過去レース分析

過去レース分析 【有馬記念2025】

もう年末か。今年も馬券の収支的にこのレースまで追い込まれてしまった。ひとまずはもう1戦、愚直に行こう。

レース概要・分析結論

【概要】
過去5年は5回中山8日に行われ、馬場は10月初めのスプリンターズSを最後に休ませた後、Aコースで(12月1週目から開催の5回中山の間)使い続けての8日目。フルゲートは16頭で斤量は別定3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減。

【結論】
■以下に示すコース形態由来のラップの特徴から、1周目の1角までのペースと隊列が概ねレース全体の展開を決定する
◯1, 2角の区間では、コーナーであることとこの区間が上り坂である影響でラップが緩む
◯2角を抜けた後の向正面の区間では、残り5Fからが下り坂である影響で早めに加速が始まるロングスパート戦になる
■上記の特徴から、1角までをスローペース、特に内枠の馬が主導する先行隊列で進める場合は、以下に示す3点から基本は内先行、特に後半5Fが速い展開で好走歴のある馬を評価し、コーナーで加速できない差し馬や、上がりがかかって先行馬が垂れる展開に適性のある差し馬を割引する
①1角までをスローペースで入った上で1, 2角の区間でもラップが緩んでしっかりと息が入るため、先行馬が楽をし続けられる
②2角出口の下り坂からラップが加速し、前半に楽をした先行馬にも余力があるため、差し馬が勝負所が開始する3角までに先行馬との差を詰めにくい
③勝負所の3, 4角では、内の先行馬らに脚が残っていることで内には進路ができにくく、差し馬は勝負所のラップが速い区間で外をまわされロスが大きくなる
(過去の該当年)
◯2023年:ミドルペースの逃げ馬と2番手が離れて2番手以下はスローペース、道中に終始最内を追走した1, 2番手の馬が3着, 2着
◯2024年:最内枠の馬が逃げる内枠主導のスローペース、3角地点で前から2列目までにいた馬が4着までを独占し、その内3頭は4枠以内
■一方で、同様に上記の特徴から、1角までをハイペース、特に外枠の馬が主導する先行隊列で進める場合や道悪など時計のかかる馬場での開催の場合は、以下に示す3点から基本は外差し、特にレース上がりが36秒以上かかるような展開を差す競馬で好走歴のある馬を評価し、上がりを要する展開で好走していないような先行馬を割引する
①ハイペースや道悪でも関係なく下り坂が始まる2角出口から馬群が加速するロングスパートになり、先行負荷が高い流れになる
②先行負荷が高い展開により勝負所の3, 4角で先行馬が減速するため、差し馬が直線入口までに先行馬との差を詰めやすい
③内をまわる先行馬が垂れてくることで内目の差し馬はブレーキ要素があるため、外をまわす差し馬の不利が相対的に薄まる
(過去の該当年)
◯2020年:過去5年で比較してダントツで時計を要する異常馬場で先行負荷が高く、2角時点で12番手以下から勝負所で外をまわし上位の上がりを使った馬でのワンツー決着
◯2021年:入りの2.5F/5Fが29.8 – 59.5の過去5年で1番のハイペースで、上位の上がりを使った馬が4着までを独占
◯2022年:7, 8枠の全4頭が1角を5番手以内でまわる外枠主導の先行隊列かつ強風で先行負荷が高く、上がり3位以内の馬が3着までを独占し、上がり6位までの馬が6着までを独占
■過去5年のうちハイペースだった2020-2022年の3年では、馬券圏内馬全9頭がいずれも父 or 母父に欧州型の血統を持っていたが、スローペースだった2023, 2024年にはサンデー系×米国型の血統のドウデュース, シャフリヤールが共に勝負所で外をまわす形で差して連対しており、上記のようにスローペースでは基本的に内先行の馬を評価したいものの、スローペースで隊列が動かず、一種の上がり勝負のような展開では、外をまわしながらも距離をロスし過ぎずに進めた後半5Fが速い展開で脚を伸ばせるスピード質の馬が差してくるパターンがあるためインプットされたい
■過去5年で7, 8枠の馬は以下の4頭が圏内に好走しており、いずれもレースのバイアスに逆行し過ぎなかったり、鞍上の好騎乗があっての好走ではあるものの、好走した4頭のうち3頭は7人気以下であり、実力に比して過剰に嫌われているタイミングでは相手に入れても期待値にとっては良い選択になるパターンがある
◯2020年:11人気2着:7枠14番:サラキア:時計を要して外差しの入る展開で、道中12番手以下から上がり最速
◯2020年:2人気3着:7枠13番:フィエールマン:1周目ホームストレッチの非コーナー部分で番手を上げる
◯2023年:7人気2着:8枠16番:スターズオンアース:スタート直後の3角までに最内の2番手を取り切り、道中は2番手以下がスローペースの展開を終始2番手の最内追走
◯2024年:10人気2着:8枠16番:シャフリヤール:過去5年で1番のスローペースの展開の中で、ラップが緩んだ区間や非コーナー部分の向正面で番手を上げ、勝負所の3, 4角ではギリギリまで馬の後ろに控えて徹底的にロスを省く
■ハイペースで上がりを要して外差し有利の展開では、距離短縮ローテで持続力を補完できる効果が大きく、前走に菊花賞を差して好走した馬は特注ローテである
(過去の該当馬)
◯2021年:3人気4着:5枠9番:ステラヴェローチェ:前走菊花賞を上がり最速で4着
2022年:6人気2着:2枠3番:ボルドグフーシュ:前走菊花賞を上がり最速で2着

