過去レース分析

過去レース分析 【有馬記念2023】

ブログ予想でついに一度も勝てずに有馬記念となってしまいました。今年残された最後の一戦しっかり予想していきます。

過去5年の有馬記念はいずれも上がり3Fが35.9以上かかる展開となっていますが、6年前、2017年の有馬記念では上がりが35.2となっており、このパターンの傾向も抑えておきたいと思います。そこで、ここではいつもの過去5年から2年分拡張し、過去7年分の分析としたいと思います。

簡単には分析結論をご覧いただければ、ポイントがわかるかと思います。

レース概要・分析結論

【概要】
過去7年5回中山8日 or 9日に行われ、馬場は10月初めのスプリンターズSを最後に休ませた後、Aコースで(12月1週目から開催の5回中山の間)使い続けての8日目 or 9日目。フルゲートは16頭で斤量は別定3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減。

【結論】
■有馬記念(中山2500m)の展開はコース形態の影響が大きく、ラップの特徴の確認が必須で、馬券を的中できるかどうかはレース展開を読めるかどうかが(感覚的には)8割ほどを占める、以下は特徴
○コーナーの途中スタートのため、外枠の馬が先行するには序盤かなり脚を使う必要があり、外枠主導の先行隊列では先行馬には苦しい展開になる
○1角の入りからは、コーナーであること、登り坂であること、の2点から自然とラップが大きく落ちる
○2角途中から下り坂がスタートするため、コーナーを抜けた向正面の残り5Fからラップが加速し(実際は向正面に入ってすぐの加速で残り1100mほどから)、自然とロングスパートの展開となる
→1角の入り以降は”自然に”ラップの傾向が定まってしまう、展開を左右するのはスタートから1角の入りまで
■2016年、2017年は5Fの通過が61秒以上かかるスローな展開 + 内枠主導の先行隊列だったことで2角を抜けて加速が始まるまで先行馬が楽をし続けられる流れで、2016年は2角時点で3番手以内だった3頭で決着、2017年は2枠3番から先行した8人気クイーンズリングが穴を開けた
内枠主導のスローでは①先行馬が楽をできる、②勝負所が始まる3角でまだ先行馬にも余力があるため差し馬が前との差を詰めにくい、③内の先行馬らに脚が残っていてスペースができにくいため差し馬は勝負所で外をまわさなければいけない距離ロスがある、という3つから基本は内先行、薄く追加で内差しを評価し、外を回す差し馬を割引
■一方で、2018年から2022年の5年はそれぞれ以下の理由 + 自然と始まる向正面からのロングスパートにより先行勢にはキツいタフな展開となっており、2016年/2017年では4着/5着だった上がり最速馬が5年全てで連対している
2018年:道悪:上がり最速馬が2着
2019年:アエロリットが飛ばして入りの2.5F30秒を切るハイペース:上がり最速馬が1着
2020年:異常に時計のかかる馬場:上がり最速馬が2着
2021年:パンサラッサが飛ばして入りの2.5F30秒を切るハイペース:上がり最速馬が1着
2022年:7,8枠の全4頭が1角を5番手以内でまわる外枠主導の先行隊列:上がり最速馬が2着
道悪、ハイペース、外枠主導の先行隊列などの条件では①道悪だろうがなんだろうが下り坂始まる向正面から馬群が加速するロングスパートになること、②勝負所が始まる3角から先行馬がスピードダウンすることで差し馬が差を詰めやすいこと、③基本的に内目を回れる先行馬にキツい展開であることで外をまわす差し馬の距離ロスの不利が薄れること、という3つから基本は外差しを評価し、上がりかかる条件で好走していない先行馬を割引
■また、上記の上がり最速馬が連対するレース質のパターンの内、特にハイペースだった2019年/2021年には2019年1着リスグラシュー、2021年2着ディープボンドと内差しの馬が連対しており、ハイペースになると馬群がばらけることでインにいる馬も勝負所で詰まりにくく、インにいることで距離もロスしていないため、ハイペース×内差しは絶好の好走ポジションとなりやすい
■以下のデータ(過去7年)があり、スタート地点の形態から外枠から先行する馬にはかなり厳しい条件である
・7, 8枠で1角を5番手以内で通過 (0 – 0 – 1 – 10)
唯一馬券圏内したのは2020年のフィエールマンで1周目のスタンド前で番手を上げたため、スタートから1周目の4角までは先行せず中団にいた、また、他に7, 8枠から馬券圏内した馬には2018年3着のシュヴァルグラン、2020年2着のサラキアがいるが、1角での番手は共に13番手と後方だった

