今回は宝塚記念にトライ。昨年は◎タイトルホルダーでしたがエフフォーリアも強気に買ってしまったことでトリガミだったレースで、気持ちの良いあたりをしたのは2018年の◎ワーザーまで遡ります。まずはやることをやって、今期のブログ予想初的中といきたいです。
簡単には分析結論をご覧いただければ、ポイントがわかるかと思います。
概要にも記載のように過去2年の2021年、2022年は使用馬場が異なるため分析対象としていません。
レース概要・分析結論
【概要】
過去2年は京都競馬場馬場改修の影響で以下のように開催馬場が異なり、今年は2020年ぶりの通常開催。2021年、2022年は使用馬場が異なるため、傾向は参考外。フルゲートは18頭で斤量は58kg、牝馬2kg減。
・2018年〜2020年
2回阪神が4月中旬で終了し、6月1週目スタートの3回阪神の8日目で行われ、Bコース替わり2週目(3回阪神の8日のうち前半4日がAコースで本レースはBコース替わり4日目)
・2021年、2022年
2回阪神が5月1週まで続き、6月中旬からスタートの3回阪神4日目で行われ、Bコースの2週目(3回阪神はBコースからスタート)
【結論】
■以下の2点から基本的には強力なバイアスが現れるレースで、他のレースと比較しても実力よりも適性を重視したいレースである
・梅雨の時期かつ開催後半であり馬場が悪化していることが多い
・多頭数だと位置取りが自由ではない馬が多い上、阪神内回りで行われ比較的直線が短い
■上記の強力なバイアスは以下のように例年種類が異なり、これを正確に捉えることが的中には不可欠である
・2018年:内差し
・2019年:外先行
・2020年:外差し
基本的には展開は先行or差しの判断に、馬場は内or外の判断に活用されたい(特に内差しや外先行などの展開と馬場が逆のバイアスには注意したい)
■近6年の勝ち馬はいずれも父 or 母父に欧州血統を持っており、雨が降りやすくタフな馬場になることや、若干の下り坂スタートで展開もタフになりやすいことが影響している
過去レース分析
2018年
34.4 – 59.4 – 36.3 :2:11.6 (稍重):16頭
【所見】
■入りの3F5Fともに過去3年で最も早く、上がりは同率で最も遅い36.3、速いペースで入りながら残り1200 – 400mで12.0付近が続く長めのスパートとなったタフな展開でラスト3Fは12.2 – 11.7 – 12.4
■稍重の中ハイペースになり上がりのかかる展開となった影響か、馬券圏内の3頭はいずれも父 or 母父に欧州型の血統を持つ馬で、反対に凡走人気馬はディープや米国型といった血統が目立った
■道悪の中のタフな展開だったものの馬場は内目がまだ使える状況であり、終始最内を回した中団の馬が1.3着し、中団から後方から競馬を進めて勝負所で早めから外目を回したサトノダイヤモンドが人気を裏切る結果となった、馬場読みは非常に重要なファクター
■3連単約50万円と荒れたが好走馬には血統をはじめとした買える理由があり、凡走人気馬には本命は避けたい理由があった、荒れる可能性が高いと判断した際にはトリガミを恐れず手を広げるのも戦い方
【好走馬】
■7人気1着:2枠4番:牡5歳:ミッキーロケット:キンカメ×欧州型:前走天皇賞春9人気4着
・過去には上がりのかかる展開を控えて末を生かす形で好走していたが、近走は先行競馬で敗れていることが多かった
・内枠からスタートすると無理には促さず中団のインを追走した、勝負所では残り500m付近から促されて前の逃げ馬との差を詰めていくと、加速して交わして先頭に立って直線へ、上がり2位で伸びると外から差してきた2着馬を抑えて優勝
・内枠から最内を立ち回ったロスのない競馬で、前にいた逃げ馬が勝負所までは頑張ってくれたことで道ができたのは大きかった
・阪神の内回りには目立った良績がなかったが、(当日の馬場状態を見てだが)内枠と欧州血統という点を評価して持っておきたかった
■10人気2着:7枠13番:セ7歳:ワーザー:欧州型×欧州型:前走香港GⅢ1600m3人気6着
・香港からの参戦で情報は多くなかったがトップジョッキーのボウマンが乗ることもあり注目はされていた