過去レース分析

【入り2.5F/5F、上がり3Fの平均】
過去5年:30.4 – 61.2 – 36.1

2020年

30.8 – 62.2 – 36.6:2:35.0 (良):16頭
【所見】
■過去5年での比較
 頭数:同率で最も多い
 入りの2.5F:4番目に速い
 入りの5F:4番目に速い
 上がりの3F:4番目に速い
 勝ち時計:最も遅い
■過去5年でも類を見ない異常に時計のかかる馬場だった影響で、入りの2.5F/5Fを共に過去5年で4番目のスローペースで進めたにも関わらず上がりの速さも4番目で、勝ち時計は4番目に早かった2022年からさらに2.6秒も遅い異例の時計のかかる決着となった
■レースは最内枠の逃げ馬がスローペースを刻む展開で、道中の500-1500mでは12秒後半のラップが5F連続で続いていた、ラストは残り5Fから1.0加速して11.8 – 12.3 – 12.1 – 11.9 – 12.6と残り1000 – 800mが最速区間となるタフな展開で、2角時点で12番手以下から勝負所で外をまわし上位の上がりを使った馬でのワンツー決着
■異常に時計のかかる馬場だった影響か、馬券圏内馬は全馬父または母父が欧州型で、ディープインパクト×米国型のカレンブーケドールが凡走人気馬となった
■異常に時計のかかる特殊条件で参考にしづらい面もあるものの、同様に先行負荷の高い競馬になると想定した際には上がりを要するレースを好走している馬、特に差して好走している馬の評価を上げたい

【好走馬】
■1人気1着:5枠9番:牝4歳:クロノジェネシス:バゴ×クロフネ:前走天皇賞秋2人気3着
・中山は初出走だった、3歳の秋以降に重賞勝ちした3戦(秋華賞, 京都記念, 宝塚記念)はいずれもレース上がりが36.3秒以上かかっており、上がりのかかるレースで好走歴が多かった
・中枠から出負け気味のスタートを切ると控えて中団後方の外を追走した、道中は内目の進路にこだわらず意図的に馬群の外目を進められているようだった、向正面では馬群の外から進出を開始し、3角では中団前目の外の位置取りとなっていた、勝負所では軽い手応えのまま馬群の外を進出していくと1列目の内から5頭目付近になって直線へ、直線ではしっかりと脚を使って伸びると、内から抜け出しにかかった3着馬を交わし、ラストは外から2着馬に迫られたがクビ差凌いで優勝、上がりは2位の36.2
・異常に時計のかかる馬場から先行負荷の高い差し決着になることが読めていれば、実力面と上がりを要するレースへの適性から評価できたか
■11人気2着:7枠14番:牝5歳:サラキア:ディープ×ドイツ系欧州型:前走エリ女5人気2着
・本レースが引退レースで中山は初出走だった、一時期は結果が出せないレースが続いていたものの、近3走はいずれも上がり最速の脚で伸びる競馬で前走のエリザベス女王杯を含めて3戦連続で連対していた
・外枠からスタートすると控えて後方で馬場の内目を開けて追走した、1周目ホームストレッチでは前に勝ち馬を見る位置取りとなっていた、向正面では外から締められたのもあり上がっていく勝ち馬にはついて行かない形で3角では後方の外のまま追走していた、勝負所では残り3F手前から追い出されると馬群の外目をまわって後方の大外から直線へ、直線ではグイグイと伸びて前に迫ったが勝ち馬をクビ差交わし切れず2着まで、上がりは2位より0.8秒速い最速の35.4
・時計がかかり差し決着となることが読めていれば外枠の割引を控えめにし、前々走でレース上がりが36.2秒だった府中牝馬Sでの好走を評価して人気も相まって相手には持っておけたか
■2人気3着:7枠13番:牡5歳:フィエールマン:ディープ×欧州型:前走天皇賞秋5人気2着
・中山では昨年の有馬記念で4着があり、その後も天皇賞春, 天皇賞秋とGⅠを連続で連対していた、本レースが引退レース
・外枠から出負け気味のスタートを切ると出ていって枠なりに中団の外を追走した、1周目ホームストレッチでは前の馬がいなくなったタイミングから少し行きたがりポジションを上げる形で1角では好位の外の位置取りとなっていた、向正面では少しずつ進出してポジションを押し上げると3角では2番手になっていた、勝負所では残り3Fから少しずつ促されて先頭に変わって直線へ、直線では脚を使って抜け出しにかかったが自身より後方の外から脚を伸ばした1, 2着馬に交わされて勝ち馬から0.1秒差の3着まで
・7枠13番でありながら2人気3.5倍では評価しづらいポジションではあったものの、時計を要して差しの入る展開では外枠の薄れることを評価して、3連系本線なら相手には持っておきたかった

