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シャフリヤール 【札幌記念2024】

札幌記念の各馬分析4頭目はシャフリヤール。

結論に買い・消しなどの大方の見解とその根拠などを記載しているため、簡単には結論を見ていただければ十分かと思います。

札幌記念の過去レース分析とそれから得られた分析結論(レース傾向など)についてはこちらから。

基本情報(馬名:馬齢:血統(父×母父):前走:鞍上)

シャフリヤール:牡6歳:ディープ×米国型:前走ドバイSC3人気5着:武豊

■ディープ×米国型という血統ながら超瞬発力タイプではなく、ダービーのように高速馬場で長く持続的な脚を使う展開に適性があり、「東京2400mやメイダン2410mなど直線の長いコースでのロングスパート」が最も向く条件である(OPクラスでの上がり最速はこれに該当したダービー、ジャパンC2022の2度しか使っていない)、2000mよりも長めのスパートになりやすいという点で、2400mがより適した条件である
■管理の藤原厩舎はしっかり叩きを使って本番にピークを持ってくる印象のある厩舎で、本馬も叩きとメイチを明確に分けられているような戦歴であり、厩舎としても狙いのレースのタイミングで馬券も勝負したいタイプ
■神戸新聞杯、札幌記念と2度使った道悪ではいずれも結果が出ておらず、血統からも想像される通り時計のかかる馬場よりは高速馬場が向くタイプ
■今年も次走はBCターフに参戦予定であり、ここが叩き台なのは明らか、相対的に時計のかかる洋芝であることや直線が短いコースであることもマイナス材料で、基本的には評価しない、有利な内枠に入った時に再考する程度で

2歳

【1】京都1800m新馬:1着:福永
・追い切りはCWで終い重点主体から最終は坂路軽めで併せ先着
・レースは36.2 – 62.2 – 35.0の後傾1.2で、残り3Fから0.8加速すると11.9 – 11.6 – 11.5とゴールまで加速するラップ
・外枠からスタートすると枠なりに中団前目の外を追走した、直線はさらに外へ馬場の真ん中に出されると先に抜け出した馬を上がり最速で差し切って優勝

3歳

【2】共同通信杯:3着:3ヶ月半:福永
・追い切りは前走同様CW主体から最終は坂路で終い重点で併せ先着、休み明けだったが馬体は前走から-2kgしていた、初の関東遠征
・レースは37.4 – 61.9 – 33.8の後傾3.6で、道中スローから残り3Fから0.4加速すると11.5 – 10.8 – 11.5という展開
・外枠からスタートすると枠なりで中団後方の外目を追走した、馬群の中で唯一内から4頭目(一番外)を周らされていた、直線は外目から上がり2位で伸びたが前との差を詰めきれずの3着

【3】毎日杯:1着:1ヶ月:川田
・追い切りはCWからの坂路で時計はいずれも軽め、1週前には併せ遅れており、当週の坂路では最終追いとして初めて単走で行われていた
・レースは34.5 – 57.6 – 34.4の後傾0.1で、序盤ハイペースで入るとラストは残り3Fから0.4加速して11.5 – 11.2 – 11.7という展開で勝ち時計1:43.9の高速決着、同率も含めて上がり2位以内の馬で圏内を独占
・中枠から遅めのスタートを切ると出して行って好位馬群を追走した、道中はスムーズに追走すると直線では内目を突いて伸びた、上がり2位を使うと追い込んできた2着馬と叩き合いになったが凌いで優勝
・本レースの結果と血統からも時計のかかる展開よりは高速決着の方が向くタイプか

【4】日本ダービー:1着:2ヶ月:福永
・追い切りはいつものパターンで、最終追い切りは併せ馬に戻され併せ先着していた
・レースは35.0 – 60.3 – 33.9の後傾1.1で、前半を平均程度のペースで入ると1200-1400mを12.8と緩めた後、残り5Fから1.1加速すると11.7 – 11.4 – 11.5 – 10.8 – 11.6と高速5F戦の様相
・中枠からスタートすると幾分行きたがるのを抑えられながら中団馬群を追走した、残り4F付近から鞍上の意識は外にあり、4角から直線では外へ外へ出されていった、直線では長く脚を使い上がり最速で伸びると先に抜け出したエフフォーリアを差し切って優勝
・残り5Fから加速する中、東京の長い直線を伸び切った末脚は持続力に長けており、ドスローからの3F超高速上がりレースよりは長く脚が求められる持続的な展開で相対的にパフォーマンスを上げる