過去レース分析

【入り2.5F/5F、上がり3Fの平均】
過去7年:30.1 – 60.7 – 36.4
ー 良馬場6年:30.1 – 60.7 – 36.3
ー 道悪1年:30.2 – 60.8 – 36.9

2016年

30.1 – 61.0 – 35.9 :2:32.6 (良):16頭

【所見】
■レースラップは過去7年で最も平均に近く、上がり35.9は同率で2番目に速い
■レースは残り1600-1000mの3Fで13.4 – 12.8 – 12.9と大きく緩み、そこから1.1加速して11.8 – 11.7 – 12.1 – 11.7 – 12.1と伸びる高速ロングスパートの展開
■サトノダイヤモンドに関しては好騎乗もあり、結果人気3頭が絶好のポジションで競馬をしたことで人気3頭での固い決着となった
■8人気ながら上がり最速で4着したヤマカツエースは内枠から道中終始内目をまわり、勝負所でも大きくは外にまわさず距離ロスを省いていた、一方で勝負所で大きく外をまわした5人気シュヴァルグランは5着、4人気サウンズオブアースは8着と凡走したようにスローな展開から勝負所の3角手前から急加速する展開では、3、4角で外をまわすロスは大きい

【好走馬】
■1人気1着:6枠11番:牡3歳:サトノダイヤモンド:ディープ×南米型:前走菊花賞1人気1着
・これまで7戦して(5-1-1-0)とパーフェクト馬券内していた、中山では皐月賞3着があった
・中枠外目からスタートすると枠なりに中団の外を追走した、ゴール前を過ぎて1角手前では外に出されて残り1600mからの丁度ラップが落ちたところでポジションを押し上げ、2角では3番手外を追走していた、勝負所でもスムーズに加速してついていくと1列目の内から4頭目から直線へ、上がり3位で伸びると差し切って優勝
・ペースが緩んだところで折り合いながらポジションを上げて、前で決着する流れの中、4角を好位で迎えられた素晴らしい騎乗
・世代一線級で菊花賞を制してのステップだっただけにどうやっても抑えには持っておけた
■2人気2着:1枠1番:牡4歳:キタサンブラック:SS系×サクラバクシンオー:前走ジャパンC1人気1着
・中山では前年の有馬記念3着があり、前走はジャパンCを逃げ切り勝ちしていた
・最内枠からスタートすると出て行って逃げ馬から幾分離れた2番手を単独で追走した、そのままスムーズに進めると勝負所では徐々に前との差を詰めていくと並んで先頭に変わって直線へ、直線でも伸ばしていたが外から勝ち馬に交わされての2着
・人気馬の先行馬が最内枠からスムーズな競馬をして順当な馬券圏内
・枠と実績で馬券的にはこの辺りから入れると良かったか
■3人気3着:1枠2番:牡5歳:ゴールドアクター:Robert系×米国型:前走ジャパンC3人気4着
・中山では前年の有馬記念制覇、同年の日経賞制覇など同距離で重賞を2勝しているリピーターだった、前走はジャパンCを先行して4着していた
・内枠からスタートすると出て行って3番手を追走し、前にキタサンブラックを見る展開、途中2角から向正面ではサトノダイヤモンドなどポジションを押し上げてきたことで好位のインとなった、勝負所では3角手前から促していくと加速して最内をまわっていた、ラストはキタサンブラックの外に出されると1列目の内から3頭目から直線へ、直線でも脚を伸ばしていたが前を交わせず、外からは交わされての3着
・枠もよく、リピーターであった点など鑑みて評価を上げたかった

【凡走人気馬】
該当なし

2017年

30.3 – 61.6 – 35.2 :2:33.6 (良):16頭

【所見】
■かなり時計のかかる特殊馬場だった2020年を除けば入りの2.5F/5Fが過去7年で最も遅く、故に上がりは最速(本年が35.2、2位は2016年/2022年の35.9)
■レースはスロー気味に入って道中も900 – 1500mで13.3 – 13.2 – 12.8と大きく緩み、残り5Fから0.6加速すると12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.2 – 12.3と伸びる展開
■内枠から先行した馬が1, 2着で、道中終始外を回った2.3人気が3.4着だったように、上がりが早くなるようなスローの展開では内を立ち回った先行馬が恵まれる、展開予想はしっかり組み立てた上で恩恵を受ける馬を評価したい
■本年はキタサンブラックという圧倒的1人気の単騎逃げで、スローだった2016年と比較しても勝負所の残り5Fからの加速が小さく(本年は0.6秒で2016年は1.1秒の加速)、残り3Fからも0.4加速しているように上がり勝負ライクになったことで外をまわした3.4着馬は差し込めたイメージ、2016年のように勝負所から大きく加速が始まれば外をまわした組はより不利になることを頭に入れたい
■圧倒的人気馬が楽に逃げられた理由として、4人気サトノクラウン/5人気ミッキークイーンらの中人気どころが枠順や脚質から勝負所完全に動けない後方の馬群に位置していたことがある(=勝負所でキタサンブラックの周りにいたのは皆人気薄)、このような隊列まで考えを及ばせて展開を予想されたい

