有馬記念の各馬分析4頭目はブローザホーン。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ブローザホーン:牡5歳:エピファネイア×SS系:ジャパンC10人気12着:菅原
結論
■勝勝ち上がりまで9戦を要しているように若駒時には馬がパンとせず力を出せていなかったが、その中でもゴール前では常にまだまだ伸びられる様子の脚を見せており、完全にスタミナ > スピードのタイプ
■これまで道悪で多く好走しているように雨馬場がとにかく上手く、GⅠを制覇した宝塚記念ではレース中に大雨も降り出す重馬場で、その強みを遺憾なく発揮しての勝利だった、妙味観点では雨が降っても気楽に評価を上げられないが、好走率は高くなる
■競争を中止した京都大賞典2023では、当週に自己ベストの時計を出された上で関西へ輸送して馬体も減少しており(転厩があり現在は関西馬)、レース後には陣営もオーバーワークだったと言及している、馬体が小さいだけに追い切り時計を出された上で馬体が減少している際には状態を疑いたい
■秀でたスタミナと道悪適性で長距離と道悪のGⅠで連対したが、近走はスタート後の二の脚がつかなくなっている印象で、前走はドスローの2400mでも後方を追走していた、有馬記念では後方追走組に向くハイペース寄りからの差し有利の展開が好ましいが、今年のメンバーではハイペースになる可能性は少ないとみる、近2走の結果から人気は落ちるタイミングだが、好走には雨が欲しい、基本は消しで
全レース分析
2歳
【1】東京1600m新馬:4着:戸崎
・追い切りはW、芝、坂路、Pの併用で全体時計は遅めだった
・レースは秋の東京最終週の中36.3 – 61.1 – 35.4の後傾0.9で、序盤をスローで進めるとラストは残り3Fから0.8加速して11.6 – 11.8 – 12.0とゴールへ失速する展開
・外枠から歩くようなスタートで出遅れるとやや追っ付けられながら後方の外目を追走していたが内へささるような動きがあり3角までに内目の追走となった、その後は勝負所でもポジションは大きく変わらず後方のインから直線へ、直線ではやや口向きの悪い所も見せながらだらだらと伸びたが3着から4馬身離された4着まで
【2】中山1600m未勝利(稍重):2着:1ヶ月:田辺
・陣営は「能力はあるし、ずるい面を出さなければ」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で終い重点の時計が目立っていた
・レースは明け方の雨の影響で稍重となった馬場の中35.9 – 60.8 – 36.1の前傾0.2で、道中をスローで進めるとラスト3Fは12.4 – 11.6 – 12.1と残り2Fから加速する展開
・外目の枠から五分のスタートを切るとある程度押して出されたが後方のインを追走した、道中も追っ付けられながらの追走だった、勝負所でも終始最内を追走すると残り500m付近から追い出されてポジションを上げて好位のインになって直線へ、直線では進路を求めて少し外に出されるとジワジワと伸びて前に迫ったが逃げ馬を交わしきれずの2着、上がり最速35.3
3歳
【3】中山1600m未勝利(稍重):9着:中1週:戸崎
・追い切りはWで終い重点が1本、中1週だったが馬体重は前走減った分を戻して新馬戦と同様の434kg
・レースは乾いていく稍重の中35.1 – 58.7 – 36.1の前傾1.0で、道中は比較的持続的なラップで進めるとラスト3Fは11.7 – 12.0 – 12.4とゴールへ失速する展開で、4角3番手以内の馬で圏内独占の先行決着
・大外枠からスタートすると馬なりで中団後方の外を追走した、道中は相変わらず追っ付けられながらの追走だった、勝負所では残り600m過ぎから追い出されたが外を追われたこともありポジションは上げられず後方の大外になって直線へ、直線ではまわりと同程度の脚で伸びて前には迫れずの9着敗戦
【4】中山2000m未勝利:3着:1ヶ月半:大野
・陣営は「まだきゃしゃなところがあり、踏ん張りが利かない」とコメントしていた、追い切りはW主体で2週前の週末には自己ベスト85.6 – 67.9 – 12.2が出され、併せ先着していた、馬体重は-14kg
