有馬記念の各馬分析8頭目はシンエンペラー。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
有馬記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
シンエンペラー:牡4歳:欧州型×欧州型:前走ジャパンC7人気8着:◯◯
結論
■父系も母系も欧州型の血統馬らしく末はキレるというより持久力を活かして少しずつ加速するように長く脚を使える馬で、日本ダービー3着、ジャパンC2024で2着同着の際には、どちらもスローペースから後半3-5Fが速い展開で持久力を活かすような形で好走した
■近走はそのような競馬にそもそもなっていないものの、若駒時から早く抜け出すと遊んだりヨレるような面を見せる所があるため、早め先頭のような競馬ではゴール前で何かに迫られたり、差されたりというリスクがある
■休み明けからの叩き3走目だった日本ダービーやジャパンC2024、欧州へ渡って一叩きされた後の凱旋門賞では、それぞれ陣営から状態が良いとの旨のコメントが出されており、休み明けでもネオムターフCを優勝するなど好走した実績はあるものの、基本的には叩き良化型の馬であると考えたい
■ドバイSC以降の近3走は、それまでと比較して明確に物足りないパフォーマンスとなっており、アイリッシュチャンピオンS2025の後に判明した喘息と肺出血が尾を引いている可能性がある
■有馬記念ではスローペースになれば先行しての持久力、ハイペースになっても先行馬が垂れてくる所を差す持久力差しができ比較的適性は高いレースと考えられるが、ドバイSC以降に本来のパフォーマンスを出せる兆しを見せられていないのは気がかり、近走の結果から人気は落としそうだし状態次第では評価を改める可能性もあるが、引き続き不安の残る状態なら大きくは評価できず、3連系本線など割られて困る形で勝負するなら相手に拾う程度で検討か
全レース分析
2歳
【1】東京1800m新馬:1着:横山武
・陣営は「幼い面が残っているが、ケイコからも能力は感じる。ゲートも速いので楽しみ」とコメントしていた、追い切りはWでの併せ馬主体での調整で1週前には81.1 – 66.4 – 11.8が一杯で出されて併せ先着していた、最終は坂路単走で軽め
・レースは開催10日目(Bコース3日目)の馬場の中37.0 – 61.7 – 34.0の後傾3.0で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.9 – 11.1 – 11.0と残り2Fからの加速も大きくゴールへ加速する展開で、上位の上がりを使った2頭でのワンツー決着
・内枠からスタートすると出ていって前に逃げ馬を見る好位のインを追走した、道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り5F過ぎから前の逃げ馬に離されたことでこれを少し追いかけるように促されると前との差を詰めて前から2列目の最内から直線へ、直線では逃げ馬の1つ外の進路を突くと、外へヨレるのを矯正されながら追われて抜け出して3馬身差の完勝
・直線では抜け出してからヨレているように見え、少し遊んでいる所があったか
【2】京都2歳S:1着:中2週:モレイラ
・陣営は「幼い面を見せそうだったが、抜け出す脚が速かったし素質は間違いなく高い。中間も順調なので、スムーズなレースができれば」とコメントしていた、追い切りはWと坂路で軽めの時計の併せ馬が1本ずつだった
・レースは開催16日目(Cコース3日目)の馬場の中35.0 – 59.1 – 35.9の前傾0.9で、前半をハイペースで進めると、ラストは残り4Fから0.8加速して12.0 – 11.9 – 11.9 – 12.1と比較的上がりを要する4F戦で、6着までのうち4頭が2角時点で10番手以下の差し有利
・内目の枠から少しあおり気味のスタートを切ると少し手綱と喧嘩する様子で控えて後方のインを追走した、道中は序盤と比較して落ち着いて追走できていた、向正面では進路を外目にスイッチされ、3角では後方の馬群の位置取りになっていた、勝負所では馬群で動けない位置で加速に付き合うと、中団後方の馬群から外目へ出すようにして直線へ、直線ではキレる様子ではなかったものの少しずつ伸びて前に迫ると半馬身差し切って優勝
