大阪杯の各馬分析9頭目はジオグリフ。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
大阪杯の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
ジオグリフ:牡5歳:ドレフォン×キンカメ:前走中山記念(稍重)4人気3着:北村宏
結論
■サンデー系の馬とは異なり瞬発力には限界があるタイプだが、上がりのかかるタフな展開でも長く力強い末脚を伸ばせることが強みでコーナーで加速していける器用さも相まって札幌2歳Sや皐月賞ではストロングポイントを遺憾無く発揮しての勝利だった
■これまでダートを除くおおよそ3ヶ月以上の休み明けは(0-0-1-3)と前走を除いて結果が出ておらず、大型馬でもあることから一度叩いてからの方がパフォーマンスをアップさせるタイプの可能性が高い(そもそも古馬になってから成績が奮っていない面もあるためあくまで可能性)
■今回の大阪杯は内回りで瞬発力の求められない条件であり、ダートを使った影響か序盤の行きっぷりが良くなっていて、また休み明けを一叩きしての参戦でもあり条件は揃っている、唯一の不安は前走のラストで脚色が鈍ったのが休み明けではなく距離適性が短くなっていることが原因の場合で、軸にするレベルで評価したいが懸念点考慮した買い方をする必要あり、基本は評価
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬:1着:ルメール
・追い切りは南W主体で週末坂路での調整で、盛んに併せ馬も行われていたが1週前には遅れていた、最終は終い重点
・レースは38.1 – 62.9 – 33.5の後傾4.6で、前半ドスローで進めると残り5Fから0.8加速して12.0 – 11.8 – 11.2 – 11.0 – 11.3と残り3Fからも加速する高速上がりの展開
・若干ゲートでの駐立が悪く内枠から外に飛びだすようにスタートを切ると馬なりで先行のインを追走した、残り1000mから馬群が加速したところで外目に出して手応えの良い馬のすぐ後ろを確保した、その後残り4F付近から促され直線もしっかり追われると、若干エンジンのかかりは遅く見えたがゴール前まで長く脚を使って上がり最速で差し切り勝ち
【2】札幌2歳S:1着:2ヶ月:ルメール
・追い切りは南W、坂路、札幌芝、ダートの併用でいずれも終い重点 or 軽めの内容だったが盛んに併せ馬が行われていた
・レースは36.4 – 60.3 – 36.8の前傾0.4で、道中は12.0付近が続く持続的な展開で、ラスト3Fは12.2 – 12.1 – 12.5と加速少なく上がりかかる展開
・外枠から若干アオるように出遅れると最後方を追走した、向正面で外目に出すと3角の残り800m過ぎから進出を開始し、残り3Fでは中団の外、その後も加速しながらポジションを上げ、直線入り口では1列目内から3頭目、直線抜け出して他を突き放すと上がり最速で4馬身差の圧勝
・前傾ラップで上がりかかる展開の中残り4Fから長く脚を使えており、高速上がりより上がりかかる展開の方が相対的に適性がありそう
【3】朝日杯FS:5着:3ヶ月半:ルメール
・追い切りは南W主体の週末坂路で終いまで伸ばされる調教が目立っていた、最終は自己ベスト6F82.8 – 66.7 – 11.9、中間はゲート練習を取り入れていた、初の関西遠征、初のマイル戦
・レースは34.3 – 58.3 – 35.2の前傾0.9で、ラスト4Fは12.1 – 11.9 – 11.2 – 12.1と、残り2Fからの加速が大きい展開
・外枠から五分のスタートを切ると流れ早く若干置かれるような形で後方を追走した、勝負所加速しながら大外から直線へ進入するとゴールまでしっかり脚を伸ばして上がり最速を使ったが位置取りが後ろすぎた感あり、掲示板争いまで
・前走入りが3F36.4で今回34.3と一気に流れが早くなったことで序盤置かれてしまい、その影響で差し込めなかった、実力負けではない
3歳
【4】共同通信杯(稍重):2着:2ヶ月:ルメール
・追い切りはいつも通り併用で、終い重点の時計が目立ち、1週前には併せ馬で遅れていた、斤量は+1kgの57kg