・レースは34.5 – 59.3 – 36.8の前傾2.3で、序盤3Fをハイペースで入るとその後は12.5付近が続く展開で、ラスト3Fは12.3 – 12.1 – 12.4と残り2Fから加速しているものの上がりを要する展開
・外枠からスタートするとある程度押して出して行って縦長の馬群の中団前目を単独で追走した、勝負所では終始最内を追走して残り500m付近から追い出されると中団の最内から直線へ、直線では少し馬群を縫いながらジワジワ伸びて3着
【5】中山2000m未勝利:5着:中1週:田辺
・陣営は「本当に良くなるのはもう少し先かも」とコメントしていた、追い切りは坂路で単走軽めが1本で馬体重は-4kgして416kg、3戦連続のピンク帽
・レースは35.8 – 60.9 – 35.7の後傾0.1で、レースは序盤を平均程度で進めるとラストは残り4Fから0.5加速して11.7 – 12.0 – 11.6 – 12.1と残り2Fからも加速が入る展開
・外枠から若干あおるようなスタートを切ると控えて後方の外を追走した、向正面では外からまくる馬がおりついていくようにしてポジションを上げて3角では中団の外を追走した、そのまま追われ通して中団の大外から直線へ、直線では本馬なりに伸びていたが前には迫れずの5着まで
【6】中山2000m未勝利(稍重):4着:中2週:田辺
・陣営は「カイ食いはいいけど、なかなか実になってくれない」とコメントしていた、追い切りはWで併せ馬終い重点が2本
・レースは稍重の馬場の中37.0 – 62.1 – 35.3の後傾1.7で、道中をスローで進めるとラスト4Fは12.3 – 12.0 – 11.7 – 11.6とラストまで加速するラップ
・中枠からスタートすると控えて後方の馬群を追走した、向正面ではポジションを外へスイッチして3角では後方の外を追走していた、勝負所では残り3Fから追い出されて後方の大外から直線へ、直線ではキレる感じはないもののゴールまで段々と伸びると上がり最速34.9を使ったが前には迫りきれずの4着
【7】福島2000m未勝利:8着:中2週:黛
・追い切りはWで終い重点が2本、馬体重は-12kgして過去最小の406kg
・レースは開幕2週目の馬場の中34.1 – 59.9 – 36.3の前傾2.1で、序盤をハイペースで入ると道中は緩んで、ラスト3Fは12.5 – 11.7 – 12.1と残り2Fから加速する展開
・最内枠からスタートすると押して行ったがポジションは取れず後方のインを追走した、向正面に入ると追い出しを開始されて最内から加速した、勝負所でも最内を進めると後方の最内から直線へ、直線では本馬なりに伸びたが8着まで
【8】函館2000m未勝利:3着:1ヶ月半:横山武
・陣営は「馬体をふっくらと見せているように滞在効果は十分」とコメントしていた、追い切りは函館のWオンリーで馬体重は+18kgしていた
・レースは開幕初日の馬場の中35.6 – 61.3 – 35.3の後傾0.3で、序盤をスローペースで進めるとラストは残り5Fから0.5加速して12.4 – 12.2 – 11.9 – 11.7 – 11.7とゴールまで失速の入らない展開で、4角7番手以下から上位の上がりを使った2頭でのワンツー
・中枠からスタートすると押して出して行って逃げ馬の外の2番手を追走した、1,2角ではスタート後出して行った影響かやや行きたがっていたが向正面では落ち着いた、勝負所では自然と逃げ馬に並びかけて残り400m付近から追い出されると逃げ馬と並んで直線へ、直線では逃げ馬を交わして抜け出しにかかったが外から2頭に差されての3着まで
・武史が押して出して行ったことにより新味が出た
【9】函館2000m未勝利(稍重):1着:中1週:横山武
・陣営は「左に張る面があり片チークを着ける」とコメントしていた、追い切りは函館のWで単走軽めが1本で詰まった間隔だったが馬体は2kg増えて426kg
・レースは前日の雨の影響で稍重となった馬場の中36.0 – 61.1 – 36.9の前傾0.9で、序盤をややスローで進めるとラスト4Fは12.2 – 12.1 – 12.1 – 12.7と11秒台が入らない展開
