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タイトルホルダー 【有馬記念2023】

有馬記念の各馬分析1頭目はタイトルホルダー。昨年の有馬記念で本命を打った馬ですが、思えば外枠の先行馬に本命を打った時点で負けが確定していたことを、今年の過去レース分析から認識しました。紛れもない現役最強だった時からは世間の評価は明確に落ちていますが、ここは買える舞台なのかしっかり見極めていきます。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

タイトルホルダー:牡5歳:ドゥラメンテ×欧州型:前走ジャパンC4人気5着:横山和

結論

■日経賞2022から宝塚記念までの3連勝ではいずれも先行しながら上がり3位以内の脚を使っていたようにスピードとスタミナの両方を兼ね備えているのが本馬の強みで、長距離戦において抜群のスタートで先行し、道中マイペースに落として息を入れて、ラストはロングスパートで他馬をちぎるのが勝ちパターン
■過去2度参戦した有馬記念はいずれも2018-2022年のいわゆる差しに向く展開であり、加えて2021年:8枠16番、2022年:7枠13番といずれも外枠だったことを考えれば、2016・2017年のような先行に向く展開で内枠となれば大きく前進できる可能性がある
■競走中止した天皇賞春では向正面で手前を替えられていなかったが、その後の2戦ではしっかり手前を替えられている、この辺りの状態は注視が必要だが、力は落ちきっていないと見ている、2年連続で凡走している舞台であることや天皇賞春での競走中止から人気も落ちそうとなれば、枠と展開の予想次第では重い印も検討

全レース分析

2歳

【1】中山1800m新馬:1着:戸崎
・追い切りは南Wと坂路の併用で終いまで伸ばせないような時計が目立っていた
・レースは38.1 – 63.2 – 35.9の後傾2.2で、残り3Fから0.3加速すると12.0 – 11.8 – 12.1とドスローながら上がりのかかる展開
・内目の枠からスタートすると折り合いついた中で行きっぷりがよくハナへ、その後スローな展開を作ると勝負所では徐々に加速し上がり2位で優勝、展開も楽でここでは力上位、直線ではやや外に張る面があった

【2】東スポ杯2歳S:2着:1ヶ月半:戸崎
・追い切りは南W主体で時計はいずれも軽め、終いも12秒台後半だった
・レースは35.8 – 60.5 – 34.3の後傾1.5で、序盤スローで進めると残り3Fから0.8加速すると11.9 – 11.0 – 11.4と高速上がりの求められる展開
・内枠からスタートすると初戦に続いて行きっぷりよく出て行ったが、外からさらに出ていく馬がおり離れた2番手を追走した、前走と比較してテンションが高く手綱を抑えられるような部分があった、直線は馬場の内目が荒れていたこともあり馬場の3分どころに出されると手応えよく馬なりで上がってきて残り400mから追い出された、上がり3位を使ったがさらに外からダノンザキッドに差されての2着、展開を考えればキレ負けした印象

【3】ホープフルS:4着:1ヶ月:戸崎
・追い切りはWと坂路の併用で、1週前Wでは併せ馬で自己ベスト5F65.9 – 12.8が出されていたがラスト1Fは失速で併入していた、最終追い切りは坂路で単走軽めで、最終追いが坂路で行われるのは初だった
・レースは時計かかる良馬場の中37.2 – 61.9 – 36.8の後傾0.4で、残り6Fから0.7加速すると12.0 – 11.9 – 12.2 – 12.0 – 12.2 – 12.6と後半も時計がかかり、ラストはゴールへ失速する展開
・中枠外目からスタートすると相変わらずよい行きっぷりで出て行った、1角までは頭を上げるようなところがあったが抑えられて2角付近ではしっかり落ちついて好位馬群を追走できていた、勝負所では残り800m付近から外目に出され直線に向いたが上がりをまとめきれず4着
・8着までで上がり3位以内ではないのは本馬だけで、異常に時計のかかる馬場だった影響でバイアスが差し馬に向いていた中でよく踏ん張っていた