・レース後鞍上は「スムーズなレースでなかったのに勝ち切った。能力のある馬にしかできない勝ち方だった」とコメントしていた
・末脚はキレるというよりは持続力が武器のタイプか
【3】ホープフルS:2着:1ヶ月:ムルザバエフ
・陣営は「ゲートがもうひとつで想定していたレースとは違ったが、馬群から力強く抜けてきて強い内容だった。幼さを残すなかであの競馬ができたように能力はやはり相当高い。GIでも」とコメントしていた、追い切りは併用で、当週は坂路単走で軽め
・レースは開催9日目(Aコース9日目)の馬場の中35.4 – 60.0 – 35.9の前傾0.5で、道中を馬場と馬齢を考えるとややハイペースで進めると、ラスト4Fは12.1 – 12.4 – 12.0 – 11.5とゴールへ加速するようなラップで伸びる展開
・内目の枠からスタートすると少し押して出して行って好位のインを追走した、序盤に促していったが道中はかなり折り合って追走できていた、勝負所でもポジションは変わらず前に逃げ馬を見る位置で馬群の加速に付き合うと、4角で逃げ馬の1つ外を突くようにして直線へ、直線では反応して馬群から早めに抜け出したが、ラストは外から鋭い末で伸びた勝ち馬に交わされて2着まで、3着は2馬身離していた
・レース後鞍上は「1頭になるのが少し早く、外の馬に来られてファイトしたのですが、そこがゴールでした。まだ子供っぽいところがあるものの、一戦ごとに進化しています。素晴らしい馬で来年が楽しみです」とコメントしていた
・4角の出口では早めに手前を替えてしまい、大きく膨れるようなコーナリングになっていた
3歳
【4】弥生賞:2着:2ヶ月:川田
・陣営は「抜け出すのが早くなってしまったことで、外にモタれてしまった分だろう。前に目標があれば、最後まで真剣に走ってくれるはず」と、早く抜け出すとヨレ/モタれに繋がることについて言及していた、追い切りはこれまで通り併用も単走での調整が多かった、1週前は週中の追い切りが飛ばされ、週末にW単走で自己ベスト80.8 – 65.7 – 11.6が出されていた、当週は坂路でジョッキーが騎乗して終い重点
・レースは開催4日目(Aコース4日目)の馬場の中35.2 – 60.4 – 35.1の後傾0.1で、道中をミドルペースで進めると、ラストは残り3Fから0.4加速して11.7 – 11.4 – 12.0と伸びる展開
・中枠からスタートすると出て行って好位のインを追走した、1角までには外からルメールのトロヴァトーレがかなり寄せてきており、精神的にロスに繋がるシーンだった、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り700m付近から手綱を動かされると中団前目の馬群の位置取りになって直線へ、直線では少しずつ伸びるような脚で先にまくって抜け出した勝ち馬を追いかけたが迫りきれず2着まで
・4角から直線ではしっかりとまわりきって直線に入ってから手前を替えられていた
・レース後鞍上は「今日のところは勝った馬に馬場が向きましたね。この馬も久々の競馬でしっかり走れましたし、次につながる内容だったと思います」とコメントしていた
【5】皐月賞:5着:1ヶ月半:坂井
・陣営は「求めているものが高い馬で、まだそこには達していないが、若さは解消してきたし体にもメリハリが出てきた。一気に良くなった感じはないが、着実に上昇しているので期待する」とコメントしていた、追い切りは併用で2週前のWでは6F自己ベストの80.7 – 66.8 – 11.7が出され併せ遅れていた、当週は坂路で単走
・レースは開催16日目(Bコース6日目)の馬場の中34.2 – 57.5 – 35.8の前傾1.6で、前半を11.8以下が続くハイペースで進めると、ラスト4Fは12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.0と加減速の少ない展開で1:57.1のコースレコード
