東京新聞杯の各馬分析1頭目はブレイディヴェーグ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
東京新聞杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上:斤量)
ブレイディヴェーグ:牝5歳:ロードカナロア×ディープインパクト:前走マイルCS1人気4着:◯◯:56kg(+1kg)
結論
■これまでキャリア7戦のうち5戦で上がり最速、うち3戦で32秒台の実績からもわかるように極上の切れ味が最大の武器
■一方でスタートは苦手で、これまでキャリア7戦で一度も五分と言えるスタートを切れていない、二の脚はある程度速いため巻き返せている部分があり、近走はスタート自体も改善傾向にあるが、完全に克服した所は見せていない
■瞬発力、切れ味が最大の武器であることに加え、エリザベス女王杯時には直線で右手前のままゴールまで走っていることから左回りがベターで、スタートが苦手な面からも現状は道中をある程度ゆったり追走できる展開の東京1800-2000mがベスト
■これまで幾度となく怪我の類を発症しており、ほとんどのレースで身体へのダメージがあった旨についてコメントされている、一方で、前走のマイルCS時には、その前走の府中牝馬S後について「背腰に強い筋肉痛が出た」とコメントされていたが、マイルCS後に鞍上は「馬の状態はパーフェクトでした」とコメントしており、体質が弱い点を除けば本来は叩いても良いタイプと考える
■馬の能力や適性を考えればここはドバイターフへの叩きの可能性が高く、前走からの間隔も2ヶ月半と本馬にしては長くない上、次走がドバイならそこへも1ヶ月半程度と長くない間隔で向かう必要がある、これまでのレース後の身体へのダメージを考えても陣営としては試走のようなモチベーションと考えられる、しかし、陣営がレース後に「正直、使って次か、その次かと思っていたので」とコメントしていた長期休養明けの府中牝馬Sでのパフォーマンスから、大幅なパフォーマンスダウンはないのでは
■能力は信頼できるものの、出遅れ、差し脚質は本レースで嫌いたい要素であり、付き合い方はオッズと相談も、特段の評価をするタイミングではなく、おそらく相手までか
全レース分析
2歳
【1】新潟1800m新馬(稍重):2着:福永
・追い切りはWと坂路の併用で併せ馬も行われていた
・レースは稍重の馬場の中38.3 – 64.8 – 33.0の後傾5.3で、道中をドスローで進めると、ラストは残り3Fから1.1加速して11.3 – 10.4 – 11.3と伸びる高速上がり戦で、上位の上がりを使った馬で圏内を独占した
・内枠から歩くようなスタートで出遅れると控えて中団の馬群を追走した、その後は勝負所でも大きな動きはなく馬群の加速に付き合うと中団馬群から外へ出されるようにして直線へ、直線では進路を求めて一番外へ出されるとグイグイと伸びて上がり最速32.3を使ったが、自身より内前から伸びた勝ち馬に及ばずの2着、3着は5馬身離していた
3歳
【2】東京1800m未勝利(稍重):1着:5ヶ月半:ルメール
・陣営は「球節の剥離骨折で休養が長引いた」とコメントしており怪我明けだった、追い切りはWと坂路の併用で時計は新馬戦時と変わらなかった、長期休養明けでも馬体は-2kg
・レースは37.0 – 62.2 – 33.5の後傾3.5で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから1.3加速して11.1 – 11.1 – 11.3と伸びる高速上がり戦
・中枠からあおって出遅れたが、少し促して出して行って好位の外を追走した、道中に動きはなく好位の外目のまま直線へ、直線では2位より0.5速い上がり最速33.3の脚で伸びると後続を突き放す一方で6馬身差の圧勝
・本レース後に再び骨折が判明した
【3】東京2000m1勝クラス:1着:4ヶ月半:戸崎
