天皇賞秋の各馬分析8頭目はシランケド。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
天皇賞秋の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)
シランケド:牝5歳:米国型×ディープインパクト:前走新潟記念2人気1着:横山武
結論
■これまでキャリア12戦でいずれも上がり3位以内を使い、逃げたレースを除けば全戦で上がり2位以内を使っているように末脚が武器のタイプだが、ゴールまでグイグイと加速していくような長く力強い脚を使える馬のため、スローペースから上がりの差で前を差し切る瞬発力勝負のような展開よりは、全体的に時計がかかり末脚の持続力とその速さの両方が問われるような展開に最も適性がある
■これまでには中山や福島のような直線の短いコースでもコーナーで加速して進出するような形で脚を使えており、直線の長いコースも小回りコースもこなせるタイプである
■これまでには稍重までではあるものの道悪でも問題なく自身の脚を伸ばせており、レースの時計がかかって長く脚を使える能力が要求されやすいという点でパンパンの良馬場よりは多少渋った方がむしろ良いタイプで、同じ父であるトップナイフが道悪を得意としていることからも、血統的にも適正が高いと考えられる
■キャリアの前半ではほとんど毎回出遅れるほどスタートが上手ではなく、それにより位置取りが常に後手になることで、上位の上がりで差し込んでも展開利を得た先行馬やインで進めて差す馬に先着できないようなレースもあったが、鞍上がデムーロに乗り替わりになってからはスタートも二の脚もつくようになり、ポジション取りにある程度の自由度が生まれたことで一気に重賞勝ち、GⅠ馬券圏内までパフォーマンスを向上させた
■特に前々走のヴィクトリアマイルでは、馬場に雨の影響があり道中がハイペースで流れて差し決着になった展開が明確に向いていたとは言え、枠と直線での進路取りを考えると1, 2着馬よりも強い競馬をしており、少なくとも展開がハマるパターンでは明確にGⅠ級の力がある
■天皇賞秋では、パンパンの良馬場ではスローペースだと瞬発力勝負、ミドルペースだとスピードレースが向く馬にそれぞれ適正面で譲りそうではあるものの、雨の影響が大きな馬場でキレよりも持久力のある末脚が要求される流れになれば明確に適正のある舞台となる、近走の好走と今回の相手強化のバランスでどの程度の人気になるかが読みづらいが、望みの条件が用意された上で人気しすぎない構成になれば狙い時、条件によっては重たい印で
全レース分析
2歳
【1】新潟1400m新馬(稍重):9着:藤田
・陣営は「大きな馬で使いつつ良くなっていきそうなタイプです。次につながる走りを」とコメントしていた、追い切りは併用で併せ馬は行われていたが、時計は全体的に軽め
・レースは開催6日目(Aコース6日目)で稍重になった馬場の中35.2 – 36.6の前傾1.4で、前半を速めのペースで進めると、600-1000mを12.1 – 12.4と緩めた、ラストは残り2Fから0.7加速して11.7 – 12.5と残り2Fからの加速が大きな展開
・内枠から遅めのスタートを切ると、直後に手綱と喧嘩して内へヨレて最後方を追走した、道中は最後方のまま促されるような追走になっていた、勝負所ではインアウトで外へ出されて後方の外から直線へ、直線では反応して伸びて上がり最速の脚を使ったが勝負になる位置取りではなく9着敗戦
【2】阪神1400m未勝利:取り消し:中1週:柴山
・陣営は「しまいの脚は悪くなかった。スタートをしっかりと決めて、流れに乗れれば」とコメントしていた、追い切りは坂路単走で軽い時計が1本出されていた
・前日に左後肢フレグモーネのため出走取り消しとなった
3歳
【3】中京1400m未勝利:1着:8ヶ月:国分恭
・陣営は「休養期間が長いですしスタートにも課題が残る現状。次につながるレースを」と弱気コメントだった、追い切りは併用で併せ馬も行われ、毎週ジョッキーが騎乗していた、当週は坂路単走で軽め