【好走馬】
■1人気1着:1枠2番:牡5歳:キタサンブラック:SS系×サクラバクシンオー:前走JC1人気3着
・中山では前年の有馬記念2着、一昨年の有馬記念3着があったリピーターで本レースが引退レース
・内枠からスタートすると他に逃げ馬もおらずかなりのマイペース逃げでハナへ、勝負所では残り5Fから自らペースアップすると残り3Fからさらに加速して残り400 – 200mでは11.2を踏んで後続を離して優勝
・誰も突いてこないマイペース逃げで終始最内を立ち回るこれ以上ない競馬だった
・リピーター、内枠、単騎逃げ濃厚の時点で、まくられるなど展開不利がなければ信頼できる人気馬との判断を下して評価したかった
■8人気2着:2枠3番:牝5歳:クイーンズリング:マンハッタンカフェ×米国型:前走エリ女8人気7着
・中山では新馬と2戦目の条件戦を勝っていたがオープンなどでは実績なしだった、鞍上のルメールはテン乗り
・内枠からスタートすると出して行って中団前目の内から2頭目を確保した、道中もスムーズに追走すると勝負所もポジションを変えずに加速していき、4角から直線で外の馬が垂れたところで進路を確保して追い出された、内から抜け出すと外から迫った人気2頭をなんとか凌いでの2着
・キタサンブラックの単複/3着シュヴァルグランの複勝などを除いては本馬を拾えるかにかかっているレースだった、【内枠で有力先行馬の近く×ルメール】から差し馬を先行させることを考えたかった印象で、内枠先行馬に向きそうな展開までを評価して相手で拾いたかった
■3人気3着:5枠10番:牡5歳:シュヴァルグラン:ハーツクライ×米国型:前走JC5人気1着
・中山経験は前年の有馬記念6着のみだったが、前年は7枠14番であったことを考えれば戦歴だけで大きくマイナス視する要素ではなかった
・中枠からスタートすると馬なりで内へも寄せず中団の外を追走した、道中はスムーズで勝負所も外の位置取りのまま残り500m付近から外から追い出されると中団付近の内から4,5頭目で直線へ、途中外から寄られる不利があって減速しそこから再加速したが内から抜け出した2着馬を捉えられず3着
・位置取りや直線での不利を考えれば実力はかなり上位で、東京向きなタイプ故か内を立ち回るロスを省いた競馬ができなかった分の3着、インコースを立ち回れる器用さがあるか、直線での不利がなければ2着だったと言えるような着差
・JC勝ち、天皇賞春2年連続馬券内など純粋に実力が上位だった印象で、馬柱から抑えられたか

【凡走人気馬】
■2人気4着:7枠14番:牡3歳:スワーヴリチャード:ハーツクライ×米国型:前走アルゼンチン共和国杯1人気1着
・中山では皐月賞6着のみで、ダービー2着/アル共優勝などから明確に東京 > 中山のタイプだった
・外枠から立ち遅れ気味にスタートすると若干頭を上げながら枠なりに後方の外を追走した、道中は前にシュヴァルグランを見る位置だった、勝負所もかなり外を回りながら大外から直線へ進入すると内に寄れながら上がり2位で伸びたが届かずの4着
・こちらも3着馬同様東京向きだったことに加え、スタート後の折り合いと枠順からどうしてもポジションを取りに行くのは不可能だった、道中で勝負が決していたような形での着外
・東京向き、外枠、内枠先行馬に展開向きそうなメンバー構成などから嫌って本命は打ちたくなかった

2018年

30.2 – 60.8 – 36.9 :2:32.2 (稍重):16頭

【所見】
■過去7年で唯一の道悪で、レースは序盤緩まり切らない展開(2.5F/5F通過は有馬記念の平均程度)から、残り6Fから0.4、0.6と徐々に加速して12.2 – 11.6 – 11.8 – 11.8 – 12.2 – 12.9と残り1000 – 800mが最速ラップとなり、ラストはゴールへ向かって失速するタフな展開
道悪の影響もありインコースを通る利が薄れていたことで外枠や道中外を追走することがむしろプラスだった印象で、過去7年で8枠の馬が馬券内したのは本年3着シュヴァルグラン1頭のみ、馬券圏内の3頭は全て道中で外目を追走した馬だった
■2016/2017年の2年は馬券圏内した6頭のうち5頭が1角で4番手以内だったのに対し、本年は3頭全てが6番手以下だったように、上がりがかかる展開になると前後のバイアスは差しに寄る