・陣営は「骨折明けで、坂路を使えないため慎重に調整」とコメントしていた、追い切りはWオンリーで2週前にはジョッキー騎乗で自己ベスト83.5 – 66.3 – 11.4が出されており、最終追いにもジョッキーが騎乗していた
・レースは開催20日目(Dコース8日目、最終日)の馬場の中35.1 – 58.9 – 34.2の後傾0.9で、道中を比較的締まったラップで進めると、ラストは残り3Fから0.8加速して11.7 – 11.2 – 11.3とラストまで伸び切るようなラップで、上位の上がりを使った馬で圏内を独占した
・外目の枠からあおって出遅れると中団の外目を追走した、道中は動きなく中団の外目のまま直線へ進入すると、ラストは2位より0.3速い上がり最速で抜け出して3馬身半差の圧勝
【4】ローズS:2着:2ヶ月半:ルメール
・初の関西遠征、追い切りはWと坂路の併用で2週前にWで自己ベスト82.1 – 65.1 – 11.3が出され、1週前から栗東入り、最終はジョッキー騎乗で終い重点、馬体は-6kg
・レースは開催4日目(Aコース4日目)の馬場の中34.4 – 57.3 – 34.0の後傾0.4で、道中を持続的なハイペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.2 – 11.0 – 11.8と伸びる展開で4角で7番手以下の馬が4着までを占める差し決着、勝ち時計は1:43.0のレコード
・内枠からこれまではマシなもののあおって出遅れると控えて後方の馬群を追走した、勝負所では残り4F過ぎから外へ進路を求めたが外から締められてスムーズに進路を取れず、後方馬群の外目から直線へ、直線ではやや馬群を縫うようにして伸びるとラストは2位より0.3速い上がり最速32.9で伸びたが自身より前から抜け出した勝ち馬には届かずの2着
・レース後には歩様が硬く、疲れが見えたことから秋華賞を回避し、エリ女へ
【5】エリザベス女王杯:1着:2ヶ月:ルメール
・陣営は「暑さがこたえていた前走時より今回の方が体調は明らかにいい」とコメントしていた、追い切りは前走同様1週前から栗東入り、最終追いではジョッキー騎乗で栗東Wでの自己ベスト80.3 – 65.2 – 11.3が出されていた、前走から2ヶ月はキャリアで最も短い間隔だった
・レースは開催13日目(Bコース4日目)の馬場の中36.5 – 61.1 – 35.1の後傾1.4で、道中はややスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.9加速して11.8 – 11.6 – 11.5 – 12.0と伸びる4F戦で馬番1, 2, 3がそのまま1, 2, 3着の内枠決着
・最内枠から徐々に改善されてはいるもののあおって出遅れると、ある程度出して行って中団前目のインを追走した、ハイペースのレースを使われた後だったが道中は折り合えていた、勝負所では最内をキープしたまま馬群の加速に付き合うと残り3F付近から徐々に追い出しを開始されて中団のインから直線へ、直線では馬場の3分所に出されるとゴールまで右手前のまま伸びて抜け出して優勝、上がりは3位
・直線で手前を替えていなかったことから右手前の方が得意で、基本的には直線で右手前になる左回りの方が向く可能性
・レース後鞍上は「1枠だったし、ずっとインコースで競馬しました。(馬場も)全然問題なくて、手応えはずっと良かったです」とコメントしていた
・この後はドバイターフを予定していたが右後肢飛節の腫れがあり回避し、その後は新潟記念を目指したが今度はトモに軽度の筋肉痛が見られて回避した
4歳
【6】府中牝馬S:1着:11ヶ月:ルメール
・陣営は「予定していたレースを2度回避しての脚部不安明け(中略)、何とか間に合った感じです」とコメントしていた、追い切りはW主体での調整で、3週続けて速めの時計が出されており、当週には杉原騎乗で6F自己ベスト、5F自己ベストタイの81.2 – 65.1 – 11.2が出されていた、11ヶ月の休み明けで馬体は+12kgしていた、斤量は前走のエリ女勝ちで+2kgの57kg