・レースは雨の降る稍重の中、36.1 – 61.1 – 34.3の後傾1.8で、残り3Fから1.2加速して11.3 – 11.2 – 11.8という展開
・中枠からスタートを切ると馬なりで出ていったが、2角までに外から寄せられて若干頭を上げるなど揉まれて嫌がるような素振りを見せていた、向正面で中団前目の馬群を追走し、馬の後ろにおさまってからは落ち着いていた、その後直線までスムーズに進めると馬群を突き、上がり3位で抜け出したが外から上がり最速を使ったダノンベルーガに差し切られての2着、勝ち馬はストライドの広さが目立ち、使える上がりの速さで劣っていた印象
【5】皐月賞:1着:2ヶ月:福永
・追い切りはいつも通りも早めの時計は出されておらず、終い重点の内容が目立っていた、ここから福永に乗り替わり
・レースは35.2 – 60.2 – 34.9の後傾0.3で、道中は平均程度で進めると残り3Fから0.3加速して12.0 – 11.4 – 11.5と残り2Fからの加速が大きくゴールまで伸び切るようなラップ
・外枠からスタートすると馬なりで枠なりに1角までに徐々に内に寄せていき中団前目の外を追走した、道中は落ち着いて追走すると残り3Fから外へ出していき、一列前のイクイノックスに並んで行くように加速した、直線は馬場の良い外目に出されるとゴールまでしっかり伸び切って先に抜け出したイクイノックスを差し切り優勝
・コーナーではかなり器用に加速して番手を上げており、小回りのコーナリング性能は強み
【6】日本ダービー:7着:1ヶ月半:福永
・追い切りはいつものパターンも1週前には自己ベスト6F81.9 – 66.4 – 11.5が出され、最終でも5F66.5が出されていた
・レースは35.1 – 58.9 – 35.2の前傾0.1で、道中800-1200mで加速が入るなど落ち着かないラップから残り3Fから0.3加速すると11.5 – 11.7 – 12.0とゴールへ失速するラップ
・外枠からスタートすると枠なりに内へ寄せていったが馬の後ろに入れられず、1角までは頭を上げて行きたがる部分があった、道中は中団外目を追走した、勝負所でも終始外目を周り直線でも外目へ出されると残り300m付近までは他馬に負けずに伸びていたがラスト200mでは失速しての7着
・ドウデュース、イクイノックス、ダノンベルーガらとは2400mおよび高速上がりへの適性で劣った印象で、鞍上のレース後コメントから、道中前に馬を置けなかったのも痛手だった
【7】天皇賞秋:9着:5ヶ月:福永
・陣営コメントから中間は骨折が判明していた様子、追い切りはW主体で盛んに併せ馬が行われていた、休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースはパンサラッサが後続を離して逃げて34.7 – 57.4 – 36.7の前傾2.0で、2番手以下はスローから瞬発力求められる例年通りの天皇賞だった
・中枠内目からスタートすると中団の馬群を追走した、道中向正面では窮屈な位置取りで少し頭を上げるようなシーンがあった、勝負所では馬群で加速していくとそのまま中団馬群から直線へ、直線では外目に出されたが他馬と同程度の脚色になっての9着敗戦
・瞬発力が売りのタイプではなく、持ち前の長い脚とコーナーで加速できる器用さが生かされにくい東京コースは不適か、敗因としては東京の末脚比べになったことと休み明けだったことが大きかった印象
【8】香港C:6着:1ヶ月半:ビュイック
・内枠からゲートでの駐立が悪く出遅れると中団後方のインを追走した、勝負所まで同じポジションで進めると中団後方のインから直線へ、直線では本馬なりに伸びていたが途中前を塞がれて減速するようなところもあっての6着
・内枠から出遅れて終始内目だったことで勝負所も動けず、直線でもブレーキを踏まされるなど、長く使える脚を活かしたい本馬にとっては致命的な展開だった
4歳
【9】サウジC(サウジアラビアキングアブドゥルダート1800m):4着:2ヶ月半:ルメール
・外枠からスタートすると出て行ってパンサラッサを見る2番手を追走した、そのまま2番手で直線へ入るとパンサラッサを追いかけたが並びかけられず、外から2頭に差されての4着
【10】ドバイWC:11着:1ヶ月:ルメール
