天皇賞秋の各馬分析5頭目はタスティエーラ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
タスティエーラ:牡5歳:サトノクラウン×マンハッタンカフェ:前走QE2世C(香港シャティン2000m)2人気1着:◯◯
結論
■ダービー馬でありながらこれまでに上がり最速を使ったことがないようにスローペースからの瞬発力勝負で高速上がりを使うタイプではなく、序盤に出して行っても折り合える強みを活かしてある程度のポジションを取り、直線でも力強く長い脚を使うことでポジション利を活かし切る競馬が好走パターンであり、前走後には鞍上も「直線に入ってからはゴールまで集中力を切らさずにこの馬の特徴であるタフな長い脚を使ってくれました」と強みについて言及していた
■追い切りはWを主体とした併せ馬でしっかり速い時計を出されるのが本馬の順調なパターンであり、不可解と言って良い負け方をした大阪杯、天皇賞春の2戦では、大阪杯では新馬戦以来の最終追いが単走、天皇賞春ではキャリアで初めて最終追いが坂路と、それぞれ異なるパターンで調整されていた、陣営は状態を見抜いて調整に工夫を施してきていると見て良く、順調な調整過程でない場合は状態を疑いたい
■天皇賞秋は昨年2着に好走した舞台だが、直線の長いコースで速い上がりが求められると本質的に向く流れではない、一方で、道中がある程度持続的なペースで流れてポジションが取れることや持続的な展開でも末脚を伸ばせる適正が求められればある程度力は出せるのでは、しっかりと一定程度は評価したい存在ではあるものの、前走GⅠ勝ちや昨年のリピーターである点から楽な人気にはならなさそうで、実際の人気次第ではあるものの、あくまで相手としてしっかり評価する形になるのでは
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬:1着:ムーア
・追い切りはW主体週末坂路での調整で、1週前には84.6 – 66.5 – 11.3が出されていた
・レースは開催17日目(Cコース4日目)の馬場の中36.8 – 61.3 – 33.5の後傾3.3で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから1.2加速して11.2 – 11.1 – 11.2と伸びる高速上がり戦で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着
・外枠からスタートすると促されて出て行って逃げ馬の外の2番手を追走した、道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り3F手前から促されると逃げ馬に並びかけて直線へ、直線ではキレる様子ではなかったものの、ラストまで力強く脚を伸ばして3馬身半差の完勝
・血統からもキレる脚よりは長く良い脚を使えるタイプの可能性が高い
3歳
【2】共同通信杯:4着:2ヶ月半:福永
・陣営は「引き続き胃薬を投与しているが、デビュー前よりカイ食いが良化。心身のまとまりが1段階上がっている。重賞でも能力を出せれば」とコメントしていた、追い切りは前走と同じくW主体の週末坂路での調整で、1週前には自己ベスト6F81.3 – 65.7 – 11.9が出され併せ先着していた
・レースは開催6日目(Dコース6日目)の馬場の中35.3 – 60.5 – 34.1の後傾1.2で、道中を平均ペースで進めると、ラストは残り3Fから1.1加速して11.3 – 11.3 – 11.5と伸びる展開で、4角で1, 2番手の馬が2, 1着する先行決着
・中枠から少しあおり気味のスタートを切ると、手綱と喧嘩して行きたがるのを抑えられながら中団の馬群を追走した、向正面では外からポジションを上げる馬がいたことで3角では中団外の位置取りとなっていた、勝負所では残り700m付近から少しずつ促されて中団の外から直線へ、直線ではある程度は伸びていたが、先に抜け出した馬に迫り切れるほどではなく0.2秒差の4着まで
・レース後鞍上は「勝ち馬の後ろで運びたかったが、理想よりも1列後ろになってしまった。ただ、道中は上手に走っていたし、互角の勝負をしていたから。父によく似ている」とコメントしていた
