天皇賞秋の各馬分析10頭目はベラジオオペラ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ベラジオオペラ:牡4歳:ロードカナロア×ハービンジャー:前走宝塚記念(京都2200m)(重)5人気3着:横山和
結論
■瞬発力やスタミナで圧倒的に抜けた性能を持っている訳ではないものの、ある程度テンが速く、押して出して行っても折り合える操縦性があり、道悪でもなんでも直線で自身の脚を使うことができるオールマイティーな優等生タイプで、この手の馬に向く展開となりやすい大阪杯では鞍上が明確にポジションを取りに行ってバイアスを味方につけ優勝した
■陣営からは度々「まだまだ緩く、良くなるのは先」との旨のコメントが出されており、追い切りの時計等が明らかに変わってきたタイミングではパフォーマンスを急伸させる可能性があるため注視したい
■上記の特徴から、スローからの瞬発力勝負 or 持続的でマイル質のいずれかになりやすい天皇賞秋が明確に向く舞台とは思わないものの、どんな舞台でも自分の力はしっかり出してくるタイプであり、どこに入っても一定の評価が必要、中間には「夏にめっぽう弱く、夏明け初戦のここは調整がしづらい」との旨のコメントが出されているため状態は注視が必要、相手には
全レース分析
2歳
【1】阪神1800m新馬(稍重):1着:レーン
・追い切りはW主体の週末坂路で併せ馬も行われていた、当週には81.5 – 66.0 – 11.7が出されていた
・レースは稍重の中36.9 – 62.0 – 33.7の後傾3.2で、序盤スローで進めると残り3Fから0.6加速して11.7 – 10.6 – 11.4と伸びる展開
・内枠からスタートすると出て行って好位の外目を追走した、道中は逃げ馬についていくためにやや促され加減だった、勝負所では残り3F手前から徐々に促されて好位から直線へ、ラストは上がり最速で伸びると逃げ馬を競り落として優勝
3歳
【2】東京1800m1勝クラス:1着:2ヶ月半:横山武
・追い切りは1週前にWでその他は坂路、時計は新馬の方が出されていたが併せ先着が目立っていた、開幕週の日曜
・レースは35.9 – 61.3 – 34.0の後傾1.9で、序盤スローで進めると残り3Fから1.3加速して11.4 – 11.2 – 11.4とラストまで伸びる展開
・中枠からスタートすると出て行ってハナへ、道中は内から主張してきた馬がおり譲って2番手の外で3角を通過、勝負所ではまだ追い出しを開始されずに好位から直線へ、直線ではキレる脚ではないものの上がり3位でまとめると1.1/4馬身抜け出して優勝
・スタートが上手く二の脚も速いため先行できている
【3】スプリングS(重):1着:1ヶ月半:横山武
・追い切りはW主体週末坂路でやや詰まった間隔での輸送を考慮してか時計は終い重点、最終追いでは軽い時計で併せ遅れていた
・レースはAコース8日目の重馬場の中35.4 – 59.4 – 37.2で、序盤を馬場状態を考慮すると速いペースで進め、ラスト4Fは12.3 – 12.4 – 12.2 – 12.6と上がりかかる展開
・内枠からスタートすると内には拘らず中団の外目を追走した、道中はスムーズに進めると勝負所では残り3F手前から外からマクリにかかった馬がおり対抗するように進出を開始して中団の外から直線へ、ラストは2位より0.4速い上がり最速でキレるというよりは力強く伸びると差し切って1.1/4馬身差で優勝
・キレるというよりは道悪などの上がりかかる展開でも力強く末を伸ばせるタイプで、このことから末のスピードを求められる展開は相対的に苦手な可能性
【4】皐月賞(重):10着:1ヶ月:田辺
・追い切りはW主体の週末坂路で終い重点の時計で併せ先着していた
・レースは重馬場の中35.1 – 58.5 – 37.2で、序盤道悪としてはかなり速いペースで進めるとラスト4Fは12.5 – 12.7 – 12.5 – 12.0と上がりかかってラスト1Fのみ勝ち馬が加速させるラップ
・外枠からスタートすると出て行って2番手を追走した、道中は2角までに外からかかり気味に上がってくる馬がおり好位外目の位置取りとなった、向正面ではやや促されながらの追走となっていた、勝負所では残り3F手前の早めから追い出しを開始されるとコーナリング途中で2完歩手前を変えてしまい外へ飛び加減で手応えも怪しく後続に交わされて直線へ、直線では全くのバテバテではなかったものの相対的には伸ばせず10着敗戦
・9着までの内8頭が1角9番手以下の差し決着で、この馬場と展開で先行した時点で厳しかった
【5】日本ダービー:4着:1ヶ月半:横山和
・追い切りはいつものパターンで終い重点、当週は終いも速くなく併せ遅れていた、連続輸送の叩き4走目でデビュー時に506kgだった馬体は減り続けて494kg
・レースは35.3 – 60.4 – 35.3の前後傾フラットで、序盤ミドルペースで進めると勝負所では残り4Fから0.5加速して11.9 – 11.6 – 11.9 – 11.8とラストまで11秒台が刻まれる展開で、逃げ馬が1頭飛ばした影響で2番手以下はラップ以上にスローな展開だった
・最内枠からスタートすると出て行って中団のインを追走した、勝負所では残り700m付近から促されて残り3Fから追い出しを開始されて中団内目から直線へ、直線では内目の進路取りのまま上がり最速で伸びると先に抜け出した勝ち馬に迫ったが交わせず、ラストはじわじわ伸ばしていた2頭に差されての4着