【好走馬】
■3人気1着:4枠8番:牡3歳:ブラストワンピース:ハービンジャー×キンカメ:前走菊花賞1人気4着
・中山は初経験で、高速戦のダービーや上がり勝負となった菊花賞では瞬発力がもうワンパンチ足りない印象であった
・中枠からスタートすると後手を踏まぬように出して行ってスムーズに中団の外目を確保して追走した、勝負どころでは手応え抜群で残り3F手前から外から促されると進出を開始して前から2列目で直線へ進入した、外から脚を伸ばして抜け出すと外から差し込んだレイデオロを抑えて優勝
・本馬のこの後の成績を見れば、上がりが36秒以上かかるような低速戦への適性があったのは明らかで、高速戦でもうワンパンチ足りないパフォーマンスや父ハービンジャーという面から適性を見抜けると良かった
■1人気2着:6枠12番:牡4歳:レイデオロ:キンカメ×Robert系:前走天皇賞秋2人気1着
・中山ではオールカマー勝ちがあったが内回りは皐月賞5着など3歳春までにしか経験がなかった、戦績からは東京 > 中山のタイプであった
・外目の枠からスタートすると枠なりにポジション確保して中団の外で勝ち馬を見る位置を追走した、勝負所では前の勝ち馬が進出するのに合わせて追い出したが、若干置かれたような形で直線へ、上がり最速を使って最後まで勝ち馬に迫ったが届かずの2着
・道悪で外の方が幾分状態が良い馬場の中枠なりに馬場の良いところを通れた+メンバーレベルがそこまで高くなかったこともあり当時現役最強級だった本馬がしっかり好走した形
■9人気3着:8枠15番:牡6歳:シュヴァルグラン:ハーツクライ×米国型:前走JC5人気4着
・中山では前年の有馬記念で3着があったリピーター、6歳になって若干能力はピークアウトしている感があったがそこまで落ち込んではおらず、前走ワールドレコードのJCでも4着していた
・外枠からスタートすると枠なりに後方の外を追走した、道中1,2角付近でスペースができたときにすかさず内目に寄せて向正面では後方の馬群を追走、勝負所残り3F手前から促されると、1.2着馬が外を回る中本馬は内目から馬群を突くように直線へ、上がり2位で伸びるも先に外から抜け出した2頭は交わせず3着
・6歳×外枠と非常に買いづらいタイミングではあったが、道悪で道中外目を通ること不利にならなかった点+実力で走った形、リピーターというだけで警戒しておきたい存在だった

【凡走人気馬】
■2人気5着:7枠14番:牡4歳:キセキ:ルーラーシップ×ディープ:前走JC4人気2着
・中山では日経賞凡走があったが気性的に難しい部分を見せていた時期であった
・外枠から出負け気味のスタートを切ると徐々にスピードに乗って1週目の4角までに距離をだいぶロスしながらハナへ立った、向正面からの勝負所で自らペースアップして残り3Fでも後続とは3馬身ほどの差、直線も懸命に伸ばしたがラスト100mで飲み込まれての5着
・毎日王冠から秋古馬3冠を使うタフなローテの4戦目で、状態の上積みや余力という意味で他馬よりコンディションの面で劣っていた可能性が高い
・道悪で上がりがかかる展開になることを想定できていれば積極競馬の本馬は本命を避けられた

2019年

29.4 – 58.5 – 37.6 :2:30.5 (良):16頭

【所見】
■過去7年入りの2.5F/5Fが最も速いハイペースで、故に上がりは最も遅く勝ち時計は最も速かった(2番目に速いのが2021年の2:32.0)
■レースは外枠だったアエロリットが逃げてハイペースから勝負所残り5Fから0.4加速して11.7 – 12.3 – 13.4 – 12.2 – 12.0という残り1000 – 800mが最速区間となるタフな展開(ラストの加速は突き抜けた勝ち馬のもの)
■37.6とかなり上がりがかかる先行馬には苦しい展開となり、2.3着馬など勝負所で大きく外を周った馬も届いた形で、馬券圏内馬はいずれも1角で10番手以下だった、ハイペースでは明確に差しに向くことを意識したい