・外枠からスタートすると出て行って中団の外で前に勝ち馬を見る位置を追走した、道中はポジションを変えずに折り合って追走できていた、勝負所では残り500m付近から前の勝ち馬の1つ外へ進路を取って促されると、前との差を詰めて中団前目の外の位置取りになって直線へ、直線ではラストまで本馬なりに脚を使ってはいたものの、自身より内前の勝ち馬には迫れず、自身より外後方から伸びた2着馬には差される形で5着まで
・レース後鞍上は「勝ち馬をマークしながら道中はいい感じで運べました。この馬としては時計が速かったですが、それでも現状の力は出してくれました。次に向けてもう一段階ギアを上げていきたいですね」とコメントしていた
・道中のラップが速い中で外枠もあって隊列のインに入れなかったことや、レコードの高速決着が少し向かなかった印象で、レース全体でより時計を要する流れがベターか、時計の速い決着ではもう少しポジションを取って持久力を活かす形が良さそう
【6】日本ダービー:3着:1ヶ月半:坂井
・陣営は「前走は帰厩時からもうひとつだったし、その後の良化度合いもスローだった。それに比べると今回は明らかにいい。弾むような走りで動きが全く違う。コースも合うし一変を期待」とコメントしており、詰まった間隔での関東輸送3連発で状態を上げられる点には叩き良化型の気がある、追い切りはいつものパターンで1週前にはWで自己ベスト79.8 – 65.2 – 11.4が出されていた
・レースは開催12日目(Cコース2日目)の馬場の中36.3 – 62.2 – 33.8の後傾2.5で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り5Fから1.0加速して11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.7と伸びる展開
・外枠から出負け気味のスタートを切ると出て行って中団前目の馬群を追走した、1角までには進路が狭くなり馬が頭を上げるようなシーンがあった、道中はスローペースだったが折り合って追走できていた、向正面では外からポジションを上げる馬がおり3角では中団の馬群の位置取りとなっていた、勝負所では馬群で動けない位置で加速に付き合うと中団後方の馬群から直線へ、直線では少しヨレながら脚を伸ばすと、キレる様子ではなかったものの最後までじわじわと他馬を交わして2着から0.2秒差の3着
・レース後鞍上は「スローペースになると思っていたのでなるべく前を取りたかったんですが、ゲートのタイミングが合わずあの位置になりました。直線も最後まで止まらずに脚を使っています。状態が良かっただけに悔しいです」とコメントしていた
・後半の5Fが速いロングスパートのラップで持久力も問われた点は良かったものの、先行勢が苦しいほどのタフな後半ではなかったことを考えると、レース後に鞍上がコメントしていたようにもう少し前のポジションが欲しかったが、こればっかりは枠の分もある
【7】アイリッシュチャンピオンS(アイルランドレパーズタウン2000m):3着:3ヶ月半:坂井
・レパーズタウン競馬場の最後の直線は約400mで、直線は上り坂が続く
・8頭立ての3番枠からスタートすると少し行きたがるのを抑えられながら好位の外を追走した、道中は外からポジションを押し上げる馬がおり馬群の位置取りとなったが、しっかりと折り合って追走できていた、勝負所では残り3F過ぎから促されたが馬群で動ける位置ではなく、一団の馬群の中団になって直線へ、直線では外から伸びていく1, 2着馬が通った進路に切り返して追われたが、脚を余すような格好になっての3着まで
・レース後陣営は「予想通り、厳しいレースになりました。日本が暑くて、なかなか状態を上げられず、フランスに来てから良くなっていたけど7、8割の中で頑張ってくれました」とコメントしていた
【8】凱旋門賞(フランスパリロンシャン2400m)(重):12着:中2週:坂井
・中枠外目から少し外へヨレるようにスタートすると出て行って中団前目の外を追走した、道中はやや前進気勢は強めだったが折り合いの中で追走すると、勝負所でもポジションは変えず、残り3F手前から促されて中団の外から直線へ、直線では伸ばせず12着敗戦
