天皇賞秋の各馬分析4頭目はリバティアイランド。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
リバティアイランド:牝4歳:ドゥラメンテ×Robert系:ドバイSC(ドバイメイダン2410m)1人気3着:川田
結論
■圧倒的な能力で3冠を制し2400mのオークスでは6馬身差で圧勝したが、阪神JFでは33.7 – 57.0のスプリントに近いラップを中団で追走していたり、桜花賞では後方から上がり最速32.9でキレたところを見ても2000mを中心に2400mよりは1600m寄りに適性がある、オークス、ジャパンC、ドバイSCもその能力で好走した形だが、本来はキレる脚を活かせる1800-2000mがベスト
■上記の適性と能力を考えると東京2000mは良い舞台で、不安があるとすれば状態と馬場くらい、前走のドバイSC後には右前種子骨靭帯炎が判明しておりここは怪我明けとなるため状態の注視は必須、また、キレる脚が武器であることからも道悪よりは良馬場が理想、この辺りはしっかり見ながらではあるものの基本は勝ち負け、上記の不安が軽ければ重い印で
全レース分析
2歳
【1】新潟1600m新馬:1着:川田
・陣営は「ケイコは動いている。それでもまだ走ることに集中し切れていない感じで」とコメントしていた、追い切りは芝と坂路とWの併用で併せ馬も行われていた
・レースは開幕初日の馬場の中38.2 – 63.8 – 32.0の後傾6.2で、道中を新馬らしいドスローで進めると、ラストは残り3Fから1.6加速して10.9 – 10.2 – 10.9と10秒台3連発の超高速上がり勝負の展開
・内枠から遅めのスタートを切ると控えて中団の内目を追走した、スローペースだったが、道中はしっかりと折り合えていた、勝負所では直線に入ってからの残り3F手前から促されると、進路を求めて外へ出して追い出した、ラストはノーステッキで2位より0.7速い上がり最速で抜け出して優勝
・まだトップスピードに入っていないような感じで、ここでは力が違った
【2】アルテミスS:2着:3ヶ月:川田
・追い切りはWと坂路の併用で時計は終い重点だった、初の関東遠征
・レースはBコース替わり初日の馬場の中35.8 – 60.0 – 33.8の後傾2.0で、道中をスローペースで進めるとラストは残り3Fから0.8加速して11.4 – 11.0 – 11.4と伸びる展開で、上がり上位の2頭でのワンツー決着
・内枠から頭を上げるようにしてスタートを切ると控えて中団の馬群を追走した、道中は馬群で控えたことで手綱と喧嘩するような所があった、勝負所では外目へ誘導されたが外に馬がおり進路がない状態で中団後方の外目から直線へ、直線では詰まって外の2頭を行かせてから残り300mからムチも入れて追われると伸びて前に迫ったが先に抜け出した1着馬を交わせずに2着まで、上がりは2位で33.3
【3】阪神JF:1着:1ヶ月半:川田
・追い切りは芝と坂路とWの併用で、中間には坂路での自己ベスト52.9 – 12.1が出され、当週にはWでも自己ベスト82.0 – 66.5 – 11.5が出されていた
・レースは33.7 – 58.0 – 36.1の前傾2.4で、序盤をかなり飛ばして入ると800-1000mで11.8と相対的に緩んで、ラストは残り3Fから0.7加速して11.1 – 12.5 – 12.5と上がりかかる展開、先行馬には厳しいペースで4角8番手以下の馬が圏内を独占した
・中枠からスタートするとある程度出して行って中団の外を追走した、道中は前のラップが緩んだ所で自然と前との差が詰まる形になり、4角では中団前目の外になって直線へ、直線では一頭だけが伸びているように見えるほどの圧倒的な脚で伸びて2馬身半差の快勝
・前の2走とは異なり上がり最速馬でも35.0かかるようなタフなマイル戦だったが、置かれることなく追走し、直線でも伸びた
3歳
【4】桜花賞:1着:4ヶ月:川田
・追い切りは坂路とWの併用で、2週前の坂路では自己ベスト52.4 – 11.9が出されていた、1週前当週はWで終い重点の時計だった、4ヶ月間隔をあけてのこの調整はあくまで次を見据えた作りという印象
・レースは34.0 – 57.6 – 34.5の前傾0.5で、序盤3Fを速めに入ると600-1000mを11.9 – 11.7と比較的緩め、ラストは残り3Fから0.3加速して11.4 – 11.3 – 11.8と伸びる展開
・内枠から遅めのスタートを切ると控えて後方のインを追走した、勝負所では残り3F手前で外の馬を行かせてから外へ出すように促されると後方の大外になって直線へ、直線ではグイグイと伸びて前に迫るとラストは2位より0.7速い上がり最速32.9で伸び切って好位から抜け出しにかかった2, 3着馬を交わして優勝
・内前から粘り込んだ馬が圏内に残していることを考えても決して展開が向いていた訳ではなかったが、2位より0.7秒も速い上がり最速を使っているように性能で差し切った
・レース後陣営は「管理する上で体の成長を促しながら脚元に気をつかい、爪の不安もありましたので、ポイントポイントでは難しいところもありました」とコメントしていた
【5】オークス:1着:1ヶ月半:川田
