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タイトルホルダー 【有馬記念2022】

有馬記念の各馬分析1頭目はタイトルホルダー。今年日本代表として凱旋門賞に挑んだ、現在の現役最強馬でしょう。フランスロンシャンで大雨の中のタフなレースを走りきっての帰国ということで状態は気になりますが、実力は上位です。展開の鍵を握る馬でもあり、まずはここの取捨を考える必要があります。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

タイトルホルダー:牡4歳:ドゥラメンテ×欧州型:前走凱旋門賞1人気11着:○○

結論

■全6勝の内5勝が逃げの競馬で(残り1勝はパンサラッサの刻むハイペースを2番手追走)、控えるよりは逃げる方が折り合いの心配なくパフォーマンスが一段上がる、故にその抜群のスタートセンスを活かして基本的にはスタート後押して押してハナを奪う競馬をする
■日本での近3走では先行しながら上がり3位以内の脚を使って3連勝しており、スピードを活かして先行しラストはスピード/スタミナともに他馬より抜けた性能でタフな展開でも上がりをまとめ切る
■昨年の有馬記念こそ状態も疑問符がつき、かつ大外枠、かつパンサラッサの逃げでタフな展開の中で末脚を伸ばせる馬に向く、とマイナス材料が多かったが現在のタイトルホルダーは凱旋門賞含めて近6走、パンサラッサより後ろでは走っていない、自らのペースで逃げて自らのタイミングでスパートをかけたタイトルホルダーを捕まえられる馬は現状なしと判断する(馬のタイプが若干違うが人気や展開を考えると2017年のキタサンブラック的な有馬記念になりそう)
■唯一の懸念はタフなロンシャンの馬場を目一杯走っての帰国初戦という点、休み明けで行った分状態上げて出てくる可能性もあると見ており、状態は直前まで注視、無論、本命級

全レース分析

2歳

【1】中山1800m新馬:1着:戸崎
・追い切りは南Wと坂路の併用で終い垂れるような時計が目立っていた
・レースは38.1 – 63.2 – 35.9で、残り3Fから0.3加速すると12.0 – 11.8 – 12.1というかなりスローな展開
・内目の枠からスタートすると折り合いついた中で行きっぷりがよくハナへ、その後スローな展開を作ると勝負所では徐々に加速し上がり2位で優勝、展開も楽でここでは力上位

【2】東スポ杯2歳S:2着:1ヶ月半:戸崎
・追い切りは南W主体で時計はいずれも軽めだった
・レースは35.8 – 60.5 – 34.3で、序盤スローから残り3Fから0.8加速すると11.9 – 11.0 – 11.4と瞬発力求められる展開
・内枠からスタートすると初戦に続いて行きっぷりよく出て行った、前走よりはテンションが高く手綱を抑えられるような部分があった、外からさらに出ていく馬がおり離れた2番手を追走した、直線は馬場の内目が荒れていたこともあり馬場の3分どころに出されると手応えよく馬なりで上がってきて残り400mから追い出された、上がり3位を使ったがさらに外からダノンザキッドに差されての2着、展開を考えればキレ負けした印象

【3】ホープフルS:4着:1ヶ月:戸崎
・追い切りはWと坂路の併用で、1週前Wでは併せ馬で自己ベスト5F65.9で終い垂れるような時計で併入、最終追い切りは坂路で軽め、最終追いが坂路で行われるのは初
・レースは時計かかる良馬場の中37.2 – 61.9 – 36.8で、残り6Fから0.7加速すると12.0 – 11.9 – 12.2 – 12.0 – 12.2 – 12.6と後半は加速小さくラストはゴールへ失速するラップ
・中枠外目からスタートすると相変わらずよい行きっぷりで出て行った、1角までは多少ハミを噛むようなところがあったが抑えられて2角付近ではしっかり落ちつき好位馬群を追走した、勝負所では残り800m付近から外目に出され直線に向いたが上がりをまとめきれず4着
・2戦連続で上がりの差で負けているようなところがあり、末脚比べは向かないタイプか

3歳

【4】弥生賞:1着:2ヶ月半:横山武
・陣営は「力んで走るのでクロス鼻革を着用」とコメント、追い切りはWと坂路を併用で、最終追いのWでは5F69.1 – 11.7と終い重点でラストは今までにない時計で伸ばしてきていた
・レースは36.7 – 62.6 – 34.5で、序盤スローから残り5Fから12.6 – 12.3と徐々に加速し、残り3Fからは0.7加速すると11.6 – 11.0 – 11.9という展開
・内目の枠からスタートすると出て行って他に逃げ馬もおらずハナへ行きマイペースな逃げを打った、残り5Fから若干のペースアップをして残り3Fから促されると手応えよく加速しながらコーナリングをして直線へ、上がり3位でまとめると逃げ切り勝ち
・レース後陣営は「この馬の良さは前々で長く良い脚を使える点ですから(中略)、馬具を変えた効果もあったと思います」とコメント、馬具の影響か成長分か、一段上がったパフォーマンスを見せた