・レース後に鞍上は「馬の状態は良く、馬場も苦にしている感じではありませんでした。道中の雰囲気も良かったのですが、一気にペースが速くなったときについて行けませんでした」と、陣営は「馬の状態は良く、レース展開も悪くなく、馬場状態も想定の範囲内だったので、現状では敗因を掴みきれていないというのが正直なところです」とそれぞれコメントしていた
【9】ジャパンC:2着:1ヶ月半:坂井
・陣営は「ここまで予定通りに調整できているし、近2週ともいい動きだった。本来の姿に戻ってきつつある。少なくとも2走前よりは良さそう。来年が楽しみになる競馬を見せてほしい」とコメントしていた、追い切りはWからの坂路での調整で、最終追いの坂路が併せ馬で行われるのは京都2歳S以来だった
・レースは開催16日目(Cコース4日目)の馬場の中37.1 – 62.2 – 33.4の後傾3.7で、逃げ馬不在だった影響で道中をドスローで進めると、ラストも残り3Fまでラップは速まらず、残り3Fから1.0加速すると11.5 – 10.8 – 11.1と伸びる高速上がり戦
・中枠からスタートすると出て行ってハナへ、序盤は折り合ってかなりマイペースで逃げられていた、向正面では外からハナを叩く馬がおり、譲る形で前に逃げ馬を見る好位のインの位置取りとなった、勝負所でも馬群のペースは引き上がらず、馬なりのまま前に逃げ馬を見る最内から直線へ、直線では逃げ馬が開けた最内の進路を突いて追われると長く脚を伸ばしてじわじわと前との差を詰めたが、外から鋭く伸びた勝ち馬のドウデュースには及ばず、勝ち馬とタイム差なしの2着同着
・レース後鞍上は「スローが目に見えていたので主張していって、何か来たらその後ろというイメージでした。状態がとても良く、良い走りができたと思います。ただ、着差が着差だけに残念でした。まだ3歳ですし、これからの成長が楽しみです」とコメントしていた
4歳
【10】ネオムターフC(サウジアラビアキングアブドゥルアジーズ2100m):1着:3ヶ月:坂井
・芝コースはほとんど平坦で、コース1周や直線の長さは中京競馬場に近いイメージ
・10頭立ての3番枠からスタートすると出て行ってハナへ、道中は折り合ってマイペースで逃げられていた、勝負所では残り4F付近から促されると、1馬身半ほどのリードを保って先頭で直線へ、直線では抜け出してすぐさま後続を3馬身ほど離すと、ゴールまでは差を詰められるような形にはなったが2馬身ほどのリードをキープして優勝
・レース後鞍上は「プレッシャーをかけられてキツい競馬だったけど、大丈夫だろうという手応えは終始ありました。このメンバーでは負けられないと思っていたのでよかったです」とコメントしていた
・本レースにしても前走のジャパンCにしても、長めの距離のスローペースを先行して直線でも末をまとめるという競馬が好走パターンになっている
・本レースでは、休み明けでも結果を出した
【11】ドバイSC(ドバイメイダン2410m):7着:1ヶ月半:坂井
・9頭立ての最内枠からスタートすると出て行ってハナへ、前走が逃げの競馬だったが、ここでもハナで落ち着いて追走できており、表示の時計を見る限りは1000m通過63秒程度のスローペースだった、向正面ではゆっくりだが外からハナを叩く馬がおり、切り返して3角では逃げ馬の外の2番手にポジションが変わっていた、勝負所では前の逃げ馬に少し離されるような形になって2馬身ほどの差の2番手から直線へ、直線では伸ばせず7着敗戦
・レース後鞍上は「スタートから主張していったのですが、途中からレベルスロマンスが来ると思っていたので、想定範囲の展開でした。前走ほどではないにしろ、この馬の力を出せる状態にはあると思っていました」とコメントしていた
【12】アイリッシュチャンピオンS(アイルランドレパーズタウン2000m)(稍重):6着:5ヶ月:坂井
・8頭立ての最内枠からスタートすると出て行って前に逃げ馬を見る馬群のインを追走した、勝負所では逃げ馬に離されるような形になって、外の馬を行かせて外へ切り替えられて中団の外から直線へ、直線では伸ばせず6着敗戦
