天皇賞秋の各馬分析3頭目はノースブリッジ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ノースブリッジ:牡6歳:モーリス×米国型:札幌記念5人気1着:岩田康
結論
■前進気勢が強く気性的な難しさのある馬だが、近走は精神的な成長が見られ、折り合いが要因でパフォーマンスを落とすような所はなく、前走の札幌記念はレース後鞍上が「初めて完璧に近いレースが出来たのではと思います。最初のゴール板すぎくらいから自分のペースで行けて、このペースで行けるんだ、というレースでした。だからこそ3コーナー過ぎで仕掛けて、素晴らしいこの馬の瞬発力を見せてくれたと思います」とコメントしていたように気性面での成長がパフォーマンス向上に直結している
■元々はゲートでの駐立が悪くよく出遅れていたが、上記の成長も影響してか近走は安定したスタートが切れている
■強めの前進気勢で先行しながらも道中ゆったり追走できる区間があれば長く良い脚を使える点が強みで、反対に道中も持続的な追走力が求められるマイル寄りの展開や、勝負所までスローで進めての高速上がり勝負が相対的に向かない
■過去の準オープン以上での好走は以下のように時計のかかる条件であり、瞬発力が強みではないことから、オープンクラスの上位レベルでは時計のかかる馬場や展開が欲しい
・ラジオNIKKEI賞(GⅢ):3着:稍重 (前走から2ヶ月間隔)
・東京2000m3勝クラス:1着:稍重、スロー (前走から2ヶ月半間隔)
・エプソムC(GⅢ):1着:重 (前走から4ヶ月間隔)
・AJCC(GⅡ):1着:冬場の中山、スロー (前走から3ヶ月間隔)
・QE2世C(GⅠ):3着:稍重 (前走から2ヶ月半間隔)
・札幌記念:1着:洋芝、スロー (前走から3ヶ月半間隔)
■控えた毎日王冠でも先行した天皇賞秋2022でも上がりは34.0(キャリア最速)であり、この辺りが使える脚の限度のため、今年の天皇賞が良好な馬場状態の中でスローからの瞬発力勝負になると分が悪いが、上記の過去の好走歴にあるような道悪×スローペースで時計がかかる展開となれば、ここでも十分やれると見る
■また、過去に2度挑戦した天皇賞秋では、2022年はスローからの瞬発力勝負、2023年は超ハイペースを前受けかつスーパーレコード決着と明確に本馬に向いていなかった、加えて、上記の過去の好走歴はいずれも前走から2ヶ月以上間隔をあけての出走だった一方で、過去の天皇賞秋は2年とも約1ヶ月以下の間隔で参戦しており、この点も良くなかった、一方で、今年は前走から2ヶ月以上をあけての参戦であり、残る条件である時計のかかる馬場、スローペースの展開が揃えば穴をあける、揃う条件によっては本命級
全レース分析
2歳
【1】中京2000m新馬:1着:武豊
・追い切りは南Wオンリーで併せ馬も行われ、最終追いでは5F65.9 – 12.2と速めの時計が出されていた、陣営は「気性的に難しいが好勝負も」とコメントしていた
・レースは38.1 – 63.4 – 35.6の後傾2.5で、序盤は新馬らしい緩いラップからラストは残り5Fから外からまくり気味にポジション上げた馬がおり、0.5加速すると、12.0 – 11.6 – 11.6 – 11.5 – 12.5とロングスパート気味の展開
・中枠内目からスタートすると他に行く馬がおらず、若干押し出されるようにハナへ、道中は遅いペースのせいかハナに立っていたが若干行きたがっていた、残り5F過ぎから外からまくってくる馬がおり、本馬が内から対抗するようにしてペースアップした、先頭のまま直線へ進入すると上がり最速で後続に追い付かせず優勝、先行しながら末脚もまとめられるタイプ
【2】中山2000m1勝クラス(稍重):1着:2ヶ月:岩田康
・追い切りは南Wオンリーで併せ馬は行われていたが、時計は新馬戦の最終追いよりはどれも遅かった、最終は単走で軽め、馬体は+12kgしていた、陣営は「気性を考慮して間隔を空けた、折り合いが課題だが、控える形でも大丈夫」とコメント
・レースは小雨の降る稍重の中、37.8 – 63.5 – 35.1の後傾2.7で、前半をスローで進めるとラストは残り5Fから0.6加速して11.9 – 11.7 – 11.7 – 11.4 – 12.0と新馬戦に似たロングスパート戦
