ラジオNIKKEI賞の各馬分析4頭目はデルアヴァー。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
ラジオNIKKEI賞の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
デルアヴァー:牡3歳:Frankel×米国型:前走京都新聞杯6人気3着:◯◯
結論
■キャリア7戦中5戦で上がり最速、6戦で上がり3位以内を使っているように末脚が武器だが、末は一瞬でキレるというよりは良い脚を長く使えるタイプのため、これまでスローペースで先行馬が粘り込みを図る展開で差し届かずという形で敗れているレースが多い
■差し損ねが多いもう一つの要因として序盤の出脚が鈍い所があり、これまで最もポジションを取れたのが使った中で最も距離が長く展開もスローだった前走の京都新聞杯であり、それでも1角の番手は10頭中の6番手だったように、序盤にポジションが取れない所がある
■キャリアで唯一の前傾ラップだった前々走の福島2000m1勝クラスで快勝しているように、先行馬に向く展開やコース形態より、直線が長く先行馬が垂れるような展開で長く末脚を伸ばすレースが最も向いている
■開幕週のローカル1800mで行われるラジオNIKKEI賞では序盤にポジションが取れないことは大きな減点材料であり向くレースではないと考える、警戒したいのはペースが流れて差しが入る展開になった時で、これまでクロワデュノールと0.5秒差、ジョバンニと0.2秒差の競馬をしてきた実績からも能力があるのは確か、総合的にはしっかり人気になりそうな点、前走の重賞3着もあって斤量が56kg以上となりそうな点を割り引いて最高でも相手(3連複なら2列目)までとしたい
全レース分析
2歳
【1】福島1800m新馬:1着:三浦
・陣営は「母はダート馬だったが芝向き」とコメントしていた、追い切りは併用で毎週遅れてはいたが併せ馬も行われていた、当週は坂路で単走
・レースは開催2日目(Aコース2日目)の馬場の中37.1 – 62.6 – 35.3の後傾1.8で、序盤をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから1.1加速して12.2 – 12.0 – 11.9 – 12.0 – 11.4とラスト1F加速する展開で上位の上がりを使った2頭でワンツーの決着
・内枠からスタートすると二の脚が遅く後方の馬群を追走した、道中には向正面で馬群の外に出されて3角では後方の外を追走していた、勝負所では早めから仕掛けられてムチも入れられながら馬群の一番外を大きくまわしてくると中団後方の大外から直線へ、直線では大外をまわして勢いそのままにゴールまで力強く伸びて1馬身半差で快勝、2位より0.4秒速い上がり最速だった
【2】東スポ杯2歳S:5着:4ヶ月半:三浦
・追い切りはW主体での調整から当週は坂路で単走、1週前には自己ベストの82.0 – 66.7 – 11.8が出されていたが併せ馬では遅れていた、中間にはゲート練習も行われていた、4ヶ月半の休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースは開催13日目(Cコース1日目)の馬場の中36.1 – 60.9 – 33.4の後傾2.7で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから1.2加速して11.3 – 10.9 – 11.2と伸びる高速上がり戦で、上位の上がりを使った5頭が5着までを独占した
・9頭立ての5番枠からスタートすると出脚が鈍く控えて後方を追走した、道中は落ち着いて追走すると勝負所の3角からは最内の進路を選択して後方の内目から直線へ、直線では他馬に負けていない伸び脚で上がり最速を使ったが、他馬も速い上がりを使っており差を詰められず、勝ち馬から0.5秒差の5着まで
・レース後鞍上は「ゲートを出てからも鳴いているように、行き脚がつきませんでした。コーナー4つで、2000mくらいあった方が良いかもしれません。今日は上がりの競馬によく対応してくれました」と1800mでも短いかもしれないとの旨のコメントをしていた
・序盤の出脚が遅いのもあって5着だったが、休み明けでこの展開の中最速の脚が使えるだけのエンジンは積んでいる
【3】ホープフルS:9着:1ヶ月半:三浦
・陣営は「上がりの時計は持っているのでまずはスタートを五分に」とコメントしていた、追い切りはW主体での調整で1週前には自己ベスト81.6 – 66.4 – 11.7が出され併せ先着していた、当週はWで単走軽めで、中間には前走にも増してゲート練習が行われていた
・レースは開催9日目(Aコース9日目)の馬場の中36.0 – 61.4 – 35.5の後傾0.5で、前半をややスローペースで進めると、ラストは残り5Fから0.7加速して12.0 – 11.6 – 11.7 – 11.9 – 11.9と伸びるロングスパート戦で上位の上がりを使った2頭がワンツーする決着
・中枠から遅めのスタートを切ると控えて後方の馬群を追走した、勝負所では3角付近から外目に進路を取られながら促されたが前との差は詰められず後方の外から直線へ、直線では本馬なりに伸びて脚は使っていたものの数頭パラパラと交わせるくらいで9着まで
・レース後に鞍上は「ゲートの1歩目は前回より出てくれましたが、他の馬より1馬身遅れてしまいました。ペースも遅かったですし、最後まで伸びてはいますが、そのあたりは今後の課題だと思います」とコメントしていた
3歳
【4】中京2000m1勝クラス:2着:連闘:三浦