・レース後陣営は「言葉が無いですね。馬の状態は去年よりはるかに良いと思いましたし、返し馬の入りも、返し馬自体も、瑠星(坂井瑠星騎手)もすごく良かったということでしたので、何が何だかよくわからないです。道中は、ペースメーカーが行って、その後の2、3番手の内というところで、理想のポジションだったと思います。今後のプランを変える気は今のところありませんが、あくまで馬の状態を見て判断したいと思います」と、鞍上は「馬は状態もすごく良かったと思いますし、落ち着きもあり、競馬の感じも悪くなかったのですが、結果だけが残念でした。前を行く馬も、隊列も、すべて予定どおりでしたが、直線に向いたぐらいであまり手応えがありませんでした。馬場は思ったよりも良かったですし、こなせる範囲だったと思います。今日は良い結果を残せませんでしたが、去年の走りを見ればこんなはずではないと思っていますし、また立て直して頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と、それぞれコメントしており、敗因がイマイチ掴めていない様子だったが、その後の検査で喘息と中程度の肺出血が判明した
・この後は凱旋門賞を予定していたが、変更して帰国しジャパンCへ目標を切り替えられた
【13】ジャパンC:8着:2ヶ月半:坂井
・陣営は「ヨーロッパ血統だけど、日本の軽い芝の方が合っているね。なかでも東京コースとは相性がいいようにベストの舞台だと思う。好時計が出ており、きっちり仕上がったし楽しみ」とコメントしていた、追い切りは併用で、Wでは2週前に77.6 – 63.7 – 11.7、1週前に78.9 – 63.9 – 11.4と速い時計が出されていた、当週は坂路単走で終い重点
・レースは開催19日目(Cコース4日目)の馬場の中34.5 – 57.6 – 34.6の前傾0.1で、道中を逃げ馬が後続を離す形のハイペースで進めると、ラストは残り3Fから0.5加速して11.8 – 11.5 – 11.3とゴールへ加速する展開で、6着までのうち5頭が4角で9番手以下の差し決着
・外枠からスタートすると出ていって枠なりに中団前目の外を追走した、道中は少しだけ行きたがるのを抑えられながらもなんとか折り合いの中で、前にクロワデュノールを見る位置を追走できていた、勝負所では残り5Fと早めから馬群の外へ進路を取る形で進出の準備をされたが大きくポジションは変えずに中団の大外になって直線へ、直線では脚を伸ばしてはいたが上位争いに加われるほどではなく8着まで
・レース後鞍上は「馬の雰囲気は良かったです。外枠で少しずつロスがあったのが響きましたね。それでも上位馬は強かったです」とコメントしていた
結論(再掲)
■父系も母系も欧州型の血統馬らしく末はキレるというより持久力を活かして少しずつ加速するように長く脚を使える馬で、日本ダービー3着、ジャパンC2024で2着同着の際には、どちらもスローペースから後半3-5Fが速い展開で持久力を活かすような形で好走した
■近走はそのような競馬にそもそもなっていないものの、若駒時から早く抜け出すと遊んだりヨレるような面を見せる所があるため、早め先頭のような競馬ではゴール前で何かに迫られたり、差されたりというリスクがある
■休み明けからの叩き3走目だった日本ダービーやジャパンC2024、欧州へ渡って一叩きされた後の凱旋門賞では、それぞれ陣営から状態が良いとの旨のコメントが出されており、休み明けでもネオムターフCを優勝するなど好走した実績はあるものの、基本的には叩き良化型の馬であると考えたい
■ドバイSC以降の近3走は、それまでと比較して明確に物足りないパフォーマンスとなっており、アイリッシュチャンピオンS2025の後に判明した喘息と肺出血が尾を引いている可能性がある
■有馬記念ではスローペースになれば先行しての持久力、ハイペースになっても先行馬が垂れてくる所を差す持久力差しができ比較的適性は高いレースと考えられるが、ドバイSC以降に本来のパフォーマンスを出せる兆しを見せられていないのは気がかり、近走の結果から人気は落としそうだし状態次第では評価を改める可能性もあるが、引き続き不安の残る状態なら大きくは評価できず、3連系本線など割られて困る形で勝負するなら相手に拾う程度で検討か
Gregory