【好走馬】
■2人気1着:3枠6番:牝5歳:リスグラシュー:ハーツクライ×欧州型:前走コックスプレート1人気1着
・引退レースにして中山は初で、宝塚記念、コックスプレートとGⅠを2連勝中だった
・内目の枠からスタートすると無理に出していかずに中団のインを追走した、道中は後方勢が差を詰めてきたが全く焦らず中団後方となっても最内を周っていた、勝負所では残り3Fから鞍上が外を意識しだすと4角から直線でインアウトで一気に外に持ち出すと上がり最速で突き抜けて5馬身、0.8秒差の圧勝
・宝塚記念のパフォから馬が覚醒していたのは明らかで、ハイペースで差しに展開が向いた中で道中から勝負所最内を周って完全にロスを省いた競馬をして突き抜けた形、実力+展開が向いての突き抜け
・能力覚醒していた点、内枠だった点などを評価しておきたかった印象で、ルメールに似て展開によって自由にポジション取る鞍上のレーンも評価しておき、差しに向きそうな展開で差しにまわりそうなところまで想定しておきたかった
■3人気2着:5枠10番:牡3歳:サートゥルナーリア:ロードカナロア×SS系:前走天皇賞秋2人気6着
・中山ではホープフルS、皐月賞と若駒時だがGⅠで2戦2勝であった
・中枠からスタートすると控えてアーモンドアイをマークするように中団後方を追走した、1周目のスタンド前でアーモンドアイが上がっていくと間にフィエールマンを挟むような形で後方の外にポジションを下げて追走、ペースが速かったこともあってか勝負所も落ち着いて外を周ってきて残り500m付近から追い出されると直線外から抜け出したが、さらに外から勝ち馬に差されての2着
・ここまで東京競馬場を除いて負けておらず、斤量有利な3歳馬であることも考慮すればしっかり買いたい存在であった
■4人気3着:4枠7番:牡3歳:ワールドプレミア:ディープ×ドイツ系欧州型:前走菊花賞3人気1着
・中山どころか初の関東遠征であった
・中枠から出負け気味のスタートを切ると馬なりで後方のインを追走した、その後もスムーズに進めたが残り500mでもまだ最後方、勝負所は残り400m手前から一気に大外に持ち出すと直線は上がり2位を使って3着
・4角では通常であれば物理的に届かないような位置であったが、ここまでのハイペースになって大きく差し有利な展開となっての3着
・距離短縮で臨めて間隔も取れることで優位な菊花賞好走組であったことや、差し馬に大きく向きそうな展開などを読んで評価できると良かった、また、菊花賞でレース上がりが36秒以上かかる展開をすでに好走していることも評価の対象だった

【凡走人気馬】
■1人気9着:5枠9番:牝4歳:アーモンドアイ:ロードカナロア×SS:前走天皇賞秋1人気1着
・中山は初で、後にも先にも唯一の馬券圏外
・中枠からスタートすると枠なりで内に寄せる様子もなかった、スタンド前では前に馬を置けず、若干引っ掛かり気味でポジションを上げ中団の外を追走した、勝負所鞍上のルメールは展開を見て追い出しを我慢しているように見えたが、外から被せにかかるようにフィエールマンが残り700m付近から上げてきたことで対抗するようにスパートを開始、直線へは1列目の内から4頭目付近で進入したが、直線は伸ばせずの9着
・初の中山競馬場で戦績からも明確に東京向きでの1.5倍の1人気であれば、「負けるとすればここ」というタイミングであった、勝負師池添の乗るフィエールマンが相手をアーモンドアイと決めつけて乗ってきたことで勝負所では早めに動かされ、本馬にとっては敗因の一つとなった

2020年

30.8 – 62.2 – 36.6:2:35.0 (良):16頭
【所見】
■過去7年で見ても異例の異常に時計がかかる馬場だった影響で勝ちタイムは最も遅く(2番目に遅いのが2017年の2:33.6)、前半5Fが過去5年最も遅い62.2だったにも関わらず上がりも36.6とかかった
■レースはバビットの逃げでスローで入って、スタートから500 – 1500mの5Fで連続して12.5以上の緩い展開で進めると、残り5Fから1.0加速して11.8 – 12.3 – 12.1 – 11.9 – 12.6と2018年、2019年同様残り1000 – 800mが最速区間となるタフな展開
時計がかかり上がりもかかったことで先行勢には厳しい展開となり、勝負所で外をまわした上がり2位以内の馬が1, 2着した
時計がかかった影響か馬券圏内馬は全馬父または母父が欧州型で、米国型を持つ人気馬が凡走した形
■差しに展開が向いた中でルメールがフィエールマンで先行していたり、武豊がワールドプレミアでポジションを取りにいくなど、差しに回る競馬の経験もある有力馬がバイアスに逆行した競馬をしていたところもあり非常に難しいレースだった、バイアス判定や馬の特性だけでなくジョッキーの思惑にも考えを及ばせたい

