有馬記念の各馬分析9頭目はレガレイラ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
レガレイラ:牝3歳:スワーヴリチャード×ハービンジャー:前走エリザベス女王杯1人気5着:戸崎
結論
■直線で激しく他馬とぶつかる不利のあった前走を除いてはキャリア全戦で上がり最速を使っているように現役屈指の鋭い末脚が武器、スタートが速くなく二の脚が遅いため4角で中団以降にいる競馬が続いており、先行馬が楽をする展開よりはある程度上がりを要して差し届く展開が好ましい
■エリザベス女王杯時にはレース前に陣営が「春と比べてスタート後の1、2歩目の出方は良くなった(後略)」とコメントしており、実際にこれまでと比較して五分にスタートを切れていたことから、スタートに関しては改善の方向にあると考えたい
■皐月賞以降はいずれも2人気以内に推されながら5, 6着に敗れているが、いずれも展開が向かなかったり不利を受けていることを考えると、武器である末脚で5, 6着まで追い込んできていることは力の証明であり、巻き返す余地は十分にある
■スローペースから後半4F程度が速くなる内前有利な展開となるとどうかも、1人気になるであろうドウデュースが向正面の早め早めから仕掛けて前を掃除する展開になれば連れて差し込むシーンがあっても良い、また、追走で苦労することを考えると序盤から流れて時計決着になった皐月賞のようなレースよりは、勝ち時計が遅くなるような長距離のスローペースの方が向く、唯一の3歳牝馬で斤量54kgも魅力で、2戦続けて1倍台の1人気だった本馬が一気に人気を落とすここは狙い時では、展開一つ
全レース分析
2歳
【1】函館1800m新馬:1着:ルメール
・追い切りは函館のW主体で最終のみ芝、1週前には重馬場のWで66.4 – 12.3が出されていた
・レースは開催10日目(Bコース2日目)の馬場の中37.5 – 62.5 – 34.9の後傾2.6で、道中をスローで進めると、ラストは残り3Fから0.4加速して12.0 – 11.4 – 11.5とゴールまでほとんど加速するラップ
・ゲートでの駐立が悪く外目の枠から出ないようなスタートで出遅れると控えて中団後方の外を追走した、1, 2角ではややポジションを上げて向正面では中団外の追走となっていた、勝負所では残り3Fから促されて中団の大外から直線へ、直線ではゴールまで楽な様子で伸びるとラストは2位より0.8速い上がり最速34.3で差し切って完勝、ここでは力が違った
【2】アイビーS(L)(東京1800m):3着:3ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前には65.5 – 11.7が馬なりで出されて併せ遅れていた
・レースは開催6日目(Aコース6日目)の馬場の中37.7 – 63.1 – 33.1の後傾4.6で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.6加速して12.0 – 11.2 – 10.9 – 11.0と伸びる超高速上がり戦
・6頭立ての3番枠から出負け気味のスタートを切ると馬なりで中団の外を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り3Fから徐々に促されて中団前目の外から前に勝馬を見て直線へ、直線では外目をスムーズに追われてラストは上がり最速32.7で鋭く伸びたが、直線入口での差を詰められず3着まで、力負けではない
【3】ホープフルS:1着:2ヶ月:ルメール
・陣営は「前回は調教でへこたれる面があったが、今回は強い負荷をかけても余裕を持ってクリアしている」とコメントしていた、追い切りはW主体で1週前までに速めのところを済ませて、当週は終い重点で併せ先着していた
・レースは開催9日目(Aコース9日目)の馬場の中35.4 – 60.0 – 35.9の前傾0.5で、道中を馬場と馬齢を考えるとややハイペースで進めると、ラスト4Fは12.1 – 12.4 – 12.0 – 11.5とゴールへ加速するようなラップで伸びる展開
・外枠から出ないようなスタートで出遅れると控えて後方の外を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、3角では後方の馬群の位置取りとなると勝負所では外目の馬群を押し上げて行って中団後方の大外になって直線へ、直線ではスムーズに手前を替えてグイグイと伸びると余裕を持って差し切っての完勝
・レース後鞍上は「ゲートの中でチャカチャカしてタイミングが合わず後方からになりましたが(後略)」とコメントしていた
3歳
【4】皐月賞:6着:3ヶ月半:北村宏
・追い切りW主体で1週前に負荷をかけて当週は終い重点のパターン
・レースは34.2 – 57.5 – 35.8の前傾1.6で、前半11.8以下が続くハイペースで進めるとラスト4Fは12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.0と加減速少ない展開で1:57.1のコースレコード
・中枠から出負け気味のスタートを切ると外へ寄せて後方馬群の外目を追走した、道中はポジションを変えず、勝負所では残り700m付近から徐々に促して行ったが直線入り口までの進路取りはスムーズではなく、4角では他馬と接触して外に弾き飛ばして後方外目から直線へ、直線では進路を求めて外へ外へ出されて追われたが前には迫りきれず、上がり最速33.9を使ったが6着まで
・レース後鞍上は「ゲート裏でテンションの上がるところがありましたが、駐立までには整いました。1歩目が速くなくて、他馬に入られて、後方になりました(中略)4コーナーで少しもたれながらも伸び始めましたが、思ったより苦しい伸びでした」とコメントしていた