・中枠からやや駐立が悪かったが落ち着いた所でスタートが切られると押して出して行って中団の馬群を追走した、1, 2角ではコーナーワークで外に馬がいなくなり向正面では中団の外の追走になった、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り4F手前の3角から促されると中団の外になって直線へ、直線ではこれまでと比較してグイグイ伸びて前に迫るとゴールまで脚色衰えず差し切って優勝
・これまでいずれもゴール前でもまだ伸びられるような脚色を見せており、スタミナが勝ったタイプ
【10】福島2000m1勝クラス:2着:5ヶ月:角田大和
・陣営は「時計がかかりだした今の福島は合いそう」とコメントしていた、追い切りはW主体で1週前82.2 – 66.5 – 12.6、当週82.7 – 67.1 – 12.3と自己ベストが更新されていた、初の古馬を交えての1戦
・レースは35.0 – 60.9 – 36.5の前傾1.5で、序盤3Fを速く入ってその後緩むと、ラストは残り5Fから1.1加速して12.3 – 12.0 – 11.9 – 12.2 – 12.4と残り2Fまでは加速してゴールへは失速する展開
・最内枠からスタートすると少し出して行って中団後方のインを追走した、2角から向正面ではやや外にポジションをスイッチして中団の馬群を追走した、勝負所でもポジションは大きく変わらず中団内目の馬群から直線へ、直線では鞍上に無駄な動きが多く、前が開けてからはスイッチが入ったように伸びたが外から差した馬に差されて2着まで
・鞍上がしっかり乗っていれば勝っていた
【11】中山2500m1勝クラス(稍重):1着: 1ヶ月:戸崎
・追い切りはW主体
・レースはAコース6日目で稍重の馬場の中、500-1300mで4F連続で13秒台が入るようなドスローで進めると、ラスト3Fは12.2 – 11.5 – 11.7と残り2Fからの加速が大きく、4角5番手以内の馬が4着までを独占する先行決着
・内枠からスタートすると出て行ってドスローの2番手を追走した、道中はしっかり折り合って追走できていた、勝負所でもほとんど馬なりで付き合うと2番手から直線へ、直線ではラスト上がり2位の脚で伸びると逃げ馬を交わして抜け出して優勝
4歳
【12】小倉2600m2勝クラス:5着:1ヶ月:西村
・陣営は「まだゲートに課題はあるけれど距離の融通は利くタイプ」とコメントしていた、追い切りはWで2本やったあと当週は小倉のダートでの調整
・レースは小雨の降る良馬場の中36.7 – 62.2 – 126.0 – 35.6の後傾1.1で、道中をスローで進めるとラストは残り4Fから0.7加速して11.6 – 11.6 – 11.9 – 12.1と伸びてラストは失速し切らずもゴールへ減速するラップ
・中枠外目からスタートすると出て行って3番手外を追走した、ホームストレッチでは外からポジションを押し上げる馬がおり4番手の馬群の位置取りとなった、また、向正面でも外から押し上げる馬がおり、3角では中団馬群となって勝負所へ、コーナーではやや置かれるような形になると後方の外目になって直線へ、直線ではキレる感じではないもののゴールまで良く伸びていたが前には迫りきれず5着まで
【13】中山2500m2勝クラス:1着:1ヶ月半:菅原
・陣営は「クラスのメドは立ったが、短期放牧明けで良化余地が残る」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで全体は自己ベストまでではないものの、これまでで一番終いまで加速する綺麗なラップで伸びられていた、ハンデ55kg
・レースはAコース3日目の馬場の中前半900mを11秒台が続く持続的なラップで進めると中盤は緩んで、ラストは残り5Fから0.5加速して12.1 – 11.7 – 11.9 – 11.5 – 12.2と残り2Fから再び加速の入る展開
・外枠からスタートすると出て行って2番手を追走した、道中はしっかり折り合っていた、勝負所では残り4F手前から外から進出する馬がおり抵抗するようにして促されて楽に加速して先頭に立って直線へ、直線では伸びて抜け出すとラストは1.3/4馬身つけて優勝