【凡走人気馬】
■3人気5着:5枠10番:牝4歳:カレンブーケドール:ディープ×米国型:前走JC5人気4着
・中山では紫苑S3着や、外回りではあるものの稍重ドスローのオールカマーを先行して2着など好走歴があった
・中枠からスタートすると出ていって中団前目かつ外目の馬群を追走した、1周目ホームストレッチでは外の馬がポジションを上げたことで馬群の外の位置取りとなっていた、向正面では前に3着馬を見る位置でスムーズに進めると、勝負所では外から勝ち馬が進出してきて抵抗するように残り500m付近から促されて2列目の内から3頭目になって直線へ、直線では減速はしていなかったものの相対的に伸ばせるほどではなく5着まで
・ある程度ポジションを取る競馬からそのポジション利を活かし切るような競馬での好走が多かったタイプで、時計を要して明確に差しに向く展開になることが読めていれば本命にするのは避けられたか

2021年

29.8 – 59.5 – 36.7 :2:32.0 (良):16頭

【所見】
■過去5年での比較
 頭数:同率で最も多い
 入りの2.5F:最も速い
 入りの5F:最も速い
 上がりの3F:最も遅い
 勝ち時計:3番目に速い
■レースは逃げ馬が飛ばして序盤を11秒台が続くラップで進めると、900-1300mの2F(1角から2角)で12.5 – 12.6と息を入れた、ラストは残り6Fから0.4加速して12.2 – 12.4 – 12.4 – 12.2 – 12.0 – 12.5と、加速はしているが11秒台には入らない上がりを要する展開で、上位の上がりを使った4頭が4着までを独占する末脚決着
■逃げ馬は内枠だったものの、大外枠から先行したタイトルホルダーがホームストレッチまでに逃げ馬にプレッシャーをかける展開で、5F通過59.5とペースは流れ比較的縦長の馬群となっており、1, 2角部分では12秒台中盤でラップは緩んだが、ラストは上がりを要してタフな末脚決着となった
■上がりを要してタフで持久力が要求される流れになった影響か、馬券圏内馬は全馬父または母父に欧州型の血を持っていた
■1-5着までは5人気以内の5頭で決着しており、5-6着は3馬身離れていたように上位5頭とそれ以下の馬とでは実力的な開きがあった印象で、この辺りを見極められていればある程度絞った馬券で勝負できたか