・外枠からスタートするとすぐさま内へ入れて行って道中は後方を追走した、勝負所では徐々に加速しつつも残り600mまで本格的な進出を我慢した、これにより勝負所でのロスは省きつつ後方の外から直線へ、直線では上がり2位だった勝ち馬より0.5速い上がり最速で伸びたが先に抜け出した勝ち馬を差しきれず2着
・内目もまだまだ使える馬場だったことで勝負所で早々外を回すと苦しくなる展開だった中、ロスを省くようなコース取りで末脚を生かし切っての2着、好騎乗
・宝塚記念で道悪、多頭数は荒れる要素が多めと判断し、人気薄、外国馬(情報が少ない)、欧州血統、トップジョッキーなどの要素で抑えておきたかった
■12人気3着:1枠2番:牡5歳:ノーブルマーズ:欧州型×Robert系:前走目黒記念10人気2着
・目立った重賞成績は前走の目黒記念のみだったが、条件戦を含めて長丁場を先行して立ち回る競馬で好走していた
・内枠からスタートすると見せムチもして出して行ったが早めのペースもありポジション取りきれず中団の最内を追走した、その後も終始最内を立ち回ると勝負所から直線では前にいた勝ち馬に完全についていく競馬で、前の2頭には敵わなかったが勝負所で外目を回した人気馬には先着し、漁夫の利的な形での3着
・馬場、前にいた勝ち馬に徹底的についていく競馬、人気馬が勝負所で外を回すロスの多い競馬、と複数のポジティブな要因が重なっての3着好走、こちらも2着ワーザー同様に荒れるとみて、枠と血統などで抑えておけると良かった
【凡走人気馬】
■3人気4着:5枠10番:牝5歳:ヴィブロス:ディープ×米国型:前走ドバイターフ4人気2着
・秋華賞馬で4歳時にはドバイターフ勝ちがあった、どちらかというと末脚を生かしたいタイプ
・中枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながら中団の外を追走した、その後も前半はかかり通しで進めると向正面半ばでようやく落ち着いた、ポジション的には外からサトノダイヤモンドが被せてきて中団馬群の外目になっていた、勝負所では残り600mから促されて外から先にポジション上げていたサトノダイヤモンドについていくようにして中団の外から直線へ、直線でも脚を伸ばしてはいたが前に届かずの4着まで
・良績が1800mにある中で2200mの稍重だったこと、欧州型を持たない血統などから本命は避けたかった
■1人気6着:2枠3番:牡5歳:サトノダイヤモンド:ディープ×南米型:前走大阪杯3人気7着
・菊花賞、有馬記念を勝ち4歳春まではトップホースだったが、フランスから帰国後は遠征前ほどの勢いは感じられていない状況だった
・内枠から出負け気味のスタートを切ると内目には拘らず後方を追走していたが、1.2角で外からポジションを押し上げて向正面入り口では中団外目になっていた、勝負所では残り900m付近から一番外を回しながら進出すると1列目の内から4頭目付近から直線へ、直線では脚が残っていない様子での6着
・ダービー好走ディープが過去の勢いを失った中での1人気では本命は避けたかった、6着に沈んだのは終始外を回すロスの多い競馬だったことも影響大
■2人気8着:8枠16番:牡4歳:キセキ:ルーラーシップ×ディープ:前走日経賞1人気9着
・香港遠征以来となった前走の日経賞でかかり通しで競馬にならず、ここでは控える競馬を試した形
・大外枠からスタートすると折り合い重視で控えて後方の外目を追走した、勝負所でも手綱を抱えたまま回ってくると外には出さず内目を回ったまま残り500m付近から促されて後方のインコースから直線へ、直線では進路がなく外目に出されながら上がり3位で伸びたが8着まで
・血統、近走の不振、人気、などの点で本命は避けたかった
2019年
35.5 – 60.0 – 35.3 :2:10.8 (良):12頭
【所見】
■12頭立てと少頭数だったこともあり過去3年で入りの3F5Fが最も遅く、故に上がりは最速、唯一の良馬場であり勝ちタイムも最速、展開は序盤平均程度で進めると残り4Fから0.4加速して11.6 – 11.5 – 11.4 – 12.4と伸びる高速寄りの4F戦