【14】京都2200m3勝クラス(不良):1着:2ヶ月:岩田康
・追い切りはW主体で前走に続いてラスト伸ばすようなラップ、初の関西遠征、ハンデ56kg
・レースはAコース3週目で雨の降る不良馬場の中36.4 – 61.4 – 36.2の後傾0.2で、道中は馬場を考えると平均程度の流れから道中も加速せず、ラストはのの子r4Fから0.4加速して12.2 – 12.2 – 12.0 – 12.0と失速は入らないものの11秒台に入らないラップ
・中枠外目からややヨレるようにスタートすると馬なりで好位の馬群を追走した、道中はポジションを変えずに追走すると勝負所でも促すことなく馬群の加速に付き合って好位の内目から直線へ、直線では左ムチを入れられて内へヨレながら他馬とは違う脚色で伸びると5馬身抜けて優勝
・スタミナがあるのはもとより、直線での伸びから道悪は相当上手い
【15】函館記念(稍重):3着:2ヶ月:岩田康
・追い切りは1週前まで美浦で調整して当週は函館入り、1週前のWでは自己ベスト82.5 – 66.1 – 11.8が出され併せ先着していた、滞在効果もあってか馬体は+8kgして過去最高タイの428kg、ハンデ55kg
・レースは稍重の馬場の中35.4 – 60.0 – 36.6の前傾1.2で、道中は平均程度のペースで進めるとラスト4Fは12.3 – 12.0 – 12.2 – 12.4と一部加速ありながらもラストは失速して上がりのかかる展開で、1-5着が3角7番手以下の差し有利
・中枠からスタートすると控えて後方を追走した、向正面では最内に進路を切り替えて後方のインとなった、勝負所では後方のまま残り3F過ぎから促されると後方の内目から直線へ、直線では進路を求めて内へ切り返して良く伸びていたが先に抜け出した2着馬を交わせずの3着まで、1着からは0.4秒差
・レース後鞍上は「めちゃくちゃ悔しい。2、3角の入りを迷ったのが響いた。ハヤヤッコの内を突けばロスなく回ってこれた。こんな馬場だからこそ、内にこだわりたかった」とコメントしていた
【16】札幌日経OP(札幌2600m)(稍重):1着:中2週:岩田康
・追い切りは函館のWと芝で軽め
・レースはAコース5日目で未明の雨の影響で稍重となった馬場の中36.0 – 62.3 – 35.4の後傾0.6で、道中は長距離らしいスローで流れるとラストは残り3Fから0.8加速して12.0 – 11.6 – 11.8と伸びる展開
・中枠内目からスタートすると3番手から5馬身差ほどの4番手を追走したが、ホームストレッチではやや行きたがり気味に前との差を詰めて一団の4頭の外目を追走した、向正面では外の利をいかしてポジションを取って3角では2番手を追走、勝負所では外から並びかけてきた馬がおり楽に抵抗して加速し3馬身ほどリードを取って直線へ、直線ではぐんぐん伸びて後続を引き離していくとラストは流す余裕もあって6馬身差の圧勝
・道悪、長距離、洋芝と条件揃ってのOP競争では何枚も抜けていた
【17】京都大賞典(重):競走中止:2ヶ月:菅原
・陣営は「晴雨兼用で馬場状態は問わないタイプ。ただ、開幕週で極端に時計が速くなった際にどうかとの懸念はある」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで3週続けて菅原が騎乗していた、また当週には自己ベスト82.2 – 65.7 – 12.4が単走馬なりで出されていた、馬体は2戦連続での減少で414kg
・レースはAコース3日目ながら前日の雨で重馬場となった馬場の中36.5 – 61.6 – 35.9の後傾0.6で、前半5Fはスローで進めたものの、そこから0.6加速して12.0 – 11.9 – 12.3 – 11.6 – 11.7 – 12.0 – 12.2と7Fのロングスパートの様相
・最内枠からスタートすると出て行って中団後方のインを追走した、向正面に入ると馬群の加速についていくため追っ付けられながらの追走となって馬群に置かれるような形で3角では後方のインとなり勝負所ではズルズルとポジションを下げた、直線ではもう止まりそうな様子で競争を中止した
・レース後心房細動を発症と発表された
5歳
【18】日経新春杯:1着:3ヶ月:菅原