【好走馬】
■1人気1着:5枠9番:牝4歳:クロノジェネシス:バゴ×クロフネ:前走天皇賞秋2人気3着
・中山は初で2200mより長い距離もオークス以来だった、3歳春のオークス以降に重賞勝利した3戦(秋華賞、京都記念、宝塚記念)はいずれもレース上がりが36秒以上かかっており、上がりのかかる展開に適性があった
・中枠からスタートすると中団後方の外目を追走した、そのままスムーズに2角まで進めたが向正面に入ると外に持ち出してポジション押し上げ、3角では中団前目の外に位置、その後も4角まで馬なりでポジションを上げると(上げるというよりは他馬がしんどくなっていた感じ)、1列目の内から4頭目付近で直線へ、上がり2位を使うと先に抜け出したフィエールマンを捉えて優勝
・時計のかかりタフで他馬が早々バテるような馬場と展開の中、実力だけでなく時計のかかる馬場への適性も味方しての優勝、初の中山だったが時計のかかる馬場への適性を評価して持っておきたかった
■11人気2着:7枠14番:牝5歳:サラキア:ディープ×ドイツ系欧州型:前走エリ女5人気2着
・中山は初で本レースが引退レース、成績が低迷していたところから近3走は上がり最速を使っての好走が続いていた
・外枠からスタートすると後方だったが多少抑える感じで後方の外目で勝ち馬を見る位置を追走した、向正面に入ると前のクロノジェネシスと後ろにいたキセキが外から番手を上げていったがこちらは我関せずで徹底的に控える競馬、その後残り3Fから外に向かって追い出しを開始すると一番の手応えで大外から直線へ、ラストは2位よりも0.8速い上がり最速を使って追い込んだが勝ち馬には届かずの2着
・タフな馬場から差し有利判定をして、近走はレース上がりが36秒以上かかった府中牝馬、阪神2200mで行われたエリ女などで好走していた点などを評価したかった
■2人気3着:7枠13番:牡5歳:フィエールマン:ディープ×欧州型:前走天皇賞秋5人気2着
・中山内回りでは昨年の有馬記念で4着があった、本レースが引退レース
・外枠から出負け気味のスタートを切ると内に入れる素振りは見せず中団の外を追走した、スタンド前で前の馬がいなくなると距離延長だった影響もあってか若干いきたがる様子でポジションを上げて1角では4番手の外になった、残り5Fからの加速にも難なくついていくと3角からは2番手で逃げ馬に並びかけていた、勝負所では残り3Fから徐々に促されると先頭で直線へ進入し脚を伸ばしたが、上位の上がりを使った2頭に差されての3着
・スタンド前から先行馬に並ぶ位置で追走して展開的には向いていないことを考えればかなり強い競馬をしていた、欧州型の血統をもっていることや純粋に実力を評価した上で、時計かかる差し有利の展開では外枠が不利にならない可能性が高いことを考慮してもっておきたかった

【凡走人気馬】
■3人気5着:5枠10番:牝4歳:カレンブーケドール:ディープ×米国型:前走JC5人気4着
・中山内回りでは紫苑S3着があったくらい
・中枠からスタートすると少し出していったがペースはスローで内が密集していたこともありポジションは中団前目の外になった、向正面ではフィエールマンのすぐ後ろに収まった、勝負所では残り3Fから外から来た勝ち馬と並ぶようにして加速して直線へ入ったが直線入り口ではもう苦しい手応えであった、最後まで止まらずに踏ん張ったが5着まで
・立ち回りを生かして最後の直線も止まらないような競馬ができることが強みで、とことん脚を溜めた差し馬に向くような上がりのかかる展開が向かなかった印象で、差し有利と判定して本命にはしたくなかった

2021年

29.8 – 59.5 – 36.7 :2:32.0 (良):16頭

【所見】
■パンサラッサの逃げで過去7年で2番目に入りの2.5/5Fが速く、それゆえに上がりは3番目に遅く36秒後半とかかった
■レースは序盤11秒台が続くラップで飛ばしたあと900-1300m(1角から2角)の2F12.5 – 12.6と息を入れ、残り6Fから0.4加速して12.2 – 12.4 – 12.4 – 12.2 – 12.0 – 12.5と、例年と比較して勝負所での加減速が少ない展開で、過去7年で唯一ラスト5Fに11秒台が入らなかった
■ハイペースや時計のかかる馬場や風の影響で差し有利だった2018〜2020年および2022年と同様に上がり最速馬が連対したが、内枠のディープボンドが内差しのような形で2着しており、ハイペースになって差し有利であっても外有利ではないことを意識したい(先行馬が多く内から数多く垂れてくるような展開などでは外の馬での決着もあるが)