・内枠からスタートすると出ていってハナへ、ここでも先頭に立ちながらも若干行きたがっていた、ラップに現れているように残り5Fから加速していくとそのまま止まらず、逃げながら上がり最速で4馬身差で優勝、ここでは力が違った
3歳
【3】青葉賞:13着:5ヶ月:横山和
・両前脚のザ石の影響で間隔をあけてここへ出走、追い切りは南Wオンリーで併せ馬も行われていた、最終追いは単走で自己ベスト5F65.1 – 12.9が出されていたが、終い垂れるようなラップだった
・レースは小雨の降る良馬場の中、35.2 – 60.5 – 34.8の後傾0.4で、序盤を締まり気味のペースで進め、道中は緩んだ、ラストは残り3Fから0.5加速すると11.6 – 11.3 – 11.9という展開
・内枠からスタートすると直後つまづいて出負け気味になったが鞍上が押して出していきハナへ、ここでもハナでも2角までは若干行きたがっていた、その後先頭のまま直線へ進入すると残り400m過ぎまで粘っていたがその後は後退しての13着敗戦
・レース後鞍上は「2400mは長い、右回りの方がいいし、ベストは1600-1800mかな」とコメントしており、距離が長かったか
【4】ラジオNIKKEI賞(稍重):3着:2ヶ月:岩田康
・追い切りは南Wオンリーで、最終追いは5F65.4 – 12.3で併せ先着していた、ハンデ54kgで馬体は+14kg
・レースは小雨が降る稍重の中、35.6 – 60.7 – 35.2の後傾0.4で、前半を平均から若干スローで進め、ラストは残り4Fから0.5加速すると12.1 – 11.8 – 11.6 – 11.8と4F戦の様相
・外枠からスタートすると気勢よく引っ掛かり気味にハナへ、残り4Fまでは終始手綱を引かれ気味だった、残り4Fからは若干手綱を緩められるとペースアップして先頭で直線へ、本馬なりに脚は使ったが2頭に差されて3着
【5】セントライト記念:10着:2ヶ月半:岩田
・追い切りはWでの単走主体で、今までの最終追い切りで負荷をかける内容だけでなく1週前にも速めの時計が出されていた、最終のみ併せ馬で終いまで伸ばす内容で先着していた
・レースは36.3 – 60.5 – 35.4の後傾0.9で、道中は12.1付近が続く緩めの持続的な展開、ラストは残り3Fから0.5加速すると11.5 – 11.7 – 12.2とゴールへ失速するラップ
・内目の枠からスタートするとここも若干行きたがりながらハナへ、1,2角中間で外からハナを叩かれると抵抗する間もなく控えた、交わされたところでは頭を上げて明らかに影響を受けていた、その後は控えて好位のインを追走で外には馬の壁ができていた、好位インのまま直線へ進入すると狭いところを突こうとしたがスペースは完全に空き切らず、十分に追えないままゴールして10着
【6】東京2000m2勝クラス:1着:1ヶ月:岩田
・追い切りはここも南Wオンリーで、速めの時計は最終追いで出されていた
・レースは33.7 – 57.1 – 36.3の前傾2.6で、後続を離して逃げた2頭が作ったラップ、後続3番手以降はおおよそ2.8秒ほど離れており、入りの3F5Fは36.5 – 59.9くらいでの通過、ラストは残り500mくらいから前が変わって3Fは12.3 – 11.7 – 12.3という展開
・大外9番枠から外にヨレるようにスタートすると出負け気味だったが、向正面に入るまでには2番手からかなり離れた3番手を確保した、序盤は若干行きたがっていたが残り1400m付近からは落ち着いた、直線入り口では2番手だったが、残り500mで馬なりで先頭に立つと残り300mからしっかり追われ上がり2位で優勝、ここは相手関係的にも楽そうであった
・次走のレース前コメントで陣営は「前走は万全と言えない中での快勝」とコメントしており、本調子ではなかった
【7】東京2000m3勝クラス:12着:1ヶ月:岩田康
・追い切りはいつも通り南Wオンリーも、5Fから速い時計がなく、終い重点の内容が目立っていた、また1週前には併せ馬で遅れており、ここも本調子ではなかった可能性が高い
・レースは35.9 – 59.9 – 34.3の後傾1.6で、道中平均的なペースからラストは残り3Fから0.9加速して11.0 – 11.3 – 12.0とゴールへ失速するジャックドール逃げのラップ