【5】神戸新聞杯(中京2200m)(不良):4着:4ヶ月:福永
・追い切りはいつも通りのパターンも中間にはCW5F65.0、最終坂路では4F51.2とともに自己ベストが出されていた、休み明けで+8kgしており、休み明けの分調整で動かしてきた様子
・レースは雨の降る不良馬場の中、37.0 – 63.8 – 36.5の後傾0.5で、道中は不良らしい緩めのラップで進めるとラストは残り3Fから0.5加速して11.9 – 12.2 – 12.4とゴールへ失速する展開、上がり上位の2頭がワンツーしており、馬場に対応して末脚を伸ばせる馬の差し有利な展開だった
・大外10番枠からスタートすると若干ハミを噛みながら中団の外目を追走した、道中も頭を下げて若干ノメるような走りになっていた、直線も最後まで馬はやめていなかったが相対的に伸ばすことはできなかった
・レース後鞍上も陣営も馬場を敗因としてあげており、道悪はこなすかもしれないが不良で脚を取られるような馬場への適性がないことは確か

【6】ジャパンC:3着:2ヶ月:川田
・追い切りはいつものパターンも全体的に春より時計的な負荷がかけられていた
・レースは37.0 – 62.2 – 35.3の後傾1.7で、序盤をスローで進めるとラストは残り6Fから0.7加速して11.6 – 11.6 – 11.7 – 11.6 – 11.5 – 12.2とロングスパートの様相
・内枠からスタートすると良い出脚で好位のインを追走した、1角で逃げ馬が外に逸走したところから戻ってきた影響で、内ラチにぶつかるほどの不利を受けた、しかしその後の道中は落ち着いて追走できていた、途中外からキセキがポジションを上げていって馬群も加速したがここで無理についていかずポジションは中団の外になった、勝負所は残り700m付近から促されると直線では前の2着馬を追いかけた、本馬なりに伸びたが前は捕まえられず後ろからは差されての3着
・全体的には物足りないパフォーマンスで、実力の天井が見えたかと考えたが1角での不利が馬の精神にどれほどの影響を与えたかは計り兼ねる、安易に評価を下げるのは禁物か

4歳

【7】ドバイSC(ドバイメイダン2410m):1着:4ヶ月:C.デムーロ
・中枠からスタートすると出ていって逃げ馬のすぐ後ろのインコースを追走した、その後もスムーズに進めると直線では好位抜け出しで外から差してきた馬を凌いで優勝
・キレというよりは持続的な脚が生きたいかにも2400m戦という直線であった

【8】プリンスオブウェールズS(イギリスアスコット1990m):4着:2ヶ月半:C.デムーロ
・中枠3番枠からスタートを切ると逃げ馬の直後外目を追走した、道中は落ち着いて追走しそのまま好位で直線へ、本馬なりに脚は使っているように見えたが相対的に伸ばすことができず5頭立ての4着(5着馬はスタートでアクシデントあり大きく出遅れたため4着は実質最下位)
・日本での成績やドバイSCを勝ったことを思えば不満なパフォーマンスではあるが、勝ち時計は約2000m(1990m)のレースで2:07.79とかかっており、時計のかかる欧州の馬場が向かなかったという見方でOKか

【9】天皇賞秋:5着:4ヶ月半:C.デムーロ
・追い切りはいつものパターン
・レースはパンサラッサが飛ばす展開で34.7 – 57.4 – 36.7の前傾2.0だったが、2番手以下は離れており35.0 – 59.4 – 33.6程度の上がり勝負ラップだったと推測
・中枠からスタートすると促していって中団前目の外を追走した、勝負所では残り700m付近から進出を開始すると好位の外目から直線へ、直線ではそれなりに伸びていたが前との差を詰められるほどではなく4着と2馬身差の5着まで
・ラスト3Fは前にいたジャックドールより0.1秒遅く、レース後鞍上が「休み明けのせいか反応がジリジリした感じでした」とコメントしていたように休み明けで大目標は次のジャパンCだったために仕上げられていなかったのに加え、2000mでの瞬発力勝負では分が悪かった

【10】ジャパンC:2着:1ヶ月:C.デムーロ
・追い切りはW、芝、坂路の併用で最終を坂路でまとめるのは同じパターン、メイチで仕上げるタイミングだったが特段速い時計が出されているわけではなく、調子が整っていれば速い追い切り時計はいらないタイプか
・レースは36.3 – 61.1 – 34.2の後傾2.1で、前半をスローで入ると残り5Fから0.3加速して12.1 – 11.7 – 11.4 – 11.3 – 11.5とラストまで伸びる展開
・外枠からスタートすると控えて中団後方の外を追走した、勝負所では残り4F手前から促されて前のユーバーレーベンについていくように加速していくと中団後方の外から直線へ、直線では上がり最速で伸びて抜け出したがラストは内の馬にすくわれて2着まで
・2400mで残り5Fから徐々に早まるラップと適正のある展開だったが、序盤スローで入りすぎた分ラストは瞬発力のある馬に交わされた形

