中山記念の各馬分析10頭目はシュネルマイスター。昨年のマイルCSでは本命を打った馬で、グランアレグリアの引退後はマイル路線にて一時代を築ける逸材だと考えていただけにその後の成績はやや物足りない部分があります。ここから5歳シーズンで巻き返して欲しいです。
結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。
中山記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。
基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:斤量:鞍上)
シュネルマイスター:牡5歳:欧州型×欧州型:前走香港マイル3人気9着:バシュロ:58kg(+1kg)
結論
■過去に鞍上もエンジンのかかりは遅かったとの旨のコメントをしていたように(NHKマイルC後)、キレるというよりは持続的に速い上がりを使えるタイプで、弥生賞、安田記念2021、マイルCS2021、安田記念2022では僅差で負けているのに対して、NHKマイルC、毎日王冠では勝ち切っているように、スローからの上がり勝負や小回りコースで器用さも求められる展開より序盤からペースが流れてラストは先行勢が失速するような持続的な展開により適正がある
■掲示板を外したのは海外の2戦とスプリント戦の3度だけで、安定して末脚を伸ばしてくる点も本馬の魅力で、海外およびスプリントでない中で唯一馬券内を外したマイルCS2022ではレース後鞍上が柔らかい馬場のせいかいつもより伸びなかったとの旨のコメントを出しており、今まで良馬場でしか走っていないが、道悪の際には割引きたい
■今回は適正薄いと考えられる中山の小回りコースで、本レースでよく人気して飛んでいる後方から差す、次走ドバイを見据えた実力馬である、中間に陣営は「過去最高馬体重かも、少し余裕残しかな」とコメントしており、叩きの色はあるがそれなら鞍上は日本人ジョッキーでいいという面もある、上記の要素から本来の実力よりは大きく割り引くが、それでもそこまで人気しないなら多少持っておきたい気持ちも、、、紐候補
全レース分析
2歳
【1】札幌1500m新馬:1着:横山武
・追い切りは坂路、W、札幌芝、札幌ダートの併用で中間のWでは5F66.4 – 12.6が出されていた、併せ馬も行われ先着していた
・レースは序盤スロー気味で進めると残り3Fから0.5加速して11.9 – 11.1 – 12.0と、残り2Fからの加速が大きな展開
・中枠外目から若干遅めのスタートを切ると好位の外目を追走した、道中はしっかり折り合っていた、勝負所では残り400m付近から促されると1列目の外から直線へ、上がり最速で抜け出して優勝
・直線ではずっと右手前のまま走っており、ゴールの直前で左手前に変えていた
【2】中山1600m1勝クラス:1着:3ヶ月半:ルメール
・陣営は「まだ緩さは残るが(中略)」とコメントしていた、追い切りはW主体の週末坂路で時計はそこそこ、休み明けで馬体は+14kgしていた
・レースは時計のかかる良馬場の中35.6 – 59.9 – 35.9で、序盤は11.8以下が続く持続的な展開で進めたが、800 – 1200mで12.5 – 12.4と緩みラスト2Fは11.7 – 11.8と残り2Fからの加速が大きな展開
・中枠からスタートすると折り合って中団前目の馬群を追走した、勝負所では残り400m手前から徐々に追い出しを開始されると前から2列目の内から2頭目で直線へ、追われるとノーステッキで上がり最速で伸びて抜け出して圧勝
3歳
【3】弥生賞:2着:2ヶ月半:ルメール
・追い切りはW主体の週末坂路で時計は軽め、再びの休み明けで馬体は+6kgしていた
・レースは36.7 – 62.6 – 34.5で、序盤からスローの展開で進めると残り3Fから0.7加速して11.6 – 11.0 – 11.9と伸びるラップ
・大外10番枠からスタートするとインには寄せていかず1角までに少しずつ内へ入れるような形、スローだったこともあり2番手を単独で追走した、向正面で逃げ馬の一つ外に出すと勝負所では残り600m手前から促され始めた、ラストは上がり最速で伸びたが逃げ馬を捕まえられず2着
