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ライラック 【有馬記念2023】

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

ライラック:牝4歳:オルフェーヴル×キンカメ:エリザベス女王杯4人気4着:戸崎

結論

■長く使える持続的でパワフルな末脚が武器で、瞬発力勝負よりも上がりかかる展開の方が歓迎のタイプ、紫苑S・エリザベス女王杯2022・日経賞など4角で番手を挙げていることが多いようにコーナーで加速できる良好なコーナリング性能があるため上がりが36秒以上かかってコーナーでまくれるような展開がベストか
■2走前には馬体が+18kgしていたようにここ2戦に見る成長は著しく、2走前の府中牝馬Sでは早めスタートから馬なりで中団を確保し、得意とは言えない休み明け・高速上がりの条件ながら上がり33.0を使って好走し、前走のエリザベス女王杯2023では展開が向いたとは言えない中でキャリア初の上がり最速を使って4着、馬が本格化のタイミングに入っている
■日経賞のレース後鞍上が「最後はもう少し来ると思いましたが、久々の分、苦しくなってしまいました」とコメントしていたように2走前に休み明けで結果を出したとは言え、基本的には叩いてからの方がパフォーマンスをアップさせる馬であり今回の叩き3走目はエリ女2022好走時と同じパターン、上記の強みから上がりがかかってまくる差し競馬になれば前進は必至で穴をあける可能性あり、しっかり評価する

全レース分析

2歳

【1】東京1800m新馬:1着:デムーロ
・追い切りはW主体で週末坂路で時計は全て終い重点、併せ馬での先着が目立っていた
・レースは38.2 – 63.7 – 34.2の後傾4.0で、序盤ドスローで進めると残り3Fから1.1加速して11.1 – 11.4 – 11.7という展開
・中枠からスタートすると若干ハミと喧嘩しながら好位の馬群を追走した、道中では残り6F付近からは落ち着いて追走していた、勝負所ではほとんど馬なりのまま前に並びかけていって好位から直線へ、残り400m手前から促されると残り200m手前で抜け出して先頭、ラストは流す余裕もあり、上がり2位で優勝

【2】京都2歳S(阪神2000m):8着:1ヶ月半:デムーロ
・追い切りは初戦と同じくW主体の週末坂路での調整で、1週前には自己ベストの6F82.6 – 66.3 – 11.8が出されていたが併せ馬で遅れていた、最終追い切り含めてデビュー戦より負荷が上げられていた、1週前追い切りについて陣営は「正直余力がなかったが(中略)」とコメント、初の関西遠征で馬体は-10kgしていた
・レースは37.5 – 62.8 – 35.7の後傾1.8で序盤スローで進めると残り4Fから0.4、残り3Fから0.5加速して12.2 – 11.7 – 11.6 – 12.4という展開
・中枠からスタートすると落ち着いて中団馬群を追走、向正面に入ると促されながら追走しており意図的に外目に出されていた、勝負所では残り700m付近から外から上がっていくと更に外から勝ち馬も並んで上がってきて被されて前から2列目の内から4頭目付近になって直線へ、直線では伸ばせず8着敗戦
・デビュー2戦目で遠征して牡馬相手の阪神2000mは少々タフで、まだまだ体力が足りない様子だった

3歳

【3】フェアリーS:1着:1ヶ月半:デムーロ
・追い切りは前2走と同様、陣営は前走について「馬運車に乗る時やゲート入りをごねて気持ちが乗っていなかった」とコメントしており、敗因には遠征があった
・レースは35.5 – 59.9 – 35.3の後傾0.2で、序盤ミドルペースで進めると残り3Fから0.5加速して11.8 – 11.6 – 11.9という展開、前2戦の入り3Fが38.2、37.5だった本馬にとっては一気にペースアップした形
・中枠から外にヨレるように出遅れると最後方を追走した、道中では残り4F手前から外から徐々に番手を上げて残り3F地点では中団の外目を追走していた、その後中団の大外から直線へ進入すると上がり2位で伸びて優勝
・レース後鞍上からはゲートに入る前は落ち着いていたが、入ってからはイライラして出遅れたとの旨のコメントが出されていた

【4】桜花賞:16着:3ヶ月:福永
・追い切りはWで入念に乗り込まれていた、最終追い切りは5F時計が自己ベストの6F82.7 – 65.2 – 11.8が出されていたが併せ馬は遅れていた
・レースはイン有利な馬場状態の中34.6 – 58.8 – 34.1の後傾0.5で、入りの3Fを軽快に飛ばした後12.2 – 12.0と緩めて、残り3Fから0.9加速して11.1 – 11.5 – 11.5と伸びる展開
・中枠から出遅れると後方の内目を追走した、4角では後方のまま外目に出されるも相対的には全く差を詰められず16着敗戦
・レース後鞍上は「ゲート内で何回か後ろにもたれて、後ろに下がったタイミングで(ゲートが)開いてしまった」とコメントしていた