・レースは開催6日目(Bコース2日目)の馬場の中33.6 – 35.5の前傾1.9で、道中をハイペースで進めると、ラスト3Fは11.4 – 11.7 – 12.4とゴールへ失速する展開
・外目の枠から出遅れると少し促されて最後方を追走した、ペースが速かったこともあり道中も追っ付け通しの様子だった、勝負所では内目の進路取りからインアウトで外へ出されて後方の外から直線へ、直線では進路を求めて一番外へ出されるとグイグイと伸びて4角2番手から抜け出しにかかった2着馬を差し切って優勝、上がりは2位より0.5秒速い最速の34.2
【4】小倉1800m1勝クラス:3着:1ヶ月:国分恭
・陣営は「まだゲートに課題が残っている。この距離でレースを覚えていってくれれば」とコメントしていた、追い切りは併用で1週前にはジョッキー騎乗で併せ馬が行われていたが時計は軽め、当週は坂路単走で軽めだった、初の古馬との対戦
・レースは開催3日目(Aコース3日目)の馬場の中35.6 – 58.9 – 36.4の前傾0.8で、前半をややハイペースで進めると、ラスト4Fは11.6 – 11.9 – 12.2 – 12.3とゴールへ失速する展開
・内枠からこれまでと比較するとマシなスタートを切ると控えて後方のインを追走した、前走がハイペースからの距離延長だったが道中はしっかり折り合って追走できていた、その後はスムーズに進めると、勝負所では残り3F手前から促されてインアウトで後方の外から直線へ、直線ではゴール前でも加速途中のような徐々に伸びる脚を伸ばしたが、先に抜け出した組は交わせず0.6秒差の3着まで
【5】紫苑S(稍重):3着:中2週:国分恭
・陣営は「前走はコーナーが4つの舞台と中距離に対応した。現状の力で、重賞でどこまでやれるか。今後に向けていい経験になってほしい」とコメントしていた、追い切りは一転して坂路での単走オンリーで、時計は軽かった、初の関東遠征
・レースは開催1日目(Bコース1日目)で未明の雨の影響で重馬場でスタートし乾いて稍重になった馬場の中35.0 – 58.1 – 36.3の前傾1.3で、2F目から残り400mまで11秒台が7F連続する持続的なハイペースで進めると、ラスト3Fは11.9 – 12.4 – 12.0と差しの組がラストのラップを加速させる展開で、9着までのうち4角4番手だった2着馬を除くと全馬が4角で6番手以下の差し決着
・外枠から歩くようなスタートで出遅れると枠なりに控えて後方の外を追走した、道中は少し追っ付けられるシーンもあったがポジションは変わらず後方の外を追走していた、勝負所では残り4Fから徐々に促されると馬群の外をまわって加速して中団後方の大外へ出されて直線へ、直線ではキレる様子ではなかったものの長く脚を使うと先に抜け出しにかかってバテ気味の組を交わして3着
・レース後鞍上は「変に内枠よりはこの枠が良かったです。折り合いも付きました。ただ、ゴーサインを出してからしぶくなりました。レースとしては1番強い競馬をしたと思います」とコメントしていた
・その後は前走の疲れが取れず、態勢が整わなかったとのことで権利を取った秋華賞は回避した
4歳
【6】小倉2000m1勝クラス(稍重):1着:4ヶ月半:国分恭
・陣営は「馬体が少し大きくなって成長を感じますね。次へ向けていい走りができれば」とコメントしていた、追い切りは併用で時計は全体的に軽めだった、4ヶ月半の休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースは開催3日目(Aコース3日目)で雨が降って稍重になった馬場の中36.0 – 61.8 – 35.9の後傾0.1で、前半をスローペースで進めると、後半は残り5Fから0.6加速して12.0 – 11.9 – 11.9 – 12.0 – 12.0と加減速の少ない展開で、9着までの全頭が3角で6番手以下の差し決着
・内目の枠から少しあおり気味のスタートを切ると迷いなく外目へ誘導されて1角では後方の外を追走した、道中は折り合って追走できていた、向正面では馬群の外から進出して3角では中団前目の外の位置取りとなっていた、勝負所では徐々に促されて前に並びかけると、1列目の内から6頭目付近になって先頭に立って直線へ、直線ではラストまで後続を離すような力強い脚で伸びると、2位より0.7秒速い上がり最速35.7で抜け出して5馬身差の圧勝