3歳

【4】弥生賞:1着:2ヶ月半:横山武
・陣営は「力んで走るのでクロス鼻革を着用」とコメント、追い切りはWと坂路の併用で、中間の坂路では自己ベスト4F51.5 – 12.0が出され、最終のWでは5F69.1 – 11.7と初めて終いを伸ばすような時計で追い切られていた
・レースは36.7 – 62.6 – 34.5の後傾2.2で、序盤スローで進めると残り3Fから0.7加速して11.6 – 11.0 – 11.9という展開
・内目の枠からスタートすると出て行って他に逃げ馬もおらずハナへ行きマイペースな逃げを打った、残り5Fから若干のペースアップをして残り3Fから促されると手応えよく加速しながらコーナリングをして直線へ、上がり3位でまとめて逃げ切り勝ち
・レース後陣営は「この馬の良さは前々で長く良い脚を使える点ですから(中略)、馬具を変えた効果もあったと思います」とコメント、馬具の影響か成長分か、一段上がったパフォーマンスを見せた

【5】皐月賞(稍重):2着:1ヶ月半:田辺
・追い切りはW主体の週末坂路で、詰まり気味の間隔を考慮してか全て単走で行われていた、ただその中でも1週前にはWで自己ベスト5F64.6 – 12.5が出されていた、陣営は「前走時より体も締まった感じで雰囲気は抜群(中略)、もし道悪でのレースなら相当うまい感じだからさらにいい」とコメントしており、道悪への自信と叩いて良化するタイプである可能性を示唆
・レースは稍重の中36.3 – 60.3 – 37.0の前傾0.7で、序盤は馬場考慮すれば平均くらいのペースだったが途中引っ掛かり気味の馬が外から上がって行ったことで残り5Fから0.7加速して11.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 12.6とゴールへ失速し続けて上がりかかる展開
・外枠から好スタートを切ると押して押して出して行ったが一つ内の馬も早く控えて2番手外を追走した、向正面で残り5F手前から外から引っ掛かり気味の馬が上がってくると締められないように抵抗して逃げ馬に並びかけて行った、勝負所もスムーズに加速して先頭で直線に入ったがすぐ後ろの勝ち馬エフフォーリアに内から抜け出されてしまった、本馬も伸びて最後まで踏ん張ったが2着まで
・36.3 – 37.0と時計/上がりともにかかるタフな展開の中残り5Fからのロングスパートになってもラストまで脚を使った、上がりかかるタフな展開で先行してロングスパートと先行馬にはかなりキツい展開での好走は評価できる

【6】日本ダービー:6着:1ヶ月半:田辺
・追い切りはW主体の週末坂路で2週前のWのみ併せ馬、Wでは2週前から5F時計で65.8、66.0、66.4とそこそこ速い時計が出されていた
・レースは35.0 – 60.3 – 33.9の後傾1.1で、前半平均的なペースで進めると残り5Fから1.1加速して11.7 – 11.4 – 11.5 – 10.8 – 11.6と長いスパートになったがラストまで大きくは失速しない展開
・外枠から好スタートを切ると出して行ったがさらに外から速い馬がおり2番手のインを追走した、向正面では外からポジションを押し上げてくる馬が多く3角から4角の加速箇所(残り5Fから)では最内で番手を下げるような形になった、直線では内から前の2頭を避けるように外に出されると抜け出しにかかったが末のある組に交わされ離されの6着
・レース後鞍上は「後半のスピード勝負が向かない中、最後は伸びていますし、頑張っています」とコメントしており、早めのスパートになったが最後は同率で上がり最速の馬3頭が1.2.3着しているように上がり勝負になったのが本馬には向かなかった

【7】セントライト記念:13着:4ヶ月:横山武
陣営は「叩いた方がベターかもしれないが」とコメント、追い切りはW主体で全体時計は軽めから終い伸ばすような時計が出されていた
・レースは36.3 – 60.5 – 35.4の後傾0.9で、道中は12.2付近が続く持続的な展開から残り3Fから0.5加速すると11.5 – 11.7 – 12.2とラストはゴールへ失速する展開
・中枠から好スタートを切ると出して行ったがハナへは行かず控えて2番手の外を追走した、道中では外からポジション押し上げてくる馬が多く好位馬群にポジションを若干下げた、そのまま前から2列目内から2頭目で直線へ入ると前も横も完全に包囲されたまま残り50mまで詰まり通し、一度も追えずの13着敗戦、実力負けではない