【3】弥生賞:1着:中3週:松山
・陣営は「23、26日が坂路追いだったため1日はWコースで。強めに攻めたい馬が追走する形で先頭を走らせて最後までハミを取っていました」とコメントしていた、追い切りは中3週を考慮されてか前2走と比較すると軽めだった
・レースは開催4日目(Aコース4日目)の馬場の中35.9 – 61.0 – 35.0の後傾0.9で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.6 – 11.5 – 11.9と伸びる展開で、4角で5番手以内の馬が圏内を独占する先行決着
・10頭立ての6番枠からスタートすると出て行って外へ誘導されて好位の外を追走した、スローペースだったが道中はしっかり折り合って追走できていた、勝負所では残り700m付近から促されて馬群の外を加速していくと、前から2列目内から3頭目になって直線へ、直線ではしっかり脚を使って抜け出すと、ラストまで後続に差を詰めさせず1馬身リードを保って優勝
・レース後鞍上は「勝負どころで少しズブさを見せるところがあり、レースを見てそういうイメージを持っていたので、しっかりと動ける位置で、自分から動いて勝ちにいく競馬をしました。馬がしっかり応えてくれて、強い競馬をしてくれたと思います(中略)、道中はスローでしたが折り合いはついていましたし、リズムは良かったです」とコメントしていた
【4】皐月賞(重):2着:1ヶ月半:松山
・陣営は「今週はクオーターカップのブリンカーを着用。効き過ぎているくらいの反応だった。もう1段階上のギアを隠し持っていそうで、ポテンシャルを出し切れれば勝ち負けできると思う」とコメントしていた、追い切りはW主体での調整で2週前には自己ベスト81.2 – 64.7 – 11.2が出され併せ先着していた、当週もそれなりに速い時計での併せ馬が行われていた
・レースは開催16日目(Bコース6日目)で重になった馬場の中35.1 – 58.5 – 37.2の前傾2.1で、前半を馬場も考慮するとかなりのハイペースで進めると、ラスト4Fは12.5 – 12.7 – 12.5 – 12.0と上がりを要し、ラストは差しが入って加速する展開で、9着までのうち8頭が3角で8番手以下の差し有利
・外枠からスタートすると出て行って好位の外を追走した、道中は少し促されながら馬群の外を追走していた、向正面でも前が継続的に飛ばした影響で3角では中団外の位置取りになっていた、勝負所では残り3F手前から促されると馬場の悪い内目を避けて大きく外をまわって中団の外から直線へ、直線では力強く脚を伸ばして馬群から抜け出すとラストまで脚を伸ばしたが外から伸びた勝ち馬には抗えず2着まで
・本馬以外は9着までが3角で8番手以下の馬だった完全な差し決着の中で唯一3角で6番手から2着しており、世代では明確に上位の存在であることを示した
【5】日本ダービー:1着:1ヶ月半:レーン
・陣営は「1週前追い切りのあと、活気が戻らなかったので日曜追いを抜き、当週とすればしっかり追った。体調や精神面は前回より良く状態もいい。上手に立ち回れればチャンスはあります」とコメントしていた、追い切りは相変わらずW主体での調整で、全体時計もそこそこ出されていたが、前走と比較して終いをしっかり伸ばす時計が出されていた
・レースは開催12日目(Cコース2日目)の馬場の中35.3 – 60.4 – 35.3の前後傾フラットで、道中を平均ペースで進めると、ラストは残り4Fから0.5加速して11.9 – 11.6 – 11.9 – 11.8と伸びる高速4F戦で、馬券圏内の3頭がいずれも上がり3位以内ではなく差しが入りづらい展開だった、逃げ馬が1頭で飛ばした影響で2番手以下はラップ以上にスローペースだった
・外目の枠からスタートすると出て行って好位の馬群を追走した、2角からは中団前目の外の位置取りとなっていた、道中は前に馬を置いてしっかり折り合って追走できていた、勝負所では残り4F付近から少しだけ促されていくと好位の外になって直線へ、直線では長く脚を伸ばして残り200mで先頭に立つと、ラストは後続に迫られたがクビ差凌いで優勝
・レース後鞍上は「速いスタートを切れて、いいポジションを取って、リラックスして折り合う競馬がこの馬の強み。今日はポジションが良かったです」とコメントしていた