・3, 4角では進路取りがスムーズではなく一度追うのをやめられた区間があり、この辺りからゴールまでの進路次第では0.2秒ほどは詰められたのでは
【5】日本ダービー:5着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体でいつものパターンで、1週前にはジョッキーを乗せていた
・レースは開催12日目でCコース2日目の馬場の中36.3 – 62.2 – 33.8の後傾2.5で、前半をスローで進めるとラストは残り5Fから1.0加速して11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・内枠からこれまでと比較すると良いスタートを切ると出て行って中団のインを追走した、1, 2角ではスローペースの馬群でやや行きたがって手綱と喧嘩するところを見せていた、道中は外からポジションを押し上げる馬がおり3角では後方のインコースの位置取りとなった、勝負所では外目の進路をうかがったが開かず、4角までに最内に戻して後方のインから直線へ、直線では大外まで出して行って追われるとゴールまでしっかりと伸びて上がり最速33.2を使ったが内前から抜け出した組には迫れず5着まで
・レース後鞍上は「いつも通りスタートが悪くて、2番枠もあってポジションが取れなかった。ペースが遅くて、後ろからでは難しかった。よく伸びてはいるけど、こういうペースで差し切るのは大変です」とコメントしていた
・結果論ではあるものの、タイプを考えると、スタミナも問われるようなオークスの方が向いていた
【6】ローズS(中京2200m)(稍重):5着:3ヶ月半:ルメール
・陣営は「夏を越して体が大きくなり、気性も穏やかになってきた」とコメントしていた、追い切りはW主体で1週前に負荷をかけて当週は終い重点のいつものパターンで、1週前には自己ベスト64.4 – 11.5が出されていた、馬体は休み明けで+10kgしていた
・レースは開催12日目(Bコース2日目)で明け方の雨で稍重となった馬場の中36.1 – 60.3 – 35.6の後傾0.5で、道中は逃げ馬が2番手以下を離して平均からややハイペースで進めると、ラスト5Fは12.1 – 11.9 – 11.9 – 11.8 – 11.9と加減速の少ない展開で4角6番手以内の馬が1-4着を占める先行決着
・大外枠から出負け気味のスタートを切ると控えて最後方から、向正面では内へ寄せず最後方の外目を追走していた、勝負所では残り700m付近から徐々に促して行って後方の大外から直線へ、直線では相変わらずグイグイとゴールまで伸びたが、4角での距離ロスや入口時点での前との差が絶望的であり、2位より0.4速い上がり最速を使ったが届かずの5着
・レース後鞍上は「いつも通りスタートは速くなくて、15番枠でいいポジションを取れませんでした。途中はいい感じでしたが、ペースが速くなって、中京では後ろからは難しいです」とコメントしていた
【7】エリザベス女王杯:5着:2ヶ月:ルメール
・陣営は「春と比べてスタート後の1、2歩目の出方は良くなったが、位置取りの差が響いた」とコメントしていた、追い切りはW主体も最終でも速めの時計が出されるこれまでとは異なるパターン、初の関西遠征
・レースは開催12日目(Bコース4日目)の馬場の中35.2 – 59.6 – 34.4の後傾0.8で、前半の5Fを平均からやや速めのペースで進めると1000-1400mを12.5 – 12.6と緩めて、ラストは下り坂の始まる残り4Fから0.6加速して12.0 – 11.7 – 11.1 – 11.6と伸びる展開
・中枠内目から本馬としては良いスタートを切ると出て行って中団の馬群を追走した、序盤にいつもよりは出して行っていたが道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では馬群で加速に付き合って馬群の内目を走ったまま中団から直線へ、直線では狭い進路に突っ込んで両側の馬とぶつかる不利があり、ぶつかって以降は7分の追いのままゴールしての5着
・レース後鞍上は「(前略)いいスタートをしましたが、いつも通りの走り方で、後ろすぎました。直線ではちょっとぶつけられて、スムーズな競馬ができず、アンラッキーでした。絶対にGIレベルの馬です。いい騎乗ができませんでした」とコメントしていた
結論(再掲)
■直線で激しく他馬とぶつかる不利のあった前走を除いてはキャリア全戦で上がり最速を使っているように現役屈指の鋭い末脚が武器、スタートが速くなく二の脚が遅いため4角で中団以降にいる競馬が続いており、先行馬が楽をする展開よりはある程度上がりを要して差し届く展開が好ましい
■エリザベス女王杯時にはレース前に陣営が「春と比べてスタート後の1、2歩目の出方は良くなった(後略)」とコメントしており、実際にこれまでと比較して五分にスタートを切れていたことから、スタートに関しては改善の方向にあると考えたい
■皐月賞以降はいずれも2人気以内に推されながら5, 6着に敗れているが、いずれも展開が向かなかったり不利を受けていることを考えると、武器である末脚で5, 6着まで追い込んできていることは力の証明であり、巻き返す余地は十分にある
■スローペースから後半4F程度が速くなる内前有利な展開となるとどうかも、1人気になるであろうドウデュースが向正面の早め早めから仕掛けて前を掃除する展開になれば連れて差し込むシーンがあっても良い、また、追走で苦労することを考えると序盤から流れて時計決着になった皐月賞のようなレースよりは、勝ち時計が遅くなるような長距離のスローペースの方が向く、唯一の3歳牝馬で斤量54kgも魅力で、2戦続けて1倍台の1人気だった本馬が一気に人気を落とすここは狙い時では、展開一つ
Gregory