【好走馬】
■1人気1着:5枠10番:牡3歳:エフフォーリア:エピファネイア×ハーツクライ:前走天皇賞秋3人気1着
・中山では皐月賞勝ちがあり、それまで6戦5勝2着1回と連対を外していなかった
・中枠からスタートすると中団の外目でクロノジェネシスを見る位置を追走し、向正面では一つ外に出して前のクロノジェネシスを外から締めるような形となった、勝負所では残り3F付近から外から2頭被せに来たがしっかり加速して抵抗すると、前から2列目内から5頭目付近で直線へ、上がり最速35.9で差し切って優勝
・ダービーでの敗戦や天皇賞も上がり3位で勝利するなどキレよりは父Robert系が出たような重厚な末脚の持ち主で上がりがかかったのはプラスだった印象、戦績からも最低でも相手には持っておけた馬で、終始外目をまわった本馬にとっては序盤飛ばす流れで差しに展開が向いたのも大きかった
■5人気2着:3枠5番:牡4歳:ディープボンド:キズナ×欧州型:前走凱旋門賞6人気14着
・中山では皐月賞10着、中山金杯14着など良績はなかった
・内目の枠からスタートすると馬なりで中団前目の馬群を追走した、その後もスムーズに進めて勝負所でも馬群を追走すると残り500mで最内に進路ができた、4角最内から直線に進入し、その後外目に出されると抜け出しにかかって前のタイトルホルダーを交わしたが外から勝ち馬に差されての2着
・前走が道悪の凱旋門賞だったが当時の鞍上が無理をせず状態は良好だった、先行する脚質で内目の枠を引けたのも大きかった印象で、外枠からポジションをとったタイトルホルダーの影響で多少外枠主導気味の隊列で自然と中団程度の位置取りになり、ハイペースに飲まれなかったのも良かった
・外枠主導気味のハイペースを読んでいたとして内枠先行馬の本馬には手を出しづらかったが、ハイペースになった時の上がりかかる展開への適性を評価して持っておきたかった
■2人気3着:4枠7番:牝5歳:クロノジェネシス:バゴ×クロフネ:前走凱旋門賞3人気7着
・前年の有馬記念優勝があったリピーターで、他にも上がりのかかる展開で数多く実績があった
・中枠内目からスタートすると中団の馬群を追走した、向正面でもスムーズだったが外からエフフォーリアに絞められるような位置取りとなった、結局直線入り口まで締め切られてしまい先に外から抜け出しにかかったエフフォーリアを追いかけるように直線へ、さらに外から伸びた4着馬と叩き合いになるとここには競り勝っての3着
・道悪の凱旋門賞を走ったことで状態が万全ではないのは戦前から囁かれていたが、上がりがかかる適性のある展開になり3着には食い込んだ形

【凡走人気馬】
■3人気4着:5枠9番:牡3歳:ステラヴェローチェ:バゴ×ディープ:前走菊花賞2人気4着
・中山では皐月賞3着があった、また、道悪での成績や欧州系の父から上がりのかかる展開には適性がありそうであった
・中枠から出負け気味のスタートを切ると控えて中団後方の馬群で勝ち馬を見る位置を追走した、勝負所追い出しを待っていたが、残り3Fからさらに後方外からアカイイトが一気に締めにきたことで対抗するように加速を開始した、直線は勝ち馬の外から進入すると上がり最速で伸びたが4着まで
・タフな展開が向きそうな点や菊花賞から距離短縮で臨むなど評価すべき部分はあったが、結果勝負所で外をまわした分が響いて半馬身差の4着、差しに展開が向いたとしても小回りの中山で外を回すのはリスクであることを理解する必要がある