・2番手以下がスローペースだったことで前が止まらない展開の中で好位で進められたのが大きかった印象で、勝負所で早めにエンジンをかけにいけるという点で、道中内目過ぎなかったこともプラスに出ていた
・ここまで共同通信杯を除いて連を外していないが、上がり最速を使ったことがないように、強烈な末脚で差し切るというよりは、先行して折り合って直線でもしぶとく脚を伸ばすような競馬が合っている
【6】菊花賞:2着:5ヶ月:モレイラ
・陣営は「皐月賞は抜け出してソラを使っていたが、前走は周りに馬がいて集中して走れた。騎手には追い切りでその点を確認してもらっており大丈夫。今のところ何も不安がなく送り出せる」とコメントしていた、追い切りは休み明けを考慮してか3週続けて5F65.5以下の時計が出される過程で、1週前には自己ベスト80.5 – 64.5 – 11.2が出され、当週にはジョッキーが騎乗していた、初の関西遠征で、長い休養明けだったが馬体重には大きな変化はなかった
・レースは開催7日目(Aコース7日目)の馬場の中35.5 – 60.4 – 124.5 – 34.9の後傾0.6で、前半をミドルペース、中盤をスローペースでそれぞれ進めた後、ラストは残り4Fから0.5加速して11.6 – 11.7 – 11.4 – 11.8と伸びる高速4F戦で、上位の上がりを使った馬が上がり順位のまま圏内を独占した
・中枠内目からスタートすると出て行って中団の馬群を追走した、1周目ホームストレッチでは中団外の位置取りになっており、しっかり折り合って追走できていた、向正面では外から進出する馬などがおり多少隊列が動いたが、本馬は引き続き中団後方の外目でスムーズに進められていた、勝負所では残り4F手前から徐々に促されていくと、残り3F過ぎから本格的に追い出されて中団の馬群から外に振り過ぎないような進路取りがされて直線へ、直線では力強く脚を伸ばして馬群から抜け出したが、自身より内前から止まらないような脚で伸びた勝ち馬には迫れず、0.6秒差の2着まで
・レース後鞍上は「スタートしてからいいリズムで折り合いがついて、リラックスして走っていました。直線までスムーズで、いい流れで、直線も手応えが良く、前の馬を捕まえられるかと思いましたが、勝った馬が強かったです。競馬の経験が少ないので、これから良くなる部分があると思います」とコメントしていた
【7】有馬記念:6着:2ヶ月:ムーア
・陣営は「菊花賞の前よりもカイ食いが良く、力強さが出てきた。前走より馬体増での出走となりそうだが、調教の量、質ともに十分で問題はない。操縦性も向上し、いい精神状態で臨めそう」とコメントしていた、追い切りはいつものパターンで、5F65秒台の時計が3週続けて出されていた、2ヶ月の間隔だったが馬体は+18kgしていた
・レースは開催8日目(Aコース8日目)の馬場の中30.2 – 60.4 – 35.9で、タイトルホルダーが1角付近から2番手を4馬身ほど離して後続はスローペースだった、ラスト4Fは12.0 – 12.0 – 11.7 – 12.2と残り2Fからの加速が大きな展開で、道中で1, 2番手だった馬が3, 2着に残しており先行馬も止まらない流れだった
・外枠から出負け気味のスタートを切ると押して出して行って中団の馬群を追走した、1周目ホームストレッチでは外からポジションを押し上げる馬がおり、1角では中団後方を単独で追走する形になっていた、その後の道中はスムーズに進めると、勝負所では残り4Fから徐々に促されると馬群の加速になんとか付いていくような手応えで、残り400mから外へ進路を取るような形で中団後方の外目から直線へ、直線では残り200m手前のここから伸びるかというタイミングで挟まれる不利を受けてしまった、その後は外へ切り返されて改めて追い出され伸びていたが6着まで
・レース後鞍上は「馬の状態はすごく良かったです。手応えはありましたが、途中からスローペースになって馬群の中で運ぶ形となり、最終コーナーから直線までスムーズに運べませんでした。最後は良い脚を使っていただけに、その分だと思います」とコメントしていた