【好走馬】
■1人気1着:5枠10番:牡3歳:エフフォーリア:エピファネイア×ハーツクライ:前走天皇賞秋3人気1着
・中山では稍重の皐月賞を勝った実績があり、それまで6戦5勝2着1回と連対を外しておらず、ダービーを除いて負けていなかった
・中枠からスタートすると控えて中団の外で前にクロノジェネシスを見る位置を追走した、道中は折り合って追走できていた、向正面では一つ外に出されて少し進出し前のクロノジェネシスを外から締めるような形となっていた、勝負所では残り700m付近から少しずつ促されると馬群の外目をまわって進出し中団前目の外になって直線へ、直線では力強い脚取りで伸びると上がり最速35.9を使って抜け出して優勝
・末脚はキレるというよりは力強く伸ばすようなタイプで、皐月賞も稍重でレース上がりが37.0秒かかる展開を上がり2位の脚で勝利していた、逃げ馬が飛ばして上がりを要して差し決着の展開が読めていれば、実力を含めて人気でも明確に評価できた
■5人気2着:3枠5番:牡4歳:ディープボンド:キズナ×欧州型:前走凱旋門賞6人気14着
・中山では皐月賞10着、中山金杯14着などがあり、好走実績はなかった
・内目の枠からスタートすると出ていって中団前目の馬群を追走した、道中はしっかりと折り合って追走できていた、向正面では外から進出してくる馬がいたが積極的には抵抗せず、3角では中団前目のインを追走していた、勝負所では進路を求めて開いた最内を突くように促されて好位のインから少し外へ出されるようにして直線へ、直線では持久力を活かすような脚で抜け出しにかかったが外から伸びた勝ち馬に及ばず0.1秒差の2着まで
・外枠主導気味のハイペースを読んでいたとして内枠先行馬の本馬には手を出しづらかったが、同年の阪神大賞典や天皇賞春にてレース上がりが37秒台となるタフな展開で持久力を活かした上位の上がりで好走している点を評価して相手には持っておきたかった
■2人気3着:4枠7番:牝5歳:クロノジェネシス:バゴ×クロフネ:前走凱旋門賞3人気7着
・中山では前年の有馬記念を優勝した実績のあったリピーターで、他にもレース上がりが36秒台以上となる上がりを要する展開で数多くの好走歴があった
・中枠内目からスタートすると出ていって中団の馬群を追走した、道中は前に2着馬を見る位置で折り合って追走できていた、向正面では外にいた馬が1列ポジションを上げ、その後方にいた勝ち馬に外から締められる位置取りとなった、勝負所では馬群で動けない位置で馬群の加速に付き合うと外から進出した勝ち馬を追いかけるようにして中団外目の馬群から直線へ、直線では勝ち馬の作った進路を伸びてラストまで脚を使ったが、先に抜け出した2頭に迫れるほどではなく0.2秒差の3着まで
・前走に道悪の凱旋門賞を走りきったことで状態が万全でないのは戦前から囁かれており、人気を考えると手を出しづらいポジションではあったものの、3連系本線ならリピーターである点や上がりを要するレースへの適性を評価して相手には持っておきたかった

【凡走人気馬】
■3人気4着:5枠9番:牡3歳:ステラヴェローチェ:バゴ×ディープ:前走菊花賞2人気4着
・中山では稍重の皐月賞を上がり2位で差して3着の実績があった、また、不良馬場ではあるものの、レース上がりが36.5秒かかった神戸新聞杯で優勝した実績もあった
・中枠からあおって出遅れると控えて中団後方の馬群で前に勝ち馬を見る位置を追走した、ホームストレッチからは外に馬がいなくなり中団後方の外目の位置取りとなっていた、その後は大きくポジションを変えずに進めると、勝負所では残り3F手前から外から一気に進出を開始した馬がおり抵抗するように追い出しを開始され馬群の外をまわして中団の大外から直線へ、直線ではそれなりに脚を使って伸ばしていたものの先に抜け出した各馬とは同程度の脚になってしまい0.3秒差の4着まで
・上がりを要する展開での実績や、逃げ馬が飛ばして差しの入る展開で菊花賞からの距離短縮ローテで挑めることを考慮すると評価したい項目は多かったが、上がり最速を使ったとはいえポジションを考えるともう少し速く上がりたかった印象で、勝負所で大きく外をまわったロスも影響した形、3着から0.1秒差では凡走とも言えない内容

2022年

30.0 – 61.2 – 35.9 :2:32.4 (良):16頭

【所見】
■過去5年での比較
 頭数:同率で最も多い
 入りの2.5F:2番目に速い
 入りの5F:3番目に速い
 上がりの3F:同率で2番目に速い
 勝ち時計:4番目に速い
■レースは序盤を7.0 – 11.3 – 11.7と比較的速めのペースで入ると、700-1500m区間を12.5 – 13.1 – 12.7 – 12.4と大きく緩めた、ラストは残り5Fから0.6加速すると11.8 – 11.9 – 12.2 – 11.4 – 12.3と残り2Fから先行と差しが入れ替わって急加速する展開で、2角時点で9番手以下から上位の上がりを使った馬が圏内を独占する末脚決着
■7枠, 8枠に入った全4頭が1角を5番手以内で通過する外枠主導の先行隊列で序盤を速めのペースで入り、加えて風の影響も大きかったことで前が総崩れの差し決着となった
■馬券圏内馬は全馬父または母父が欧州型だった
■逃げ馬を筆頭とした先行集団は、ラップを見るにホームストレッチから2角を抜けるまではゆったりとしたラップで進めていたものの、序盤に外枠からポジションを取るために脚を使ったことや、直線が向かい風の中で序盤を進めた影響でラストまで持たなかった印象で、隊列及び風向きの面で同じ条件が出てきた際には差し決着を視野に入れたい