【5】オークス:11着:1ヶ月半:横山和
・追い切りは同様
・レースは35.3 – 60.6 – 34.8の後傾0.5で前半ミドルペースで進めると、残り4Fから0.5加速して11.6 – 11.3 – 11.7 – 11.8と4F戦の様相でラストはゴールへ失速するラップ
・外目の枠からゲートでの駐立よくなく若干出遅れると後方を追走した、勝負所では残り3F手前から外に出されて後方から直線へ、直線では馬が内へヨレようとするのを外へ外へ矯正しながらで、本馬なりに脚は使っていたが好位や中団から抜け出した馬には迫れず11着敗戦

【6】紫苑S:3着:3ヶ月半:戸崎
・追い切りはいつものパターンで美浦に来る前には函館で乗られていた、休み明けで馬体は+8kgしていた
・レースは35.9 – 60.8 – 35.1の後傾0.8で、前半は平均からややスローの展開で進めると残り4Fから0.6加速して11.7 – 11.4 – 11.4 – 12.3と伸びる高速4F戦で器用さも求められる先行有利な展開
・中枠から五分のスタートを切ると中団後方の外を追走した、勝負所では残り700m付近から促され始めると残り500mから追い出しを開始し中団外から直線へ、直線では上がり2位を使ってゴールまでしっかり伸び切っての3着
・春までは非力な印象だったが、ここでは先行有利な展開でもラストまで伸び続ける脚を使って前に迫っており、夏を越して逞しい末脚を使えるようになっている
・本レースにしてもフェアリーSにしても迫力ある加速でコーナリングしてきており、中山でまくる競馬への適性は高そう

【7】秋華賞(阪神2000m):10着:1ヶ月:デムーロ
・追い切りは2週前1週前とWで速めの時計が出されて最終は坂路で単走、最終追いが坂路で行われるのも単走で行われるのも初めてであり輸送が考慮されていた
・レースは35.7 – 59.7 – 34.8の後傾0.9で、前半はミドル程度のラップで進めると残り4Fから0.5加速して11.8 – 11.5 – 11.5 – 11.8と伸びる高速4F戦で、前哨戦の紫苑Sに似たラップだった
・内枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながらで最後方を追走した、勝負所では残り3F過ぎから大外をまわして後方の一番外から直線へ、上がり2位を使ったが前には全く迫れずの10着
・レース後鞍上は「スタートは出たけどかんでしまい、少し(手綱を)引いたら後ろになりすぎてしまった」とコメントしていた

【8】エリザベス女王杯(重):2着:1ヶ月:デムーロ
・1ヶ月と詰まった間隔だったが追い切りでは1週前に自己ベスト6F81.2 – 64.9 – 11.6が出され、最終追いは坂路で単走終い重点だった、1ヶ月間隔での関西への再輸送だったが馬体は+6kgしていた
・レースは重馬場の中35.3 – 60.3 – 36.4の前傾1.1で、前半は重馬場としては平均から若干速めのペースで進めると残り4Fから0.4加速して11.8 – 11.9 – 12.3 – 12.2と徐々に失速するようなラップ(ラスト1Fは勝ち馬が伸びきってのもの)
・外枠からスタートすると後方の外を追走した、向正面に入ると前にいた勝ち馬をしっかりマークしての追走となった、勝負所では残り4F付近から促されると勝ち馬についていって後方外から直線へ、上がり2位を使ってゴールまでしっかり伸びると自分より前から伸びた勝ち馬には及ばなかったが同着での2着を確保
・レース後鞍上は「パンパンの馬場よりも今回のような柔らかい馬場の方が良かったです」とコメントしていた
・父オルフェーヴルらしいパワフルな末脚で上がりがかかる展開への適正が高い

4歳

【9】日経賞(不良):4着:4ヶ月半:デムーロ
・追い切りは全てWで併せ馬も盛んに行われていた、陣営は「長く脚を使うので条件は合うし、雨が残ればプラス」とコメントしており、道悪への適性や長く使える脚を強みと認識している
・レースは不良馬場の中序盤スローで進めるとラスト4Fは12.4 – 12.5 – 11.9 – 12.4と残り2Fからの加速が大きな展開(圧勝した逃げ馬タイトルホルダーのラップだが)
・内目の枠から若干出遅れ気味のスタートを切ると最後方を追走した、道中は向正面からスピードアップし、勝負所では残り3F手前から外から進出を開始した、中団の外から直線へ進入すると上がり2位で伸びたが前を飲み込めず4着まで
・レース後鞍上は「最後はもう少し来ると思いましたが、久々の分、苦しくなってしまいました」とコメントしており、叩いてからの方がパフォーマンス出せるタイプである
・ここでも勝負所ではコーナーで加速して番手を上げており、中山でのまくり性能が高い