・4角では相対的にポジションを上げるほどの加速はできていなかったものの、直線では十分に手応えがある様子だった、加速するタイミングで挟まれた不利の影響が大きく、度外視の1戦と見たい
4歳
【8】大阪杯:11着:3ヶ月:松山
・陣営は「21日の追い切り後は歩様の硬さを出さなかったので、直前はオーバーワークを避けるためにしまいを伸ばす微調整にした。馬体増は問題なく、九分以上の仕上がりで臨めそうですね」とコメントしていた、追い切りは変わらずW主体での調整で、2週前には5F自己ベストの80.6 – 63.7 – 10.9が出されていたが、最終追いは新馬戦以来の単走で、終い重点の時計が出されていた
・レースは開催12日目(Bコース2日目)の馬場の中35.8 – 60.2 – 35.0の後傾0.8で、序盤はスローペースで進めたが、向正面でまくりが入り、ラップは残り6Fから0.8加速して11.8 – 11.5 – 11.5 – 11.4 – 11.4 – 12.2とラストまで伸びるロングスパート戦で、3角時点で3番手以内だった馬が1, 2着し、後方から上位の上がりで差し込んだ馬が3, 4着する決着
・内枠から五分のスタートを切ると出て行って好位のインを追走した、道中は前に逃げ馬を見る位置でポジションを変えずにスムーズに追走できていた、勝負所でもポジションは変えず好位のインで馬群の加速に付き合ってそのまま好位のインから直線へ、直線では伸ばせず11着敗戦
・レース後鞍上は「スタートも良かったですし、道中のポジションも良かったです。いい形で競馬ができたと思ったのですが、結果を出せず申し訳ありません。これだけ負ける馬では無いですし、何も無ければいいと思います」とコメントしていた
・道中は少しのめるような仕草があり、脚周りの状態が良くなかったなど、何か事情があったのでは
【9】天皇賞春:7着:1ヶ月:モレイラ
・陣営は前走について「はっきりした敗因は分からないけど、輸送後のカイ食いが悪くて8割残していた。今回はひと叩きしたことで、いい印象を持っている。現地でしっかりと態勢を整えて臨みたいです」とコメントしていた、追い切りは1週前こそWだったが、当週はキャリアで初めて坂路で調整され、時計もかなり軽めだった、馬体は2戦続けての減少で-6kg
・レースは開催4日目(Aコース4日目)の馬場の中36.6 – 59.7 – 121.7 – 35.3の後傾1.3で、序盤を平均ペースで入ると、600-1200mでは11.5 – 11.6 – 11.5と速めのラップが入ったが、その後は残り4Fまでは12秒中盤から後半が続く息の入る展開、ラストは残り4Fから0.9加速すると11.9 – 11.7 – 11.6 – 12.0とラストまで失速しきらずに伸びる展開で、前に楽な展開ではなかったか5着までのうち3頭が4角10番手以下の差し馬だった
・内目の枠からスタートすると中団の馬群を追走した、序盤は少しハミを噛んでいたが折り合いの中ではあった、1周目ホームストレッチでは意識的に内へ誘導され、中団のインの位置取りとなっていた、その後の道中は中団後方のインの位置取りのままスムーズに進められていた、勝負所では残り5F付近から徐々に促されていくと最内のまま馬群の加速に付き合って4角でインアウトで外へ出されて直線へ、直線ではバッタリ止まっている訳ではないものの相対的に伸ばすことはできず7着敗戦
・レース後鞍上は「想定していたレースで中団のラチ沿いのいいところをロスなく運んだ。折り合ってリズム良く、いい展開だったけど伸びなかった」とコメントしていた
・大阪杯と天皇賞春の2戦では、大阪杯は新馬戦以来の最終追いが単走、天皇賞春は初の最終追いが坂路と調整のパターンが明確に変えられていた
【10】天皇賞秋:2着:6ヶ月:松山
・陣営は「使って状態が上がってこなかったので宝塚記念を使わず休養して大幅にリフレッシュ。気持ちが高ぶることなく心身がまとまっている。フットワークの感じも戻り、二千もいい舞台」とコメントしていた、追い切りは従来のW主体の調整に戻され、3週続けてしっかりと時計が出されていた
・レースは開催8日目(Bコース2日目)の馬場の中35.9 – 59.9 – 33.7の後傾2.2で、道中は12.0付近が続く持続寄りのスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.1 – 11.1 – 11.5と伸びる展開