・中枠からスタートすると出して行って中団の馬群を追走した、かなりのハイペースとなったことで馬群はばらけていて馬群でもゆとりのある位置だった、勝負所では3角過ぎから手応え怪しくなると位置を下げて後方の大外から直線へ、直線は入線するだけの11着敗戦
【11】宝塚記念:9着:3ヶ月:岩田望
・追い切りはWと坂路の併用で栗東滞在で調整されていた、1週前には栗東CWで自己ベスト80.4 – 65.7 – 11.5が出され併せは遅れていた、最終は終い重点で休み明けだったが馬体は大きく変わらなかった
・レースは34.0 – 58.9 – 35.5の前傾1.5で、残り4Fから0.6加速すると11.9 – 11.7 – 12.0 – 11.8という展開
・外枠からスタートすると出て行って早めに内へ寄せて行って中団前目の外を追走した、勝負所では残り3F過ぎから促されて中団の外から直線へ、直線ではしっかり自身の脚は使っていたが相対的には伸ばせず9着まで
・2200mは適性から1F長い印象で、500kgオーバーの大型馬だけに休み明けなのもマイナスだった印象
【12】マイルCS南部杯(盛岡ダート1600m)(稍重):9着:3ヶ月半:岩田望
・中枠からスタートすると出て行って外の3番手を追走した、勝負所では残り700m付近から鞍上は手を動かしていたが進出はできずに中団前目から直線へ、直線では後退して9着敗戦
・鞍上はレース後に「個人的には芝の方がいい印象を受けました」とコメントしていた
【13】チャンピオンズC:15着:2ヶ月:ビュイック
・陣営は「先週の攻めでやめる面を見せたので、今週からブリンカーを着用」とコメントしていた、追い切りはW主体週末坂路での調整で1週前に負荷をかけて当週は終い重点のパターン、2ヶ月の間隔で馬体は-11kgしていた
・レースは36.4 – 60.9 – 37.3の前傾0.9で、ラスト3Fは12.6 – 12.1 – 12.6と残り2Fからの加速が大きな展開
・内枠からスタートすると出て行って好位の馬群を追走した、そのまま好位から直線へ進入すると直線では全く手応えなく最下位敗戦
5歳
【14】中山記念(稍重):3着:3ヶ月:戸崎
・陣営は「昨年はダートを中心に使ったが、前走の騎手の進言もあり芝へ」とコメント、追い切りはいつものパターンも1週前には自己ベスト65.2 – 11.9が出され併せ遅れていた、休み明けで馬体は+12kgして過去最高馬体重だった、前走はブリンカーを着用していたがここでは外されていた、斤量は別定+1kgの58kg
・レースは稍重の開幕週の中35.6 – 58.6 – 37.6の前傾2.0で、序盤緩まないラップで進めるとラスト3Fは12.5 – 12.3 – 12.8とかなり上がりのかかる展開
・内枠からスタートすると出て行って好位のインを追走した、道中はしっかり折り合っていた、勝負所では残り4F過ぎから徐々に促されると4角から直線では馬群内目の狭い所に突っこんで1列目の内から3頭目から直線へ、直線では内前の2頭を差し切りそうな脚色で伸びていたがラスト150mは脚色が鈍って同脚になっての3着
・レース後鞍上は「こんな馬場でもスイスイ走っていましたが、最後は脚色がにぶりました」とコメントしており、考えられる原因は休み明け or 距離
結論(再掲)
■サンデー系の馬とは異なり瞬発力には限界があるタイプだが、上がりのかかるタフな展開でも長く力強い末脚を伸ばせることが強みでコーナーで加速していける器用さも相まって札幌2歳Sや皐月賞ではストロングポイントを遺憾無く発揮しての勝利だった
■これまでダートを除くおおよそ3ヶ月以上の休み明けは(0-0-1-3)と前走を除いて結果が出ておらず、大型馬でもあることから一度叩いてからの方がパフォーマンスをアップさせるタイプの可能性が高い(そもそも古馬になってから成績が奮っていない面もあるためあくまで可能性)
■今回の大阪杯は内回りで瞬発力の求められない条件であり、ダートを使った影響か序盤の行きっぷりが良くなっていて、また休み明けを一叩きしての参戦でもあり条件は揃っている、唯一の不安は前走のラストで脚色が鈍ったのが休み明けではなく距離適性が短くなっていることが原因の場合で、軸にするレベルで評価したいが懸念点考慮した買い方をする必要あり、基本は評価
Gregory