道中および勝負所で距離をロスしない内枠の馬が穴になるパターンを頭に入れておきたい
■一方で、優勝馬は外目の6枠11番から終始馬群の外をまわった好位の馬であり、位置取りが後方で外をまわると勝負所でのロスも大きいが、ある程度中団以前のポジションを取れる馬であれば、実力差で勝ち切ってしまうパターンも想定されたい
■馬券圏内馬は1, 2着が春のクラシック出走馬、3着が8月に1勝クラスを勝った馬だった一方で、凡走人気馬となった2頭はともに春に1勝クラスを勝ち、ここへは約4ヶ月の休み明けで臨んでいた馬であり、世代上位の実績や2勝クラス勝ちなどある程度の実力の担保がない馬が休み明けで臨んで人気している構成では、一度懐疑的な目で評価をしたい
【好走馬】
■2人気1着:6枠11番:ファインルージュ:キズナ×米国型:オークス4人気11着
・小回りコースでは中山外回りマイルのフェアリーSしか出走経験がなく優勝していた、また、桜花賞では3着しており世代上位の実力を示した実績があった
・中枠からスタートすると出ていって中団前目の外を追走した、道中は落ち着いて馬群の一番外を追走していた、勝負所では残り3Fから馬群の外に出されて促されると前との差を詰めて好位の大外から直線へ、直線では鋭く反応して残り200mで先頭に立つと抜け出して1.3/4馬身差で優勝
・道中や勝負所では終始馬群の外をまわらされながらの完勝で、重賞勝ちや桜花賞3着など世代上位の実力を示した実績や、隊列予想から外目をスムーズに進められそうな点などを評価できると良かったか
■4人気2着:1枠1番:スルーセブンシーズ:ステイゴールド系×クロフネ:オークス9人気9着
・小回りコースでは中山1800mで新馬勝ち、中山2000mで1勝クラス勝ちの実績があった、前走はオークスで4角12番手から9着しており、これまでのキャリア4戦は全てで出遅れていた
・最内枠から出負け気味のスタートを切ると折り合いをつけながら中団のインを追走した、道中はしっかりと馬の後ろに入れられて落ち着いて追走できていた、勝負所では中団の最内のまま馬群の加速に付き合ってそのまま直線へ、直線では前が壁になり進路を探すように進めるとラスト150mで外へ進路を確保して追われて伸びたが勝ち馬からは0.3秒差の2着まで
・騎手が外へ誘導しない限りは最内を追走できる最内枠だった点や小回りコースでの実績、オークスでの健闘ぶりを評価して相手には持っておきたかった
■12人気3着:2枠3番:ミスフィガロ:ディープ×キンカメ:新潟2000m1勝クラス3人気1着
・小回りコースでの出走経験はなく、前走に1勝クラスを勝ったばかりだった
・内枠からスタートすると出ていって中団後方のインで前に2着馬を見る位置を追走した、勝負所では残り4F付近で前と少し離されたことで手綱を動かされていた、その後残り500m付近からは最内を捨てて外へ出されながら促されると、4角インアウトで中団後方の大外になって直線へ、直線では上がり3位33.9の脚で懸命に伸びたが内から抜け出しにかかった2着馬にハナ差及ばずの3着まで
・内枠スタートから道中には距離をロスせず、勝負所ではインアウトで距離ロスを最小限にしながら進路に困らない好騎乗だった、評価できるとしたら内枠くらいだったか
【凡走人気馬】
■3人気6着:4枠8番:メイサウザンアワー:欧州型×キンカメ:東京1800m1勝クラス1人気1着
・小回りコースでは中山1800mで未勝利勝ちがあり、フローラSでは0.2差の4着とある程度は世代で上位の実力を示した実績もあった、また、それまでのキャリア5戦中全戦で先行抜け出しの競馬ができていた、前走の1勝クラス勝ちから約4ヶ月の休み明けだった
・中枠からスタートすると出て行って好位の馬群を追走した、道中はポジションを変えず内から2頭目をスムーズに追走していた、勝負所でもポジションは変わらず馬群の加速に付き合うと前から3列目の内から2頭目になって直線へ、直線では本馬なりに脚を使っていたが他馬と比較して伸ばせるほどではなく6着まで
・道中のスムーズさを考慮すると力負けの感は否めず、勝ち馬との実績の差と人気の差を考慮して勝ち馬の方を上に取りたかった
■1人気17着:2枠4番:エクランドール:ディープ×欧州型:東京2000m1勝クラス1人気1着