・中枠からゲートでの駐立が悪く、大きく立ち上がるように出遅れると最後方からになった、その後も終始後方を追走するとそのまま直線へ、外には出さず馬群を突くようにして追われ上がり2位を使ったが上位争いには加われず12着敗戦、出遅れが全てのレースになってしまった
4歳
【8】東京2000m3勝クラス(稍重):1着:2ヶ月半:岩田
・陣営からは前走の出遅れを鑑みて、「中間はゲートで縛って矯正を」とコメントがあった、追い切りは南W単走で本数が多く乗り込まれ、最終のみ併せ馬で5F66.1 – 11.9が出されていた、ハンデ55kg
・レースは小雨の降る稍重の中、36.4 – 61.2 – 34.8の後傾1.6で、序盤をややスローで進めるとラストは残り3Fから1.1加速して10.9 – 11.7 – 12.2とラストはゴールへ失速する展開
・内目の枠からスタートすると出していってハナへ、だいぶ気勢よく走っており、終始抑えられながらの逃げになっていた、そのまま抑えられながら先頭で直線に進入すると馬場の内目を避けて真ん中に出された、残り300mから追われるとしっかり伸びて差を詰めさせず逃げ切り勝ち、逃げ先行の競馬をしながら直線でもう一度脚を使えるのが本馬の強み
【9】エプソムC(重):1着:4ヶ月:岩田康
・追い切りは南W主体で(中間1本だけ坂路)、2週前、1週前、当週と続けて併せ馬が行われていた、また2週前には6F換算で自己ベストの6F81.5 – 65.3 – 11.1が出されていた、陣営は「先週のケイコは物足りなかったが、今週はいい動きを見せた」とコメント
・レースは重馬場の中36.2 – 59.7 – 35.1の後傾1.1で、道中を平均ペースで進めるとラストは残り3Fから0.4加速して11.5 – 11.3 – 12.3と重馬場ながら上がりはかかり切らない展開
・中枠からスタートすると出したが他に速い馬がおり控えて外目の3番手を追走、相変わらず道中は抑えられながら追走していた、直線では馬群が内目空けており本馬も外目へ出されると残り400mでは抜け出して先頭、ラストはさらに外の馬に迫られたが凌いで優勝
・直線でもラストまで脚を伸ばせており、使える脚が長い
【10】毎日王冠:5着:4ヶ月:岩田康
・陣営コメントから在厩で調整されていた模様、追い切りはWオンリーで1週前には自己ベストに迫る6F83.7 – 65.3 – 11.3が出されていた、当週は単走で終い重点
・レースは雨の降る良馬場の中34.5 – 57.9 – 34.4の後傾0.1で、序盤から逃げ馬が飛ばして逃げて11.8以下が続く展開、ラストは残り3Fから0.5加速すると11.3 – 11.3 – 11.8と伸びて上がり上位馬のワンツー決着
・内枠からアオって出遅れると中団後方のインを追走した、道中でペースが流れた影響か向正面では比較的折り合って追走できていたが、勝負どころの3角以降で馬群が詰まってくると相変わらずハミと若干喧嘩するような形だった、そのまま4角まで進めると後方の最内から直線へ、前2頭の手応えが悪く若干外へスイッチされると上がり2位で伸びたが前との差は詰まりきらず5着まで
・レース前の陣営コメント、レース後の鞍上コメントでともに「最高の状態」と語られており、長く在厩した影響でかなり状態がよかった様子
【11】天皇賞秋:11着:中2週:岩田康
・追い切りはWオンリーで3勝クラス勝ちのアメジストS以来最終追いで強めの負荷がかけられていた
・レースはパンサラッサが飛ばす展開で34.7 – 57.4 – 36.7だったが、2番手以下は離れており35.0 – 59.4 – 33.6程度の上がり勝負ラップだった
・中枠外目からスタートを切ると押して出して行って3番手のインコースを追走した、その後はスローの2番手のペースに合わせて折り合って追走できていた、そのまま好位のインから直線へ進入すると残り300m手前まではジャックドールと併せ馬で伸びていたが、それ以降は後続の馬に交わされる形で11着敗戦
・着順こそ11着だが、5着シャフリヤールとは0.3秒差ということを考えると上がり勝負の割には負けていない
5歳
【12】AJCC:1着:3ヶ月:岩田康
・陣営は「今までで最も動きにキレがあり(中略)、実戦でエキサイトしなくなり気性の成長がうかがえる」とコメントしており、気性面の成長分と調子の面では文句なしだった、追い切りはWオンリーで5F6Fからの高負荷はかけられていなかった