・陣営は「1度使われたことで動きがシャープになり、もう1段階良くなっています」とコメントしていた、追い切りは坂路とWの併用で、時計は終い重点、当週のみ併せ馬が行われていた
・レースは35.1 – 60.0 – 35.1の前後傾フラットで、序盤こそやや緩んだものの残り7Fからは12.0が続く持続的な流れ、ラスト4Fは12.0 – 12.0 – 11.6 – 11.5と勝ち馬が抜け出して加速するラップ
・内枠からスタートすると中団の馬群を追走した、道中は内目が開いていたがひたすら外へ外へと誘導するような形で、やや頭を上げるような所もあったが全体を通しては折り合いの中だった、勝負所では残り700m付近から促されて中団馬群から外へ出されるような形で直線へ、直線では馬なりに近い形のまま前を射程圏に入れると、残り400mから追い出しに入った、ラストは上がり最速34.0の脚で悠然と抜け出して6馬身差の圧勝、圧倒的な能力
【6】秋華賞(稍重):1着:5ヶ月:川田
・追い切りはWと坂路の併用で、1週前には自己ベスト81.5 – 65.9 – 11.0で併せ先着していた、陣営は「休み明けを苦にするタイプではなく、関係者と相談して秋華賞への直行を決めた」とコメントしていた、休み明けで馬体は+10kgしていた
・レースは稍重の中36.4 – 61.9 – 34.0の後傾2.4で、道中をスローペースで進めるとラストは残り4Fから0.6加速して12.3 – 11.6 – 11.0 – 11.4と伸びる高速4F戦
・内目の枠からスタートすると出して行って外へプレッシャーをかけながら中団前目の外を追走した、スローペースだったが道中はしっかり折り合えていた、向正面では残り5F付近で外があいたタイミングですかさず促し3角では中団前目の一番外の位置へ、その後残り3Fからもう一つ外へ出されると進出して外から先頭に立って直線へ、直線では伸びて他馬を離すとラストは2着馬に迫られたが1馬身のリードを保って優勝、ラストは鞍上がやや抜いており、もう少し着差がつく余力はあったか
・4角では一時逆手前でコーナリングしていた
【7】ジャパンC:2着:1ヶ月半:川田
・陣営は「休み明けを1度使って、秋華賞当時よりも状態は上がってきている」とコメントしていた、追い切りは併用で、当週には自己ベスト80.7 – 65.5 – 11.0が馬なりで出され併せ先着していた、追い切りの様子からも前走より状態は上がっているようだった
・レースはパンサラッサが逃げる展開で35.5 – 57.6 – 36.5の前傾1.0で、目測で2番手以下は36.5 – 60.2程度の入り、4角6番手以内までの馬が1-5着を独占する先行決着
・最内枠からスタートすると隣のイクイノックスを行かせて1角までにその後ろのポジションを強気に確保して中団前目の内でイクイノックスを見る位置を追走した、道中は2番手のタイトルホルダーがペースを落としてスローになっているように見えた、勝負所では残り700m付近から促していくとイクイノックスを追いかけるようにして直線へ、直線では本馬なりに脚を伸ばして上がり5位で伸びたが勝ち馬には4馬身離されての2着
・斤量差が4kgありながら勝ち馬には離されておりここは力の差が明白になったが、得意とは言えない2400mの距離でもしっかり脚を伸ばしており、自身の力は示した
・レース後陣営は「戻ってきて見たら走り切ったという顔をしていました」とコメントしていた
4歳
【8】ドバイSC(ドバイメイダン2410m):3着:4ヶ月:川田
・追い切りは併用で、近走と比較すると時計は終い重点だった、国内での最終追い(レースから逆算すると1週前追い)となった3/19(火)には坂路で自己ベスト52.0 – 11.7が出されていた
・レースは動画で見る限り入りの5F通過が63秒台のスローペースだった
・外目の枠からスタートすると中団の外を追走した、道中はしっかり折り合えているように見えた、勝負所では前の3頭が後続を離すような馬群になり、本馬は中団後方の大外から直線へ、直線ではメンバー中最速に見える末脚で伸びたが、4角で後ろを離した3頭のうち2頭には及ばずの3着
・スローペースながら4角で前が後続を離す形の展開で4角で中団後方の大外にいた時点で展開を味方につけられておらず、ペースを考えると4角をもう少し前で迎えたかった
・この後右前種子骨靭帯炎が判明し、4歳春シーズンは全休となった
結論(再掲)
■圧倒的な能力で3冠を制し2400mのオークスでは6馬身差で圧勝したが、阪神JFでは33.7 – 57.0のスプリントに近いラップを中団で追走していたり、桜花賞では後方から上がり最速32.9でキレたところを見ても2000mを中心に2400mよりは1600m寄りに適性がある、オークス、ジャパンC、ドバイSCもその能力で好走した形だが、本来はキレる脚を活かせる1800-2000mがベスト
■上記の適性と能力を考えると東京2000mは良い舞台で、不安があるとすれば状態と馬場くらい、前走のドバイSC後には右前種子骨靭帯炎が判明しておりここは怪我明けとなるため状態の注視は必須、また、キレる脚が武器であることからも道悪よりは良馬場が理想、この辺りはしっかり見ながらではあるものの基本は勝ち負け、上記の不安が軽ければ重い印で
Gregory