・東京1800m/2000mで新馬/1勝クラスと連勝しここがキャリア3戦目で、これまでの2戦で入りの3Fが速かったのが前走の37.7秒だったように速いペースの経験がなかった
・内枠からスタートすると二の脚がつかず鞍上には促されていたが後方から2頭目を追走する形となった、向正面では少し進路を外へ取って後方の外を追走していた、勝負所では残り4Fから改めて促されると亜群の外目をまわって後方の大外になって直線へ、4角では少し外へヨレる様子だった、直線では鋭くは伸ばせず後方のまま入線する形で17着敗戦
・連勝と血統のイメージ(フィエールマンの全妹)で人気していた形で、世代上位の実力を担保する実績もなく、速いペースや小回りコースの経験もないなど、不確定な要素が多い中で1人気では重い印は打ちたくなかった
2022年
35.9 – 60.8 – 35.1 (後傾0.8):1:59.9 (良):12頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:最も少ない
入りの3F:4番目に速い
入りの5F:4番目に速い (良馬場3年では最も遅い)
上がりの3F:3番目に速い (良馬場3年では最も遅い)
勝ち時計:4番目に速い (良馬場3年では最も遅い)
■レースは道中をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.6加速して11.7 – 11.4 – 11.4 – 12.3と伸びる展開で、4角で1, 2番手だった馬が2着, 1着し、上がり3位以内を使った馬が3-5着した
■1角までには内枠の馬が幾分ごちゃついていた印象で、外枠の人気先行馬2頭でのワンツー決着だったように1角までに距離がある2000m戦では外枠からの方がスムーズにポジションが取れてレースを優位に進められる
■凡走人気馬となったサークルオブライフは明確に世代で上位の実力を示した実績があったが、二桁番手から差す競馬をするタイプであり、開幕週に行われる本レースでは位置取りが後方すぎる馬は勝負所で外をまわされる負荷も大きく、良馬場×ミドル〜スローの条件では他の要素を評価しても相手までとするべきか
【好走馬】
■1人気1着:8枠12番:スタニングローズ:キンカメ×クロフネ:オークス10人気2着
・小回りコースでは前々走にフラワーCを優勝の実績があった、本年のオークス最先着馬
・大外枠からスタートすると枠なりに出ていって好位の外を追走した、道中は落ち着いてスムーズに進めると、残り4F地点から外から押し上げてきた馬がおり抵抗するようにして残り3Fでは逃げ馬に外から並びかける形で1列目の内から2頭目から直線へ、直線では内の逃げ馬と叩き合いになり、ラストはクビ差出て優勝
・春のクラシック実績馬、小回りコースでの実績あり、先行できるタイプでポジションを取りやすい外枠などの要素を評価して重たい印を打ちたかった
■2人気2着:8枠11番:サウンドビバーチェ:ドゥラメンテ×米国型:オークス除外(前々走チューリップ賞8人気4着)
・小回りコースでは中山で1勝クラスを勝っていたがマイルで外回りだった、チューリップ賞で4着した実績があり世代上位の実力を示していた
・外枠からスタートすると押して出してハナへ、道中は落ち着いてマイペースで逃げられていた、勝負所では残り4Fから徐々に手綱を動かされると加速して外から並びかけられるような形で先頭で直線へ、直線では2番手の勝ち馬から体半分前に出ていたが、残り100mで差を詰められて差し切られる形で2着まで
・チューリップ賞で4着と世代上位の実力を示した実績があった点や、距離延長×外枠×先行馬という点を評価して人気でも相手には持っておきたかった
■6人気3着:6枠8番:ライラック:オルフェーヴル×キンカメ:オークス12人気11着
・小回りコースでは中山でフェアリーSを勝っていたがマイルで外回りだった
・中枠やや外目からスタートすると中団後方の外を追走した、向正面ではやや行きたがるのを抑えられながら馬群の外を追走していたが、さらに外から押し上げた馬に締められるような形で3角では中団後方の外の位置取りとなっていた、勝負所では残り700m付近から徐々に促されると中団の大外から直線へ、直線ではキレる様子ではなかったものの上がり2位の脚でラストまで伸びると勝ち馬と0.1秒差の3着