5歳

【11】ドバイSC(ドバイメイダン2410m):5着:4ヶ月:C.デムーロ
・中枠から出負け気味のスタートを切ると控えて中団を追走した、道中は普段よりハミを噛んで行きたがっている様子だった、3角手前では後方の馬が差を詰めてきて後方になって3,4角へ、残り500m付近から追い出しを開始すると後方の外から直線へ、直線ではそれなりに伸ばしてはいたが他馬との差を大きく詰められるほどではなく5着まで
・レース後陣営は「ゲート内で待たされてテンションがあがり、ポジションを取りに行ったのですが、最後はしんどかったです」とコメントしていた
・展開もイクイノックスが逃げるようなスローになっており各馬の勝負所での動きから見るにスローからの瞬発力勝負になっていた様子で、この展開も向かなかったか

【12】札幌記念(稍重):11着:5ヶ月:横山武
・追い切りは函館のW、芝、ダートの併用で、2週前からは芝を主体に調整されていた、当週は終い重点の時計で併せ先着していた
・レースは雨の影響が残ったタフな稍重の中35.5 – 60.4 – 36.4の前傾0.9で、ラストは残り3Fから0.5加速して12.0 – 12.0 – 12.4という展開
・内枠からスタートすると出て行って1角までに挟まれるような不利があり、中団馬群を追走した、勝負所の3角からは前に勝ち馬を見る位置だったが4角までに離されて馬群に置かれるような形で後方から直線へ、直線では外に出されたが伸ばせず11着敗戦
・レース後鞍上は「馬場が悪いのは無理でした」とコメントしていた
・道悪、直線の短いコース、休み明けと向かない条件が多く嫌いたい局面だった
・レース後喉頭蓋エントラップメントを発症していることが判明し、手術を行なって次走に臨んでいた

【13】BCターフ(アメリカサンタアニタ2400m):3着:2ヶ月半:C.デムーロ
・最内枠からスタートすると中団のインを追走した、道中はやや行きたがるのを抑えられている様子だった、勝負所では最内の位置取りのまま3角から仕掛けられると4角に向けて外目へ出されて中団の馬群を突くようにして直線へ、直線では懸命に伸ばしたが先に抜け出した2頭には及ばずの3着
・4角から直線で内をスルスルと抜けてきた勝ち馬とは適性の差もあった印象で、コーナーがきつく直線の短いコースよりは大箱で直線の長いコースの方が向く
・次走は香港Vへ選出されていたが、出走3日前に不整脈で出走取り消しとなり、有馬記念へ矛先を変更することとなった

【14】有馬記念:5着:1ヶ月半:松山
・追い切りは中山競馬場の芝で4Fから馬なりが1本で、状態はできていた可能性はあるが、状況的に万全ではなかったことは確か
・レースは30.2 – 60.4 – 35.9で、タイトルホルダーが1角付近から2番手を4馬身ほど離して後続はスローの展開、勝負所ではタイトルホルダーのラップは大きく加速していないにも関わらず後続との差は詰まらず、すなわち2番手以下も加速しておらず4角で好位にいた馬に向いた展開、ラスト4Fは12.0 – 12.0 – 11.7 – 12.2と残り2Fからやや加速
・内枠からスタートすると出て行って好位のインで2着馬をマークする位置を追走した、道中は終始最内をまわってスムーズに追走すると、勝負所では残り3F手前から促されて好位のインから直線へ、直線では先に抜けていた組を追いかけてよく伸ばしたが、前には迫りきれず、外から1頭に差されての5着
・内枠から終始最内をまわる完璧な競馬ではあったが、瞬発力よりは高速馬場での持続力勝負が向くことからやはり直線が長いコースの方が向く印象を受けた、加えて2400m付近の距離で非休み明けだとパフォーマンスアップすることを再確認

■ディープ×米国型という血統ながら超瞬発力タイプではなく、ダービーのように高速馬場で長く持続的な脚を使う展開に適性があり、「東京2400mやメイダン2410mなど直線の長いコースでのロングスパート」が最も向く条件である(OPクラスでの上がり最速はこれに該当したダービー、ジャパンC2022の2度しか使っていない)、2000mよりも長めのスパートになりやすいという点で、2400mがより適した条件である
■管理の藤原厩舎はしっかり叩きを使って本番にピークを持ってくる印象のある厩舎で、本馬も叩きとメイチを明確に分けられているような戦歴であり、厩舎としても狙いのレースのタイミングで馬券も勝負したいタイプ
■神戸新聞杯、札幌記念と2度使った道悪ではいずれも結果が出ておらず、血統からも想像される通り時計のかかる馬場よりは高速馬場が向くタイプ
■今年も次走はBCターフに参戦予定であり、ここが叩き台なのは明らか、相対的に時計のかかる洋芝であることや直線が短いコースであることもマイナス材料で、基本的には評価しない、有利な内枠に入った時に再考する程度で

Gregory

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