・陣営は「前走は結果的にオーバーワークだったのかもしれない。今回は早めに京都へ輸送したし、自分の力さえ出せれば重賞でも通用する」とコメントしており、馬体重減もオーバーワークの影響だったか、追い切りはWオンリーで3週前に自己ベストに迫る時計を出された後は終い重点の時計のみ出されていた、馬体重は前走から+12kgして戻した形、ハンデ57kg
・レースは開催5日目の馬場の中33.7 – 58.3 – 36.4の前傾2.7で、序盤をハイペースで入って中盤に緩むと、ラストは残り4Fから0.7加速して11.9 – 12.1 – 12.0 – 12.3とやや減速する4F戦で、上がり上位3頭で上がりの順に1.2.3着した
・中枠からスタートすると内へは寄せずに中団後方の外を追走した、道中は大きくポジションを変えずにスムーズに追走していた、勝負所では手綱を抱えられたまま進出を開始すると残り3F過ぎから追い出されて中団前目の外になって直線へ、直線ではさすがにこれまでと比較すると脚が上がりそうになっていたが、ゴールまで減速しないような伸びで伸びると内から抜け出した馬を捉えて優勝
・距離があって全体時計も遅いような低速戦が向く
【19】阪神大賞典(稍重):3着:2ヶ月:菅原
・この中間に中野調教師が定年し栗東の吉岡厩舎に転厩した、追い切りはWと坂路の併用で、転厩初戦で様子見な部分もあったか全体時計は緩めだった
・レースはAコース8日目で雨の影響で稍重となった馬場の中37.6 – 63.7 – 128.9 – 35.1の後傾2.5で、道中は終始スローペースで進めると、ラストは残り6Fから0.6加速して12.3 – 11.7 – 11.1 – 11.7 – 11.8 – 11.6とラストまで失速しきらないロングスパート戦
・内枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながら中団のインで前に勝ち馬を見る位置を追走した、道中はホームストレッチや1, 2角でも行きたがってやや手綱と喧嘩している様子だった、勝負所では下り坂から徐々に促されると残り500m付近で外へスイッチされて中団前目の外から直線へ、直線ではジワジワと伸びたが勝ち馬には迫れず、内から抜けに出た2着馬に競り負けての3着
・レース後鞍上は「終始気合よくかかり気味でした。それでも3000メートル持ってくれたし、次はもう少し折り合いよく運べればいいと思います」とコメントしていた
・3角前で川田にインを取られたのが痛かった印象で、終始勝ち馬の後ろを通せていれば2着はあった
【20】天皇賞春:2着:1ヶ月半:菅原
・陣営は「ケイコで我慢をさせることを教えて、最終追い切りにまたがった鞍上は折り合って運べる手応えを感じていました」とコメントしていた、追い切りはWと坂路と芝の併用で、全体が速い所は出されていなかった
・レースは開催4日目でAコース4日目の馬場の中36.6 – 59.7 – 121.7 – 35.3の後傾1.3で、前半をこの距離としては飛ばし気味に入り中盤を緩めた、ラストは残り4Fから0.9加速して11.9 – 11.7 – 11.6 – 12.0と伸びる高速4F戦
・内枠からスタートすると中団後方の馬群を追走した、道中は序盤こそ少し行きたがっていたが、以降は後方で落ち着いて追走できていた、勝負所では残り5Fから外から徐々に促されていき残り3F過ぎから外へスイッチして後方の大外から直線へ、直線では上がり最速の脚でジワジワとゴールまで伸びたが先に抜け出した勝ち馬は影をも踏めずの2着まで
・直線では各馬脚が上がり気味の中で本馬はラストまで伸ばせており、スピードはないものの使える脚が長いスタミナタイプ
・レース後鞍上は「(前略)メンコを着けてハミを替えたのも良かったと思います」とコメントしていた
【21】宝塚記念(京都2200m)(重):1着:2ヶ月:菅原
・陣営は「今回は距離短縮を考慮してメンコは外す予定」とコメントしていた、追い切りは併用だが距離短縮を意識してか2週前からは坂路のみで乗られていた