・追い切りは連闘のため時計なし
・レースは開催1日目(Aコース1日目)の馬場の中36.9 – 61.7 – 35.3の後傾1.6で、道中は途中加速ラップが入りながらもスローペースで進めるとラスト4Fは12.3 – 12.0 – 11.7 – 11.6とゴールへ加速する展開で、上位の上がりを使った馬が圏内を独占する末脚決着
・9頭立ての7番枠からスタートすると相変わらず序盤は遅く控えて後方を追走した、道中は落ち着いて追走し3角では後方外目の位置取り、勝負所では馬群の外目を加速していって中団後方の大外から直線へ、直線では内へヨレるのを矯正されながら追われるとしっかりと伸びて上がり最速を使ったが、内から抜け出した馬に及ばず2着まで
【5】若葉S(L)(阪神2000m):4着:2ヶ月半:武豊
・陣営は「差のない2着と力は見せた。中間はゲートで縛ったが、効果はあると思う」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前には自己ベスト80.0 – 65.7 – 11.7が出され併せ馬で遅れていた、当週はWで単走、このレースで武豊へ乗り替わり
・レースは開催7日目(Aコース7日目)の馬場の中36.1 – 60.3 – 34.7の後傾1.4で、道中を緩まり切らないラップで進めると、ラスト3Fは11.8 – 11.4 – 11.5と残り2Fからの加速が大きな展開で、上位の上がりを使った4頭が4着までを独占した
・9頭立ての8番枠からスタートするとほぼ馬なりで控えて後方の外を追走した、向正面でも一番外を追走していた、勝負所では残り4F過ぎから徐々に促されて一団となった馬群の後方の大外から直線へ、直線ではしっかりと脚を使って上がり最速で伸びたが、自身より内前から抜け出した組には及ばず勝ち馬から0.2秒差の4着まで
・スタートで後手を踏んで道中から勝負所で外をまわして上がり最速で差せずという競馬が多くなっているため、直線の長いコースで先行勢が楽ではないタフな展開が向きそう
【6】福島2000m1勝クラス:1着:1ヶ月:荻野
・追い切りはW主体での調整で、これまでより終い重点の内容だった
・レースは開催3日目(Aコース3日目)の馬場の中35.4 – 58.4 – 35.9の前傾0.5で、前半を11.7以下が続くハイラップで進めると、後半5Fは12.1 – 12.4 – 12.6 – 11.7 – 11.6と時計を要してラスト2F加速する展開で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着
・内枠からスタートすると馬なりで控えて後方を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り4Fとなる3角付近から促されて外をまわして中団の大外から直線へ、直線ではキレる様子ではないものの長く脚を使うと2位より1.1秒も速い上がり最速の脚で2馬身抜けての快勝
・キャリアで初めての後傾ラップで長く脚を使って良いパフォーマンスを出した
【7】京都新聞杯(稍重):3着:中3週:荻野
・追い切りはW主体で間隔も考慮されて時計はやや軽め
・レースは開催5日目(Cコース5日目)の稍重の馬場の中37.0 – 63.3 – 33.8の後傾3.2で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから1.4加速して11.4 – 11.6 – 10.9 – 11.3と伸びる高速4F戦で、同率で上がり最速を使った3頭が1.2.4着する末脚決着
・外目の枠からスタートすると少し促されて中団の外を追走した、道中は前走から大きくペースが落ちた形だが折り合って追走できていた、勝負所では残り900m付近から外へ出されると加速して好位の外目の位置取りとなってそのまま外目から直線へ、直線では相変わらずラストまで良い脚を使って前との差を詰めていたが自身より内と前から抜け出した2頭には及ばず勝ち馬から0.5秒差の3着まで
・レース後に鞍上は「前走に比べて馬のやる気も増していました。流れも緩かったので自分から動かす形にして、ラストもよく踏ん張っています。これからもっと良くなると思います」とコメントしていた
結論(再掲)
■キャリア7戦中5戦で上がり最速、6戦で上がり3位以内を使っているように末脚が武器だが、末は一瞬でキレるというよりは良い脚を長く使えるタイプのため、これまでスローペースで先行馬が粘り込みを図る展開で差し届かずという形で敗れているレースが多い
■差し損ねが多いもう一つの要因として序盤の出脚が鈍い所があり、これまで最もポジションを取れたのが使った中で最も距離が長く展開もスローだった前走の京都新聞杯であり、それでも1角の番手は10頭中の6番手だったように、序盤にポジションが取れない所がある
■キャリアで唯一の前傾ラップだった前々走の福島2000m1勝クラスで快勝しているように、先行馬に向く展開やコース形態より、直線が長く先行馬が垂れるような展開で長く末脚を伸ばすレースが最も向いている
■開幕週のローカル1800mで行われるラジオNIKKEI賞では序盤にポジションが取れないことは大きな減点材料であり向くレースではないと考える、警戒したいのはペースが流れて差しが入る展開になった時で、これまでクロワデュノールと0.5秒差、ジョバンニと0.2秒差の競馬をしてきた実績からも能力があるのは確か、総合的にはしっかり人気になりそうな点、前走の重賞3着もあって斤量が56kg以上となりそうな点を割り引いて最高でも相手(3連複なら2列目)までとしたい
Gregory