【8】菊花賞:1着:1ヶ月:横山武
・初の関西遠征、追い切りは長距離を意識してか初めて6Fから時計が出されていた、1週前にWで6F81.1 – 66.3 – 11.7と負荷をかけて、最終は坂路、最終の坂路のみ併せ馬だった
・レースは35.1 – 60.0 – 125.4 – 35.1の前後傾フラットで、序盤800mは若干速めのペースから800 – 1800mで息を入れて、残り6Fから0.5加速すると12.6 – 12.4 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 12.2と残り4Fからスパートに入る高速ロングスパートの展開
・内枠から相変わらずの好スタートを切ると強気に出して行ってハナへ、道中は2番手からのプレッシャーなく途中1400 – 1600mでは14.3というラップを入れながらもマイペースで進められた、後半は残り6F、残り4Fからそれぞれ段階的に加速すると直線では後続をもう一度離して5馬身差の圧勝、自ら有利なペースを作って長く脚を使える強みを活かしての勝利
・レース後鞍上は「真面目すぎるところがありますが、一頭になればリラックスするというのも知っていたので」とコメントしており、番手での競馬より逃げた方がパフォーマンスアップする

【9】有馬記念:5着:2ヶ月:横山和
・追い切りはW主体はいつも通りだが、早めの時計が多く、併せ馬も1週前当週と2週連続(当週は初めての遅れ)、1週前の日曜にまで乗られた上で馬体は当日+12kg、菊花賞後一度緩めて、急仕上げ気味だった可能性(一応鞍上はレース後「+12kgも成長分です」とコメント)
・レースはパンサラッサの参戦で序盤飛ばしたあと、中盤900 – 1300m(1角から2角)の2Fで12.5 – 12.6と息を入れて、残り6Fから0.4加速して12.2 – 12.4 – 12.4 – 12.2 – 12.0 – 12.5という展開で、ハナのパンサラッサが飛ばして垂れた影響で過去7年の有馬記念の中で唯一ラスト5Fに11秒台が入らない展開
・大外16番枠からスタートすると菊花賞同様出して行ったが内枠にパンサラッサがおり控えて離れた2番手を単独で追走した、勝負所では残り3F付近で逃げ馬に並びかけ、交わして先頭で直線へ、最後まで脚を伸ばしたが外から4頭に交わされて5着まで
・速めのペースから残り6Fから加速が始まるタフな展開の中でも先行してよく残している、枠も不利な大外だったことを思えば悲観する内容ではない

4歳

【10】日経賞(稍重):1着:3ヶ月:横山和
・菊花賞勝ちで斤量は+2kgの57kg、追い切りはW主体の週末坂路で当週のみ併せ馬、陣営はレース前には「追い切りは抜群と思える内容だった」とコメントしていたが、レース後には「最終追い切りでは手前を替えなかったり、芯が無い感じの動きだったりしました」と一転のコメント、レース前のコメントは信じ切らないのが吉か
・レースは稍重の中、前半はスローの展開から残り5Fから0.5加速して12.3 – 12.0 – 11.7 – 11.2 – 11.8と長く加速するラップ
・外目の枠からスタートすると出して行ってハナへ立ちペースを落とした逃げ、鞍上はかなり抑え気味で意図的にペースを落としているようだった、向正面で加速を開始したがその後も脚を使いすぎないように加速してきてしっかり追い出されたのは直線に入ってから、直線では内からも外からも迫られたがラスト100mはさすがの伸び脚で迫られたが抜かせず1着
・脚を測ったような乗り方だったが戦前から状態不安で自信がない故の乗り方だった可能性