【6】チャレンジC:1着:6ヶ月:横山和
・追い切りはW主体で中間には自己ベストの時計も出されていた、終いまで良く伸ばせており併せ馬も先着できていた、陣営は「夏負けの兆候が見られたので菊花賞路線をパス」とコメントしており、この間に神戸新聞杯を予定しながら回避していた、半年の休み明けで馬体は+20kg、開幕週の1日目
・レースは36.3 – 59.9 – 35.1の後傾1.2で、序盤スローで進めると残り6Fから11.5が入ってその後11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.6 – 11.8と続く後半持続的な展開
・内目の枠からスタートすると中団の馬群を追走した、勝負所では馬群の位置取りのまま前との差を詰めていくと中団前目になって外目に出されて直線へ、ラストは上がり2位を使うとラストまでしっかり伸びて最内から抜け出した馬に競り勝って優勝
・ある程度テンが速く中団付近のポジションが取れる上末もしっかりしており、どんな展開でも自身の実力分だけは走ってこれるイメージ
・3歳の暮れにして古馬と同斤でも結果を出した
4歳
【7】京都記念:2着:2ヶ月半:横山和
・追い切りはW主体で1週前にある程度負荷をかけて当週は軽めで終い重点、馬体は増えた前走から-8kg、連続開催13日目のCコース4日目
・レースは35.3 – 59.7 – 35.7の前傾0.4で、序盤緩まり切らないラップで進めると残り5Fから0.3加速して12.2 – 12.0 – 12.3 – 11.6 – 11.8とラスト2Fからの加速大きな展開
・中枠内目からスタートすると控えて中団の馬群で勝ち馬を見る位置を追走した、道中は芝の塊が多く飛んで荒れていた、勝負所では3角からの下り坂で外が空いて中団後方の外を追走し、残り500m付近から前の勝ち馬を追いかけるように追い出しを開始されると中団後方の外から直線へ、ラストは上がり最速で先に抜け出しにかかった勝ち馬と併せたが相手が伸び切っての2着
【8】大阪杯:1着:1ヶ月半:横山和
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前までに速めの時計が出されて当週は終い重点だった
・レースは開催12日目Bコース初週の馬場の中35.8 – 60.2 – 35.0の後傾0.8で、序盤はスローペースで進めると途中向正面でまくった馬の影響で残り6Fから0.8加速して11.8 – 11.5 – 11.5 – 11.4 – 11.4 – 12.2とラストまで伸びるロングスパート戦
・外目の枠からスタートするとこれまでで一番促して出されて2番手を追走した、序盤にしっかりと位置を取りに行った中で道中も折り合って追走できていた、向正面では外からまくってくる馬がおり対抗するようにして3角では逃げ馬と並ぶような形になっていた、勝負所では残り3Fから徐々に促されて逃げ馬から半馬身差ほどの2番手で直線へ、直線ではラストまでしっかり伸ばして迫った2頭の追撃を凌いで優勝
・レベルの高いオールマイティーという印象で、圧倒的なトップスピードがある訳ではないが、出して行っても折り合える気性や、ラストまで脚を伸ばせるタフさが強み、どんな舞台でも自身の力分は発揮できるタイプ
【9】宝塚記念(京都2200m)(重):3着:3ヶ月:横山和
・追い切りは2週前1週前とWで負荷をかけられ、当週は坂路単走で調整された、最終追いが坂路なのは2戦目のセントポーリア賞以来だった
・レースは開催20日目でDコース4日目の重馬場の中35.6 – 61.0 – 34.5の後傾1.1で、序盤は平均程度で入ったが中盤600-1200mで12.7 – 12.7 – 12.9と緩んで、ラスト5Fは12.2 – 11.4 – 11.7 – 11.3 – 11.5と加速開始してラスト4Fは全て11.7以下となる展開で、同率で上がり最速を使った2頭のワンツーだった
・内枠からスタートすると強気に出して行って好位のインを追走した、道中は1, 2角で進路を外へ切り替えられて好位の外を追走していた、勝負所では外からローシャムパークがポジションを上げてきたこともあり残り900mと速めから徐々に促されると好位の外目からさらに馬場の外へ出されるようにして直線へ、直線では道悪を物ともせず力強く伸びて抜け出しにかかったが、さらに外から道中は後方で待機していた2頭に差されて3着まで
・道悪も苦にせず、自身の脚は確実に使ってくる
結論(再掲)
■瞬発力やスタミナで圧倒的に抜けた性能を持っている訳ではないものの、ある程度テンが速く、押して出して行っても折り合える操縦性があり、道悪でもなんでも直線で自身の脚を使うことができるオールマイティーな優等生タイプで、この手の馬に向く展開となりやすい大阪杯では鞍上が明確にポジションを取りに行ってバイアスを味方につけ優勝した
■陣営からは度々「まだまだ緩く、良くなるのは先」との旨のコメントが出されており、追い切りの時計等が明らかに変わってきたタイミングではパフォーマンスを急伸させる可能性があるため注視したい
■上記の特徴から、スローからの瞬発力勝負 or 持続的でマイル質のいずれかになりやすい天皇賞秋が明確に向く舞台とは思わないものの、どんな舞台でも自分の力はしっかり出してくるタイプであり、どこに入っても一定の評価が必要、中間には「夏にめっぽう弱く、夏明け初戦のここは調整がしづらい」との旨のコメントが出されているため状態は注視が必要、相手には
Gregory