【10】目黒記念:9着:2ヶ月:デムーロ
・追い切りはW主体で併せ馬も盛んに行われていた、陣営は「今週はほれぼれとする動きだった」とコメント、ハンデ56kg
・レースは前半スローで進めると残り6Fから0.6加速して12.0 – 11.7 – 11.7 – 11.2 – 11.3 – 12.0と伸びる展開(上がり34.5)
・内枠からスタートすると控えて後方のインを追走した、道中は残り5F付近で外へポジションをスイッチして後方の外から直線へ、直線ではそれなりに伸ばしてはいたが先に抜け出した組に迫れず9着敗戦
・レース後鞍上は「スローペースでヨーイドンの展開が合わず、負けてしまった」とコメントしていた

【11】宝塚記念:17着:1ヶ月:デムーロ
・追い切りはWオンリーでの調整、馬体は-8kgしていた
・レースは34.0 – 58.9 – 35.5の前傾1.5で、残り4Fから0.6加速すると11.9 – 11.7 – 12.0 – 11.8という展開
・最内枠からスタートすると押して出して行って中団のインを追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り4F手前から外の各馬が進出を開始し本馬は内で相対的にポジションを下げて後方のインになって直線へ、直線では序盤でポジションを取りに行った分と道中終始最内を追走した影響か伸びずに17着敗戦(ラストは追うのをやめている感じ)
・レース後鞍上は「先生と相談して前に付けました」とコメントしており、差し決着となった本レースにおいては最悪の作戦だった

【12】府中牝馬S:3着:3ヶ月半:戸崎
・追い切りはW主体から最終は坂路で単走で、陣営が「ひと夏を越して体が大きくなり成長を感じる」とコメントしていたように当日の馬体は休み明けで+18kgしていた
・レースは35.9 – 60.0 – 33.9の後傾2.0で、道中はスロー気味に進めるとラストは残り3Fから0.9加速して11.3 – 11.2 – 11.4と伸び切る高速上がりの展開
・中枠からこれまでより良いスタートを切ると馬なりで中団の馬群を追走した、ラストはそのまま中団馬群の内目から直線へ進入すると直線では進路確保のためやや外目に出されてゴールまでしっかり伸び切って上がり3位で3着
・馬体増に加え、早めスタートから馬なりで中団、得意とは言えない休み明けかつ高速上がり求められる展開で上がり33.0で好走するなど、成長の兆しが数多く見られた

【13】エリザベス女王杯:4着:1ヶ月:戸崎
・追い切りはW主体での調整で、1週前には自己ベスト6F81.7 – 63.8 – 11.8が出され併せ先着していた
・レースはやや馬場緩めの良馬場の中36.5 – 61.1 – 35.1の後傾1.4で、道中はスロー気味に進めると残り4Fから0.9加速して11.8 – 11.6 – 11.5 – 12.0と伸びる高速4F戦
・外目の枠からスタートすると馬なりで中団後方の馬群を追走した、勝負所では馬群で動き切れない所から残り3F手前からスペースができて追い出され後方の馬群から直線へ、直線ではやや内目に進路を取るとキャリアで初めての上がり最速を使って4着

結論(再掲)

■長く使える持続的でパワフルな末脚が武器で、瞬発力勝負よりも上がりかかる展開の方が歓迎のタイプ、紫苑S・エリザベス女王杯2022・日経賞など4角で番手を挙げていることが多いようにコーナーで加速できる良好なコーナリング性能があるため上がりが36秒以上かかってコーナーでまくれるような展開がベストか
■2走前には馬体が+18kgしていたようにここ2戦に見る成長は著しく、2走前の府中牝馬Sでは早めスタートから馬なりで中団を確保し、得意とは言えない休み明け・高速上がりの条件ながら上がり33.0を使って好走し、前走のエリザベス女王杯2023では展開が向いたとは言えない中でキャリア初の上がり最速を使って4着、馬が本格化のタイミングに入っている
■日経賞のレース後鞍上が「最後はもう少し来ると思いましたが、久々の分、苦しくなってしまいました」とコメントしていたように2走前に休み明けで結果を出したとは言え、基本的には叩いてからの方がパフォーマンスをアップさせる馬であり今回の叩き3走目はエリ女2022好走時と同じパターン、上記の強みから上がりがかかってまくる差し競馬になれば前進は必至で穴をあける可能性あり、しっかり評価する

Gregory

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