【11】天皇賞春(稍重):1着:1ヶ月:横山和
・追い切りはいつも通りW主体で2週続けて併せ馬が行われていた
・レースは稍重の中36.5 – 60.5 – 123.6 – 36.4の後傾0.1で、前半1400mは平均12.0ほどの持続的な展開から12.8 – 13.3 – 12.9と息を入れると残り6Fから0.6加速して12.3 – 12.0 – 11.9 – 11.5 – 11.7 – 13.2とスパートする展開
・外枠からスタートすると強気に押して出して行ってハナへ、2番手以下は放馬のシルヴァーソニックの影響もあり離した逃げになった、勝負所は残り6Fから徐々に加速していくとすぐ後ろに放馬がいた影響もあってか他馬からのプレッシャーは弱いまま先頭で直線へ、上がり最速で他馬を突き放すと7馬身差の圧勝
・一番強い馬に一番展開が向いた(放馬も含めて)競馬で、他馬は手の出しようがないレースだった

【12】宝塚記念:1着:2ヶ月:横山和
・追い切りはW主体で1週前には6Fから時計を出されて6F時計5F時計ともに自己ベストの6F80.9 – 64.5 – 11.9が出されていた、当週は終い重点気味の時計で併せ先着
・レースはパンサラッサが飛ばして逃げて33.9 – 57.6 – 36.3の前傾2.4で後半6Fは12.1 – 11.9 – 11.8 – 11.9 – 12.0 – 12.4と加減速の少ない展開でラストはゴールへ向かって失速するラップ
・内目の枠からスタートすると押して出して行ったが外からパンサラッサが来て2番手のインを追走した、その後も先行馬にとっては厳しいペースだったが逃げ馬に離されずついていくと残り800m手前から徐々に前を射程に入れていき残り400mからしっかり追い出されると先頭に変わって直線へ、ラストも上がり3位でまとめると2馬身差で優勝
パンサラッサの作る33.9 – 57.6を2番手で追走してラスト上がり3位でまとめきるのは異次元、キレる脚とは違うがスピード/スタミナ能力ともに抜けている

【13】凱旋門賞(重):11着:3ヶ月:横山和
・レースは大雨降り仕切る道悪の中での開催
・中枠からスタートすると果敢に押してハナへ、緩めきらない感じで逃げていたが2番手は外から並びかけてくるような形で終始プレッシャーのある展開、勝負所でも手応え残っている感じで回ってくると残り350mまでは先頭だったがラストは欧州的なタフな馬場で末脚を伸ばせる馬たちに交わされての11着(日本馬では最先着)

【14】有馬記念:9着:3ヶ月:横山和
・追い切りはW主体も、最も早い時計が1週前の5F66.9では、宝塚記念と比較してソフトな仕上げだった
・レースは序盤平均程度(5F通過は61.2)のペースで進めると700-1500mで12.5 – 13.1 – 12.7 – 12.4と4F緩んで、残り5Fから0.6加速すると11.8 – 11.9 – 12.2 – 11.4 – 12.3と残り2Fから先行と差しが入れ替わって急加速するラップ
・外枠からスタートすると押して出して行ってハナへ、序盤の100-500m(4角まで)こそ11.3 – 11.7と早めのラップを踏んだがその後のスタンド前ではしっかりペースを落として5F通過は61.2のスローペース、その後もスムーズに進めると勝負所では残り4F過ぎから促されて加速を開始したが4角までに差を詰められてしまい、4頭が横並びの形で直線へ、直線では残り250m付近までは踏ん張っていたが、その後はパッタリと手応えがなくなっての9着敗戦

結論(再掲)

■日経賞2022から宝塚記念までの3連勝ではいずれも先行しながら上がり3位以内の脚を使っていたようにスピードとスタミナの両方を兼ね備えているのが本馬の強みで、長距離戦において抜群のスタートで先行し、道中マイペースに落として息を入れて、ラストはロングスパートで他馬をちぎるのが勝ちパターン
■過去2度参戦した有馬記念はいずれも2018-2022年のいわゆる差しに向く展開であり、加えて2021年:8枠16番、2022年:7枠13番といずれも外枠だったことを考えれば、2016・2017年のような先行に向く展開で内枠となれば大きく前進できる可能性がある
■競走中止した天皇賞春では向正面で手前を替えられていなかったが、その後の2戦ではしっかり手前を替えられている、この辺りの状態は注視が必要だが、力は落ちきっていないと見ている、2年連続で凡走している舞台であることや天皇賞春での競走中止から人気も落ちそうとなれば、枠と展開の予想次第では重い印も検討

Gregory

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