・これまで後方からの競馬をしながら上がり最速の経験がなかったように末脚が一瞬でキレるタイプではなく、ここも脚は使ったがキレない分差し届かなかった印象で、評価できるとすれば重賞勝ちや春のクラシック出走などの実績があった点くらい
【凡走人気馬】
■3人気4着:2枠2番:サークルオブライフ:エピファネイア×SS系:オークス1人気12着
・小回りコースでは中山マイルで未勝利戦を勝ったのみしか出走経験がなかったものの、アルテミスS, 阪神JFを制し桜花賞でも上がり最速で4着するなど明確に世代上位の実力を示した実績があった、本レースの5日後に浅屈腱炎が判明し休養に入り復帰を目指していたがそのまま引退となった、馬体重は-22kgしデビュー以来最軽だった
・内枠からあおって出遅れると控えて後方2番手を追走した、向正面では残り5F過ぎから馬群の一番外へ出されると進出を開始して3角では中団の大外を追走していた、以降の勝負所では大きくポジションを変えずに外目をまわってくると中団前目の外から直線へ、直線では本馬なりに伸ばしてはいたが勝ち馬から0.2秒差の4着まで
・位置取りが後方すぎるとどうしても勝負所で外をまわされる形になりやすい、良馬場×ミドル〜スローの条件では位置取りが後方すぎる馬は相手までとしたい
2023年
35.0 – 58.1 – 36.3 (前傾1.3):1:58.0 (稍重):17頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:3番目に多い
入りの3F:2番目に速い
入りの5F:最も速い
上がりの3F:最も遅い
勝ち時計:2番目に速い
■レースは2F目から残り400mまで11秒台が7F連続する持続的なハイペースで進めると、ラスト3Fは11.9 – 12.4 – 12.0と差しの組がラストのラップを加速させる展開で、9着までのうち4角4番手だった2着馬を除くと全馬が4角で6番手以下の差し決着、この日は重馬場でスタートしたものの急速に乾いて稍重となった馬場状態で時計が過去5年で2番目だったように極端な道悪ではなかった、本年はGⅡになって初年度
■馬券圏内馬は1着:内差し, 2着:内先行, 3着:差しだったように開幕週の馬場で持続的なハイペースだった影響で内+差しが恵まれた印象で、その証拠に8着までのうち上位の上がりを使って差した3着馬と7着馬を除いて全馬が4枠以内の内枠だった一方で、凡走人気馬となった2頭は5枠から外から先行した馬だった
■過去5年で最もハイペースだった影響で明確に内+差しが恵まれた決着となっており、本年のようなハイペースの展開が想定される場合にはこのゾーンを積極的に評価する組み方をされたい
【好走馬】
■4人気1着:1枠2番:モリアーナ:エピファネイア×ダイワメジャー:NHKマイルC(稍重)5人気6着
・小回りコースでは2歳時に札幌1800mでの勝ち、外回りではあるもののNZTで4着などの実績があり、クイーンCでは勝ち馬からタイム差なしの3着するなど世代上位の実力を示した実績もあった
・内枠からあおり気味のスタートで出遅れると控えて後方を追走した、向正面ではポジションを見つけて最内に誘導されていた、勝負所では最内の進路を徐々に加速すると残り400mからインアウトで外へ進路を取られて後方の馬群から直線へ、直線では馬群を縫うようにグイグイと伸びると2位より0.7秒速い上がり最速でゴール前で先に抜け出した馬を差し切って優勝
・これまでに東京マイルで2度上がり最速を使って好走していたようにマイルでも上位の上がりが使えるタイプで、道中が持続的なラップかつ開幕週の良好な馬場状態で道中距離ロスを防いでラストに上がりの脚を使う競馬がバッチリハマった印象
・ペースが流れて内枠の利が大きくなること、差しが入りやすくなること、高速馬場で高速上がりを使えるタイプが恵まれることなどから評価を上げたかった
■2人気2着:2枠3番:ヒップホップソウル:キタサンブラック×欧州型:オークス14人気6着
・小回りコースでは不良馬場のフラワーCを差す競馬で2着した実績があり、本年のオークス最先着馬だった
・内枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながら好位のインを追走した、道中は終始好位の最内で進めていた、勝負所でもポジションを大きく変えずに馬群の加速に付き合うと1つ外の馬を外へ張るようにして前から2列目の内から2頭目から直線へ、直線ではすぐさま抜け出して先頭に立ったがゴール前で強烈な勝ち馬の決め手に屈する形で2着まで