【5】皐月賞:2着:1ヶ月半:田辺
・追い切りはW主体の週末坂路で詰まり気味の間隔を考慮してか全て単走で行われていた、1週前には自己ベスト5F64.6 – 12.5が出されていた
・レースは稍重の中36.3 – 60.3 – 37.0で、序盤は(馬場考慮すれば)平均くらいのペースだったが途中引っ掛かり気味の馬が上がって行ったことで残り5Fから0.7加速して11.4 – 11.9 – 12.1 – 12.3 – 12.6とゴールへ失速し続けて上がりかかる展開
・外枠から好スタートを切ると押して押して出して行ったが一つ内の馬も早く控えて2番手外を追走した、向正面で残り5F手前から外から引っ掛かり気味の馬が上がってくると締められないように抵抗して逃げ馬に並びかけて行った、勝負所もスムーズに加速して先頭で直線に入ったがすぐ後ろの勝ち馬エフフォーリアに内から抜け出されてしまった、本馬も抜け出して最後まで踏ん張ったが2着まで
・36.3 – 37.0と時計/上がりともにかかるタフな展開の中残り5Fからのロングスパートになってもラストまで脚を使った、上がりかかるタフな展開で先行してもロングスパートに対応できる稀有な馬

【6】日本ダービー:6着:1ヶ月半:田辺
・追い切りはW主体の週末坂路で2週前のWのみ併せ馬、Wでは2週前から5F時計で65.8、66.0、66.4とそこそこ速い時計が出されていた
・レースは35.0 – 60.3 – 33.9で、前半平均的なペースから残り5Fから1.1加速すると11.7 – 11.4 – 11.5 – 10.8 – 11.6と長いスパートになったがラストまで伸びるような展開
・外枠から好スタートを切ると出して行ったがさらに外から速い馬がおり2番手のインを追走した、向正面では外からポジションを押し上げてくる馬が多く3角から4角の加速箇所(残り5Fから)では最内で番手を下げるような形になった、直線では内から前の2頭を避けるように外に出されると抜け出しにかかったが末のある組に交わされ離されの6着
・レース後鞍上は「後半のスピード勝負が向かない中、最後は伸びていますし、頑張っています」とコメントしており、早めのスパートになったが最後は同率で上がり最速の馬3頭が1.2.3着しているように上がり勝負になったのが本馬には向かなかった

【7】セントライト記念:13着:4ヶ月:横山武
陣営は「叩いた方がベターかもしれないが」とコメント、追い切りはW主体で全体時計は軽めから終い伸ばすような時計が出されていた
・レースは36.3 – 60.5 – 35.4で、道中は12.2付近が続く持続的な展開から残り5Fから0.5加速すると11.5 – 11.7 – 12.2とラストはゴールへ失速する展開
・中枠から好スタートを切ると出して行ったがハナへは行かず控えて2番手の外を追走した、道中では外からポジション押し上げてくる馬が多く好位馬群にポジションを若干下げた、そのまま前から2列目内から2頭目で直線へ入ると前も横も完全に包囲されたまま残り50mまで詰まり通し、一度も追えずの13着敗戦、無論実力負けではない

【8】菊花賞:1着:1ヶ月:横山武
・初の関西遠征、追い切りは長距離を意識してか初めて6Fから時計が出されていた、1週前にWで負荷をかけて当週は坂路
・レースは35.1 – 60.0 – 125.4 – 35.1で、序盤800mは若干速めのペースから800 – 1800mで息を入れて、残り6Fから0.5加速すると12.6 – 12.4 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 12.2と長く加速し続ける展開
・内枠から相変わらずの好スタートを切ると強気に出して行ってハナへ、道中は2番手からのプレッシャーなく途中1400 – 1600mでは14.3というラップを入れながらもマイペースで進められた、後半は残り6F、残り4Fからそれぞれ段階的に加速すると直線では後続をもう一度離して5馬身差の圧勝、自ら有利なペースを作って長く脚を使える強みを活かしての勝利
・レース後鞍上は「真面目すぎるところがありますが、一頭になればリラックスするというのも知っていたので」とコメントしており、番手での競馬より逃げた方がパフォーマンスアップする可能性

【9】有馬記念:5着:2ヶ月:横山和
・追い切りはW主体はいつも通りだが、早めの時計が多く、併せ馬も1週前当週と2週連続(当週は初めての遅れ)、1週前の日曜にまで乗られた上で馬体は当日+12kg、菊花賞後一度緩めて、急仕上げ気味だった可能性(一応鞍上はレース後「+12kgも成長分です」とコメント)
・レースは序盤飛ばしたあと中盤2F12.5 – 12.6と息を入れて、残り6Fから0.4加速して12.2 – 12.4 – 12.4 – 12.2 – 12.0 – 12.5と比較的勝負どころでの加減速が少ない展開で、過去5年の有馬記念の中で唯一ラスト5Fに11秒台が入らない展開
・大外16番枠からスタートすると菊花賞同様出して行ったが内枠にパンサラッサがおり控えて離れた2番手を単独で追走した、残り3F付近で逃げ馬に並びかけると交わして先頭で直線へ、最後まで脚伸ばしたが外から4頭に交わされて5着まで
・速めのペースから残り6Fから加速が始まるタフな展開の中でも先行してよく残している、枠も不利な大外だったことを思えば悲観する内容ではないか