■馬場は良の発表だったがレース映像からは馬場が掘れて砂煙が上がっており傷んでいた様子で、各ジョッキーのレース後コメントでも「馬場の内が緩かった」とあり内目が良くない馬場だった、一方で展開的には道中平均で4Fから加速するラップであったことで先行勢もキツくはなく、好走にはある程度のポジションが欲しかった
■上記のように馬場は外、展開は前有利だったことで、道中前目で外枠と2つのバイアス有利だった馬が1.3着し、逃げて展開のバイアス有利だった馬が2着した形
■3着スワーヴリチャードは東京向きのタイプでこの点は凡走人気馬レイデオロと同様だったが、外枠からスムーズに立ち回れたことで後は実力で好走したように少頭数だとスムーズに立ち回れる可能性高いことで荒れる可能性は多頭数と比較して少ない(全てのレースに言えることだが)
【好走馬】
■3人気1着:8枠12番:牝5歳:リスグラシュー:ハーツクライ×欧州型:前走QE2世C2人気3着
・当時ですでに前年にエリ女勝ちなどがあった実績馬だったが阪神の内回りは初だった
・大外枠からスタートすると内の様子を伺いながら出て行って逃げ馬の外目2番手を追走した、勝負所でも軽い手応えで上がっていくとラストは2位より0.5速い上がり最速で突き放して3馬身差の圧勝
・後の成績も含めて考えると馬の覚醒が始まっており、1600 – 1800mでそこそこの成績だった馬が距離を延長してよりよい成績になっているあたりから見抜きたかった、また、母父欧州型かつ今回の馬場で外枠というのも買い材料だった
■1人気2着:1枠1番:牡5歳:キセキ:ルーラーシップ×ディープ:前走大阪杯2人気2着
・川田とのコンビを組んでからGⅡ、GⅠで5戦中4戦で馬券圏内に来ていたタイミングでの参戦、前走大阪杯でも勝ちに等しい内容の競馬でここでは1人気だった
・最内枠からスタートすると押して押してハナへ、道中はしっかり折り合ってマイペースに近い逃げを打った、勝負所ではラップに現れているように残り4Fから加速していくと先頭で直線へ進入し上がり3位を使ったが番手で控えた勝ち馬に差されての2着
・GⅠでも安定して好走していた馬で、テンこそ遅いタイプだったが他に逃げ馬がいなかったことでマイペースな逃げを打てたことが大きかった印象で、この展開を見抜いてしっかり馬券に組み込んでおきたかった
■6人気3着:8枠11番:牡5歳:スワーヴリチャード:ハーツクライ×米国型:前走ドバイSC3人気3着
・阪神内回りでは前年に大阪杯勝ちがあった
・外枠からスタートすると出て行って好位の外目で勝ち馬をマークする位置を追走した、勝負所でも勝ち馬を追いかけるように上がっていくと上がり2位で先に内目から抜け出しにかかっていたアルアインを交わして3着
・右回り、内回りなど得意とは言えない要素も多く、血統的にも向くタイプではなかったが頭数も少なかったことで馬場有利な外目を比較的スムーズに立ち回り、あとは実力で好走した形
【凡走人気馬】
■2人気5着:2枠2番:牡5歳:レイデオロ:キンカメ×Robert系:前走ドバイSC1人気6着
・GⅠ2勝含めた馬券圏内が4度あった実力馬だったが、後の成績を鑑みると衰えが始まったタイミングだった、ダービー馬であり、明確に小回り、内回りより大箱コースでというタイプだった
・内枠からスタートすると中団のインコースを追走した、道中しっかり折り合って進めるとインのコース取りのまま勝負所から直線へ、直線では懸命に脚を伸ばしていたが5着まで
・東京向きのタイプでコースが向いていない中で内目が悪い馬場での内枠、それなりに流れたペースが向いたタイプながら前も楽な展開では全てが本馬には向かなかった、この辺りの要素で本命には指名したくなかった
2020年
34.6 – 60.0 – 36.3 :2:13.5 (稍重):18頭
【所見】
■発表こそ稍重だったがレース直前の大雨の影響もあり馬場はかなり水分を含んでいた、中盤こそ緩んだが序盤の3Fが12.3 – 10.9 – 11.4と速く入ったことで先行勢には厳しいタフで上がりのかかる展開になりラスト3Fは11.9 – 12.1 – 12.3とゴールへ失速する展開