・力が抜けていた面があるのはもちろんだが、スローペースで前に離されすぎず時計もかかって後半に長く脚を伸ばす展開で差し決着という形もかなり向いていた印象
【7】小倉1800m2勝クラス(稍重):2着:中1週:国分恭
・陣営は「前走は強かったですね。同じ競馬場でレースはしやすいと思いますし楽しみ」とコメントしていた、追い切りは坂路単走で軽めが1本
・レースは開催7日目(Aコース7日目)で雨が降って稍重になった馬場の中37.1 – 61.0 – 36.4の後傾0.7で、道中をややスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.4加速して11.9 – 11.8 – 12.7と伸びてラスト1Fラップを落とす展開で、4角で1, 2番手だった馬と上位の上がりで差した馬で5着までを独占した
・大外枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方の外を追走した、向正面では前走同様外へ出されてそのまま馬群の外を大きくまわって促され後方の大外から直線へ、直線では外から猛然と脚を伸ばしたが逃げ馬を捉えられず2着まで
・前走とは異なりポジションを押し上げたいタイミングでラップが大きく緩んでおらず、加えて3, 4角の勝負所で大きく外をまわされる位置取りになってしまっては実力上位でも差し届かなかった形
【8】中山2000m2勝クラス:2着:2ヶ月半:デムーロ
・陣営は「前走は勝ち馬にうまく運ばれてしまったが、メドは立った。二千で改めて」とコメントしていた、追い切りは併用でこれまでとそう変わらないパターン
・レースは開催16日目(Bコース6日目)の馬場の中36.9 – 60.1 – 34.8の後傾2.1で、序盤をスローペースで進めると、後半は600mからゴールまで11.6付近が続く持続的な展開で、ラスト4Fは11.6 – 11.5 – 11.5 – 11.8と12秒台までかからず、上位の上がりを使った馬が圏内を独占した
・9頭立ての7番枠から五分のスタートを切ると特段促されずに出て行って1, 2角で外からジワッとハナへ、道中は内に2番手の馬がいたが落ち着いて追走できていた、勝負所では残り3Fから少しずつ促されて先頭で直線へ、直線では馬場の4分所へ出されるとしっかり脚を使って馬群から抜け出したが、1つ後ろでマークしていた馬にキッチリ差し切られて2着まで
・3, 4角では矯正されることなく上手にコーナリングできており、コーナーでの加速性能が要求される小回りコースでも自身の脚を使えるタイプ
【9】福島2000m2勝クラス:1着:2ヶ月半:デムーロ
・陣営は「ハナに行った前走は少し戸惑いがあったのかも。ひと追いごとに動きは良化」とコメントしていた、追い切りは併用で、中間には坂路で自己ベスト53.0 – 12.4、Wでも自己ベスト79.8 – 65.7 – 11.7が出されていた、当週は坂路単走で時計は軽め
・レースは開催3日目(Aコース3日目)の馬場の中35.3 – 59.8 – 35.0の後傾0.3で、前半をスローペースで進めると、ラストは残り4Fから0.8加速して11.9 – 11.8 – 11.6 – 11.6とゴールまで伸びる高速4F戦で、上位の上がりを使った馬が圏内を独占した
・8頭立ての3番枠から五分のスタートを切ると少し行きたがるのを抑えられながら出て行って逃げ馬を並ぶような外の2番手を追走し、1, 2角のコーナーワークで単独の2番手に収まった、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では外から進出した3番手の馬に抵抗するように逃げ馬の外に出すと、手綱を抱えられたまま逃げ馬に並びかけて先頭に立って1馬身差で直線へ、直線では8分ほどの追いで後続を突き放していって4馬身差の圧勝
・デムーロが乗ってここ2戦はスタートも行き脚も改善されており、少頭数で道中のロスもなく自身の力を出せればこのクラスでは力が抜けていた