・直線ではしっかり手前を左手前に変えて走れていた
【4】NHKマイルC:1着:2ヶ月:ルメール
・陣営は「前走の最後の脚を見るとマイルの方が良さそう」とコメントしていた、追い切りはW主体の週末坂路で1週前には自己ベスト5F63.6 – 12.3、当週にはジョッキー騎乗で5F65.2 – 12.0が出され共に併せ先着していた
・レースは33.7 – 56.9 – 34.7で、序盤200 – 400mでは10.2という超高速ラップが入りながら11.6以下が続くハイペース、その中で残り3Fからは0.2加速して11.4 – 11.4 – 11.9と伸びる超持続のマイルGⅠラップ
・外枠からスタートすると幾分促されながら中団の外を追走した、そのまま中団の外から直線へ進入するとラストまで伸び続けて上がり2位で差し切って優勝
・レース後鞍上はエンジンがかかるのには時間がかかったとの旨のコメントをしていた
・この超ハイラップの中でも中団で追走して直線で脚を伸ばせるところから、スローの上がり勝負や小回りで器用さ求められる展開よりも、ラストは先行馬が失速するような速めの流れの中で長い直線で末脚を伸ばすレースへの適性が高いと考えられる
【5】安田記念:3着:1ヶ月:横山武
・追い切りはWで2本で、前走のNHKマイルC時と比較すると時計は軽めだった
・レースは34.9 – 57.8 – 33.9で、道中は11.6以下が続く比較的持続的な展開から残り3Fから0.2加速すると11.2 – 11.0 – 11.7と伸びる展開
・外枠から若干躓き加減のスタートを切ると、そのせいで出脚が鈍かったが出て行って中団の外を追走した、直線も中団外から進入するとしっかりラストまで脚を伸ばしたが、最後は上位の上がりを使ったディープ産駒の先輩2頭に差されての3着
【6】毎日王冠:1着:4ヶ月:ルメール
・陣営は「極端に上がりが速いとどうかも(中略)」とコメントしており、高速上がりレースよりも持続的な末脚を伸ばす展開に適性があることを示唆している、追い切りは相変わらずW主体で1週前には併せ遅れていたが、当週には5F65.7 – 11.4が出されるなど時計はしっかり出されていた
・レースは34.8 – 58.5 – 34.6で、序盤そこそこ飛ばした中で道中は11.9以下が続く持続的な展開で、残り3Fから0.4加速すると11.3 – 11.4 – 11.9とラストはゴールへ失速する展開
・最内枠から出負け気味のスタートを切ると控えて後方のインを追走した、直線も後方から馬群を突くような位置で進入すると少し外に出されてゴールまで伸び切って上がり最速で優勝
・持続的でゴールへ失速するラップ×直線長いコースの適舞台で再びの重賞制覇
【7】マイルCS:2着:1ヶ月半:横山武
・初の関西遠征、追い切りはいつも通りW主体で最終追いは初めての関西への輸送を考慮してか終い重点の内容だった
・レースは35.6 – 59.3 – 33.3で、道中マイルGⅠとしてはかなりスローな展開で進めると残り3Fから0.6加速して11.1 – 10.7 – 11.5と伸びる高速上がりレース
・内枠からスタートすると中団のインを追走した、直線も内目から進入すると馬群を縫うようにしながら伸びてきて上がり2位32.9で抜け出したが外から上がり最速を使った勝ち馬には及ばずの2着
・上がり勝負の中しっかり脚を使って伸びており、ここは相手が悪かったが、決して向くとは言えない展開の中でもこれだけのパフォーマンスを出してくるのが本馬の純粋な強さ
4歳
【8】ドバイターフ:8着:3ヶ月:ルメール
・内枠からゲートで少し暴れていたがスタートはまともに出ると中団の馬群を追走した、勝負所から直線では外目に出されて追われたが直線はほとんど伸ばせずラストも数頭に交わされての8着
・レース後鞍上、陣営ともに敗因がわからないとの旨のコメントを出しており、ゲートで珍しく暴れていたところなど見るに、海外 or ナイター競馬のどちらか、または両方が向かず精神的に問題があった可能性(過去にもレイデオロなどドバイで全く走らない馬がいた)