・レースは36.3 – 61.3 – 35.2の後傾1.1で、残り3Fまでスローで進めるとそこから0.5加速して11.9 – 11.3 – 12.0と伸びる展開
・内目の枠から若干アオって出負け気味のスタートを切ると強気には出していかず折り合い重視で好位のインコースを追走した、道中はスローだったがしっかり折り合いの中で追走できており気性面の成長が見られた、勝負所では馬群は残り800mから若干加速を開始したが引っ張りっきりの手応えで周ってくると残り600mから手綱を緩めて進出を開始、手応え抜群で好位の内目を周ってくると一瞬で抜け出して後続を凌いで優勝
・長く脚を使えて上がりもある程度まとめられることからスローから長い脚を求められる展開に最も適性がある
【13】大阪杯:8着:2ヶ月半:岩田康
・追い切りは相変わらずのパターン、陣営は「在厩期間が長く輸送は鍵だが」とコメントしており、5歳にして関西への輸送は初めてだった
・レースは35.5 – 58.9 – 35.3の後傾0.2で入りは良馬場のGⅠとしてはややスローだったが残り6Fから0.6加速して11.4 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 11.4 – 12.5と長い高速ロングスパート戦となった
・内枠からスタートすると直後外にヨレたが、ぶつかられた方が影響が大きく本馬はまともに出ていた、その後は内へ寄せていき中団前目のインを折り合い重視で追走した、勝負所では窮屈なところに入っていたせいで仕掛けられず追い出しは中団のインから直線に進入してから、直線では相対的に伸ばすことができずに8着まで
・長く脚を使えるのが強みであるが、勝負所で内目に押し込められてしまったのが痛かった
【14】オールカマー:7着:5ヶ月半:岩田康
・追い切りは2週続けてジョッキーが乗って速い時計で併せ馬が行われており、急仕上げにも見えた、馬体重は+12kg
・レースは36.0 – 61.1 – 35.5の後傾0.5で前半をスローで進めるとラストは残り5Fから0.9加速して11.5 – 11.5 – 11.6 – 11.5 – 12.4と伸びる高速5F戦
・中枠外目から好スタートを決めると出て行ってタイトルホルダーの2番手を追走した、序盤出して行ったことで道中はややかかっていた、向正面では外から押し上げてくる馬がいたことで3角手前では好位のインに押し込められる形となっていた、勝負所では馬群の加速に付き合って残り3F過ぎから追い出しを開始すると好位のインから直線へ、直線ではそれなりに伸びていたが前を飲み込めるほどではなく7着まで
・レース後鞍上は「今日は攻めた結果です」とコメントしており、序盤出して行ったことでかかり気味だったことを言っている可能性が高い
【15】天皇賞秋:10着:1ヶ月:岩田康
・追い切りはWオンリーでの調整で、1週前には自己ベスト80.8 – 64.6 – 11.6が出され併せ先着していた、当週は終い重点、馬体重は-8kgしており、調整過程からもメイチなのがうかがえた
・レースは34.9 – 57.7 – 34.7の後傾0.2で、道中は11.5以下が続くハイペースからラスト3Fは11.6 – 11.4 – 11.7と勝ち馬が抜け出してラップを落とし切らない展開
・最内枠からスタートすると折り合いを意識しながら中団のインを追走した、その後道中はスムーズでそのまま中団のインから直線へ、直線では後退する一方で10着敗戦
・レースは1:55.2のスーパーレコードであり、時計かかる条件が合う本馬には苦しい設定だった
6歳
【16】アミールT(カタール2400m):4着:3ヶ月半:岩田康
・内目の枠からスタートすると行きたがるのを抑えられながらハナへ、道中には外からハナを叩きに来た馬がおり、反応して引っかかっていた、その後は終始手綱を引かれたまま逃げ馬の番手の最内で追走するとそのまま直線へ、直線ではそれなりに伸ばしていたが相対的には伸ばせず4着まで
【17】QE2世C(香港シャティン2000m)(稍重):3着:2ヶ月半:岩田康
・内枠からスタートすると押して出して行ってハナへ、1, 2角では外から競りかけてきた馬がいたが再度促すような形でハナは譲らなかった、道中は手綱を引かれてはいたが、なんとか収まっている様子だった、その後はスムーズで後続とは1馬身ほどの差で直線へ、直線でも最内で懸命に伸ばしたが、外から伸びた2頭には抗えず3着