4歳

【10】日経賞:1着:3ヶ月:横山和
・菊花賞勝ちで斤量は+2kgの57kg、追い切りはW主体の週末坂路で当週のみ併せ馬、陣営はレース前には「追い切りは抜群と思える内容だった」とコメントしていたが、レース後には「最終追い切りでは手前を替えなかったり、芯が無い感じの動きだったりしました」と一転のコメント、レース前のコメントは信じ切らないのが吉か
・レースは稍重の中、前半はスローの展開から残り5Fから0.5加速して12.3 – 12.0 – 11.7 – 11.2 – 11.8と長く加速するラップ
・外目の枠からスタートすると出して行ってハナへ立ちペースを落とした逃げ、鞍上はかなり抑え気味で意図的にペースを落としているようだった、向正面で加速を開始したがその後も脚を使いすぎないように加速してきてしっかり追い出されたのは直線に入ってから、直線では内からも外からも迫られたがラスト100mはさすがの伸び脚で迫られたが抜かせず1着
・脚を測ったような乗り方だったが戦前から状態不安で自信がない故の乗り方だった可能性

【11】天皇賞春:1着:1ヶ月:横山和
・追い切りはいつも通りW主体で2週続けて併せ馬が行われていた
・レースは稍重の中36.5 – 60.5 – 123.6 – 36.4で、前半1400mは平均12.0ほどの持続的な展開から12.8 – 13.3 – 12.9と息を入れると残り6Fから0.6加速して12.3 – 12.0 – 11.9 – 11.5 – 11.7 – 13.2とスパートする展開
・外枠からスタートすると強気に押して出して行ってハナへ、2番手以下は放馬のシルヴァーソニックの影響もあり離した逃げになった、勝負所は残り6Fから徐々に加速していくとすぐ後ろに放馬がいた影響もあってか他馬からのプレッシャーは弱いまま先頭で直線へ、上がり最速で他馬を突き放すと7馬身差の圧勝
・一番強い馬に一番展開が向いた(放馬も含めて)競馬で、他馬は手の出しようがないレースだった

【12】宝塚記念:1着:2ヶ月:横山和
・追い切りはW主体で1週前には6Fから時計を出されて6F時計5F時計ともに自己ベストの6F80.9 – 64.5 – 11.9が出されていた
・レースはパンサラッサが飛ばして逃げて33.9 – 57.6 – 36.3で後半6Fは12.1 – 11.9 – 11.8 – 11.9 – 12.0 – 12.4と加減速の少ない展開でラストはゴールへ向かって失速した
・内目の枠からスタートすると押して出して行ったが外からパンサラッサが来て2番手のインを追走した、その後も先行馬にとっては厳しいペースだったが逃げ馬に離されずついていくと残り800m手前から徐々に前を射程に入れていき残り400mからしっかり追い出されると先頭に変わって直線へ、ラストも上がり3位でまとめると2馬身差で優勝
パンサラッサの作る33.9 – 57.6を2番手で追走してラスト上がり3位でまとめきるのは異次元、キレる脚とは違うがスピード/スタミナ能力ともに抜けている

【13】凱旋門賞:11着:3ヶ月:横山和
・レースは大雨降り仕切る道悪の中での開催
・中枠からスタートすると果敢に押してハナへ、緩めきらない感じで逃げていたが2番手は外から並びかけてくるような形で終始プレッシャーのある展開、勝負所でも手応え残っている感じで回ってくると残り350mまでは先頭だったがラストは欧州的なタフな馬場で末脚を伸ばせる馬たちに交わされての11着(日本馬では最先着)

結論(再掲)

■全6勝の内5勝が逃げの競馬で(残り1勝はパンサラッサの刻むハイペースを2番手追走)、控えるよりは逃げる方が折り合いの心配なくパフォーマンスが一段上がる、故にその抜群のスタートセンスを活かして基本的にはスタート後押して押してハナを奪う競馬をする
■日本での近3走では先行しながら上がり3位以内の脚を使って3連勝しており、スピードを活かして先行しラストはスピード/スタミナともに他馬より抜けた性能でタフな展開でも上がりをまとめ切る
■昨年の有馬記念こそ状態も疑問符がつき、かつ大外枠、かつパンサラッサの逃げでタフな展開の中で末脚を伸ばせる馬に向く、とマイナス材料が多かったが現在のタイトルホルダーは凱旋門賞含めて近6走、パンサラッサより後ろでは走っていない、自らのペースで逃げて自らのタイミングでスパートをかけたタイトルホルダーを捕まえられる馬は現状なしと判断する(馬のタイプが若干違うが人気や展開を考えると2017年のキタサンブラック的な有馬記念になりそう)
■唯一の懸念はタフなロンシャンの馬場を目一杯走っての帰国初戦という点、休み明けで行った分状態上げて出てくる可能性もあると見ており、状態は直前まで注視、無論、本命級

Gregory

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