【9】安田記念:2着:2ヶ月:ルメール
・陣営は前走について「ドバイ遠征では状態が上がりきらなかった」とコメントしていた、追い切りはW主体で全体時計もしっかり出され終いも11秒台でまとめられていた
・レースは34.7 – 58.7 – 33.6で、道中600 – 1000mでは12.0 – 12.0のラップが入るスローの展開から残り3Fから0.8加速すると11.2 – 11.0 – 11.4と伸びる高速上がり戦
・中枠からスタートすると中団後方の馬群を追走していた、勝負所でもそのまま馬群に包まれた位置で直線へ、直線では残り300m付近まで前が若干壁になっていたが開くと追われて上がり3位で伸びたが外から壁なく伸びていた勝ち馬に及ばずの2着
【10】スプリンターズS:9着:4ヶ月:横山武
・追い切りはスプリント戦でも変わらずW主体で全体そこそこから終い伸ばす時計が出されていた
・レースは32.7 – 35.1で、11.9 – 10.1 – 10.7 – 11.4 – 11.4 – 12.3とゴールへ失速し続けるスプリントラップ
・外枠からスタートすると枠なりに中団後方の外を追走した、勝負所から直線ではロスを少なくするために馬群を突くようにして直線に入ってから外目へ出されたが、途中挟まれる不利もあり直線で伸ばし切れず9着敗戦
・外枠とラップを考えれば走っている方で、力負けではない、一部では牧場側が毎日王冠で他の馬に賞金を積ませたいがために本馬はスプリンターズSへまわったとの話もある
【11】マイルCS:5着:1ヶ月半:ルメール
・追い切りはいつも通りくらいの時計でのW調教だったが、デビュー以来初めて全て単走で行われていた
・レースは道悪競馬の翌週で馬場が若干緩めで悪い中35.1 – 58.5 – 34.0で、道中はマイルGⅠとしてはスローの展開から残り3Fから0.3加速すると11.6 – 10.8 – 11.6と伸びる展開
・内枠からスタートすると中団の馬群を追走した、勝負所では外目に出して中団外目の馬群から直線へ、直線では外から武豊騎乗のエアロロノアに締められていたが開いて追われると上がり3位で伸びたが内から抜け出していた組には届かずの5着
・レース後鞍上は「(中略)直線はそれほど加速しませんでした、柔らかい馬場のせいかもしれません」とコメントしていた
【12】香港マイル:9着:中2週:ルメール
・最内枠から遅めのスタートを切ると中団のインを追走した、直線も内目から進入すると全く伸ばせず最下位敗戦
・ここではドバイ遠征に続いて陣営は敗因が不可解とのコメント、海外遠征に適正がない可能性もある
結論(再掲)
■過去に鞍上もエンジンのかかりは遅かったとの旨のコメントをしていたように(NHKマイルC後)、キレるというよりは持続的に速い上がりを使えるタイプで、弥生賞、安田記念2021、マイルCS2021、安田記念2022では僅差で負けているのに対して、NHKマイルC、毎日王冠では勝ち切っているように、スローからの上がり勝負や小回りコースで器用さも求められる展開より序盤からペースが流れてラストは先行勢が失速するような持続的な展開により適正がある
■掲示板を外したのは海外の2戦とスプリント戦の3度だけで、安定して末脚を伸ばしてくる点も本馬の魅力で、海外およびスプリントでない中で唯一馬券内を外したマイルCS2022ではレース後鞍上が柔らかい馬場のせいかいつもより伸びなかったとの旨のコメントを出しており、今まで良馬場でしか走っていないが、道悪の際には割引きたい
■今回は適正薄いと考えられる中山の小回りコースで、本レースでよく人気して飛んでいる後方から差す、次走ドバイを見据えた実力馬である、中間に陣営は「過去最高馬体重かも、少し余裕残しかな」とコメントしており、叩きの色はあるがそれなら鞍上は日本人ジョッキーでいいという面もある、上記の要素から本来の実力よりは大きく割り引くが、それでもそこまで人気しないなら多少持っておきたい気持ちも、、、紐候補
Gregory