・近3走はいずれもスタートでの不利や出遅れで結果が出ていなかったが、ここは綺麗に内枠から先行する形でやや先行馬には不利な展開でも力強く抜け出しての2着で、これらの上積み要素や本年のオークス最先着馬だった点、ペースが流れれば内枠が恵まれる点を評価して人気でも相手に持っておけると良かったか
■9人気3着:7枠13番:シランケド:米国型×ディープ:小倉1800m1勝クラス6人気3着
・小回りコースでは前走に小倉1800m1勝クラスで3着のみ出走経験があり、これまでのキャリア3戦ではいずれも出遅れて道中二桁番手から上がり最速を使う競馬をしていた
・外枠から歩くようなスタートで出遅れると枠なりに控えて後方の外を追走した、道中は少し追っ付けられるシーンもあったがポジションは変わらず後方の外を追走していた、勝負所では残り4Fから徐々に促されると馬群の外をまわって加速して中団後方の大外へ出されて直線へ、直線ではキレる様子ではなかったものの長く脚を使うと先に抜け出しにかかってバテ気味の組を交わして3着を確保した
・1ヶ月前に1勝クラスを勝てておらず、ここでも外目をまわしたことを考えると本レースとしては珍しい極端な前傾ラップになって差しの入る展開だった恩恵が大きかった印象で、メンバー構成や馬券の組み方にも依るがここまで拾うのは簡単ではなかった印象
【凡走人気馬】
■1人気10着:7枠14番:グランベルナデット:キズナ×米国型:忘れな草賞(L)(阪神2000m)2人気1着
・小回りコースでは中山2000mで未勝利勝ちがあり、前走には忘れな草賞を制していたように世代上位の実力を示した実績があったが、腸炎の疑いでオークスを回避しており頓挫明けだった
・外枠からスタートすると少し押して出していって1角でも外をまわらされるような形で好位の外を追走した、向正面でもポジションは変えず1つ内に2着馬を見る位置を追走していた、勝負所では残り4Fから手綱を動かされ残り3F手前ではムチも入れられたがポジションは上げ切れず前から3列目の内から5頭目付近になって直線へ、直線では伸ばし切れず10着敗戦
・前走のリステッド勝ちの実績で人気を集めた形だが、頓挫明けである点やハイペースで内差しが恵まれる展開が読めていれば外先行である点から評価を落として本命は避けられたか
■3人気12着:5枠10番:ソレイユヴィータ:スクリーンヒーロー×欧州型:福島1800m2勝クラス(稍重)1人気1着
・小回りコースではここまで小倉1800m, 福島2000m, 福島1800mで未勝利, 1勝クラス, 2勝クラスをいずれも先行して連勝中と実績があった
・中枠から好スタートを切ると出ていって2番手を追走した、向正面では外の馬に締められるのに対して張るようにして逃げ馬の1つ外の2番手を追走していた、勝負所では残り700m付近から徐々に手綱を動かされたが逃げ馬との差は詰め切れずに前から2列目の内から2頭目から直線へ、直線では伸ばせず逃げ馬にも敗れての12着まで
・連勝中の上がり馬だったが先行馬には不利なハイペースな展開に抗えなかった形で、春の実績馬が強いレースであることや、ハイペースで先行馬が不利になる展開が読めていれば枠的にも買い要素は多くなく評価を落とすことができたか
2024年
34.7 – 58.8 – 34.0 (後傾0.7):1:56.6 (良):13頭
【所見】
■過去5年での比較
頭数:4番目に多い
入りの3F:最も速い
入りの5F:2番目に速い
上がりの3F:最も速い
勝ち時計:最も速い
■レースは道中を12.0付近が続く持続的なラップで進めると、ラストは残り3Fから0.3加速して11.6 – 11.4 – 11.0とゴールへ向かって加速する展開で、上がり6位以内の馬が6着までを独占し、2位より0.6秒速い同率での上がり最速33.0を使った馬2頭が2, 3着する末脚の活きる決着、過去5年で見てもダントツに速い勝ち時計で異常と言って良い高速馬場だった