・レースは開催20日目でDコース4日目の重馬場の中35.6 – 61.0 – 34.5の後傾1.1で、序盤は平均程度で入ったが中盤600-1200mで12.7 – 12.7 – 12.9と緩んで、ラスト5Fは12.2 – 11.4 – 11.7 – 11.3 – 11.5と加速開始してラスト4Fは全て11.7以下となる展開で、同率で上がり最速を使った2頭のワンツーだった
・外枠からスタートすると枠なりに後方の外を追走した、道中も後方の外をスムーズに追走すると、勝負所では残り4F手前から馬なりで進出を開始して中団の大外からラチへ出していくようにして直線へ、直線では雨に濡れた馬場など関係なしの脚で伸びると差し切って2馬身差で優勝
・内を走る利がない馬場の中で外枠だったことも向いており、圧倒的な道悪適正を遺憾なく発揮しての勝利
【22】京都大賞典:11着:3ヶ月半:菅原
・前走のGⅠ勝ちで斤量は59kg、追い切りは坂路主体で週末にWでも時計を出す調整過程で、速い所だと2週前の週末にWで81.2 – 67.4 – 12.5が出され併せ先着していた
・レースは開幕2日目でAコース2日目の馬場の中34.4 – 58.7 – 35.0の前傾0.6で、前半を速めのペースで入ると道中も大きくは緩まず、ラストは残り4Fから0.9加速して11.9 – 11.5 – 11.7 – 11.8とゴールまで大きく失速しない展開
・大外枠からスタートすると控えて枠なりに後方を追走した、スタートから馬が進んでいない様子で1角付近まで促されていた、向正面では後方のインを追走しておりそのまま3角へ、勝負所では内目のまま促されたが馬群には取り付けず離され目の最後方から直線へ、直線では追われても馬群に取り付けず直線半ばで鞍上は追うのをやめて最下位敗戦
・レース後鞍上は「最近はあまりハミを取らなくなっていますが、それにしても進んでいきませんでした。追い切りから体がついてこなかったですし、競馬で変わってくれると思っていましたが…」とコメントしていた
【23】ジャパンC:12着:1ヶ月半:菅原
・陣営は「在厩調整でイチからつくり直した。16日の坂路追いで気持ちを入れて今週は輸送を考慮した調整も動きは上々」とコメントしていた、追い切りはWと坂路の併用で本数が多く乗られていた
・レースは37.1 – 62.2 – 33.4の後傾3.7で、逃げ馬不在だった影響で道中をドスローで進めると、ラストも残り3Fまでラップは速まらず、残り3Fから1.0加速すると11.5 – 10.8 – 11.1と伸びる高速上がり戦
・内枠からスタートするとある程度出して行って後方のインを追走した、向正面へかけてはペースが遅く馬群が凝縮し、その中で後方の最内を追走していた、勝負所では最内を追走したまま4角手前から促されて後方のインから直線へ、直線でも内目の進路取りのまま追われると本馬なりに伸びてはいたが前に迫ることはできず12着敗戦
・レース後鞍上は「馬の調子が上がっていて雰囲気が良かったです。ただ、遅すぎるペースで切れ味勝負では分が悪かったです」とコメントしていた
結論(再掲)
■勝ち上がりまで9戦を要しているように若駒時には馬がパンとせず力を出せていなかったが、その中でもゴール前では常にまだまだ伸びられる様子の脚を見せており、完全にスタミナ > スピードのタイプ
■これまで道悪で多く好走しているように雨馬場がとにかく上手く、GⅠを制覇した宝塚記念ではレース中に大雨も降り出す重馬場で、その強みを遺憾なく発揮しての勝利だった、妙味観点では雨が降っても気楽に評価を上げられないが、好走率は高くなる
■競争を中止した京都大賞典2023では、当週に自己ベストの時計を出された上で関西へ輸送して馬体も減少しており(転厩があり現在は関西馬)、レース後には陣営もオーバーワークだったと言及している、馬体が小さいだけに追い切り時計を出された上で馬体が減少している際には状態を疑いたい
■秀でたスタミナと道悪適性で長距離と道悪のGⅠで連対したが、近走はスタート後の二の脚がつかなくなっている印象で、前走はドスローの2400mでも後方を追走していた、有馬記念では後方追走組に向くハイペース寄りからの差し有利の展開が好ましいが、今年のメンバーではハイペースになる可能性は少ないとみる、近2走の結果から人気は落ちるタイミングだが、好走には雨が欲しい、基本は消しで
Gregory