■好走馬いずれも外目の枠から道中及び勝負所で終始外目を周った差しの組であった一方で、凡走人気馬はいずれも馬場の悪い内目を通らされた馬であり、展開と馬場が圧倒的に外差しの組に向いたことがそのまま結果として出た形→強力なバイアス発生時には実力やイメージではなく、とにかく向く馬から買うべきレース
【好走馬】
■2人気1着:8枠16番:牝4歳:クロノジェネシス:バゴ×クロフネ:前走大阪杯4人気2着
・稍重の秋華賞勝ち、重の京都記念勝ちと共に京都ではあるが、内回り及び道悪への適正を示していた
・外枠からスタートすると馬なりで出て行って枠なりに中団の外目を追走した、そのまま道中は終始外を追走すると勝負所残り800mから進出を開始、1列目の内から5頭目付近から直線へ進入するとすぐさま抜け出して優勝、2位より0.9速い上がり最速だった
・適正問われる道悪、内目が良くない馬場、差し向きの序盤速い展開などが、父欧州型で外枠からスタートした本馬に全て向いた形での圧勝、これらを読みきれていれば本命が打てた
■6人気2着:7枠14番:牡6歳:キセキ:ルーラーシップ×ディープ:前走天皇賞春3人気6着
・前年の2着馬とリピーターだったがフランスでの凱旋門賞から帰国後は有馬記念、阪神大賞典、天皇賞春と結果を出せていなかったことで6人気となっていた
・外枠から出負け気味のスタートを切ると控えて枠なりに後方の外を追走した、向正面に入ると外目を進出していき3角では勝ち馬の外の位置を確保した、そのまま勝負所に入って大外からポジションを上げていくと1列目の大外から直線へ、勝ち馬を追いかけて上がり2位を使ったが突き放されての2着、3着は5馬身離している
・3歳時には不良の菊花賞を勝っているように道悪の差し競馬は向くタイプだが、そもそもここで差しに回る競馬をすることを読めるかどうかだった、距離短縮、外有利な馬場で外枠に入った時点でこの競馬をすることを読めていれば高評価することができた
■12人気3着:6枠12番:牡4歳:モズベッロ:ディープ系×StormCat系:前走天皇賞春5人気7着
・脚の遅いタイプでこの先には大雨の大阪杯でコントレイル、グランアレグリアらに先着しての2着があったことを考えると道悪への適性はかなり高かった
・中枠外目からスタートすると内目は意識せずに中団後方の外を追走した、向正面でペースが緩むと勝ち馬の後ろの位置を追走し勝負所では追いかけるように加速していった、コーナーで少し遅れをとったが中団前目の外から直線へ進入すると人気馬サートゥルナーリアと叩き合いになったが最後は競り落としての3着
・買えた要素としては道悪と外目の枠のみで、荒れると見れば傾向に合致する馬は実力足らないタイプでも抑えておきたい
【凡走人気馬】
■1人気4着:3枠5番:牡4歳:サートゥルナーリア:ロードカナロア×SS系:前走金鯱賞1人気1着
・高速上がりが使えるタイプだった一方で有馬記念ではタフな差し競馬で差し込んできており、上がりがかかる展開も苦にするタイプではなかった
・内目の枠からスタートすると中団のインを追走した、勝負所では外からポジションを上げて行った馬が多く相対的に一度ポジション中団後方まで下げると残り600m付近から外目にスイッチされて中団の外から直線へ、直線では馬場の良い外目に出されつつ3着馬と叩き合いになったが競り負けての4着
・それなりに脚を使っての4着だったことを考えると道悪自体よりは馬場の悪い内目を通らされた影響が大きかった印象で内枠の時点で幾分評価を下げたかった
■3人気6着:6枠11番:牝5歳:ラッキーライラック:オルフェーヴル×米国型:前走大阪杯2人気1着
・スピード能力を活かした先行抜け出しができることが強みだった馬でタフな展開よりは器用さが活かせる展開に向いていた
・中枠からスタートすると出て行って先行の馬群(内から2頭目)を追走した、勝負所では比較的早めから促されると外目にスイッチされて1列目の内から3頭目から直線へ、直線では内目を通ると脚を伸ばしきれず6着まで
・枠は内すぎず悪くはなかったが先行できる脚質だったことで序盤の先行争いに飲まれて勝負所まで終始馬場の悪い内目を通らされたことの影響が大きかった印象で、序盤速い展開とタフな馬場で外差しに向くことが読めていれば本命は避けられたか
2021年(使用馬場異なるため非分析対象)
2022年(使用馬場異なるため非分析対象)
Gregory