・内枠からスタートするとほとんど馬なりで出て行って好位の馬群を追走した、道中は折り合って追走できていた、勝負所でも馬群の位置取りのまま馬群の加速に付き合うと中団前目の馬群から直線へ、直線では進路を求めて前の馬の外へ切り替えられると一瞬でキレる様子ではなかったがゴールまでしっかりと脚を使って逃げ馬を交わして2着
・レース後鞍上は「雰囲気良く、スタートも良く、力みもなくて、いいリズムで走れていました。最後も追ってからしっかり伸びてくれて、あと少しというところまで来たのですが、勝ち馬の決め手にやられてしまいました。能力を示してくれましたし、まだまだやれると思います」
・直線での立ち回りは中団差しの格好だが、一瞬で加速するような脚を見せた訳ではなく、あくまである程度ポジションが取れる強みと、直線でも長く脚を使って末をまとめられる、言わば総合力で好走したような形
・大阪杯、天皇賞春と明確に状態が上がっていなかったが、しっかりと休養でオーバーホールして1発回答の好走、ある程度は追い切りの過程から状態が見えるタイプか
【11】香港C(香港シャティン2世C):3着:1ヶ月半:レーン
・中枠から若干出負け気味のスタートを切ると出て行って1角で外を大きくまわる形になりながらポジションを上げて逃げ馬の外の2番手を追走した、道中は落ち着いて追走できている様子だった、勝負所では残り4F手前から徐々に促していくと逃げ馬に並びかけて直線へ、直線ではしっかりと脚を使って抜け出しにかかったが、ロマンチックウォリアー、リバティアイランドに交わされて3着まで
・レース後鞍上は「今日はロマンチックウォリアーに対して良く頑張ってくれました。良いポジションを取れました。ポジションを取るために脚を使うシーンがありましたが、リズム良く、リラックスして運べていました。日本ダービーの時から精神面と力の面で成長を感じました。一生懸命頑張ってくれました」とコメントしていた
5歳
【12】QE2世C(香港シャティン2000m):1着:4ヶ月半:レーン
・外枠からスタートすると出て行って中団前目の外を追走した、道中はしっかりと折り合って、かなりスムーズに進められているようだった、勝負所ではほとんど馬なりのまま前との差を詰めていくと1列目に並びかけて内から3頭目から直線へ、直線ではしっかりと脚を伸ばすと馬群から抜け出して1馬身半リードを保って優勝
・レース後鞍上は「外枠から良いスタートを切り、良いポジションをとることができました。道中は行きっぷりも良く、直線に入ってからはゴールまで集中力を切らさずにこの馬の特徴であるタフな長い脚を使ってくれました。昨年の12月に騎乗したときより、力がついてきた印象でした」とコメントしていた
結論(再掲)
■ダービー馬でありながらこれまでに上がり最速を使ったことがないようにスローペースからの瞬発力勝負で高速上がりを使うタイプではなく、序盤に出して行っても折り合える強みを活かしてある程度のポジションを取り、直線でも力強く長い脚を使うことでポジション利を活かし切る競馬が好走パターンであり、前走後には鞍上も「直線に入ってからはゴールまで集中力を切らさずにこの馬の特徴であるタフな長い脚を使ってくれました」と強みについて言及していた
■追い切りはWを主体とした併せ馬でしっかり速い時計を出されるのが本馬の順調なパターンであり、不可解と言って良い負け方をした大阪杯、天皇賞春の2戦では、大阪杯では新馬戦以来の最終追いが単走、天皇賞春ではキャリアで初めて最終追いが坂路と、それぞれ異なるパターンで調整されていた、陣営は状態を見抜いて調整に工夫を施してきていると見て良く、順調な調整過程でない場合は状態を疑いたい
■天皇賞秋は昨年2着に好走した舞台だが、直線の長いコースで速い上がりが求められると本質的に向く流れではない、一方で、道中がある程度持続的なペースで流れてポジションが取れることや持続的な展開でも末脚を伸ばせる適正が求められればある程度力は出せるのでは、しっかりと一定程度は評価したい存在ではあるものの、前走GⅠ勝ちや昨年のリピーターである点から楽な人気にはならなさそうで、実際の人気次第ではあるものの、あくまで相手としてしっかり評価する形になるのでは
Gregory