・レース後陣営は「非常に良いレースができたと思いますが、逆に上位の馬とは力の差があると感じたので悔しいです」とコメントしていた
【18】札幌記念:1着:3ヶ月半:岩田康
・陣営は「帰国後はジョイナスFでリフレッシュ。遠征を経て環境変化にも慣れてきた印象。前走内容から札幌の洋芝と小回りは合いそう」とコメントしていた、追い切りはW主体の週末坂路での調整から、当週のみ札幌の芝コースで3Fだけ時計を出していた、速めの時計は1週前にWで84.1 – 66.1 – 11.2が出されていた
・レースは序盤を比較的スローペースで入ると、ラストは残り6Fから0.6加速して11秒台に突入して11.8 – 11.7 – 11.9 – 11.9 – 11.7 – 11.9と11秒台が6F連発する展開で、4角5番手以内の馬が圏内を独占する先行決着
・大外枠からスタートすると出て行って2番手外を追走した、序盤こそほんの少し行きたがっていたが、1角を過ぎてからはしっかり折り合えていた、道中は逃げ馬がやや離しており、本馬は3馬身差ほどの2番手を追走していた、勝負所では残り3Fから徐々に進出を開始すると前との差を詰めて先頭に立って直線へ、直線では瞬時に後続を離すとリードを保ったまま1.3/4馬身差で快勝
・4角ではまわり切る前に左手前に替えてしまい直線ではやや内へささったが、大きな影響はなく抜け出した
・レース後鞍上は「初めて完璧に近いレースが出来たのではと思います。最初のゴール板すぎくらいから自分のペースで行けて、このペースで行けるんだ、というレースでした。だからこそ3コーナー過ぎで仕掛けて、素晴らしいこの馬の瞬発力を見せてくれたと思います」とコメントしており、海外も経験して馬が精神的に成長し、パフォーマンスアップに直結している
結論(再掲)
■前進気勢が強く気性的な難しさのある馬だが、近走は精神的な成長が見られ、折り合いが要因でパフォーマンスを落とすような所はなく、前走の札幌記念はレース後鞍上が「初めて完璧に近いレースが出来たのではと思います。最初のゴール板すぎくらいから自分のペースで行けて、このペースで行けるんだ、というレースでした。だからこそ3コーナー過ぎで仕掛けて、素晴らしいこの馬の瞬発力を見せてくれたと思います」とコメントしていたように気性面での成長がパフォーマンス向上に直結している
■元々はゲートでの駐立が悪くよく出遅れていたが、上記の成長も影響してか近走は安定したスタートが切れている
■強めの前進気勢で先行しながらも道中ゆったり追走できる区間があれば長く良い脚を使える点が強みで、反対に道中も持続的な追走力が求められるマイル寄りの展開や、勝負所までスローで進めての高速上がり勝負が相対的に向かない
■過去の準オープン以上での好走は以下のように時計のかかる条件であり、瞬発力が強みではないことから、オープンクラスの上位レベルでは時計のかかる馬場や展開が欲しい
・ラジオNIKKEI賞(GⅢ):3着:稍重 (前走から2ヶ月間隔)
・東京2000m3勝クラス:1着:稍重、スロー (前走から2ヶ月半間隔)
・エプソムC(GⅢ):1着:重 (前走から4ヶ月間隔)
・AJCC(GⅡ):1着:冬場の中山、スロー (前走から3ヶ月間隔)
・QE2世C(GⅠ):3着:稍重 (前走から2ヶ月半間隔)
・札幌記念:1着:洋芝、スロー (前走から3ヶ月半間隔)
■控えた毎日王冠でも先行した天皇賞秋2022でも上がりは34.0(キャリア最速)であり、この辺りが使える脚の限度のため、今年の天皇賞が良好な馬場状態の中でスローからの瞬発力勝負になると分が悪いが、上記の過去の好走歴にあるような道悪×スローペースで時計がかかる展開となれば、ここでも十分やれると見る
■また、過去に2度挑戦した天皇賞秋では、2022年はスローからの瞬発力勝負、2023年は超ハイペースを前受けかつスーパーレコード決着と明確に本馬に向いていなかった、加えて、上記の過去の好走歴はいずれも前走から2ヶ月以上間隔をあけての出走だった一方で、過去の天皇賞秋は2年とも約1ヶ月以下の間隔で参戦しており、この点も良くなかった、一方で、今年は前走から2ヶ月以上をあけての参戦であり、残る条件である時計のかかる馬場、スローペースの展開が揃えば穴をあける、揃う条件によっては本命級
Gregory