【好走馬】
■1人気1着:5枠9番:牡3歳:イクイノックス:キタサンブラック×欧州型:前走天皇賞秋1人気1着
・中山では皐月賞2着があり、そもそも8枠18番に入った皐月賞, ダービーの2戦での2着以外は敗れていなかった
・中枠からスタートすると外からの先行馬を一通り行かせて中団の外を追走した、道中は少し行きたがる様子もあったが抑えられて折り合いの中で追走できていた、向正面では外から進出してきた馬がいたがポジションは上げ切れず3角では締め切られていない状態だった、勝負所では全くの馬なりのまま馬群の外からポジションを上げて先頭に立って直線へ、直線ではそのまま伸びが鈍ることはなくラストは上がり2位35.4の脚で抜け出して2馬身半差の圧勝
・実力はさることながら、本レースでは外枠主導の先行隊列でスムーズに中団外を確保できたことが大きかった印象で、前崩れになったことで内をまわれなかったこともマイナスではなかった、外枠主導の隊列→外目の差し有利を判定できていれば評価できた
■6人気2着:2枠3番:牡3歳:ボルドグフーシュ:Robert系×SS系:前走菊花賞7人気2着
・初の関東遠征で小回りコースの経験もなかった、前走の菊花賞まで6戦連続で上がり最速を使っており、その菊花賞ではレース上がり37.0と上がりを要する展開で末を伸ばせていた
・内枠から遅めのスタートを切ると少し促されて後方のインを追走した、ホームストレッチでは最内の進路にはこだわらず、外目を意識されながら後方の馬群の位置取りとなっていた、向正面では馬群の加速に合わせて少し促されながらの追走になり、3角では後方の外で前に3着馬を見る位置になっていた、勝負所では残り700m付近から追い出されると大きく馬群の外をまわしながら捲っていって前から2列目で前に勝ち馬を見る位置から直線へ、直線ではラストまで懸命に脚を伸ばしたが先に抜け出した勝ち馬には迫れず0.4秒差の2着まで、まくった分もあって上がりは最速の35.2
・菊花賞では3角で10番手、4角で4番手から2着していたようにまくり差しが得意なタイプで、勝負所で減速するような前崩れの展開が適性にハマった印象
・外枠主導で先行勢に辛い展開を読めていれば、勝負所でまくれて上がりを要する展開で上位の末脚を使っての好走実績があった点などで評価できた
■3人気3着:3枠5番:牝4歳:ジェラルディーナ:モーリス×ディープインパクト:前走エリザベス女王杯(重)4人気1着
・中山では外回りでオールカマー勝ちがあったが内回りは初出走だった、近走は重賞で6戦連続上がり2位以内だった
・内目の枠からあおって出遅れると控えて後方の外を追走した、道中はポジションを変えずスムーズに追走できていた、勝負所では馬群の外目で加速に付き合っていたが、馬群の外はまわしきらずに後方から馬群を突くようにして直線へ、直線では進路を求めて外へ出されるとラストまでしぶとく脚を伸ばしたが、外をスムーズに加速して先に抜け出した2頭には及ばず勝ち馬から0.7秒差の3着、上がりは3位の35.7
・ラストは垂れる先行馬らを交わすような形での入線で差し有利に乗じての好走だった、差し有利の展開が読めていれば、前走で上がりを要する展開のG1を上がり最速で優勝していた点などを評価できた

【凡走人気馬】
■2人気9着:7枠13番:牡4歳:タイトルホルダー:ドゥラメンテ×欧州型:前走凱旋門賞1人気11着
・中山では皐月賞2着, 前年の有馬記念を8枠16番から先行して5着, 日経賞勝ちの実績があった、前走こそ道悪の凱旋門賞で凡走していたが、それまでは日経賞→天皇賞春→宝塚記念と国内では3連勝していた
・外枠からスタートすると押して押して出して行ってハナへ立った、道中は外枠主導の先行隊列となり終始プレッシャーをかけられるような形の逃げになっていた、勝負所では下り坂の残り5Fからラップを加速させると先頭のまま進めたが、4角までにラップは減速を始める形で外の差し馬に捲られて横並びになった最内から直線へ、直線では馬群に飲まれて9着敗戦
・外枠から押して出して行って逃げたことに加え、外枠主導の先行隊列だったことで1角に入るまで落ち落ちペースを緩められなかったのも痛かった
・国内では3連勝しており実力は確かだったが、外枠主導かつ速めのペースになりそうなことが読めていれば外枠の先行馬という要素だけで本命は避けたかった

Gregory

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