【10】新潟2000m3勝クラス:1着:3ヶ月半:デムーロ
・陣営は「暑い時季は無理をせず、ここを目標に好仕上がり。リラックスして運べれば」とコメントしていた、追い切りは併用でほとんどが単走で行われていた、相変わらず当週は坂路単走で軽め
・レースは開催7日目(Aコース7日目)の馬場の中36.7 – 61.2 – 34.1の後傾2.6で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから0.7加速して11.2 – 11.3 – 11.6と伸びてゴールへは失速する展開で、4角4番手以内の馬が2-4着する先行馬も残せる流れだった
・10頭立ての2番枠からあおって出遅れると控えて後方のインを追走した、向正面では最後方になって3角までに進路を外へ切り替えられていた、勝負所では残り5Fから進出を開始すると馬群の外をまわって後方の外から直線へ、直線では各馬外へ進路をとる中でそのさらに大外へ出されるとラストまでかなり長く脚を使って前を差し切って1.3/4馬身差で優勝、上がりは2位より0.8秒速い最速の33.0だった
・新潟でこれだけの脚が使えるあたりやはり長く脚を求められた方が良いタイプで、勝ち時計が早くなるスピードレースよりは全体的に時計のかかる展開への適性が高いのでは
5歳
【11】中山牝馬S:1着:4ヶ月半:デムーロ
・陣営は「順調にケイコを消化し、状態は徐々に上がってきました。先週は前が有利の馬場でしたが、ためた方が持ち味が生きると思います」とコメントしていた、追い切りは1週前にWでジョッキーが騎乗し80.5 – 66.4 – 12.2が出され併せ先着しており、それ以外は全て坂路で単走だった、休み明けだったが馬体は-8kgしていた、ハンデ54kg
・レースは開催3日目(Aコース3日目)の馬場の中36.5 – 59.6 – 35.7の後傾0.8で、前半をスローペースで進めると、600-1000mで11.7 – 11.4と加速が入った、そこからラスト4Fは11.8 – 11.8 – 11.8 – 12.1と加速のない展開
・外枠からあおって出負け気味のスタートを切ると出して行って中団の外を追走した、序盤に少し促していったが道中は折り合って追走できていた、勝負所では残り4F過ぎから少しずつ促していくと馬群の外をまわって中団の大外から直線へ、直線では相変わらず長く力強い末脚でラストまで脚を伸ばすと内の馬と叩き合いになってアタマ差出て優勝
・レース後鞍上は「スタートでうまく出て、いいところにつけられた。ずっと伸びていたし、頑張ってくれました。テンションは激しいですが、落ち着いていればすごく能力は高い馬だと思います。GⅠの舞台も狙えるぐらいの馬ですね」とコメントしていた
・冬場の中山で上がりを要する展開で勝負所で距離をロスしない運び方、軽斤量の分もあり強さを発揮しての重賞制覇
【12】ヴィクトリアマイル:3着:2ヶ月半:デムーロ
・陣営は「以前はレース後のダメージが大きくて順調に使えませんでしたが、ここにきて、ようやくある程度の間隔で使えるようになってきました。一線級の牝馬を相手にどこまでやれるか」とコメントしていた、追い切りはオール単走で1週前のみWのパターン、そのWでは80.5 – 65.8 – 11.7と自己ベストに迫る時計が出されていた
・レースは開催8日目(Bコース2日目)の馬場の中33.9 – 56.8 – 35.3の前傾1.4で、道中をハイペースで進めると、ラスト4Fは11.4 – 11.3 – 11.9 – 12.1とゴールへ失速する展開で、4角で12番手以下から上位の上がりを使った馬が圏内を独占する明確な差し決着
・中枠外目から五分のスタートを切ると控えて後方外目の馬群を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では外を勝ち馬に締められる位置取りで手綱を抱えて最後方になって直線へ、直線では進路を探しながら追われると残り200mから明確に進路を確保して追われた、ラストは上がり最速33.2で内目から伸びたが外をスムーズに伸びた2頭に先着されてタイム差なしの3着まで、着差を考えると枠が逆であれば頭まであった