■道中のラップは速かったものの、異常な高速馬場で後傾ラップだったことを考慮するとスローペースと判定して良い形で、序盤が楽なことで先行馬、勝負所3, 4角のラップが速まることで内をまわった馬、異常な高速馬場だったことで高速上がりを使える馬、がそれぞれ恵まれた印象、1着は先行馬、2着は内枠かつ高速上がりを使った差し馬、3着は道中で内をまわり高速上がりを使った差し馬だった
■馬券圏内馬はそれぞれ5枠, 1枠, 7枠と枠がばらけており、先行馬+差し馬での決着で明確な狙いを定めるのがやや難しかった印象だが、例年とは異なる超高速馬場である点を反映できれば2, 3着の差し馬は評価できた側面もあり、本年同様に超高速馬場が出てきた際には参考にしたい
■凡走人気馬となったエラトーは先行馬ながら出遅れて後手を踏んだことで勝負所でも内目へ押し込められてしまったのが痛かった印象で、上がりの速い展開になると鋭い脚のない先行馬は速めに自ら踏んでいけるポジションを確保するのが望ましい
【好走馬】
■5人気1着:5枠6番:クリスマスパレード:キタサンブラック×米国型:関東オークス(川崎ダート2100m)2人気9着
・小回りコースでは中山2000m, 2200mで新馬戦, 1勝クラスと連勝した実績があり、フローラSでは0.3秒差の4着した実績もあった
・中枠からスタートすると出ていって逃げ馬の外の2番手を追走した、道中はしっかりと落ち着いて追走できていた、勝負所では残り4F手前から徐々に手綱を動かされると逃げ馬に並びかけるようにして1列目の内から2頭目から直線へ、直線ではすぐさま1馬身抜け出すとラストは外から2着馬に迫られたがクビ差凌いで優勝
・先行してロスの少ない競馬ができた点が良かった印象で、少な目の頭数や速い逃げ馬不在のメンバー構成からペースが特段流れない点を読めていれば、中山での好走歴とフローラS4着などを評価して相手には持っておけたか
■3人気2着:1枠1番:ミアネーロ:ドゥラメンテ×米国型:オークス9人気14着
・小回りコースでは2走前にフラワーCを制した実績があった
・最内枠から出負け気味のスタートを切ると中団後方のインを追走した、道中はポジションを変えずに落ち着いて追走できていた、勝負所では最内を1つ空けて馬群の加速に付き合うと中団後方の馬群から直線へ、直線では進路を求めて外へ切り替えられると上がり最速33.0の鋭い脚で勝ち馬に迫ったがクビ差交わし切れず2着まで
・小回りコースで重賞を勝った実績や、差し馬×内枠の点を評価できると良かったか
■1人気3着:7枠11番:ボンドガール:ダイワメジャー×米国型:クイーンS(稍重)2人気2着
・小回りコースでは前走にクイーンS2着の実績があり、春には外回りではあるもののNZT2着の実績もあった
・外枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながら控えて後方の馬群を追走した、向正面ではコーナーで内に入れるような形で後方のインのポジションとなっていた、勝負所では後方の内目のまま馬群の加速に付き合うと、4角で2着馬が空けた最内を突くような形で後方の最内になって直線へ、直線では進路を求めて外へ誘導されると2着馬の1つ外から上がり最速33.0の脚で伸びたが、直線の残り200m過ぎまで進路を探していた影響もあり脚を余し気味の3着まで
・外枠の差し馬ではあったものの少ない頭数の影響もあって道中はインコースでまわってこれたのが大きかった印象で、前走で小回りコースで古馬相手に連対していた実績や、高速馬場で高速上がりを使えるタイプであった点を評価したかった
【凡走人気馬】
■2人気8着:5枠7番:エラトー:ディープ系×欧州型:函館1800m2勝クラス1人気1着
・小回りコースでは函館の1800mで1勝クラス, 2勝クラスと先行抜け出しの競馬で連勝し、ここへ臨戦していた
・中枠から駐立が安定せず出負け気味のスタートを切るとすぐさま内へ誘導されて中団前目のインを追走した、道中はポジションを変えず落ち着いて追走できていた、勝負所でも最内のまま馬群の加速に付き合うと中団の内目から直線へ、直線では進路を求めて少し外へ出されて追われたが瞬時に加速するような脚は使えず8着まで
・先行馬ながら出遅れて後手を踏んでしまい、上がりの速い後傾戦にあって速い脚を使えないタイプながら内目に押し込まれたのが痛恨だった、これまでに出遅れの気配のあったレースはなく、嫌えるとすれば世代上位の実力を示した実績がないことくらいだった
Gregory