2022年

30.0 – 61.2 – 35.9 :2:32.4 (良):16頭

【所見】
■過去7年で見ると2016年に続いて平均に近いラップになったが、7, 8枠に入った全4頭が1角を5番手以内で通過する外枠主導の先行隊列となり、風の影響も相まって前崩れになっての差し決着
■レースは序盤平均程度のペースで進めると700-1500mで12.5 – 13.1 – 12.7 – 12.4と4F緩んで、残り5Fから0.6加速すると11.8 – 11.9 – 12.2 – 11.4 – 12.3と残り2Fから先行と差しが入れ替わって急加速するラップ
■以下のように1-6着馬は内枠やマクリに偏っており、馬券的中には外から先行する組が完全に潰れる展開を読めるかどうかにかかっていた
1着:マクリ
2着:マクリ、2枠
3着:3枠
4着:1枠
5着:4枠
6着:4枠
(◎タイトルホルダーだった個人的な反省としては7or8枠の先行馬に本命を打つ時点でレースが全く見えていなかった)

【好走馬】
■1人気1着:5枠9番:牡3歳:イクイノックス:キタサンブラック×欧州型:前走天皇賞秋1人気1着
・中山では皐月賞2着があり、そもそも8枠18番に入った皐月賞/ダービーの2着意外は負けていなかった
・中枠からスタートすると多少行きたがるのを抑え、外からの先行馬をいかせてからスムーズに中団の外を確保した、勝負所では5Fからの加速には惰性で付き合って残り4Fから外から徐々にポジションを上げていくと前から1列目の内から4頭目付近になって直線へ、上がり2位で伸びると2馬身半差の圧勝
・実力はさることながら、本レースでは外枠主導の先行隊列で非常にスムーズに中団外を確保できたことが大きかった印象で、前崩れになったことで終始最内を回れなかった点もそこまでネガティブにはたらかなかった、外枠主導の隊列→外目の差し有利判定をできていれば本命を打てた
■6人気2着:2枠3番:牡3歳:ボルドグフーシュ:Robert系×SS系:前走菊花賞7人気2着
・初の関東遠征で小回りコースの経験もなかった、菊花賞まで6戦連続で上がり最速を使っており、ここでも上がり最速
・内枠から遅めのスタートを切るとすぐさま最内に寄せて後方のインを追走した、向正面に入ると外にいたジェラルディーナと並んでポジションを外目にスイッチした、勝負所では残り4F過ぎから促されると 大きく外をまわしながら一気に捲っていって前から2列目で前にイクイノックスを見る位置から直線へ、イクイノックスの方が末脚は上だったがコーナーでまくった分もあっての上がり最速で2着
・菊花賞では3角10番手、4角4番手で2着していたようにマクリ差しが得意なタイプで勝負所で減速するような前崩れの展開は適性ドンピシャで、内枠だったことで終始距離をロスしなかったのも大きかった
・外枠主導で先行勢には辛い展開を読めていれば、内枠から後方に下げて勝負所でまくれる本馬を評価できた
■3人気3着:3枠5番:牝4歳:ジェラルディーナ:モーリス×ディープインパクト:前走エリザベス女王杯(重)4人気1着
・中山では外回りでオールカマー勝ちがあったが内回りは未出走だった、近走は重賞で6戦連続上がり2位以内だった
・内目の枠から煽って出遅れて後方の外目を追走した、その後もスムーズに馬群の後方外を追走すると勝負所では残り700m付近から促されて進出を開始した、コーナーでは2着馬などに一気に捲られ、本馬はポジションを押し上げられなかったことで、ラストは内を選択し、後方の内目になって直線へ、ラストは上がり3位で伸びると内で垂れる馬たちを尻目にごっつあん気味の3着
・完全に差し有利に乗じての馬券圏内で、内枠から出遅れたことで自然と好走ポジションとなった形、内枠の非先行馬という点だけでも評価して相手に持っておきたかった

【凡走人気馬】
■2人気9着:7枠13番:牡4歳:タイトルホルダー:ドゥラメンテ×欧州型:前走凱旋門賞1人気11着
・前走こそ道悪の凱旋門賞で凡走していたが、それまでは日経賞/天皇賞春/宝塚記念と国内で3連勝しており、前年には有馬記念で8枠16番から5着があった
・外枠からスタートすると押して押して出して行ってハナへ、初速が早くスムーズにハナに立ったが外枠主導の先行隊列となったことで終始プレッシャーをかけられるような形の逃げになった、勝負所では下り坂の残り5Fからラップを加速させると勝負所先頭のまま進めたが、4角までに減速が開始していたことで外の差し馬に捲られる展開、直線では伸ばせず9着敗戦
・外枠から押して出して行って逃げたことに加え、外枠主導の先行隊列だったことで1角に入るまで落ち落ちペースを緩められなかったのも痛かった
・国内では3連勝しており実力は確かだったが、今回分析対象としている過去7年で見ても外枠の先行馬は基本手を出してはいけないゾーン、この要素だけで本命は避けたかった

Gregory

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