・レース後鞍上は「惜しかったですね。少しうまく乗れませんでした。馬混みが良くないですね。スタートは出たのですが、この距離なのであの位置からの競馬になりました。馬場が重いので、あまり向正面でポジションを取るのに脚を使いたくなかったです。上位の馬たちが外に出して、GⅠではそれ以上外に出すと届かないと思い、内を突きました。最後の脚はありましたが、前の馬たちがふらふらしてスムーズではなかったです。その中でもよく頑張ってくれました」とコメントしていた
【13】新潟記念:1着:3ヶ月半:坂井
・陣営は「GIでも戦える下地ができてきたように思います。体質の弱さを考慮しつつ順調に調教のメニューを消化。鞍上の感触も良さそう」とコメントしていた、追い切りは併用で2週前1週前と併せ馬が行われていた
・レースは開催12日目(Aコース12日目)の馬場の中35.6 – 60.5 – 33.2の後傾2.4で、道中をスローペースで進めると、ラストは残り3Fから1.1加速して10.9 – 11.0 – 11.3と伸びる展開
・外目の枠からスタートすると控えて後方の外を追走した、道中は落ち着いて追走できていた、勝負所では残り900m付近から徐々に促されて中団後方の大外になって直線へ、直線では外へ誘導されて追われると相変わらず長く脚を伸ばせる強みを活かして差し切って優勝、上がりは最速の32.4
・レース後鞍上は「調教でかなりポテンシャルを感じていたので自信はありましたが、無事に勝ててホッとしています。この馬のリズムで行って、直線はスムーズに外へ出せればと思っていたので、イメージ通りでした。直線出したときには反応が良かったですし、前はかわせそうだし、後ろからもかわされることはないだろうなと思いました。調教でも感じた通り、GⅠ級の力があるなと改めて思いました。本当に高いポテンシャルがあると思うので、GⅠを勝ってくれると思います。知らんけど」とコメントしていた
結論(再掲)
■これまでキャリア12戦でいずれも上がり3位以内を使い、逃げたレースを除けば全戦で上がり2位以内を使っているように末脚が武器のタイプだが、ゴールまでグイグイと加速していくような長く力強い脚を使える馬のため、スローペースから上がりの差で前を差し切る瞬発力勝負のような展開よりは、全体的に時計がかかり末脚の持続力とその速さの両方が問われるような展開に最も適性がある
■これまでには中山や福島のような直線の短いコースでもコーナーで加速して進出するような形で脚を使えており、直線の長いコースも小回りコースもこなせるタイプである
■これまでには稍重までではあるものの道悪でも問題なく自身の脚を伸ばせており、レースの時計がかかって長く脚を使える能力が要求されやすいという点でパンパンの良馬場よりは多少渋った方がむしろ良いタイプで、同じ父であるトップナイフが道悪を得意としていることからも、血統的にも適正が高いと考えられる
■キャリアの前半ではほとんど毎回出遅れるほどスタートが上手ではなく、それにより位置取りが常に後手になることで、上位の上がりで差し込んでも展開利を得た先行馬やインで進めて差す馬に先着できないようなレースもあったが、鞍上がデムーロに乗り替わりになってからはスタートも二の脚もつくようになり、ポジション取りにある程度の自由度が生まれたことで一気に重賞勝ち、GⅠ馬券圏内までパフォーマンスを向上させた
■特に前々走のヴィクトリアマイルでは、馬場に雨の影響があり道中がハイペースで流れて差し決着になった展開が明確に向いていたとは言え、枠と直線での進路取りを考えると1, 2着馬よりも強い競馬をしており、少なくとも展開がハマるパターンでは明確にGⅠ級の力がある
■天皇賞秋では、パンパンの良馬場ではスローペースだと瞬発力勝負、ミドルペースだとスピードレースが向く馬にそれぞれ適正面で譲りそうではあるものの、雨の影響が大きな馬場でキレよりも持久力のある末脚が要求される流れになれば明確に適正のある舞台となる、近走の好走と今回の相手強化のバランスでどの程度の人気になるかが読みづらいが、望みの条件が用意された上で人気しすぎない構成になれば狙い時、条件によっては重たい印で
Gregory