・レースは開催4日目(Aコース4日目)の馬場の中35.1 – 58.7 – 34.1の後傾1.0で、道中を比較的持続的なペースで進めると、ラスト4Fは11.9 – 11.7 – 11.4 – 11.0と加速し続けるラップで、4角で10番手以下から同率で上がり最速を使った馬のワンツー
・内枠から出負け気味だったがこれまででは一番良いスタートを切ると中団後方の外を追走した、道中は縦長気味の馬群になり3角地点では中団後方を単独で追走していた、勝負所では残り3F手前から促されて中団後方の大外から直線へ、直線では真一文字に伸び続けて差して抜け出して1.1/4馬身差で優勝、上がりは最速の32.8
・レース後鞍上は「スタートはいつも通りそんなに速くなく、特に今日は休み明けということで最初は軽い騎乗をしたかったこともあり、後ろになりましたが、気にしていませんでした」とコメントしていた
・月並みだが、東京1800-2000mが最も向く舞台では
【7】マイルCS:4着:1ヶ月:ルメール
・陣営は「背腰に強い筋肉痛が出たけど放牧先でケアし、痛みが取れて帰厩」とコメントしていた、追い切りはW主体での調整で、初めて関西圏のレースで栗東入りせず、直前輸送されていた、前走から1ヶ月はキャリア最短の間隔
・レースは開催14日目(Bコース6日目)の馬場の中33.8 – 57.5 – 34.5の前傾0.7で、入りの3Fを飛ばして入ると600-1000mでは11.9 – 11.8と緩んで、ラストは残り3Fから0.2加速して11.6 – 11.4 – 11.5と伸びる展開
・内枠から少しだけあおり気味のスタートを切ると最内の進路を避けるようにして中団の馬群を追走した、勝負所ではラップが緩んで馬群が凝縮しており、ここでも中団馬群の内目の位置取りのまま馬群を突くようにして直線へ、直線では進路を求めて外へ誘導されて勝ち馬を追いかけるようにして伸びたが勝ち馬から0.4秒差の4着まで
・レース後鞍上は「いい競馬をしてくれましたが、この距離だったのと、馬場があまり良くなかったことがあって、反応が普段より遅かったです(中略)、馬の状態はパーフェクトでした」とコメントしていた
結論(再掲)
■これまでキャリア7戦のうち5戦で上がり最速、うち3戦で32秒台の実績からもわかるように極上の切れ味が最大の武器
■一方でスタートは苦手で、これまでキャリア7戦で一度も五分と言えるスタートを切れていない、二の脚はある程度速いため巻き返せている部分があり、近走はスタート自体も改善傾向にあるが、完全に克服した所は見せていない
■瞬発力、切れ味が最大の武器であることに加え、エリザベス女王杯時には直線で右手前のままゴールまで走っていることから左回りがベターで、スタートが苦手な面からも現状は道中をある程度ゆったり追走できる展開の東京1800-2000mがベスト
■これまで幾度となく怪我の類を発症しており、ほとんどのレースで身体へのダメージがあった旨についてコメントされている、一方で、前走のマイルCS時には、その前走の府中牝馬S後について「背腰に強い筋肉痛が出た」とコメントされていたが、マイルCS後に鞍上は「馬の状態はパーフェクトでした」とコメントしており、体質が弱い点を除けば本来は叩いても良いタイプと考える
■馬の能力や適性を考えればここはドバイターフへの叩きの可能性が高く、前走からの間隔も2ヶ月半と本馬にしては長くない上、次走がドバイならそこへも1ヶ月半程度と長くない間隔で向かう必要がある、これまでのレース後の身体へのダメージを考えても陣営としては試走のようなモチベーションと考えられる、しかし、陣営がレース後に「正直、使って次か、その次かと思っていたので」とコメントしていた長期休養明けの府中牝馬Sでのパフォーマンスから、大幅なパフォーマンスダウンはないのでは
■能力は信頼できるものの、出遅れ、差し脚質は本レースで嫌いたい要素であり、付き合い方はオッズと相談も、特段の評価をするタイミングではなく、おそらく相手までか
Gregory